6話は“止めようとしても止まらない”連鎖殺人が、いよいよ本格的に牙をむきはじめる回でした。
菜奈の隠してきた過去、翔太の揺れる信頼、久住と浮田に届くダブル「あなたの番です」。
さらに児嶋佳世の“足だけ遺体”という衝撃展開まで重なり、マンション全体の空気が一気に崩れていきます。
ここから本当の地獄が始まる——そんな予感を残す一話でした。
あなたの番です(あな番)6話のあらすじ&ネタバレ

6話をざっくり一言でまとめると、
「連鎖殺人を止めようと動き出したのに、それでも“次の死”が起きてしまう回」
です。時系列に沿って整理していきます。
袴田吉彦殺害の余波と、菜奈の「細川朝男」告白
前回、俳優・袴田吉彦が本人役のまま襲われ、101号室・久住は「ふざけて書いた名前なのに」と罪悪感に押し潰されそうになっています。
久住が交換殺人ゲームで“引いた紙”に書かれていた名前は、
「細川朝男」
ルール通りなら、
「久住が細川を殺す番」
という最悪の状況。
菜奈は久住と向き合い、覚悟を決めて告白します。
- 自分がゲームで書いたのは細川朝男
- だから久住には絶対に細川を殺してほしくない
- 誰かに脅されているなら、自分に話してほしい
涙をこらえながら頭を下げる菜奈。しかし久住は「全部あなたが来てから始まったんじゃ?」と疑いの言葉まで口にし、302号室には重苦しい空気が流れます。
翔太 vs 細川朝男──“ポジティブすぎる宣戦布告”
一方、翔太はジムで細川と真正面から対決。
本来なら怒鳴り合いになってもおかしくない状況なのに、翔太はなぜか全力の“ポジティブ宣言”をぶつけます。
- 「アニキとは女性の好みも一緒なんですね!」
- 「アニキが菜奈ちゃんを口説いても、僕はそれ以上の愛情を注ぎます!」
細川は引きつった笑顔を浮かべ、「偶然仕事で会っただけ」と言い繕う。ただ視聴者的には、もう完全に“爆発寸前の修羅場”の前触れにしか見えません。
菜奈の本当の過去──「まだ籍の入った夫」だった細川
302号室では、菜奈がついに真相を告白します。
- 細川朝男は、菜奈の元勤務先の社長
- そして今も籍が入ったままの“夫”
- 結婚中に「どうしても許せない一つの出来事」があり、別れを決断
- しかし細川は離婚届を出してくれない
- 仕事も細川経由の案件が多く、完全には切れない
- だから翔太との婚姻届も提出できなかった
翔太はショックのあまり、なぜか隣の久住の手を握って「ブル来ました…」と強がる。続けて「菜奈ちゃんが一度愛した人だから、細川さんを殺しちゃダメ」と真剣に久住を諭します。
翔太の“強がり”と“本音”が交錯する、この6話屈指の名シーンです。
久住と浮田に同時に届く「あなたの番です」──ゲーム圧が増す
久住は「細川は殺さない」と宣言して部屋へ戻るものの、ポストには再び「あなたの番です」の紙。
同時刻、201号室・浮田の車にも同じ文言。
5話までは“1ルートずつ”動いていた脅迫が、6話では複数同時に発動。ゲームが複線化していることを示す、非常に不穏なポイントです。
児嶋佳世の孤独──「なんで私だけ寂しいの!」
102号室・児嶋佳世は、別居中の夫・俊明との関係に完全に行き詰まり、情緒が限界に達しています。
- 荷物だけ取りに来てすぐ帰る俊明
- 「子どもが欲しい」と泣く佳世に「誰の子だよ」と突き放す
- 石崎家の子どもを勝手に連れ去ろうとする
拒絶された佳世は、エントランスで泣き叫びます。
「なんで私だけ寂しいの…!」
この絶望が、後の“足だけ遺体”へ直結する伏線になっていきます。
田宮は協力拒否──「夢に時間を使いたい」
連鎖殺人を止めるため「名前を全員で共有したい」と菜奈たちは103号室の田宮に協力を依頼します。
しかし田宮は突然の方向転換。
「これからは私の夢のために時間を使いたい」
劇団活動に没頭し、事件から距離を取り始めます。6話以降の“田宮の行動の裏”を考えると、この冷たさは非常に大きな伏線です。
尾野の「最後のプロテイン」と、翔太の決意
出勤前の翔太は、尾野から恒例の手作りプロテインを渡されます。ついに翔太は、
「これで最後にしてください」
と拒否。尾野は笑顔のまま、
「あぁ、そうですかぁ〜」
と低めのトーンで返し、視聴者に強烈な不安を植え付けます。
翔太自身は、
- 菜奈の秘密を受け止める
- 細川を守り、連鎖殺人を止める側に回る
という、前向きな決断を固めます。
「書いた人・書かれた人」告白大会(臨時住民会)
田宮不参加のまま、菜奈たちは自力で臨時の住民会を開催。
榎本早苗/黒島沙和/北川澄香/菜奈/翔太/久住
の“本気メンバー”が集まりました。
ここで明らかになった主な内容は以下。
榎本早苗
- 書いた:初恋の人
- 引いた:席を譲らない人
