『あなたの番です』を見終えたあとに必ず湧いてくる疑問──
「結局、誰が誰を殺したの?」
「紙を書いたのは?引いたのは?」
「黒島と内山の役割の違いは?」
作品の仕掛け上、事件は複数ラインで動き、交換殺人ゲームと快楽殺人が入り混じるため、全体像を整理するのは意外と難しい作品です。
本記事では、くじ引きの結果から犯人相関図まで、ドラマの構造を一度きれいに紐解き、読者が“あな番の全貌”をつかめるようにまとめていきます。
あなたの番ですの「交換殺人ゲーム」をおさらい
まずは、すべての発端になった“交換殺人ゲーム”から。
マンション「キウンクエ蔵前」の住民会で、管理人・床島が提案したのがこのゲーム。
住民たちは、
- 「殺したい人の名前」を紙に書く
- その紙をシャッフルして、くじ引きのように一枚ずつ引く
ということをやっています。
表向きは「ただのゲーム」ですが、
「紙に書かれた人は、ゲームのターゲットになるかもしれない」 という不穏なルールが敷かれ、
ここから次々と「書かれた名前の人物」が死んでいくことになります。
ゲームが途中から“本気の殺人”に変わっていく
序盤は、
- 管理人・床島の“不可解な転落死”
- 山際祐太郎、田中政雄(タナカマサオ)など、「紙に書かれた人」の死亡
と、あくまで「ゲームが現実になった?」という不気味な段階です。
しかし中盤以降、
- 黒島沙和と内山達生という“快楽殺人コンビ”の存在
- 交換殺人ゲームを“隠れ蓑”にして、自分の殺意を紛れ込ませていた事実
が明らかになり、視聴者が想像していた「公平な交換殺人ゲーム」は、
実はかなり歪んだ形で進行していたことが分かります。
くじ引きは誰が誰を引いた?参加者13人の「紙」完全一覧

ここからが本題のひとつ目。
「誰が誰の名前を書き、誰の紙を引いたのか」 を整理します。
ドラマ本編の描写やインタビュー内容をもとに整理すると、
ゲーム参加者と“紙”の関係は次のとおりです。
ゲーム参加者と「書いた名前/引いた名前」
| 部屋番号 | 名前(参加者) | 書いた名前(殺したい人) | 引いた名前(殺す担当) |
|---|---|---|---|
| 管理人室 | 床島 比呂志 | 吉村 | 管理人さん |
| 101号室 | 久住 譲 | 袴田 吉彦 | 細川 朝男 |
| 103号室 | 田宮 淳一郎 | こうの たかふみ | 波止 陽樹 |
| 104号室 | 石崎 洋子 | 石崎 洋子 | 吉村 |
| 201号室 | 浮田 啓輔 | 赤池 美里 | 赤池 幸子 |
| 202号室 | 黒島 沙和 | 波止 陽樹 | 赤池 美里 |
| 203号室 | シンイー | タナカ マサオ | 袴田 吉彦 |
| 301号室 | 尾野 幹葉 | 白紙 | 石崎 洋子 |
| 302号室 | 手塚 菜奈 | 細川 朝男 | こうの たかふみ |
| 304号室 | 北川 澄香 | 児嶋 佳世 | 白紙 |
| 402号室 | 榎本 早苗 | 管理人さん | 山際 祐太郎 |
| 403号室 | 藤井 淳史 | 山際 祐太郎 | タナカ マサオ |
| 502号室 | 赤池 美里 | 赤池 幸子 | 児嶋 佳世 |
※()内は、その名前と関係のある人物(分かる範囲)
■ 管理人室:床島比呂志
- 書いた名前:吉村(床島の知人)
- 引いた名前:「管理人さん」=自分自身
→ 自分の職業名を引いてしまう皮肉な構図。
■ 101号室:久住譲
- 書いた名前:袴田吉彦(本人役の俳優、久住の大ファン)
- 引いた名前:細川朝男(菜奈の元夫・DV男)
■ 103号室:田宮淳一郎
- 書いた名前:こうのたかふみ(元部下)
- 引いた名前:波止陽樹=黒島の元彼
→ 黒島の過去の被害者の名前を田宮が引いてしまう大きな伏線。
■ 104号室:石崎洋子
- 書いた名前:石崎洋子(自分)
- 引いた名前:吉村(床島が書いた名前)
■ 201号室:浮田啓輔
- 書いた名前:赤池美里
- 引いた名前:赤池幸子(“赤池家のおばあちゃん”)
■ 202号室:黒島沙和
- 書いた名前:波止陽樹(元彼・高知時代のDV男)
- 引いた名前:赤池美里
※黒島は「早川教授を書いた」「織田信長を引いた」と嘘をついており、終盤で 「元彼を書き/赤池美里を引いた」 が真相だと判明します。
■ 203号室:シンイー
- 書いた名前:タナカマサオ(田中政雄)
- 引いた名前:袴田吉彦
■ 301号室:尾野幹葉
- 書いた名前:白紙
- 引いた名前:石崎洋子
■ 302号室:手塚菜奈
- 書いた名前:細川朝男(DV夫)
- 引いた名前:こうのたかふみ
■ 304号室:北川澄香
- 書いた名前:児嶋佳世
- 引いた名前:白紙(=301号室・尾野が書いた紙)
■ 402号室:榎本早苗
- 書いた名前:管理人さん(床島)
- 引いた名前:山際祐太郎(脳外科医)
■ 403号室:藤井淳史
- 書いた名前:山際祐太郎
- 引いた名前:タナカマサオ
■ 502号室:赤池美里
- 書いた名前:赤池幸子(姑)
- 引いた名前:児嶋佳世
交換殺人での大きなポイント
この時点での大きなポイントは、
- 名前を書かれた人物の多くがのちに死亡している
- 書いた人・引いた人の双方が「やる/やらない」の選択を迫られていく
という 二重構造 にあること。
特に「石崎洋子」と「吉村」だけが唯一の “生き残り枠” になるのも、非常に意地悪な設計です。
※赤池幸子も一応生きてはいる。
交換殺人ゲームの結果

