ドラマ「良いこと悪いこと」で、もっとも視聴者の心を揺さぶったのが羽立太輔――“ちょんまげ”の存在です。
かつて仲間に入りたくていじめに加担し、大人になってからは孤立した彼が、再びキングや園子と向き合い、そして“忘れられた7人目”博士と再会していく流れは、物語の核心へ繋がる大きな転換点となりました。
第7話・第8話で描かれた衝撃の出来事により、羽立は物語から退場する形になりますが、その死には明確な意味があります。
本記事では、ちょんまげの人物像、博士との関係、そして彼がなぜ命を落とすことになったのかを丁寧に紐解き、彼が背負っていたものを考察していきます。
良いこと悪いことの羽立太輔(ちょんまげ)とは

羽立太輔という人物像を前半から振り返る
まずは、羽立太輔という人物像を、物語の前半から振り返って整理します。
羽立太輔は、鷹里小学校2003年度6年1組の卒業生で、あだ名はそのまま「ちょんまげ」。
34歳になった現在は職もなく、ゴミが散らかったオンボロアパートに引きこもるニートとして暮らしています。東京工業大学に進学したものの中退し、幼い頃に父、のちに母も亡くし、完全に天涯孤独になってしまったという重いバックボーンを持つ人物です。
タイムカプセルに入れた「みんなの夢」の絵は、刀を構えた侍姿の自分。
侍=忠義/正義のイメージとは裏腹に、現実の彼は社会からこぼれ落ちた存在になってしまっている。そのギャップこそが、ちょんまげというキャラクターの切なさでもあります。
小学生時代:仲間に入るために選んだ“悪いこと”
実は小学生の頃、羽立はキングたち6人とは元々ほとんど接点がありませんでした。
クラスの中心ではなく、どちらかと言えば「端っこにいるタイプ」。そんな彼が仲良し6人組に近づくきっかけになったのが、猿橋園子へのいじめです。
将たちが、転校してきた園子を「どの子」と呼び、作品を壊したり、体育倉庫に閉じ込めたりといじめている現場を目撃した羽立は、仲間に入りたい一心で、園子の工作を壊したり、いじめに加担するようになります。
つまり彼は、「もともと悪い子」ではなく、
「仲間に入ってもらうために悪いことを選んだ子」。
この捻れたスタートが、22年後の悲劇にも繋がっていくわけです。
22年後:孤立の中で再登場するちょんまげ
本編の第4話では、キングと園子、ターボーの3人が、5人目の標的だと見なされた羽立のアパートを訪ねます。
扉を開けた彼は、伸び放題の髪を輪ゴムで束ね、無精ひげに散らかり放題の部屋という、絵に描いたような「人生に行き詰まった大人」の姿。
キングが「お前を守りに来た」と告げても、羽立は「友達なんかじゃない」と心を閉ざし、彼らを追い返します。
しかし、その後、再訪した園子のまっすぐな言葉に揺さぶられ、散らかっていた部屋を自分の手で片付け、勇気を出してイマクニへ。
ボンバーマンのシーンに凝縮された“弱さ”と“優しさ”
あのボンバーマンを一緒にプレイするシーンで、
- 本当は嬉しかった
- 2人が友達って思っててくれて
- でも自信がなくて
と泣き笑いしながら打ち明けるあたり、ちょんまげの「弱さ」と「優しさ」がぎゅっと凝縮されています。
羽立太輔(ちょんまげ)は犯人なのか?黒幕か考察

