「良いこと悪いこと」で、物語が進むほど存在感を増していくのが土屋ゆき(ゆっきー)です。
夢だった“お嫁さん”を叶え、家庭を持ちながらもどこか満たされない表情を見せる彼女は、過去のいじめ現場に居合わせた一人でもあります。
序盤は“物語の外側”にいるように見えたゆっきーが、最終章に入ると一転して事件の中心へ。
追跡シーンでの違和感ある動きや、編集で挟まれる意味深な映像が重なり、「犯人なのか?」「黒幕と繋がっているのか?」と視聴者の間でも注目が高まっています。
本記事では、ゆっきーの過去と現在を丁寧に紐解き、その本当の役割を考察していきます。
良いこと悪いことの土屋ゆき(ゆっきー)とは

作品設定としてのゆっきーの人物像
まずは、物語のキーパーソン候補「土屋ゆき」という人物像を整理しておきます。
日テレ土曜ドラマ『良いこと悪いこと』で土屋ゆきは、平成15年度 鷹里小学校6年1組の卒業生で、現在は専業主婦。旧姓は塙で、中学生の息子がいる34歳という設定です。
タイムカプセルに入れた「みんなの夢」の絵は「お嫁さんになる」。小学生の頃に願った“理想の未来”を、そのまま手に入れた人物でもあります。
一方で、大人になったゆっきーの家庭は、決して絵に描いたような幸せ一色ではありません。夕飯の食卓で夫と息子はほとんど会話せず、どこか温度の低い空気が流れるシーンもあり、「望んだはずの“お嫁さん”像と現実のギャップ」がたびたび話題になっています。
夢は叶ったけれど心は満たされていない――その「ねじれ」が、後半の展開にも絡んでくるだろうと感じさせます。
“夢が叶った側”のゆっきーが抱える違和感
6年1組の仲間の中で、タイムカプセルに入れた夢を真正面から実現しているのは、ゆっきーとトヨの2人。
ゆっきーは「お嫁さんになる」、トヨは「美容師になる」。どちらも“夢が叶った側”の象徴的キャラクターです。
ただし、ドラマ公式や考察系の記事でも繰り返し示されているように、この作品のテーマには
「夢が叶ったからこその苦さ」
「現実とのズレ」
があります。
ゆっきーの場合も、
- 家族の中でどこか浮いている
- 息子への接し方に自信がありそうでなさそう
- 同窓会でも“いい奥さん”を演じているように見える
など、「叶えた夢を守るために、自分を押し殺している」ような描写が含まれています。
小学生時代のゆっきーと“見えないいじめ”の構図
過去パートでは、園子を体育倉庫に閉じ込めた“直接の犯人”は委員長とされています。しかしその直後、委員長が合流する仲良しグループの中には、トヨやゆっきーの姿も映っています。
「ドアを叩いてからかっていた6人」とは別に、
- その外側にいる、空気を支配するグループがいたのではないか
という点は、多くの考察で指摘されている部分です。
ここから見えてくるのは、
ゆっきーは露骨にいじめをしていた側ではなく、“止めずに空気を作っていた側”だった可能性
という、非常にグレーなポジションです。
これは「直接手を下してはいないが、加害の空気には加担していた人間」という、このドラマが描く“善悪の境界”にぴったり重なる役割にも見えます。
土屋ゆき(ゆっきー)は犯人なのか?黒幕なのか考察
ここからは、「ゆっきーは連続殺人の犯人、あるいは黒幕なのか?」を、第7話までの描写から整理していきます。
結論としては、
- ゆっきーが実行犯・黒幕と示す直接描写はまだない
- しかし物語の核に関わる“鍵キャラ”である可能性は高い
というバランスにいます。
ゆっきーが怪しいと言われる理由
1. 直接狙われていないのに、事件の“輪”のすぐ近くにいる
黒塗りされた6人は、キング、ターボー、カンタロー、ニコちゃん、貧ちゃん、ちょんまげの6人。
ゆっきーはその“すぐ隣”にいた存在であり、
- いじめに無関係ではない
- にもかかわらず標的になっていない
というバランスの悪さがあります。
これは「復讐する側に近い立場だからでは?」と疑われる要因になっています。
2. 第7話の“追跡バトン”シーンの意味深さ
黒服を追うシーンでは、
- トヨが黒服を発見
- 直後に、階段でゆっきーが黒服を追走
- さらにその後、ターボー→キングへとバトンが渡る
という編集が入ります。
「小学生時代のリレーの再現」と結びつける考察も多く、ゆっきーが“見せ方のトリック”の中に組み込まれている可能性が高いとされています。
3. 別話数で挟まれた“走るゆっきー”のカット
本編の合間に「何かから逃げるように走るゆっきー」の短い映像が挿入された回があり、“黒幕サイドと関係しているのでは?”という憶測を強めています。
いずれも「意味ありげな差し込み」であり、ゆっきーの不穏さが強調されています。
ゆっきーが犯人ではなさそうと思える理由
1. あらすじ上は“真相を追う側”にいる
公式あらすじには、
「真相を追う高木・園子・小山の3人に、ゆっきーとトヨも協力する」
と明記されています。
完全なミスリードでない限り、このタイミングでゆっきーが“ラスボス”化するのは構造的に難しい。
2. 俳優コメントが示すキャラクター性
剛力彩芽さんはインタビューで、ゆっきーについて
「誰かを支えたいという気持ちを持っている人物」
と語っています。
これは、
- 全面的加害者ではなく
- “誰かを守るためにグレーな選択をしてしまう”
という人物像を示唆していると言えます。
3. 真犯人候補は別人物が優勢
現状多くの考察では、
- 森(博士)
- イマクニ
- ターボー
などが黒幕候補として強く疑われており、ゆっきー単独犯説は主要ラインではありません。
個人的結論:ゆっきーは“事件を動かすキーマン”だが、黒幕ではない