なくなた人物を赤線を引くと以上のようになります。
書かれた人物はほぼ全員亡くなっており、このゲームの残酷さがわかります。
【キウンクエ蔵前の事件】誰が誰を殺したのか?

まずはマンション周りで起きた主な死亡事件と犯人の整理です。
管理人・床島比呂志(第1話)
死因: 屋上からの転落
犯人: 自殺扱い
ポイント:
- 「管理人さん」と書かれた紙を自分で引いてしまう
- 赤池幸子や江藤、西村らの“ゲームを面白がる雰囲気”に乗せられ、
結果的に自分の命まで「ネタ」にしてしまったような形
→ 直接の“殺人犯”は存在しないが、ゲームを始めたこと自体が大量殺人の起爆剤になっている。
第1話についてはこちら↓

管理人についてはこちら↓

山際祐太郎(第2話)
死因: 撲殺 → 生首がクーラーボックスで発見
犯人: 榎本早苗&榎本正志(夫婦)
関係する紙:
- 藤井が「山際祐太郎」と書き
- 早苗が「山際祐太郎」を引く
ポイント:
早苗は藤井を脅迫するために山際を殺害し、その“生首”をゲーム進行の材料に利用。
→ 「ゲームを守るための殺人」という、おぞましい動機。
2話についてはこちら↓

田中政雄=タナカマサオ(第3話)
死因: エレベーター内での感電死(細工された配線)
犯人: 藤井淳史
関係する紙:
- シンイーが「タナカマサオ」と書き
- 藤井が「タナカマサオ」を引く
ポイント:
藤井は山際殺害をネタに脅迫され、“嫌々ながら”殺人へ。
→ 一般人が脅しによって“加害者側”に押し出されていく構図が濃くなる回。
3話についてはこちら↓

赤池美里&赤池吾朗(第4話)
死因: 笑気ガス+暗転中の刺殺(“笑う遺体”)
犯人: 黒島沙和
関係する紙:
- 浮田が「赤池美里」と書き
- 黒島が「赤池美里」を引く
ポイント:
黒島はゲームを隠れ蓑に、自分の快楽殺人を実行。
本来のターゲットは美里だけだが、吾朗も“ついで”に殺害。
→ 「ゲーム通り」ではなく、「黒島の殺意に合わせてゲームが捻じ曲がっていく」。
4話についてはこちら↓

袴田吉彦(第5話)
死因: ホテルの一室で絞殺+自虐的自撮り写真演出
犯人: シンイーの同居人(イクバル・クオン)+桜木るり
関係する紙:
- 久住が「袴田吉彦」と書き
- シンイーが「袴田吉彦」を引く
ポイント:
借金・生活苦といった現実的理由から、「ゲームを利用した犯行」。
→ ここは黒島ラインとは別の、“生活の追い詰められ方”が軸になる回。
5話についてはこちら↓

