日本テレビ系で放送中の「良いこと悪いこと」は、2002年にタイムカプセルを埋めた小学生たちが、22年後の現在になって次々と不可解な死を遂げていくサスペンスです。
舞台は、小学校の同窓会で掘り出されたタイムカプセルと、そこに入っていた「夢のアルバム」。黒く塗りつぶされた6人分の顔写真、そして“忘れられた7人目”の存在が物語の核となっています。
この記事では、良いこと悪いことの犯人の最新考察や、キャラクター達の細かい考察を紹介します。
放送に合わせて随時アップデートしていく想定で、特に以下のポイントを毎週更新していきます。
【確定】良いこと悪いこと犯人は“宇都見”。全ての殺人の実行犯

9話までの時点で、「犯人(=連続事件の実行犯)」については、かなり明確に確定しました。ここでは、宇都見啓が犯人だと分かる根拠を、作中の描写ベースで整理していきます。
宇都見が“直接手を下した”決定打=ターボー殺害
宇都見が犯人だと決定づけた最大の根拠は、ターボー(小山隆弘)の殺害シーンです。
宇都見は小山の会社を訪れ、小山が掴んだ瀬戸紫苑の情報と引き換えに、“事件解決”をほのめかします。そこで話はVRゴーグルを使った流れになり、宇都見が「暗くなった」と異変を口にする。小山が確認のためゴーグルを装着し、宇宙映像が映っている最中に、宇都見が背後から首を絞めて殺害します。
この場面は、推測や状況証拠ではなく、「誰が手を下したか」が映像として明確に描かれています。その点で、犯人特定として非常に強い決定打でした。
宇都見の自白=「これまでの犯行は全部自分」
ターボーが殺された後、宇都見は高木の前に現れ、「小山だけではなく、これまでの犯行はすべて自分がやった」という趣旨の内容を打ち明けます。
この時点で、視聴者側の整理は一気に進みます。
- 宇都見は“犯人候補”ではない
- すでに連続事件の実行犯として確定している
だからこそ、10話の焦点は「誰が犯人か」ではなく、「なぜそこまで至ったのか」「事件の全貌は何か」という段階へ移っていきます。
動機=瀬戸紫苑の死(婚約者としての復讐)
宇都見の動機についても、9話で筋道として提示されました。
瀬戸紫苑は、宇都見の婚約者だった。
そして、高木が再び紫苑の前に現れたことで、過去のいじめのトラウマが蘇り、紫苑はピアノが弾けなくなっていく。結果として、紫苑は命を絶ってしまった。
宇都見は、その出来事への復讐として連続事件を起こした、と語ります。
「刑事がそこまでやるのか?」という違和感は確かに残ります。ただ、ドラマとしてはその違和感を避けず、“復讐の倫理”を真正面から描こうとしています。正義の側にいるはずの人間が、復讐の側に転じてしまう。その歪みこそが、宇都見という人物の怖さでもあります。
確保=追悼コンサート会場でSIT突入
9話のクライマックスでは、追悼コンサートの会場で宇都見が「カノン」を演奏し、高木が刃物を手に近づいた瞬間、SITが突入します。そこで宇都見は取り押さえられ、物理的にも事件から排除されました。
「犯人の特定」だけでなく、「確保」までがきちんと描写されているため、9話時点では宇都見=犯人という整理で問題ありません。
【確定】良いこと悪いことの“真犯人”の考察

第9話で「宇都見=連続事件の実行犯」が明かされましたが、最終回で“真犯人”の輪郭まで決着しました。
ここでは「誰が、どこまで関与していたのか」を整理しつつ、このドラマが最後に突きつけた“最悪のゴール”を、ロジックで噛み砕いていきます。
結論|真犯人は「今國一成×東雲晴香」ラインまで含めて確定、宇都見は“実行犯”だった
最終回で確定したポイントを、役割で分けると見え方がクリアになります。
- 宇都見啓:瀬戸紫苑の死をきっかけに復讐へ踏み切り、事件への関与を自ら告白した“実行犯”ポジション
- 今國一成/東雲晴香:宇都見の逮捕後も事件の裏が動き、最終的に「連続事件に関与していた」ことが明かされる“真犯人側”ポジション
ここが重要で、ドラマはわざと「犯人=宇都見」で視聴者の思考を一度止めてから、最終回で「じゃあ“真犯人”って何?」を更新してきました。
宇都見が捕まった後に、今國と東雲の関与が明らかになる流れは、まさにその設計です。
真犯人側の“設計図”|事件は同窓会より前に始まっていた(卒アル黒塗りとDVD入手)
最終回で明かされた「怖さの芯」はここです。
あの卒業アルバムの黒塗りは、同窓会当日に偶然起きた出来事ではなく、同窓会より前から“誰かが始めていた”。さらに、夢を語るDVDも入手したうえで動いていたことが語られます。
つまり真犯人側は、
- 対象者(6人)を固定する
- 黒塗りでスイッチを入れる
- DVDや当時の記録を材料にして、過去の罪を現在へ引きずり出す
この順番で、復讐を「事故」ではなく「構造」にしていました。
ここまでやられると、もう途中で止めようがない。だからこそ、最終回の後味が重いんですよね。
殺害順のカラクリ|「森のくまさん」ではなく“イマクニに連れて行った順”だった(ミスリード回収)
9話までの視聴者の多くは、「森のくまさんの替え歌の順番で狙われる」と読んでいたはずです。でも最終回でひっくり返るのが、順番のルール。
真犯人側が握っていた“順番”は、歌ではなく、キング(高木)がスナック「イマクニ」に連れて行った順だった、という説明が入ります。
この回収が上手いのは、
- 視聴者は「歌」という分かりやすい規則に飛びつく
- でも本当の規則は、もっと現実的で、もっと個人的な行動履歴
- つまり「お前が作った導線で、お前の仲間が死んでいく」という地獄
ここでドラマのテーマは、「犯人当て」から「加害のツケはどう回るか」へ完全に切り替わります。
真の目的が一番えぐい|“キングを殺人者にする”という歪んだゴール
最終回が“真犯人”として刺さるのは、動機が「復讐」だけでなく、目的がさらに一段深くて残酷だからです。
宇都見が捕まった後、今國は宇都見の残した拳銃を渡し、キングに「自分を撃て」と迫る。そしてその要求は、単なる自暴自棄ではなく、もっと冷たい狙いとして説明されます。
キングが子どもの頃に語っていた「ヒーローになる」という夢を、最悪の形で“叶えさせる”。
- 同級生を殺された復讐として人を撃つ
- キングを犯罪者にする
- “みんなのヒーロー(皮肉)”に仕立てる
という、歪んだゴール設定です。
ここは脚本の勝ちだと思いました。
「更生」や「反省」では済まない地点までキングを追い込み、「お前はどうする?」を視聴者にも突きつける。タイトルの「良いこと悪いこと」が、最も鋭く刺さる瞬間です。
伏線回収|宇都見の口の動き「あとは頼んだ」は誰へのバトンだったのか
9話ラスト、宇都見が確保される直前の口の動きが「あとは頼んだ」に見えた、という違和感。最終回まで見て振り返ると、この“バトン”の相手は、今國と東雲のラインで読むのが自然です。
- 宇都見は実行犯として前に出て逮捕される
- その後、世論を動かす記事が出て、キング一家が社会的に追い詰められる
- さらに今國と東雲の関与が明かされ、最後の選択が突きつけられる
宇都見が逮捕された時点で事件が終わるなら、「あとは頼んだ」は不要です。
必要だったのは、“殺人事件の終わり”ではなく、“キングへの最終局面”が残っていたから。そう考えると、9話の違和感が一気に意味を持ちます。
ここからの考察|真犯人が狙ったのは「死」より「一生続く罰」だった
ここまでが、最終回で整理できる確定ライン。
ここから先は、僕の解釈です。
真犯人側が本当に欲しかったのは、6人を殺すことそのものではなく、「殺さなくても壊せる」ことの証明だった気がします。
- 記事で世間を動かす
- 仕事や家族の生活に“落書き”や“いじめ”として返ってくる
- 最後は銃で「お前の手で終わらせろ」と迫る
これは、死よりも長い。
生きて背負う罰を“選ばせる”復讐です。
そしてキングは撃たない道を選び、独占インタビューで過去の過ちを公表していく。
ここがラストの救いであり、同時に一番苦いところでもあります。許されるわけじゃない。でも、逃げないことはできる。
このドラマは、真犯人が確定した瞬間に終わる作品ではなく、真犯人が確定したあとに“視聴者の結論”を問う作品だった。僕はそう受け取りました。
真犯人の目的は「復讐で終わらせない」。“いじめ”そのものを社会に裁かせるため

