「良いこと悪いこと」で、物語の中盤から一気に存在感を増したのが豊川賢吾(トヨ)です。
夢だった美容師になり、同窓会にも普通に顔を出す“成功した大人”のように見える一方で、どこか影を抱えた表情や第7話の追跡シーンでの不自然な動きが視聴者の注目を集め、「もしかして犯人?」「共犯なのでは?」と一気に疑惑が加速しました。
本記事では、彼の過去と現在のギャップ、森や黒幕との関係性、作品テーマとの結びつきなどを整理しながら、トヨが事件にどう関わっていくのかを考察していきます。
良いこと悪いことの豊川賢吾(トヨ)とは

作品世界の“事実”としてのトヨの人物像
まずはトヨという人物像を、作品世界の“事実”ベースで整理しておきます。ここがぶれると犯人考察もズレていくので、土台を固めておきたいところです。
公式設定や作中の描写をまとめると、豊川賢吾は下記のような立ち位置にあります。
- 平成15年度・鷹里小学校6年1組の卒業生
- あだ名は「トヨ」
- 現在は美容師として働いている
- 同窓会にも普通に参加しており、一見“成功組”の同級生
さらに、タイムカプセルから出てきた「みんなの夢」にも、子どもの頃のトヨが描いた「美容師になる」という将来の夢がしっかりと残っており、現在の職業と綺麗にリンクしています。
一見すると「夢を叶えた勝ち組」。
しかし物語が進むにつれ、その“成功”の表面には見えない歪みや満たされなさが徐々に匂わされていきます。
現在は夢を叶えたはずの美容師、だが満足しきれていない
ファンの整理や作中の描写では、トヨは
- 都内の美容室を転々としてきた
- 現在は銀座の美容室で勤務
- 美容師の夢は叶えたものの、「年下オーナーにこき使われる雇われ店長」のような立場
という、夢と現実のギャップを背負った大人として描かれています。
作中でも、高木(キング)に対し、自分を“カリスマ美容師”のように見せたい気持ちと、実際の立場の狭間で揺れている様子がさりげなく表現されています。
多くの考察でも、
- ゆっきーは“お嫁さん”という夢を叶えたが、理想と現実にズレがある
- トヨも同様に、夢は叶ったが思い描いていた未来とは違っている
と指摘されており、夢と現実のズレを抱えた人物として物語に配置されていることがわかります。
この「夢が叶ったのに満たされない」という設定は、後述する“犯行への加担”や“黒幕との関係”を考えるうえで、かなり重要な伏線になり得ます。
小学生時代のトヨと「みんなの夢」の絵
6年1組の仲良しグループの一員だったトヨ
小学生時代のトヨは、キングたちと同じ6年1組の「仲良しグループ」の一人。運動会のリレーでも一緒のチームだったことが語られています。
タイムカプセルの「みんなの夢」ビデオやポスターを細かく追っていくと、
- ニコちゃんの夢の絵だけがなぜか映っていない
- ゆっきーとトヨの夢の絵はしっかり映されている
という、微妙な違和感が積み重ねられています。
つまり「黒塗りの6人」とは別ラインに、
- 夢を叶えた“成功組”のゆっきーとトヨ
- のちに“博士”となる7人目の森
という構造が薄く仕込まれているわけです。
いじめの現場での立ち位置は「傍観者」
当時のいじめの現場では、トヨとゆっきーは園子を直接いじめる側というより、“一歩引いて見ていた側”とされることが多い。
この「傍観者として存在していた」という立ち位置は、タイトルにもある「良いこと悪いこと」の曖昧さに直結する、大きなテーマ性と深くリンクしています。
豊川賢吾(トヨ)は犯人なのか?黒幕なのか?徹底考察
現時点(第7話終了時点)で、公式な「真犯人」「黒幕」は明かされていません。
ただし、
- 博士=森が7人目の同級生だった
- 元担任の大谷校長を脅し、タイムカプセルを操作させていた
という事実までは固まってきています。
一方で、多くの考察が
- 「犯人は複数人いる」
- 「森は真犯人ではない可能性」
を指摘しており、共犯候補としてトヨの名前が急浮上している状況です。
トヨが「黒幕最有力候補」と言われ始めた理由
第7話の“追跡シーン”に潜んだ違和感
トヨが一気に注目されたのは、第7話の「黒服追跡シーン」。
- 羽立(ちょんまげ)が黒服を追う
- キング、ターボー、ゆっきー、トヨが別方向から追走
- 角を曲がるとターボーがトヨと鉢合わせ
- しかし黒服は突然姿を消す
この一連の流れから、多くの視聴者が
「黒服は2人いるのでは?」
「トヨが犯人を逃したのでは?」
と疑い始めました。
特に不自然なのは、
- 逃走する黒服とターボーの間に“壁”のように立つトヨ
- にもかかわらず、追跡を助けるリアクションが一切ない
- イマクニでのシーンで、トヨだけ明らかに上の空
という二重の演出です。
これらの描写から、考察勢の間では
「共犯として黒服を逃がした張本人では?」
「森に脅されて犯行に加担しており、プレッシャーで上の空だったのでは?」
という推測が強まっています。
“成功組”の中に潜む影
さらに、
- “夢を叶えた成功組”でありながら出番が少なすぎる
- 夢の絵が強調される一方、黒塗り6人ではない
- 森=博士と深い縁を持つ7人目構造と噛み合う
といった点が積み重なり、「物語の核心に踏み込むキャラだ」という見方も勢いを増しています。
トヨ単独犯・黒幕説は成立するのか?