児嶋佳世(第6話)
死因: 笑気ガスによる窒息
犯人: 黒島沙和(遺体処理は内山達生)
関係する紙:
- 北川が「児嶋佳世」と書き
- 赤池美里が「児嶋佳世」を引く
ポイント:
遺体はバラバラにされ、宅配便として届くという悪趣味な演出。
黒島の“笑う遺体”へのこだわりが顕著に現れる回。
6話についてはこちら↓

浮田啓輔/細川朝男(第7話)
● 浮田啓輔
死因: 笑気ガス+ワイヤー絞殺
犯人: 黒島沙和
● 細川朝男
死因: 地下鉄ホームからの転落(事故に見せかけ)
犯人: 久住譲(突き飛ばす → 結果的に殺害)
ポイント:
第7話は“過去の因縁”と“ゲームのターゲット”が一度に清算される回。
久住の行動は「黒ではあるが、未必の故意のギリギリ」とも言える曖昧なライン。
7話についてはこちら↓

甲野貴文(第8話)
死因: 刺殺
犯人: 内山達生(黒島の指示)
関係する紙:
- 田宮が「こうのたかふみ」と書き
- 菜奈が引いた
ポイント:
菜奈が“コウノを殺さない”選択をしたため、黒島が「ゲームを進める」という名目で内山に殺害させたとされる。
8話についてはこちら↓

手塚菜奈(第10話)
死因: 病室で点滴に塩化カリウムを混入され死亡
犯人: 黒島沙和(撮影協力:内山達生)
ポイント:
“ゾウさん/キリンさん”の二択を迫る異常なゲーム。
動画撮影と編集も含め、黒島の狂気がもっとも明確に表れた事件。
10話についてはこちら↓

ななちゃんについてはこちら↓

神谷将人(第15話)
死因: 全身にクギを打ち込まれ出血死
犯人: 内山達生(黒島を守るため)
ポイント:
真相に近づきすぎた刑事を、「黒島のスタイル」を踏襲して殺害。
内山の“信者性”が強調される。
15話についてはこちら↓

内山達生(第16話)
死因: 毒を仕込んだ矢じりによる“自殺風”の死
犯人: 形式上は自殺/実質的には黒島沙和
ポイント:
内山は自分の死を演出し、“黒島単独犯”を装う。
矢の毒は黒島が準備したもので、「自殺に見せかけた他殺」の構図が成立する。
16話についてはこちら↓

赤池幸子(最終回後の屋上車椅子)
死因: 明言なし(車椅子演出のみ提示)
犯人: 不明(江藤説・黒島残党説など諸説)
ポイント:
公式に“答えをぼかした”部分。
「まだゲームは終わっていない」という余韻を残す象徴的なシーン。
20話についてはこちら↓

赤池幸子についてはこちら↓

黒島沙和&内山達生の殺人/過去の高知エピソード

ドラマ終盤で明かされるのが、黒島の過去の犯行です。
ここが分かると、「ゲームの前からすでに“連続殺人犯”だった」という全体像がはっきりしてきます。
黒島が直接手を下した被害者
南穂香(南の娘/高知の少女)
- 場所: 高知の山中の小屋(大雨の日)
- 手口: 道具を集めて殴打・殺害
ポイント:
黒島にとって“初めての殺人”。
南がマンションに潜入していた理由のすべてが、この事件に繋がっています。
家庭教師・松井先生
- 場所: 海辺の崖
- 手口: 心中を装って飛び降り(松井だけ死亡)
ポイント:
黒島の異常性を見抜きつつも寄り添おうとした“理解者”だった人物。
それでも殺してしまったことが、黒島の 「自分は人を愛せない」 という諦めへと繋がっていきます。
現在で黒島が殺害した人物一覧
- 赤池美里/赤池吾朗
- 児嶋佳世
- 浮田啓輔
- 手塚菜奈
- 内山達生(実質的に)
これらは先ほど触れたとおり、黒島が「笑う遺体」へのこだわりと、“ゲーム”を利用しながら行ってきた本編の殺人たちです。
黒島が内山に“やらせた”とされる殺人
神谷将人(刑事)
こうのたかふみ
いずれの被害者にも共通しているのは、
- 「黒島に近づきすぎた人物」
- 「ゲームを継続させるために邪魔な存在」
という点。
黒島の意思を代行する“実行犯”として、内山が存在していた構図が浮かび上がります。
犯人相関図レベルで整理する「黒島&内山」を中心としたネットワーク
ここまでの情報を、相関図イメージでざっくり言い換えると、
- 表の顔:交換殺人ゲームで紙を回している住民たち
- 裏の顔:黒島沙和(快楽殺人)+内山達生(共犯/信者)
という二重構造になっています。
ゲーム参加者サイドの“加害者”
ゲーム側から見た「殺した人」をざっくり分類すると、次のようになります。
彼らはどちらかというと、
- 生活苦や保身
- 脅迫
- 家族を守るため
など、現実的な理由から「一線を越えてしまった人たち」として描かれています。
藤井淳史
山際殺害には関与していないが、タナカマサオ殺害の実行犯。
久住譲
細川朝男を線路に突き落とす。
榎本早苗&榎本正志
山際祐太郎を殺害し、藤井を脅迫する。
シンイーの同居人+桜木るり
袴田吉彦殺害を実行。
その外側にいる“異物”としての黒島沙和
対して黒島は、完全に別ベクトルの存在です。
- 殺人そのものに快楽を感じている
- 「笑う遺体」という本人なりの“美学”を持つ
- ゲームを「自分の殺意を紛れ込ませる装置」として利用
という点で、交換殺人ゲームのロジックすら飲み込んでしまう異質さを放っています。
その結果、
- 「紙に書かれたから殺された」のか
- 「黒島が殺したかったから紙が利用された」のか
が入り混じり、視聴者視点でも“主犯が誰なのか”が分かりにくくなる構造が生まれています。
黒幕黒島について詳しく書いた記事はこちら↓