最終回でハッキリしたのは、今國と東雲がやりたかったのが「キング(高木)を苦しめて終わり」ではない、という点です。
もちろん動機の根っこには、紫苑の死と、彼ら自身が受けた“いじめ”への怒りがある。でもその怒りを「個人への報復」で完結させず、“いじめという構造”に突き刺す形へ変換していたのが、あの計画のいちばん異様で、いちばんロジカルな部分でした。
具体的には、今國が宇都見の拳銃をキングに渡し、「俺を撃て」と迫る。
しかも筋書きは、キングが“連続殺人の真犯人を殺した”ように見せ、結果として「高木将容疑者」として世間に報じられる未来まで織り込んだ設計でした。
ここが重要で、真犯人側が狙っていたのは「キングの命」そのものではなく、「キングの立場」――つまり、いじめの加害者が無傷で逃げ切れてしまう構造を壊すことだったんですよね。
キングに今國を撃たせる計画の狙い=“加害者を犯罪者として可視化”する装置
もし恨みだけが目的なら、キング(高木)を直接殺す選択肢もあったはずです。
でも真犯人側は、それをしなかった。理由はシンプルで、直接殺した瞬間に、世間の物語が「復讐した側=悪」で終わってしまうから。
- 被害者が加害者を殺す
→「復讐は良くない」で片づく(いじめの論点が薄まる) - 加害者が被害者を殺す
→「いじめが人を殺す」に直結する(いじめの責任が逃げにくい)
今國がやったのは、後者を成立させるための“舞台装置化”です。
キングに「撃つ/撃たない」を突きつけることで、過去に“いじめで人を追い込んだ側”が、今度は自分の手で「命を奪う側」に落ちるかどうかを迫られる。
だからこそ、あれは単なる復讐ではなく、“審判”のように見えました。
東雲が報道を止めない理由=事件を「制度」に接続するため
ここで東雲の役割がはっきりします。
東雲は「事件を記事にし続ける」「いじめを取り締まる法律を作る」とまで言い切っている。つまり、彼女の武器は暴力ではなく、言葉と継続です。
構図を整理するとこうなります。
- 今國の計画
→ キングの手を汚させ、世間に“加害者の実名級の重さ”を背負わせる - 東雲の計画
→ その出来事を風化させず、社会の空気を変え、最終的に制度(法律)側へ圧をかける
要するに、「復讐のニュース」で終わらせず、社会の宿題に変えるための二段構え。
ここまで来ると、真犯人側の目的はもう“恨みの解消”ではなく、「次の被害者を作らない」に近づいているんですよね。
なぜ「高木だけを殺す」にしなかったのか。真犯人の目的から逆算すると腑に落ちる
ここは読者が一番ひっかかるところだと思うので、因数分解します。
1)個人を殺しても、いじめは残る
高木を消したところで、別の学校、別のクラスで同じことは起きる。
真犯人側の視点では、それは“負け”。紫苑たちが苦しんだ構造が温存されてしまうから。
2)「いじめ」を犯罪として扱わせるには、社会が無視できない事件が必要
だから“加害者が殺す”という最悪の絵を描いた。
世間が目を背けにくい形にするためです。
3)キングに「選ばせる」こと自体が、いじめへのカウンターになっている
いじめは相手に選択肢を与えない。逃げ道を奪う。
だからこそ、真犯人側は逆にキングに選択を突きつけた。
これは正義かどうかは別として、やっていることが“いじめの鏡写し”で、正直ゾッとします。
最後にひと言だけ熱くなると、このドラマの本当の怖さは「誰が殺したか」ではなく、「正しさのために、悪を選ぶ人間が存在する」という点にあると思っています。
“いじめをなくす”という目的は綺麗なのに、そのためのやり方があまりに汚い。
だから見終わったあと、スッキリでは終われない。胸の奥に重さが残り続ける。そこまで含めて、『良いこと悪いこと』というタイトルの回収だったと思います。
現在の黒幕候補一覧。良いこと悪いことの犯人は誰?