単独犯の条件は厳しい
トヨ単独黒幕説が成立するには、
- 黒塗りアルバム工作
- 一連の襲撃
- 博士=森との連携
をすべてトヨが操っていた、という無理のある構図になりやすい。
また、作中では博士=森が“プランナー”のように描かれており、「全部トヨの仕込みでした」は構造上弱い印象があります。
トヨは“グレーな第三者”として描かれている
- タイムカプセル掘り起こしの同窓会には普通に参加
- 黒塗り6人ではない
- 園子へのいじめには深く関わっていない
など、完全な「悪」ではなく、“揺れている大人”として描かれている。
このドラマのテーマは「誰が悪いか」より「グレーの境界」なので、完全黒幕像からは少しズレる。
トヨ共犯・実行犯説が浮上した理由
ちょんまげ死亡シーンの“時間差トリック”
第7話のラストでは、羽立が階段から落下し死亡。首にはナイフが刺さっていた。
ここで視聴者の間で浮上した説が、
「刺したのはトヨでは?」
というもの。
理由:
- 黒服追跡中の動きが最も不自然
- 体格と影が一致して見えた
- ナイフを刺した状態で“時間差”を作ることは可能
こうした描写が、トヨ共犯説を強めています。
“森=博士が脚本家、トヨが実行犯”という構図
博士=森が“シナリオ”を書き、その一部を実行する“実働班”が別にいる。その候補として最も動きが怪しいのが、トヨ。
加えて、
- 夢は叶ったのに満たされない鬱屈
- 弱さや承認欲求が黒幕に付け入られやすい
という背景は、
“犯行への心理的な踏み込み”として十分な説得力を持っています。
トヨは「傍観者としての罪」を象徴する存在でもある
トヨは、
- 園子いじめの現場に居合わせながら止めなかった
- 大人になっても過去から目をそらしてきた
- 成功しているようで満たされない
という、“とてもありふれた大人”として描かれています。
このドラマの核心テーマは、
「何もしないことは、良いことか? 悪いことか?」
トヨはまさに、その象徴。
だからこそ、
- 黒幕に利用され線を越えるのか
- 罪悪感と向き合い、正しい選択をするのか
そのどちらに転ぶかが物語後半の大きな焦点になります。
豊川賢吾(トヨ)は後半から“物語の中心”に入る
序盤:背景にいる“成功者”
第1話では、
- 美容師になった成功者
- 同窓会に普通に参加
という軽い紹介のみ。
中盤:事件の“プレイヤー”へ
第7話で空気が一変し、
- 大谷の“お別れの会”で協力を申し出る
- 羽立追跡チームに参加
- 羽立の家へ先回りし、プロフィール帳を集める
と、一気に事件の核心に絡む動きが増えます。
そしてカメラワークも“トヨの不自然な動き”を強調し始めます。
ここが伏線の転換点
- ターボーと角で鉢合わせた瞬間に黒服が消える
- トヨが棒立ちで追跡を助けない
- イマクニでの上の空描写
これらは「この人物を見逃すな」という演出と考えられます。
トヨの8話以降の展開予測
トヨの立ち位置はここから三つに分岐すると考えられます。
- 共犯・実行犯として罪を告白するルート
- 黒幕に利用された“弱い大人”として描かれる被害者ルート
- 事件には直接手を下しておらず、22年前の傍観の罪と向き合うルート
どのルートでも、“成功したはずなのに満たされない大人の歪み”が大きな鍵になります。
豊川賢吾(トヨ)を演じるキャストは稲葉友
トヨ役は俳優・稲葉友さん
ドラマ本編で豊川健吾(トヨ)を演じているのは俳優の稲葉友さんです。公式の相関図やキャスト一覧では役名表記が「豊川賢吾(とよかわ けんご)/トヨ」となっています。
トヨの小学生時代を演じているのは子役の渡邉櫂くん。「現在」と「過去」の二人がつながることで、夢と現実、あの頃と今のギャップが視覚的にもきれいにつながるキャスティングになっています。
稲葉友が演じる“今のトヨ”のハマり具合
稲葉友さんは公式キャスト発表で、
- 豊川賢吾(34歳)
- 鷹里小学校6年1組の卒業生
- あだ名は「トヨ」
- 現在は美容師
と紹介されています。
稲葉さん自身、これまでも等身大の若い社会人や、少し“こじらせた”青年役を多く演じてきた俳優ですが、今回のトヨもまさにその系譜。
- 夢だった美容師にはなったけれど、年下オーナーにこき使われる雇われ店長