内山達生という“トリガー”
さらにややこしさを与えるのが、内山達生の存在です。
- 黒島の高校時代からのストーカー的存在
- 黒島のためなら自らも死ねる“信者”
- 甲野・神谷・こうのたかふみなどを“代行して殺す”実行犯
として機能し、
黒島の“手足”となって動くトリガーのような役割を果たしています。
内山について詳しく書いた記事はこちら↓

3種類の「犯人」が同じマンションに共存する歪さ
ここで際立つのが、
- 純粋にゲームに流されてしまった人
- 自分の欲望のためにゲームを利用した人
- そのどちらでもなく、快楽殺人に魅入られた人
が、同じマンションに詰め込まれているという異常な構図。
この“複数の加害者属性が混在する相関図”こそ、
『あなたの番です』という作品の独特の面白さだと感じます。
殺人に直接関係しない住民たちの一覧(ざっくり整理)
1階:102〜104号室
102号室:児嶋俊明
失踪した児嶋佳世の夫。佳世は事件の被害者だが、俊明自身は交換殺人ゲームの“蚊帳の外”に近く、殺人の加害者にもならないポジション。疑われる場面はあるものの、最終的には「被害者遺族枠」に収まる。
103号室:田宮君子
夫・田宮淳一郎が過去の因縁から殺人に手を染めてしまう一方で、君子は「夫を信じたい普通の妻」として描かれる。夫の異変に気づきながらも、計画に加担したり隠蔽工作を主導したりはしておらず、殺人とは一歩距離を置いた立場。
104号室:石崎家(洋子/健二/文代/一男)
洋子は自分の名前を書いてしまったり、ベランダからぶら下がったりと“お騒がせ枠”だが、あくまでコメディ寄りの役割。石崎一家は誰も人を殺さず、誰も殺されず、「ゲームに振り回されただけの家族」として終わる。
2階:201号室・204号室
※201号室の浮田は被害者側なので除外し、ここでは「殺していない&殺されていない人」に絞っています。
201号室:妹尾あいり/柿沼遼
浮田の“かわいいバカな弟分コンビ”。拉致などグレーな行動には絡むものの、本編で実際に人を殺すことはない。あいりは父親に刃物を向けるシーンもあるが、止めに入った浮田が代わりに刺されてしまい、彼女自身が殺人犯になる展開は避けられる。
204号室:西村淳
住民会の新会長。管理人室に出入りしていたり、AI分析で犯人候補に挙がったりと怪しさ全開だが、最終的には殺人の加害者でも被害者でもない“事件の外側”の人物として処理される。視聴者をミスリードするための“謎多き凡人”枠。
西村についての記事はこちら↓

※202号室の黒島、203号室の住人たちは殺人側に深く関わるためここからは除外。
3階:301・302・304号室
301号室:尾野幹葉
翔太への異常な執着、菜奈の部屋に勝手に入り込むクセ、手作り料理の圧……とホラー要員として大活躍。ただしドラマ上は「直接の殺人犯」にはなっていない。後半は黒島&二階堂カップルをかき乱す存在として機能し、あくまで“事件をややこしくするスパイス”的な立ち位置にとどまる。
尾野ちゃんについてはこちら↓