主人公のキング、園子は犯人候補から抜き、他のキャストの中で怪しい人物について考察していきます。
【候補A:同級生ライン】
小山隆弘(ターボー)※死亡
ターボーは、子どもの頃から「場を回すタイプ」のムードメーカーで、現在はIT系の仕事で成功している“勝ち組”側の人物です。
明るくノリが良く、将ともツッコミ合いができる距離感にいて、同窓会メンバーの中では比較的フラットに誰とでも話せるポジションに立っています。
怪しいポイントとしては、事件に関する情報のバトンが「羽立の部屋」から「ターボー」へと渡っていること。合鍵で羽立の部屋に入る描写や、掲示板や写真など“デジタル情報”に最もアクセスしやすい立ち位置は、情報操作役として十分な条件が揃っています。
一方で、本人も命を狙われる側に回っているため、「全面的な黒幕」というよりは、ある段階まで“駒として利用された中間ポジション”の可能性も拭えません。
ただ、9話で刑事の宇都見によって殺害。VRゴーグルで宇宙の映像を見ながら死んでしまいました。
ターボ−についての記事はこちら↓

森智也(博士)
森智也は、小学校時代の写真の端にだけ映り込んでいた“7人目”であり、同窓会メンバーからほとんど記憶されていなかった「忘れられた存在」であることに変わりはありません。
しかし8話で「花音の担任・森先生」として現在パートに本格的に登場したことで、その立ち位置は以前よりも複雑な層を帯び始めています。
博士として掲示板を操り、将たちを真相へ誘導してきた流れは確かに“物語の設計者”的ですが、一方で自分を「いい先生」と信じ込みつつ、いじめを止められなかった過去に怯え、「本当は助けたかった」と涙をこぼす姿は、冷徹な黒幕像とは大きく異なります。むしろ、罪を抱えた“加害者側の一人”として描かれ始めた印象が強い。
もちろん怪しさが消えたわけではなく、タイムカプセルや「みんなの夢」DVDの所在を把握していたこと、「僕も悪い子だとバレたら殺される」と語るように、犯人のロジックを深く理解している点は依然として重い伏線です。
連続死の動機の核心にいる存在であることは間違いなく、博士として復讐劇の“語り部”を担ってきたのも事実。したがって完全なる黒幕と断定はできなくとも、「真犯人に最も近い被害者兼共犯者」という、非常にグレーな帯域に立っている候補と見ておくべきポジションだと言えます。

土屋ゆき(ゆっきー)
ゆっきーは、クラスの女子グループの中で「場を読んで動くタイプ」の一人。完全なリーダーではないものの、空気を和ませたり、話題を変えたりする役回りが多く、今も昔も“サブリーダー的”ポジションにいます。将や園子に対して表立って攻撃することは少ないものの、場の流れをスッと変える一言を差し込むのがうまい人物です。
怪しいポイントは、事件や過去の話題が核心に近づいた瞬間に、「まあまあ」「今それ言っても仕方なくない?」といった空気読みの一言で、議論の矛先や温度を調整してしまうところ。
直接手を下している印象は薄いですが、情報の出入り口をさりげなくコントロールしているようにも見えます。また、“あの日教室で何があったか”について、覚えているはずのことを曖昧に流している気配もあり、「黒幕そのもの」というより、黒幕に近い立場で“場を転がす協力者”になっている可能性は十分にあります。

豊川賢吾(トヨ)
トヨは、昔からお調子者寄りのムードメーカーで、現在も冗談や軽口で場を明るくしようとするタイプ。
同窓会メンバーの中では、最も「深刻さを笑いに変えようとする」性格が強く、重い話題になりそうなときほど軽いテンションで逃げようとする傾向があります。
怪しいポイントは、森や博士、いじめの過去といったセンシティブな話題になると、真っ先に「覚えてない」「そんなことあったっけ?」と話を逸らしたり、笑いに変えようとするリアクションの多さです。単に臆病で過去を直視したくないだけにも見えますが、「本当は覚えているのに、覚えていないフリをしている人間」の典型的な反応にも見えるところが怖いところ。
同級生ラインから黒幕を出すなら、「被害者ポジションを維持しつつ、裏では情報を握っている人物」として、トヨはかなり上位の候補に入ってきます。

せとしおん(瀬戸紫苑)※死亡
瀬戸紫苑は、8話で“もう一人のドの子”として存在が浮上し、9話で事件の起点=宇都見の復讐の根として輪郭が固まった人物です。
ここは「黒幕候補」として扱うよりも、“連続事件が生まれた理由そのものを握る被害者枠”として整理したほうが、記事全体のロジックが締まります。
【9話で判明した紫苑の事実(確定情報)】
紫苑は、小学生時代の「もう一人のドの子」です。森の説明では、5年生のクラス替え直後に高木たちからいじめを受け、夏休み明けに転校。その後に園子が転校してきた、という時系列が示されています。
高木・園子・ゆきが紫苑の実家(すでに空き家)を訪れ、郵便物の中から「紫苑×宇都見啓」名義のハガキを見つけたことで、紫苑が宇都見の婚約者だった事実が判明します。
さらにスナック「イマクニ」で、紫苑が1年前くらいに亡くなっている、つまり現在ではすでに死亡していることが語られます。
加えて、園子の調査線から、紫苑が転校後に「タクト学園」にいたこと、そこで追悼コンサートが行われることが明らかになり、その流れが宇都見確保の場へと繋がっていきます。
【考察:紫苑は“真犯人”ではなく、真犯人を炙り出す鏡】
紫苑はすでに亡くなっているため、少なくとも「現在パートで誰かを物理的に殺して回る実行犯」ではありません。
それでも紫苑の重要度が落ちないのは、彼女が
・宇都見の復讐の動機の核であり、
・高木たちが22年前に見落とした、あるいは忘れた、もしくは無かったことにしたものの象徴であり、
・最終回における「真犯人」という言葉の意味をズラす装置になっている
からです。
もし最終回で“真犯人”が指し示されるとすれば、それは「宇都見の背後にいる黒幕」だけではなく、紫苑の死を決定づけた原因そのもの──過去のいじめ、大人の隠蔽、誰かの嘘や見過ごし──に重心が置かれる可能性も十分にあります。