- 同窓会では“カリスマ美容師”っぽく振る舞うが、どこかコンプレックスが滲む
- 高木たちと一緒にいる時も、一歩引いたような、でも完全には抜けない視線
この「満たされているようで満たされていない三十代」の空気感を、稲葉さんがかなり繊細に出していると感じます。
特に第七話。
ちょんまげを追うシーンのあと、イマクニでメールの話をする場面で、ほかのメンバーがざわつく中、トヨだけ目の焦点が合っていないような“軽いフリーズ”状態になっており、ゆっきーに「大丈夫?」と心配される描写があります。
あのシーンは脚本上も“怪しさを匂わせる”場面ですが、稲葉さんの演技があまりにリアルな動揺になっているため、
- 共犯だから動揺しているのか
- それともただ恐怖と罪悪感で固まっているだけなのか
視聴者が判断できない絶妙なニュアンスが生まれています。
この“解釈の余白”こそが、トヨというキャラクターの不気味さと人間臭さを両立させ、キャスティングとしてのハマり具合を強く感じさせる部分です。
子ども時代のトヨを演じるのは渡邉櫂
小学生時代のトヨを演じているのは、子役の渡邉櫂くん。
日テレ公式の出演情報でも、
- 「良いこと悪いこと」に豊川賢吾の子ども時代役で出演
と紹介されています。
渡邉くんが演じる“子どもトヨ”は、
- タイムカプセルに「美容師になる」という夢の絵を描く
- キングたちとふざけ合いながらも、いじめ現場では笑って見ている側
- 黒塗り六人とは完全に同列ではないが、あの空気を共有していたクラスメイト
という、こちらも“グレーな立ち位置”にいます。
その表情がとても絶妙で、
- 夢を語る時の少し照れた笑顔
- 教室の隅で、いじめを真正面から見ないようにしている目線
- どこか罪悪感が滲む表情の揺れ
これらが「過去のトヨ」と「現在のトヨ」をきれいにつなぎ、物語のテーマと重なる部分を強めています。
“現在のトヨ×過去のトヨ”というキャスティングの意味
本作は “子供時代と大人時代のギャップ” がそのままテーマの柱になっています。
- 夢を語っていたあの頃
- 夢は叶えたのにどこか満たされない現在
- 見て見ぬふりをしてしまった過去
- 向き合わざるを得なくなった現在
この重層性を成立させるために、
「稲葉友 × 渡邉櫂」という二段構えのキャスティングは非常に重要な意味を持ちます。
稲葉さん本人もXにて、
- 「豊川賢吾役で出演します。美容師です」
と投稿しており、ビジュアル面でも“クラスの中でちょっとおしゃれな男子がそのまま大人になった”という説得力を感じます。
トヨが犯人なのか、傍観者なのか──揺らぎを支える俳優力
トヨが犯人なのか、共犯者なのか、それとも“ただの罪悪感を抱えた傍観者”なのか。
現時点ではどのルートもあり得ます。
しかし確実に言えるのは、
- 稲葉友と渡邉櫂というキャスティングが、トヨの“揺らぎ”を完璧に支えている
- 見ていただけだった過去と、満たされない現在がつながることで、キャラの厚みが増している
ということです。
夢を叶えたはずなのにどこか満たされない現在。
何もできず見ているだけだった過去。
この二つを一つの顔としてつなぐ役割を、両俳優がしっかり担っています。
そのためトヨは、最終盤まで視聴者の 「疑い」と「共感」 の両方を集め続ける重要キャラクターになりそうです。
豊川賢吾(トヨ)についてまとめ
整理すると、
- トヨは6年1組の元クラスメイトで現在は美容師
- 夢は叶えたが、現実には鬱屈と不満を抱えている
- 園子いじめには関わっていないが“傍観者”だった
- 第7話で不自然な動きが強調され、共犯疑惑が急浮上
- 単独黒幕の可能性は低い
- ただし森の“脚本”に巻き込まれた実行犯である可能性は高い
- もしくは“弱さを利用された大人”として描かれる可能性も
そして何より、
「見ていただけの自分は、本当に良いことをしていたのか」
というテーマを体現するキャラクターです。
トヨがどちら側へ転ぶのか——
その答えは、この物語が語ろうとしている“倫理の揺らぎ”そのものだと思います。
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