なぜ“ちょんまげ犯人説”が囁かれたのか
物語序盤〜中盤にかけて、視聴者の間でかなり囁かれていたのが「ちょんまげ犯人説」です。
- 6人の顔が黒く塗りつぶされた卒業アルバムのうちの1人
- タイムカプセルに入れた「侍」の夢から、斬りつけるような犯行が連想できる
- 同窓会にも現れず、ひっそりと孤立している
こうした条件から、「実は裏で全部操っているのはちょんまげでは?」という視点が出てくるのは自然です。
ただ、第7話・第8話までの描写と公式情報を整理すると、結論はかなりハッキリしてきます。
羽立太輔は“犯人”でも“黒幕”でもなく、むしろ“犠牲者側”の人物です。
犯人候補として疑われた理由
まず、ちょんまげが怪しく見えたポイントを整理しておきます。
- 黒塗り6人組の一人でありながら、序盤ではほとんど姿を見せない
- ニートで引きこもり、社会と断絶した“闇”を抱えていそう
- 鷹里小の古いホームページで「博士」と名乗る人物とコンタクトを取っている
- 7人目の存在を覚えているのが羽立だけ
特に、掲示板で“忘れられた人物”が
「このHPも、俺のことも誰も覚えてない」
と書き込んだ際、羽立がすかさず
「覚えてるよ、博士だよね?」
と反応し、
「さすがちょんまげ」「覚えていたのは君だけだ」
と返されたくだりは、まさに“事件の核心”とも言える描写です。
この瞬間、多くの視聴者が
「博士=7人目とちょんまげは共犯?」
「2人で復讐劇を動かしているのでは?」
と考えたのも無理はありません。
それでも“黒幕ではなさそう”と言える理由
一方で、第4話以降の描写や公式のあらすじから判断すると、
ちょんまげを黒幕とみなすのは明らかに無理があります。
1. 第4話時点で「5人目の標的扱い」
これは構造的に重要です。
= 物語は羽立を“狙われる側”として設計していた。
“被害者候補”が後から黒幕になるのは物語構造的に不自然です。
4話についてはこちら↓

2. 事件を止めようとする“味方”として描かれている
ターボーの会社に雇われてからの羽立は、
- 自分の身を守る
- 事件を止めようと動く
という“被害者側の行動”を取っているキャラクターです。
3. 第7〜8話で完全に「被害者」として扱われる
特に決定的なのは第8話。
- 一人で森(博士)に会いに行く
- 事件を終わらせようとする
- しかし黒幕を捕まえられず、羽立自身が命を奪われる
ここまで“ストレートに死ぬ側”として描かれるキャラを黒幕にすることは、ドラマの構造上ありえません。

4. 第7話の追跡シーンでも“追う側”
工場の追跡シーンでも、羽立は森と思しき人物を追う側にいる。
黒幕が追われる側に回るような挙動をさせるのも不自然です。
現段階での羽立太輔の立ち位置
以上から、
羽立太輔は「過去の罪を抱えながらも、事件を止めようとした弱い味方」である。
という評価が最も妥当です。
ちょんまげは、
- いじめの共犯だった後悔
- 仲間に入りたかっただけの幼い葛藤
- 孤独で拠り所のない大人になってしまった現実
- 7人目(博士)に対してほんの少し残っている“良心”
これらの積み重ねで“事件の渦中”に引き寄せられてしまった悲劇の人物。
犯人というよりは、
「罪悪感に突き動かされ、最後は命を落とすまでに追い詰められたキャラクター」
というのが、ドラマが描いている羽立太輔の本質です。
羽立太輔(ちょんまげ)とキング達の関係

なぜちょんまげの行動原理を理解するには“キング達との関係”が必要なのか?
ここを理解しておくと、彼の行動原理がかなり見えやすくなります。
仲間に入れてもらうための「悪いこと」
小学生時代、羽立はもともとクラスで目立つタイプではなく、キングたち“仲良し6人組”からも少し距離のある存在でした。
そんな彼が、6人組に近づくために選んでしまったのが「園子をいじめる側に回る」という最悪の手段。園子の作品を壊し、その後もいじめに加担し続けることで、「外側の子」から「内側のメンバー」に滑り込んだわけです。
これは、良いこと悪いこと全体のテーマとも深く結びついていて、
- 本人は「友達になりたい」「仲間に入りたい」という、ある意味“良い”願望からスタートしている
- でも、そのために選んだ行動は「いじめに乗る」という“悪いこと”
という、タイトル通りのねじれた構造になっています。
22年後の再会と「やっと言えた本音」
22年後、再会した時のちょんまげは、正直かなりこじらせています。
- ニートで引きこもり
- 自分はキングたちの“本当の友達”ではなかったと信じ込む
- 心配して訪ねてきたキングや園子を追い返してしまう
そんな彼を変えたのが、園子のまっすぐな言葉でした。園子に背中を押され、部屋を片付け、イマクニへ向かい、ボンバーマンを囲んだあの夜。
ちょんまげはついに本音を口にします。
- 本当は嬉しかった
- 2人が自分のことを“友達だ”と思っていてくれたこと
- でも、自信がなかったから距離を取っていたこと
この告白の瞬間、ちょんまげの「弱さ」と「優しさ」がはっきりと形になります。
キング達は「初めての仲間」であり「罪の原点」でもあった
ここで重要なのは、ちょんまげにとってキングたちは、
「自分の人生で初めて“仲間だ”と思えた人たち」
であると同時に、
「同時に罪の原点でもある存在」
だということ。
- 仲間に入りたい気持ちは“良いこと”
- しかし選んだ手段は園子を傷つける“悪いこと”
この“好き”と“罪悪感”がごちゃ混ぜになった感情こそが、のちの博士との件、そして単独行動へとつながっていきます。
ちょんまげは、キングたちの存在によって「仲間」と「罪」の両方を背負い続けた人物であり、そこが彼の悲劇性の核になっています。
羽立太輔(ちょんまげ)と7人目の博士の関係