302号室:手塚翔太
物語の主人公。妻・菜奈を殺された被害者遺族として、AIの二階堂と組んで真犯人・黒島を追いつめる側に立つ。復讐心で暴走しかける場面はあっても、自分の手で誰かを殺すことはなく、最後まで“線を越えない主人公”として描かれる。
304号室(現住人):二階堂忍
反撃編から登場するAI研究者。黒島に好意を利用され、一度は殺人未遂の行動を取ってしまうが、誰も死んでおらず、最終的には黒島の犯行を止める側として落ち着く。視聴者的には「犯人かも?」と疑われたが、黒島が真犯人だと明かされたことで“利用された側”と整理される。
<元304号室>北川澄香/北川そら
シングルマザーの北川と息子・そら。いじめ問題など日常的な悩みは抱えているが、交換殺人ゲームや連続殺人からは早めに距離を取り、殺人事件そのものからはほぼ無関係のままマンションを去っていく。北川澄香が書いた児嶋佳世で亡くなるが、引っ越ししていなくなってしまう。
4階:401・404号室
401号室:木下あかね
ゴミ漁りと盗撮で住民の秘密を集めていたミステリー作家志望。中盤までは「絶対こいつ黒幕だろ」と思わせるが、真相としては“ネタ集めに夢中なだけ”で殺人には完全に無関係。事件の観察者であり、情報をかき回す“メタ視点キャラ”。
404号室:江藤祐樹
若いIT起業家で、住民に自作アプリをゴリ押しする少しウザいタイプ。502号室の赤池幸子と妙に仲が良かったり、GPSアプリで住民の位置を追跡していたりと黒幕候補として疑われ続けたが、ゲームの発案にも殺人計画にも直接関与していない。“意味深なまま終わるグレーゾーンキャラ”として残される。
江藤についてはこちらの記事でチェック↓

※402号室榎本家・403号室藤井は殺人側にいるため除外。
5階:501・502号室
501号室:佐野豪
非常階段をクーラーボックス片手に出入りし、謎の肉を扱うなど、終始怪しさを振りまいた男。実は職業は“氷彫刻家”で、食肉加工場に出入りしていたのも仕事の都合と判明。児嶋佳世の遺体が加工場で見つかったことで一時容疑者になるが、殺人犯ではなく、ただの変人として落ち着く。
佐野についての記事はこちら↓

502号室:南雅和
反撃編から登場した謎の男。お笑い芸人「南サザンクロス」を名乗るが、それは仮の姿で、実際は5年前の別事件の被害者遺族であることが判明。いわくつきの502号室にあえて住み込み、真相を探っていただけで、連続殺人の加害者にはならない。
南についてはこちら↓

考察:誰が“真犯人”で、誰が“加害者”なのか

最後に、ライター目線で少しだけ。
「黒島=真犯人」はもちろん正解。でもそれだけでは足りない
ドラマ上は最終的に、
- 黒島沙和=真犯人/黒幕
という形で決着します。これは間違いありません。
ただ、ここまで整理してみると、
- 管理人・床島がゲームを持ち込まなければ
- 赤池幸子が床島や江藤、西村と面白がらなければ
- 榎本夫妻や藤井、久住たちが「一線」を越えなければ
黒島の殺人は、「高知の過去の事件」で止まっていた可能性もあるわけです。
つまり、
真犯人は黒島でありつつ、 “ゲームを容認した全員が少しずつ殺人に加担していた”
というのが、僕がこのドラマを見終わって感じた最大のテーマでした。
交換殺人ゲームは“責任の分散装置”だった
「紙に名前を書く」「くじで引く」というルールそのものが、
- 殺意の責任を薄める
- 「みんなもやっているから」という空気を作る
ための “責任の分散装置” として機能していた、とも言えます。
- 自分が殺したいわけじゃない、ゲームだから
- 自分が書いたわけじゃない、たまたま引いただけ
- 自分がやらなくても、誰かがやるかもしれない
そうやって責任が薄まった隙間に、黒島のような“本物の殺人者”が紛れ込んでいく。
これはフィクションに限らず、現実社会でも怖い構図だと感じました。
まとめ
- 交換殺人ゲームの「書いた紙/引いた紙」は、13人分すべてが最終回までに明らかになっている。
- 本編の殺人の大半は、黒島沙和と内山達生ラインが主導している。
- それ以外の住民も、それぞれの事情から「一線を越えてしまった」人として描かれている。
- 黒島は高知時代から複数の殺人を犯しており、交換殺人ゲームはその“連続殺人を隠すための煙幕”として使われていた。
「誰が誰を殺したのか」「誰が誰を書いたのか」を一度整理すると、
あな番は単なる“犯人当てドラマ”ではなく、
“集団の中で、殺意や責任がどう分散されていくのか”を描いた作品 だと、あらためて感じます。
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