羽立太輔(ちょんまげ)※死亡
ちょんまげは、クラスの中ではいじられキャラ寄りで、やや存在感が薄かったタイプ。
ところが現在パートでは、博士と掲示板でやり取りし、鷹里小へ足を運ぶなど、“真相に一番近い位置”へ自ら踏み込んでいく役を担います。将たちと比べても、事件の中心に飛び込んでいく行動力が強く、視聴者を真相へ導く「案内人」のような立場でした。
怪しいポイントとしては、「博士に唯一アクセスできる同級生」であり、「ポスター写真の端に写る森の存在に最初に気づいた人物」であること。理屈の上では、ちょんまげが博士=森と結託して、同級生たちを翻弄していた可能性もゼロではありません。
ただ、実際には森と接触したのち命を落としており、死に方も完全に“口封じ”の匂いが濃い。現時点では、黒幕というよりも「真相に最も近づいてしまったがゆえに消された媒介者」という位置づけで見る方が自然です。

小林紗季(委員長)※逮捕
紗季は、かつてのクラスで「委員長」と呼ばれていた優等生タイプで、子どもの頃から“正しさ”を掲げるポジションにいました。
現在は、弟を報道被害で亡くした過去を抱え、その怒りと悲しみを、園子やメディアそのものに向けている人物です。園子に「正しいことをしよう」と迫りつつ、自身は記者へのリークを通じて炎上を煽っていた二重構造が明かされています。
怪しいポイントは、「正義」を掲げながらも、その正義が他人を追い詰める暴力へと変質していく危うさです。園子への攻撃、リーク行為、その結果としての炎上は、連続死事件と同じく「正しさ」という名の私刑に近く、物語全体のテーマと強く共鳴しています。
ただし、紗季自身はすでに逮捕されており、連続殺人に関しては“園子攻撃の実行犯の一人”という立場にとどまっています。黒幕候補としては、「連続死そのものを設計した人物」ではなく、「外側の情報操作を担った重要な駒」「黒幕像を理解するための鏡」として見るのが妥当でしょう。

【候補B:学校関係者ライン】
大谷典代(元担任・現校長)※死亡
6年1組の担任教師であり、現在は鷹里小学校の校長として君臨していた人物。タイムカプセル企画や「夢のアルバム」を主導した張本人で、子どもたちにとっては「先生=大人側の象徴」でもある存在です。
怪しいポイントとしては、まず事件の“起点”に一番近い大人であること。タイムカプセルの保管場所や当時の指導内容、いじめをどこまで把握していたのかなど、「情報を最も持っていた側」です。子どもたちの“黒歴史”を知る立場にいたからこそ、連続死の設計図に関わっていてもおかしくないポジションでした。
一方で、大谷自身が第4の被害者として凍死で発見されたことで、長期的な黒幕像からは一歩退く形に。むしろ「口封じされた可能性のある人」「大人側の罪を象徴する犠牲者」という見方が強まっています。もし真犯人が別にいるとすれば、大谷は
・過去のいじめや事故の詳細を知っていた
・タイムカプセルやアルバムの扱いに不正があった
・その事実に気づき、何かを正そうとした
ことで、標的にされたとも読めます。犯人と連絡をとっていた人物であり、犯人に指示されて、黒塗りの卒業アルバムをタイムカプセルに入れた張本人となっています。最後に犯人にもうやめませんか…と言い亡くなりました。
つまり、最初期は「黒幕候補の筆頭」だったものの、現在は「事件の全貌に近づきすぎた結果、消された人」「教師側の責任を体現する存在」としての意味合いが強いポジションです。学校関係者ラインを追う上では、大谷が何を知っていたのか、どこまで見て見ぬふりをしていたのかが、今後も重要な手がかりになりそうです。