“博士”という7人目の存在と、羽立の特別なつながり
物語の後半で登場した7人目の同級生“博士”。
この人物と羽立の関係は、ドラマの謎解きにおいてかなり重要なポイントです。
掲示板で唯一「覚えてる」と言えた人間
ターボーの会社に雇われたあと、羽立はネット上で「鷹里小学校」を検索するうちに、古い学校サイト「ようこそ!鷹里小の森へ!」に辿り着きます。
そこには、
「このHPも、俺のことも誰も覚えてないんだ」
と書き込む人物がいました。
羽立は思わず、
「覚えてるよ、博士だよね?」
と返信します。
するとすぐに返事が届きます。
- 「さすがちょんまげ」
- 「あの7人の中で覚えていてくれたのは君だけだ」
このやり取りにより、“忘れられていた7人目”の存在が確定します。
博士についてはこちら↓

7人目を覚えていたのは羽立だけ
小学生時代、羽立は「プロ級ホームページクリエイター」と書かれた本を抱えており、博士と共にサイト作りをしていた可能性が高いと考察されています。
つまり羽立は、
「忘れられていた友達を、唯一覚えていた人間」
という立場にいるわけです。
このポジションは、羽立の“侍”っぽさにも重なり、彼が抱えている贖罪(罪ほろぼし)の感情にも直結しているように見えます。
「僕のせいだから、僕が終わらせないと」
掲示板で博士とのやり取りが続く中、羽立は「会わない?」と提案します。
それに対して博士は、
- 「キングたちには会いたくない」
- 「僕は彼らを許さない」
- 「でも、ちょんまげになら会ってもいい」
と書き込みます。
ここで羽立の心は決定的に揺れ動きます。
そして彼はこう口にするようになります。
「僕のせいだから、僕が終わらせないと」
羽立は、キングたちに相談する前に、ひとりで博士との決着をつけようと動き出してしまう。
ちょんまげが抱えた“罪”と“責任感”
羽立が博士と向き合おうとした背景には、以下の流れがあります。
- 過去、仲間に入るために園子をいじめた
- その“仲良し6人組”の輪から追い出され、忘れられた7人目が博士
- 「博士を孤独にさせたのは自分だ」と感じてしまっている
だからこそ羽立は、
「博士の孤独と怒りは、自分が消さなきゃいけないものだ」
という誤った自己責任感を抱きます。
この強すぎる責任感が、羽立を単独行動に走らせ、
結果として悲劇的な結末を招いてしまうわけです。
羽立太輔(ちょんまげ)が死んだ理由。死因は何?