現状の描写と物語構造を踏まえると、
- ゆっきーは事件の真相に深く関わる
- ただし“黒幕そのもの”にはならない
- 「夢が叶った側の罪」と向き合う役割を担う人物
という立ち位置が最も自然です。
彼女が望んだ「お嫁さんになる」という夢。
それを叶えた今、
- 何を守りたいのか
- 何を見て見ぬふりしてきたのか
- そのツケがどう返ってくるのか
このラインが、物語後半の大きなテーマとして描かれていくはずです。
土屋ゆき(ゆっきー)は後半から登場
序盤は“空気だけを残す存在”
ゆっきーは1話から同窓会シーンなどに登場していますが、物語の“ど真ん中”に躍り出るのは、最終章と告知されている第7話以降です。
1話〜6話では、
- タイムカプセルを掘り起こす場面にいる
- 居酒屋やスナックに集まるときに顔を出す
といった形で、確かにゆっきーは画面に映っています。
ただし、
- いじめの真相に切り込む役
- 犠牲者として狙われる役
- 捜査する側
いずれにも決定的には踏み込んでこない。「いるのに、物語の芯には触れてこない」という絶妙な距離感が続きます。
この“距離の取り方”そのものが伏線になっていて、視聴者の間では早い段階から
「ここまで目立たないの、逆に怪しくない?」
という声が上がっていました。
第7話で一気に前線へ
第7話では、
- 大谷校長の遺体が発見される
- 7人目“博士”の存在が明確になる
- ちょんまげが黒服と対峙し、階段から転落する
という怒涛の展開の中で、ゆっきーとトヨが本格的にキングたちの捜査に加わります。
特に、
- スナック「イマクニ」での作戦会議に同席
- ちょんまげのガラケーの動画を一緒に確認
- 校外学習の場所へ、キングたちと一緒に向かう
など、「傍観者」から「当事者」の側に軸足を移しているのが印象的です。
さらに、黒服を追う追跡シーンでは、トヨからバトンを受けて階段を駆け上がるゆっきーの姿がクローズアップされます。この「走るゆっきー」のカットは別話数でも単独で挿入され、メディアでも取り上げられるほど印象的な扱いになっています。
ゆっきーは、
- 序盤は“影のように”存在を匂わせるだけ
- 最終章の入り口で、一気に物語の表舞台に出てくる
という緩急の付け方から考えても、終盤のキーパーソンになることはほぼ間違いないと見ています。
土屋ゆき(ゆっきー)のキャストは剛力彩芽さん
剛力彩芽さんのキャリアと人物像
ゆっきーを演じているのは俳優の剛力彩芽さん。
1992年8月27日生まれ、神奈川県出身の俳優・モデル・歌手で、ドラマ・映画・バラエティ・音楽と幅広く活動してきた存在です。
代表的な出演作には、
- ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』
- 大河ドラマ『八重の桜』
- ドラマ『家政夫のミタゾノ』シリーズ
- 映画『カルテット!』
など、多様なジャンルで印象的な役を演じています。
ゆっきー役での“静かな揺れ”の表現
今回のゆっきー役では、
- 一見明るくてフラット
- でもどこか「本音を隠しているような目」
- 家庭では“良い妻・良い母”であろうとするが心が追いついていない
といった、言葉に出さずとも伝わる揺れを非常に繊細に表現しています。
インタビューでは、考察ミステリーに出演する難しさを
「何を聞かれても何も話せない辛さを初めて知った」
と語りつつ、
「自分にとっての良いことが誰かにとって悪いことになりうる。
それでも大切な人を支えたい気持ちを感じてほしい」
とゆっきー像を語っています。
まさにこの言葉どおり、ゆっきーは“良いこと”と“悪いこと”の間で揺れる人物。剛力さんの持つ柔らかさとミステリアスな雰囲気が、その危ういキャラクター性を支えています。
土屋ゆき(ゆっきー)についてまとめ
ゆっきーの立ち位置・役割の総整理
最後に、ゆっきーについてポイントを整理します。
- 元6年1組の卒業生で、現在は専業主婦
- 旧姓は塙で、中学生の息子を持つ34歳
- タイムカプセルの夢は「お嫁さんになる」で、その夢を実現した“夢が叶った側”
- しかし家庭はどこか冷えており、現実とのギャップに悩んでいる
- いじめ場面では外側から空気に加担していた可能性が高い
- 直接の標的ではないが、第7話以降は捜査に積極的に関わる
- 追跡シーンや差し込み映像など“意味ありげなカット”が多く、キーパーソンの気配が濃厚
- ただし、“黒幕そのもの”というより「誰かを守りたいがゆえにグレーな選択をしてしまう人物」と示唆される描写も多い
個人的な結論
現時点での仮説としては、
ゆっきーは「真犯人の共犯」か、「真犯人を知っていながら黙っている側」に近い立場。
そして最終的には、自分の“良いこと”が誰かの“悪いこと”だったと向き合わされる役割。
という像が最も自然だと考えています。
トヨとの関係性、家庭での“冷えた幸福”、そして22年前のいじめの記憶。
この三つのラインが最終盤でどう交差するのか。
ゆっきーは「犯人かどうか」だけでなく、
- どんな選択をするのか
- どこまで自分の罪と向き合うのか
という感情面の着地まで見届けてこそ、真価が分かるキャラクターだと思います。
今後の放送では、
- トヨとの距離感の変化
- 家族シーンでの微妙な表情
- 黒服や博士との距離感
このあたりを注視しておくと、ゆっきーの“本当の立ち位置”が少しずつ見えてくるはず。
引き続き、彼女から目が離せません。
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