その他教師・学校OB
大谷以外の教師や、当時の学校関係者・OBたちも、黒幕候補としては完全には外せないラインです。特に
・当時の管理職層(教頭・校長など)
・教育委員会やPTAなど、学校を取り巻く大人たち
・現在も地域で影響力を持つOB
といった人々は、「いじめや事故を知りつつ、学校の評判を守るために隠蔽してきた側」である可能性があります。
怪しいポイントとしては、連続死事件が「単なる同級生間の復讐」では済まない規模で、世論やメディアを巻き込んでいること。黒塗りアルバムの管理、タイムカプセルの扱い、掲示板や報道への情報リークなど、子どもたちだけでは難しい“情報操作の匂い”が随所にあります。そこに、大人側の協力者や設計者が関わっていると考えるのは自然です。
ただし現時点では、具体的な名前や動機がはっきり提示されている教師・OBは少なく、「大人側の誰かが関与していそう」というレベルに留まっています。
・学校全体として「なかったこと」にしてきた歴史
・地域ぐるみで隠された過去の不祥事
・子どもたちの証言を握りつぶしてきた構造
こうした“見えない加害”の象徴として、「その他教師・学校OB」というグループが浮かび上がっている段階です。
同級生ラインだけでは説明しきれない部分──例えばメディアとのつながりや、警察がすぐに踏み込めない背景など──が描かれていけば、ここから具体的な一人が黒幕として立ち上がってくる可能性はまだ十分に残っていると言えます。
【候補C:イマクニ】
イマクニライン全体としては、
- 今國=情報ハブ&怪しさ満点のマスター
- 宇都見=警察視点と同級生視点をつなぐ橋渡し
という二人を軸に、「事件の真相に最初から触れていたのに、まだ本気を出していない大人たち」という構図が見えてきます。ここからどちらか一方、あるいはコンビで“黒幕に近い役割”を担ってくるのか、それとも最後まで「真相の立会人」で終わるのか——終盤に向けて、要注視のラインです。
今國一成
スナック「イマクニ」のマスターで、高木たちがいつも集まる“ホーム”のような場所を切り盛りしている人物。場を明るくするムードメーカーで、冗談を交えながらも客の話をよく聞いている、いかにも「昭和スナックのマスター」像に寄せたキャラです。
ただ、物語構造的に見ると、「登場人物たちが重要な情報を持ち寄る“ハブ”」を任されている存在でもあります。事件の進展や、タイムカプセル組の近況が自然に集まる場所にいて、しかも常にカウンター越しにそれを見ている立ち位置。情報量だけで言えば、同級生たちと警察・メディア双方の動きを一番俯瞰できるポジションです。
8話予告で流れた「やっと気づいた」という謎の声が、今國の声ではないかと視聴者の間で疑われているのもポイント。もし本当に今國の声だとすると、「イマクニ」という安全地帯だと思っていた場所そのものが、黒幕側の“舞台装置”だった可能性が一気に浮上してきます。
一方で、あまりにも「犯人かも?」と視聴者に想像されやすいキャラでもあるので、ミスリード要員として配置されている可能性も高いライン。現時点では
- 情報ハブとして“黒幕でもおかしくない”位置にいる
- 予告の声など、あえて疑わせる演出が積み上がっている
という意味で怪しさは十分。ただし、具体的に事件の設計や実行に関わった決定的な描写はまだなく、「黒幕候補というより“観察者兼トリックスター”ポジションの匂いが濃い」という段階です。

宇都見啓 ※逮捕
レトロスナック「イマクニ」の常連客として登場し、第4話ラストで“実は刑事だった”と判明した人物。普段はノリの良い飲み友達のように見えますが、実は事件の捜査情報にもアクセスできる立場で、高木たちの会話をさりげなく聞き出す役回りも持っています。
視点を変えると、宇都見は
- 同級生たちの“本音モード”をイマクニで聞ける
- 一方で、警察内部の捜査状況も把握している
という、物語中でもかなりレアな「二つの世界をまたぐ」ポジションです。
第9話「カノン」で、宇都見啓はそれまでの“怪しい大人枠”ではなく、連続事件の実行犯として表に出た人物になりました。
警察関係者でありながら同級生たちの周辺にも自然に入り込む「情報ハブ(警察×同級生をまたぐポジション)」として漂っていた違和感が、この回で一気に“答え合わせ”される構成です。
【9話で確定したこと(時系列で整理)】
高木・園子・ゆきが瀬戸紫苑の手がかりを追う一方で、宇都見は“ターボー”小山のもとを訪れます。
小山がVRゴーグルを勧めた流れの中で、宇都見はゴーグルの「暗転」を利用する形で小山を絞殺。第9話では、宇都見がその場で手を下せるフィジカルと胆力を持つ人物であることが、映像としてはっきり示されました。
さらに宇都見は高木の前に現れ、小山だけでなく、これまでの犯行も「全部自分がやった」と自白します。ここは事実として断定するのではなく、「宇都見自身の供述」として整理しておくのが安全なポイントです。
動機として語られたのは、瀬戸紫苑の死でした。高木が再び紫苑の人生に影を落としたことが引き金となり、復讐として連続死を実行した――という筋が、宇都見の言葉として提示されます。
そしてラストでは、追悼コンサートの場で宇都見が確保され、物語上「犯人が表に出た」状態のまま最終回へと引き継がれます。
【ここからは考察:それでも“真犯人”の余地が残る理由】
ただし、最終回の公式コピーが「真犯人、だーれだ?」となっている以上、宇都見=事件の終点とは言い切れません。
ここは、「犯人=宇都見(実行)」と「真犯人=別軸(設計や原因)」を意図的に分離した演出だと見るのが自然です。
ひとつは、
「誰が直接殺したのか」と「誰が紫苑を死に追い込んだのか(原因を作ったのか)」が別問題になっている可能性。
もうひとつは、宇都見が自白した「全部」の中に、協力者の存在や、宇都見自身が見落としているピースが含まれている可能性です。黒塗りアルバム、掲示板、情報の流通経路などを考えると、物理的に一人で回し切れるのか、という論点はまだ残っています。

【候補D:週刊アポロ】
松井健
週刊アポロの新人社員で、園子の10歳以上年下の後輩ポジション。編集部の中では、取材というよりも資料整理やパネルづくりなど、現場とデスクの橋渡し的な雑務も多くこなしている印象のキャラクターです。
一見すると「右も左も分からない新人」で、事件の渦中に自分から飛び込んでいくタイプではなさそうに見えますが、だからこそ黒幕候補としては逆に気になる存在になっています。
怪しいポイントとしては、園子が事件を追う中で園子の等身大パネルを、ぶん殴るシーンがありました。。
- 園子が“真相に近づきかけた瞬間”を、結果的に妨害している
- 事故とはいえ情報の可視化を止める行動が、黒幕側にとって都合の良い働きになっている
とも解釈できます。
また、新人ゆえに編集部のあらゆる雑務を任されていると考えると、
- 取材データや写真・映像素材の保管場所を把握している
- 上司のパソコンに触れたり、資料を運ぶ名目で重要情報にアクセスしやすい
という、情報操作役としては実は非常においしい立ち位置でもあります。
一方で、年齢的に2002年当時の6年1組とは無関係の世代であるため、連続死事件の「原体験」には関わっていないはずです。もし黒幕側にいるとすれば、
- 真の設計者に後から取り込まれた“実働部隊”
- 園子への好意や憧れを利用されて、無自覚のまま協力させられている
といった、「二段構えの加担者」という位置づけになりそうです。主犯というよりは、真犯人の手足として動いている可能性があるタイプの黒幕候補といえます。