ここが視聴者的にもいちばんショックだった部分。ちょんまげは本当に死んだのか? なぜそこまでして殺されなければならなかったのか?
結論から言うと、公式ストーリー上、羽立太輔は第8話時点で 「死亡扱い」 となっています。
第7話・第8話で何が起きたのか
第7話では、大谷校長の葬儀の流れから、キングたちは羽立のガラケー映像などを手がかりに、7人目“博士”=森智也の存在に辿り着きます。
ちょんまげがネット掲示板で森と会う約束をしていたこと、待ち合わせ場所がかつて校外学習で行った工場跡であることが判明し、一同はその工場へ向かいます。
工場内で羽立は森と思しき人物を一度は取り押さえますが、揉み合ううちに逃げられてしまい、キングたちもそれぞれ地下へ追いかけていきます。
カメラの奥には別の人物の影が見えたりと、「犯人は2人組では?」と思わせる演出も挟まれています。
そして問題のシーン。
- 一人で捜索していた羽立が、背後から何者かに襲われる
- 首を刺され、そのまま階段から転げ落ちる
- 血だまりの中に倒れ込む羽立の姿で、第7話は“悲鳴のカットアウト”で終了
この時点では「重傷なのか死亡なのか」は明言されていませんでしたが、第8話の公式あらすじで、
「森を捕まえることができず、羽立の命が奪われてしまう」
と明記され、ちょんまげは5人目の犠牲者 として扱われることになりました。
物語的に見た「ちょんまげの死」の意味
では、なぜ彼はここで死ななければならなかったのか。
これは、物語全体のテーマと深く結びついています。
羽立は──
- 子どもの頃、「侍になって悪い奴を斬る」ようなヒーローを夢見ていた
- でも現実は、いじめに加担し、大人になってからは何もできずに閉じこもっていた
- そんな彼が22年後、勇気を出して“忘れられた7人目”博士と向き合おうとした
羽立が最後にやろうとしたのは、
「自分が関わってしまった“悪いこと”を、自分の手で終わらせる」
という行為でした。
それは、作品タイトルでいうところの「良いこと」に近い選択でした。しかし皮肉にも、ちょんまげはその“良いこと”をしようとした瞬間に命を奪われてしまう。
多くの考察でも指摘されているように、この展開には次のような苦いメッセージが込められています。
- 良いことをしようとしても、必ずしも報われるわけではない
- でも、その“バトン”は残された誰かに引き継がれる
羽立太輔の死によって、キングや園子たちは文字通り
「もう後戻りできない地点」
に立たされます。
自分たちが子どもの頃にしてきたこと、その延長線上で起きている連続殺人、逃げ続けてきた“悪いこと”と向き合わなければならない現実。
ちょんまげの死は、視聴者にとっても登場人物にとっても、
「ここから先は甘さが許されない」
という強烈な宣言のように響きます。
森先生はちょんまげを殺していない?工場での再会シーンから見える真相

① 二人の“すれ違い”が生んだ対立構図
第8話の回想で、ちょんまげと森がしっかり顔を合わせていたことが明らかになりました。
森は「自分は犯人じゃない」という思いを必死に伝えようとしているのに対し、ちょんまげは最初から「博士=連続殺人犯」と決めつけている状態。
二人の認識はこの時点で完全にズレており、話が成立しないまま緊張だけが高まっていきます。
その結果、ちょんまげは「これ以上誤魔化されるわけにはいかない」という誤解と焦りからナイフを取り出し、場面は一気に切迫した空気へ。
一方の森は、自分が疑われていること以前に、
- “本物の犯人に利用されている立場であること”
- “悪い子だと気づかれた瞬間に自分も殺されるかもしれない恐怖”
に苛まれており、ちょんまげの暴走を正面から止められないまま、ただ後ずさるしかない心理状態でした。
この恐怖の積み重なりが、森を「敵と認識された相手から逃げる」という行動に直結していきます。
② ナイフを抜いたのは“森ではなく、ちょんまげ”という事実
この場面で非常に重要なのは、ナイフを構えたのは森ではなく、ちょんまげ側だったという点です。森は攻撃の意思ではなく、“誤解され、追い詰められ、恐怖で逃げるしかなかった人”として描かれています。
ちょんまげは、「博士を止めれば事件が終わる」という誤った確信のまま工場に向かってしまったため、森の弁解を受け止める余裕がない。
その結果、森のすべての言葉を“嘘”あるいは“罪のすり替え”と誤読し、さらに自分が危険にさらされると感じたことで、暴走が加速していきました。
森から見ても、ナイフを向けられた瞬間は “恐怖の対象”としか映らないため、とっさにその場を離れたのは自然な反応です。
③ では、ちょんまげを殺したのは誰なのか?
ここで最大のポイントは、森が逃げた“後”に、ちょんまげが致命傷を負って倒れているという事実です。
時間軸・行動範囲・森の体力描写などを踏まえると、
「森が直接、致命傷を与えた」
と考えるのは非常に不自然
と言わざるを得ません。
7話でも、黒いフードの人物は高い運動能力とスピードで走り回っていましたが、森は8話で“足の遅い、普通の教師”として描かれており、身体的にも一致しない。
さらに、森がちょんまげに向き合っていた時点では、
- “やめさせたい”
- “自分も殺されるのが怖い”
- “真犯人に怯えている”
という心理が重なっており、
殺意ではなく、逃避が行動の中心になっていました。
これらの点をつないでいくと、
- 森とちょんまげが会っていたのは事実
- しかし森は“殺意を持っていない”
- 致命傷を与えた人物は別に存在する
- 真犯人は“二人が会うタイミング”を把握しており、そこに割り込んできた可能性が高い
という構図が非常に自然に浮かび上がります。
④ 悲劇を生んだのは「思い込み」と「第三の人物」
ここまでの描写から総合すると、ちょんまげの死は
- ちょんまげの誤解から生まれた“攻撃的な構え”
- 森の恐怖による“逃避”
- その隙を突いた“第三の実行犯”
この三つが交差したことで起きた悲劇だと言えます。
森自身は“復讐劇の首謀者”というより、
利用され、脅され、恐怖に追い詰められている側の人間
として描かれており、ちょんまげもまた “真犯人の仕掛けに巻き込まれた犠牲者” の一人だった可能性が濃厚です。
森が「僕も悪い子だとバレたら殺される」と怯えていたのは、“森の上に、さらに誰かがいる”ことを示唆する最重要伏線。
その“誰か”こそが、ちょんまげに致命傷を与えた真犯人、あるいは真犯人の協力者である可能性が非常に高いと考えられます。
羽立太輔(ちょんまげ)のキャストは森優作さん