東雲晴香
東雲晴香は、園子と同期入社の週刊アポロ記者。年齢もキャリアもほぼ同列で、編集部の中では「同じ戦場を走ってきた仲間」ポジションです。
園子とは良きライバルでありつつ、時にブレーキ役・時にアクセル役として横に立つ、いわば“職場で一番近い大人”でもあります。
そんな東雲が黒幕候補として名前が挙がる理由は、彼女の立ち位置があまりにも「事件の核心に近い情報の交差点」だからです。
- 園子の過去(鷹里小での出来事)を、社内の誰より詳しく聞ける位置にいる
- 週刊アポロの看板企画として「良いこと悪いこと」事件を追い続けており、情報の集約点になっている
- 編集部と現場の両方にパイプがあり、記事の方向性にもそれなりに影響を与えられる
という意味で、彼女は「同級生ライン」と「メディアライン」をつなぐハブのような存在です。
怪しいのは、そのスタンスが一貫して“園子の味方”に見えながらも、結果として園子を過酷な状況に追い込みがちな点。
- 園子の正義感をよく知っているからこそ、「あなたならやれる」と煽るように危険な取材へ背中を押す
- 園子の弱み(トラウマや罪悪感)にも触れられる立場のため、もし意図的に情報を引き出して第三者へ流すならやり放題
といった、二面性を持てるポジションにいます。
さらに、東雲自身は鷹里小6年1組の輪には属していない、いわば「外部の34歳」です。このことは
- 同級生たちの過去に直接縛られていないぶん、冷静に“ネタ”として事件を見られる
- 逆に言えば、6年1組の誰かと秘密裏に繋がっていても、視聴者からは気付きにくい
という、物語上の利点にもなっています。
ただし、今のところ東雲には「森智也とどのように接点を持ち得るのか」「なぜここまでリスクを負って事件に関わるのか」という決定的な動機が描かれていません。
そのため現段階では
- 週刊アポロ側から黒幕に繋がる“窓口”候補
- 真犯人に近い情報を持ちながら、どこかのタイミングで裏切りまたは告発役に回る可能性
といった「グレーな立ち位置のキーマン」として見ておくのが妥当そうです。

良いこと悪いことの主要キャラについて解説

連続死事件の渦中にいる同級生たちの中でも、「物語の軸」を握っているのが高木将(キング)と猿橋園子です。
二人とも“あの日の教室”にいた当事者でありながら、現在は事件を追う側・巻き込まれる側として物語を動かしている存在。
ここでは7話までの情報を前提に、二人の人物像と物語上の役割、そして「犯人/黒幕」ラインとの距離感を整理していきます。
高木将(キング)
高木将は、6年1組の“中心人物”だった存在です。
あだ名が「キング」という時点で象徴的ですが、子どもの頃から周囲を振り回しつつも、結局みんなが彼の周りに集まってしまう“クラスの太陽”のようなポジションにいたことが各話の回想から伝わります。
現在は地元で塗装会社を継いだ三代目社長で、仕事も家族もある「ちゃんと大人になった側」の人間として描かれているのが特徴です。
一方で、娘・花音が通う小学校で似たような構図が再生産されてしまっていることからも分かるように、将自身は「大人になった今も、あの日の教室から完全には抜け出せていない」。
その未解決の後悔と責任感が、事件に深く関わっていく動機になっています。
将のポイントを整理すると、だいたい以下の三つです。
- 視点人物としての立ち位置
- “キング”だった過去と「本当は止められたのではないか」という罪悪感
- 父親として、花音を通じて再び“あの日”と向き合わされる構図
将は物語の中で、視聴者が感情移入しやすい“観測者”ポジションを担っています。
同窓生たちの死に動揺しつつも、「あの時、何が本当に起きていたのか?」を自分の足で確認しに行く能動性があり、刑事の宇都見や園子とも連携しながら真相に近づいていく。
ただし、真実に迫ろうとするほど、“キングとしての責任”も浮き彫りになっていきます。
小学生時代の将は、直接的な加害行為を主導していたわけではなくても、「空気を作っていた側」であり、彼が笑えばみんなが乗る、彼がスルーすれば問題が流れてしまう。その意味では、森智也を「なかったこと」にしてしまった教室の構造を作った片棒を担いでいたとも言えます。
黒幕候補として見ると、将には確かに“条件”は揃っています。
- 同級生たち全員の過去をよく知っている
- 現在も彼らに連絡が取れる立場
- 現場に足を運ぶ理由がある(花音・タイムカプセルの件)
一方で、7話までの描写を見る限り、将はむしろ「事件に翻弄される側」に寄っています。
彼自身も度々命の危険に晒され、家族を守るために奔走している。
もし将が真の黒幕であるなら、「自分の娘まで危険に晒す設計」をしていることになりますが、これまでの父親としての描写とは大きく矛盾します。
そのため現時点では、
- 事件の“中心に立たされる人物”であることは間違いない
- ただし、黒幕というよりは「罪を引き受ける役」「最後に真相を聞かされる側」に近い
というポジションにいると考えるのが自然です。
猿橋園子(どの子)
猿橋園子は、6年の途中で転校してきた“よそ者”であり、同時に「あの日の教室で起きた出来事の最大の被害者の一人」です。
小学生時代に器具庫に閉じ込められたトラウマから、現在もエレベーターに乗れないなどの後遺症を抱えており、「楽しかった思い出」として語られる同窓会の空気とは、根本的に見ている景色が違う人物として描かれています。
大人になった現在の園子は、週刊誌の記者として生きています。
“権力と戦うジャーナリスト”の顔と、“売れる記事のために人を追い詰めてしまう危うさ”の両面を持っているのがポイントです。
劇中でも、
- 過去の取材が原因で、紗季の弟が追い詰められた
- その責任を十分に自覚しないまま「正しいこと」を掲げていた
という事実が6話で突き付けられ、園子自身が“加害者側”に立たされる場面が描かれました。ここが、彼女のキャラクターを理解するうえでかなり重要な分岐点です。
園子は、過去と現在の両方で「正しさ」を信じて行動してきたはずなのに、その結果として誰かが傷ついている。
子どもの頃に教室で見た“いじめ”も、大人になってから書いた記事も、「自分は間違っていない」と思い込むことで、自分を守ってきた人物と言えます。
連続死事件との関わり方で見ると、
- タイムカプセルの件に最初から強い危機感を抱いている
- 黒塗りアルバムに対しても、誰よりも早く「これはおかしい」と声を上げる
- 記者としての嗅覚で、教師・メディア・地域社会の“見て見ぬふり”を掘り起こしていく
という意味で、園子は物語の“真相追及役”です。
しかし同時に、紗季から狙われ、実際に命を奪われかけた被害者でもあり、連続死の黒幕側にいるとは考えづらいラインに立っています。
怪しいというよりは、
- 「正しさ」の暴走が、二次的な加害を生んでしまう怖さ
- “被害者としての園子”と“加害者としての園子”が同じ一人の中にいるという二重性
を体現しているキャラクターだと感じます。
将との関係性で言えば、園子は「教室の外から入ってきた目撃者」です。
キングだった将が内部の空気を知っているのに対して、園子は“外から入って、異常さを肌で感じた側”。この二人の視点が揃うことで、初めて「あの日、教室で何が起きていたのか」が立体的に見えてくる構図になっています。
黒幕候補として見ると、
- 情報収集力や行動力は申し分ない
- しかし、自身も明確に標的にされており、殺されかけている
- 何より、森や博士ラインとの接続が“知らされる側”であって、“操る側”ではない
といった点から、連続死の設計者像とはややズレます。
まとめると、園子は
- 物語の倫理テーマ(良いこと/悪いことの線引き)を体現する人物
- 被害者であり加害者でもある、もっとも「人間くさい」キャラクター
- 黒幕ではなく、「真相を自分の言葉で語り直す役」を担わされている
そんなポジションにいると考えるのがしっくりきます。
この二人、高木将と猿橋園子を中心に据えると、「良いこと悪いこと」は単なる“犯人当てサスペンス”ではなく、「過去に見過ごしたことを、大人になった自分はどう引き受けるのか」という物語として見えてきます。
「良いこと悪いこと」の殺人のルールときっかけ

物語の軸にあるのは、「誰が・どんな順番で・どんな方法で死んでいくのか」という、冷酷なくらい几帳面な“ルール”です。
ここでは、そのスタート地点になった黒塗りの卒業アルバムと、物語が進むにつれて見えてきた「殺害のルールの拡張」について整理しておきます。
きっかけは黒塗りの卒業アルバム
すべての始まりは、22年ぶりに開かれたタイムカプセルでした。
同窓会で集まった高木将たち六年一組のメンバーは、当時の担任・大谷先生と一緒に、校庭に埋めたタイムカプセルを掘り起こします。中から出てきたのは、子ども時代の夢や将来の姿を描いた「夢のアルバム」。
ところが、そのアルバムは「思い出の品」というにはあまりにも不気味な状態になっていました。
- 六年一組の集合写真で、特定の六人の顔だけが真っ黒に塗りつぶされている
- 塗りつぶされた六人は、クラスの中でも特に目立つ“仲良しグループ”だった
- 写真以外のページには、当時の「夢」や「好きなこと」がそのまま残されている
同窓会の夜、その黒塗りの一人である武田敏生が転落死します。
子どもの頃「空を飛ぶことが夢だった」武田は、高所から落ちて命を落とす。夢のイメージを歪めたような死に方は、偶然にしては出来すぎている。
子供の頃になりたい夢に沿って殺害される
ここで視聴者にも、高木たちにも共有されるのが
「黒塗りの六人は“これから死ぬ人間のリスト”なのではないか?」
という恐怖です。
その後も、黒塗りの顔ぶれの一人ひとりが、「子どもの頃にアルバムに描いた夢」や「自分らしさ」に引き寄せられるようなシチュエーションで命を落としていきます。
・夢見た職業やシンボルに結びついた現場での死亡
・その人なら“やりそうなこと”を逆手に取った事故や自殺に見せかけた死
アルバムは、単なる思い出のタイムカプセルから
「お前たちの未来はもう黒で塗りつぶされている」
という宣告書に変わってしまう。ここが、連続死劇のスイッチが入るポイントです。
殺害のルール。黒塗り以外にも関係者も亡くなる
序盤では、「黒塗りの六人が順番に殺されていく」ように見えるため、「ルール=黒塗りの顔写真の本人だけがターゲット」と考えがちです。
ところが話数を重ねるごとに、ルールは少しずつ拡張・変形していきます。
まず前提として押さえておきたいのは、連続死には明らかな共通点があるということ。
- タイムカプセルを開けた六人が軸になっている
- 死に方は、それぞれの「夢」「将来の姿」「好きだったこと」とリンクしている
- 事故や自殺に見せかけつつ、偶然ではありえないタイミングと状況が重なる
ここまでは、あくまで「黒塗り六人」に閉じたルールです。しかし中盤以降、このルールから外れた死が起き始めます。
象徴的なのが、元担任で現校長の大谷典代です。
大谷はもちろん、当時の六年一組の生徒ではないため、アルバムの黒塗りの対象には含まれていません。それにもかかわらず、連続死の流れの中で命を落とす。
・子ども時代、教室で起きていた“良いこと/悪いこと”を知っていた立場
・タイムカプセルやアルバムを企画し、「未来の自分へ」メッセージを書かせた張本人
・にもかかわらず、森智也のような“忘れられた一人”を生んでしまった大人側
大谷の死は、「黒塗り六人の処刑」から一歩踏み込んで、
「当時、子どもたちの世界を管理していた大人もまた裁かれる対象」
になったことを示しています。
殺害ルールは徐々に拡張している…
・第一段階
黒塗りの六人=当時の“表側メンバー”が、夢をなぞるような形で次々死亡
・第二段階
黒塗りに含まれていないが、「あの教室の出来事」を知りながら何もしなかった大人たちにも矛先が向き始める(大谷校長など)
・第三段階(進行中)
直接の加害者だけでなく、沈黙していた同級生や、事件後の情報操作に関わった人間たちも含め、「あの日」をなかったことにしてきた全員が対象になりつつある
この拡張こそが、「黒塗り以外にも関係者も亡くなる」というサブタイトルの肝です。子どもの頃の“悪いこと”をしたのは誰なのか。いじめた本人だけなのか。
見て見ぬふりをしたクラスメイトは、本当に“良いこと”を選んだと言えるのか。その場を治めるためにスルーした教師は、免責されるのか。
連続死のルールは、回を追うごとに
「黒塗り六人の処刑」から「あの日の選択に関わったすべての人間への審判」
へと、静かにスケールアップしています。
その意味で、黒塗り六人の死は“序章”で、そこから先にこそ、このドラマの本当の怖さが潜んでいると感じます。
7人目“博士”と森智也の正体考察