羽立太輔(ちょんまげ)を演じているのは、俳優の森優作さん。
キャスト表・相関図でも、
羽立太輔/ちょんまげ〈34〉 演:森優作
と明記されています。
幼少期を演じているのは森優理斗くん
幼少期のちょんまげを演じているのは子役の森優理斗くん。
公式のキャスト情報やプロフィールでも、「良いこと悪いこと」で羽立太輔の子ども時代を演じていることが紹介されています。
森優作が演じる“ちょんまげ”が視聴者を掴んだ理由
森優作さんのちょんまげは、とにかく 「弱さ」と「優しさ」 の塩梅が絶妙で、
- 視線の泳ぎ方
- 声の震え具合
- イマクニで笑う時と、工場で博士を追う時の表情の落差
など、派手な芝居ではないのに、内側の感情の波が強く伝わってきます。
第7話ラストで階段から落ちる瞬間も、
「あ、もう戻ってこないかもしれない」
と直感させられる重さがあり、SNSでも「ちょんまげロス」がトレンド入りするほどの反響となりました。
森優作さんの繊細な演技があったからこそ、ちょんまげの“弱くて、優しくて、報われない”人生がより立体的に描かれ、視聴者の心を強く掴んだのだと思います。
羽立太輔(ちょんまげ)についてまとめ
羽立太輔というキャラクターの全体像
最後に、羽立太輔というキャラクターについて、ポイントを整理しておきます。
- 鷹里小6年1組の元同級生で、あだ名はちょんまげ
- 子どもの頃の夢は「侍」だったが、現在はニートで引きこもり
- 仲間に入りたい一心で園子いじめに加担し、罪悪感を抱えたまま大人になる
22年後に迎えた“再接続”と“贖罪”
- 22年後、園子とキングたちのおかげで再び“友達”として繋がり直す
- 鷹里小のサイトを通して、忘れられていた7人目“博士”と再会し、「覚えてるよ」と唯一声をかけた人物
- 「僕のせいだから、僕が終わらせないと」と、博士と事件の決着を1人でつけようとしてしまう
工場で迎えた悲劇的な結末
- 工場で森(博士)を追う中で何者かに首を刺され、第8話時点で公式に“命を奪われた”とされる
“良いこと”と“悪いこと”の境界線に立ち続けた人
個人的な感想としては、ちょんまげはこのドラマの中で一番 「良いこと」と「悪いこと」の境界線の上を歩かされている人物 だと思っています。
- 仲間に入りたくて選んだ「悪いこと」
- 忘れられた友達を覚えていた「良いこと」
- 事件を終わらせようとして単独行動に出た「勇気」
- それが結果的に、最悪の形で命を奪われる「悲劇」
視聴者としては「そこまでしなくてよかったのに」と思ってしまうけれど、
彼の死があったからこそ、キングたちはようやく本気で過去と向き合わざるを得なくなった。
物語における“最初の大人”
ちょんまげは、物語上は“5人目の犠牲者”かもしれませんが、テーマ的には
「過去の過ちと向き合おうとした、最初の大人」
だったのかもしれません。
羽立太輔が繋いだ“バトン”はどこへ向かうのか
最終的に、博士と真犯人の全貌がどう明かされるのか。
そして、ちょんまげが命を懸けて繋ごうとした“バトン”を、キングと園子たちがどう受け取るのか。
そこまで見届けてこそ、「良いこと悪いこと」というタイトルの意味が、ようやく腑に落ちる気がします。
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