掲示板に現れた「博士」という影
物語序盤、将たちが辿り着いたのが「鷹里小の森」という掲示板サイト。そこで“博士”と名乗っていたのが、現在の森智也です。
博士の特徴は、
- 6年1組にいた者にしか分からない内輪ネタを書き続ける
- 死亡順を“分かっているような”書き込み
- 「覚えているのは君だけだ」と感情に刺さるワードを落とす
というもの。
つまり博士は、
- 事件の観客ではなく“演出側”
- 教室内部を異様に知り尽くした人物
- しかも「忘れられた存在」
として序盤から匂わされていました。
7人目の同級生=森智也と、「忘れられた」という傷
7〜8話で博士と七人目が完全にリンクしました。
- 黒塗り六人に含まれない“端にいる子ども”
- タイムカプセルの話題になると記憶が曖昧になる“誰か”
- 仲良し六人組は本当は七人で、その七人目が“博士”と呼ばれた森智也
森の位置づけは、
- 6年1組の“何でも知っている子”
- しかし転校して物語からこぼれ落ちた
- 名前も顔も、記録にも残らず“記憶から消えた”
という極めて残酷な立場です。
黒塗りされた6人はまだ“罪を問われた存在”として記録されていますが、森は黒塗りすらされず、存在ごと忘れられた。
この「忘れられた」という事実が、森の根源的な怒りと痛みにつながっています。
花音の担任「森先生」としての現在
8話で判明した衝撃が、森くん=高木の娘・花音の担任教師だったこと。キングは「森」という名前を見ても気づけず、森は
「何度も会っているのに、気づいてさえくれなかった」
と怒りをぶつけます。
しかし、
- 花音には優しく“いい先生”として振る舞う
- いじめ防止ポスターを貼り続ける
- 「自分は良い先生でいたい」と思い込む
という“理想の自分像”に必死でしがみついている姿も描かれています。
DVDを奪われた瞬間に取り乱し、いじめ防止ポスターを破り捨てたのは、押し込めていた罪悪感があふれた瞬間。
その後、キングに
「悪い子が、いい子になろうとしてもいいだろ」
と言われ、森は涙を流します。
ここで森は、黒幕候補から「罪と赦しの狭間にいる人間」へと一段階描写が深まりました。
森は設計者なのか、それとも利用された駒なのか
8話の内容を見る限り、
森=全ての黒幕
という像はかなり薄れています。
理由は、
- 黒服が複数いそうな演出
- 森自身のスケジュールでは全犯行をこなすのは物理的に無理
- “証拠”になるDVDを破壊せずに渡している
という点。
現状で自然なのは、
- 森の怒りと動機は本物
- “博士”として復讐劇を語ってきたのも森
- しかしその怒りを利用している、より大きな黒幕がいる
という構図です。
その“協力者ライン”として8話時点で依然浮上しているのが、
- トヨ(同級生側のグレー)
- 東雲晴香(メディア側のキーマン)
- 今國・宇都見(情報の結節点)
という三つのレイヤーです。
もう一人の「ドの子」瀬戸しおんと森の関係
8話で最も重要だったのが、
DVDの最後に映っていた少女「瀬戸しおん」。
彼女が名乗った瞬間、
- キングが明確に動揺
- 森が「やっと思い出しましたね。」と告げるキング「ドの子。もう一人のドの子」と言う
という流れが描かれました。
ここから導けるのは、
- 園子とは別に“ドの子”と呼ばれた少女がいた
- その少女こそ瀬戸しおん
- 森はその存在を忘れられず、逆に同級生たちは完全に忘れている
- DVDは「もう一人のドの子」を思い出させるための鍵
という構図です。
森の涙の「助けたかった」は、
- 羽立(ちょんまげ)
- 園子
- 瀬戸しおん
いずれに向けられていてもおかしくなく、森の後悔の深さを象徴しています。
8話時点での森=博士ラインの結論
8話終了時点で整理すると――
- 博士=森智也は確定
- 森は“忘れられた七人目”かつ“復讐の語り部”
- だが黒幕ではなく「怒りを利用された駒」である可能性が急上昇
- 殺害実行や情報操作は“複数犯構造”で、別の協力者ラインが動いている
- DVDの瀬戸しおん登場で、森の動機は「園子の物語」だけでなく「もう一人のドの子」にも広がった
今後の焦点は、
- 森が事件の全体像をどこまで理解していたのか
- 森の背後で“ドの子二人”の復讐劇を操作していた黒幕は誰か
- 森がどんな贖罪を迎えるのか
という三点。
個人的な見立てとしては、
森は“真犯人ではなく、真犯人に最も近い被害者”として物語を終える可能性が高い。
そのうえで、瀬戸しおんの真実が明かされた瞬間、森の怒りがどう変質し、どんな最終行動に出るのかが、最終章の核心になるはずです。
最終回に向けての大予想まとめ
タイムカプセルと黒塗りアルバム、七人目の森智也(博士)、そして「良いこと/悪いこと」というタイトルが、最後に一つの線で結ばれるのはほぼ確実だと思います。
連続死の真相は、単独犯ではなく「忘れられた被害者」と「見て見ぬふりをした大人/同級生」が絡み合った役割分担型の犯罪として明かされるはずです。
そのうえで、高木将と園子が、自分たちの過去の選択をどう引き受けるのかがラストの一番の焦点になり、「あの日の教室で本当に裁かれるべきだったものは何だったのか」という答えが提示される、そんな終幕になると予想しています。
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