黒島沙和
- 書いた:早川教授
- 引いた:織田信長(実質“無害なカード”)
手塚菜奈
- 書いた:細川朝男
- 引いた:こうのたかふみ
北川澄香
- 書いた:児嶋佳世
- 引いた:白紙
特に重要なのは、
佳世の名前を書いたのは北川だと判明。しかし“その紙を引いた人物”はまだ不明のまま
という点です。
黒島メモ誕生──“理系的整理”の裏に潜む影
住民会後、菜奈と早苗が黒島の部屋を訪れると、ホワイトボード裏にびっしり並ぶ相関図が…。
- 部屋番号
- 書いた名前・引いた名前
- 被害者リスト
“リケジョ探偵”と褒めたくなる整理能力ですが、最終的な真相を知っている目線で見ると、この瞬間こそ、
「黒島黒幕説」を強烈に支える布石
であったことが分かります。
警察が浮田をマーク──そして再び「あなたの番です」
アリバイ不明の浮田を警察が尾行。しかし浮田は妹尾あいりを守るための動きをしており、それを説明できない“事情の言えなさ”が誤解を深めていきます。
浮田の車に残された「あなたの番です」は、彼の命が刻一刻と削られていく前兆でした。
ゴルフバッグに届いた「赤い足」──児嶋佳世の遺体
別居中の夫・俊明が受け取ったゴルフバッグ。得意げに開けた瞬間、飛び出したのは——
真っ赤なペディキュアを塗られた女性の足。
それが児嶋佳世の“足だけ遺体”だと判明し、6話は衝撃の幕切れへ。
同じ頃、マンションでは、
- 佐野豪が重いクーラーボックスを運んでいる
- 誰もいないはずの502号室から、人影が出てくる
という不穏すぎるカットが挟まれ、
「遺体の残りはどこへ?」
という新たな謎が提示されます。
あなたの番です(あな番)6話の伏線

6話は、この先の展開につながる伏線の宝庫です。重要なポイントを順番に整理します。
① 告白大会で見えた「書いた人/書かれた人」マップの骨格
臨時住民会で明かされたのは以下の関係性です。
- 早苗: 初恋の人/電車の席を譲らない人
- 黒島: 早川教授/織田信長
- 菜奈: 細川朝男/こうのたかふみ
- 北川: 児嶋佳世/白紙
ここで重要なのは、
- “児嶋佳世”を書いたのは北川であること
- “こうのたかふみ”という謎の人物が、菜奈の「引いた紙」として登場したこと
の2点です。
後の話数で、
- “白紙”は尾野が出した白紙だった
- “こうのたかふみ”は田宮の部下で、8話でエレベーター事故に遭う人物だった
と明らかになり、6話で出た名前がそのまま後半戦の事件と直結していきます。
② 黒島メモ=“犯人が作った事件年表”という二重構造
6話で初登場する黒島のホワイトボード(黒島メモ)は、
- ゲーム参加者
- 書いた名前/引いた名前
- 被害者一覧
が整理された便利な相関図に見えます。
しかしシリーズ後半で判明する通り、黒島は多数の事件に深く関わる“黒幕格”の人物。
つまり黒島メモは、「事件を整理している」のではなく「自分の犯行を管理するためのノート」だった可能性が高いわけです。
6話は、
“探偵役”の顔をした“犯人”
を描くための、巧妙すぎる布石になっています。
③ 児嶋佳世の赤いペディキュアと、“足だけ遺体”の意味
ゴルフバッグから突き出た赤いペディキュアの足。児嶋佳世の“壊れかけた心”を象徴しているような演出です。
- 子どもができない焦り
- 夫からの拒絶
- 寂しさの裏返しで他人の子どもに執着
という崩れかけた精神状態が、6話時点ですでに明確。後に佳世は、
- 北川に名前を書かれ
- 引いたのは赤池美里
- 実行犯は〇〇(+内山)
というルートで殺害されます。
“足だけ遺体”というショッキングな見せ方は、
「名前を書かれた側がどれほど凄惨な終わり方をするか」
を視覚化した伏線でした。
④ 「あなたの番です」が“同時に二人”へ届く意味
6話で初めて、
- 久住
- 浮田
の両名に「あなたの番です」が同じタイミングで届きます。
ここから浮上するのは、
「ゲームは単線ではなく、複数ルートで同時に進行している」という可能性。
実際、
- 久住ルート → 細川朝男へ
- 浮田ルート → 赤池家の“書いた人”ライン
と、それぞれが別方向に動いていきます。
“黒幕が一人では管理できない規模になっている”ことを示す伏線でもあります。
⑤ 北川が書いた「児嶋佳世」と、引いた“白紙”という皮肉
北川が佳世の名前を書いたものの、自分が引いたのは“白紙”だったという事実。
これは後から振り返ると大きな皮肉です。
- 書かれた側(佳世)は殺される
- 書いた側(北川)は“白紙”によってゲームの直接の呪縛から外れている
北川は母としての恐怖から佳世の名前を書いただけで、本心では殺意はない。それでも佳世は残酷な形で死んでしまう。
この非対称性が、ゲームの理不尽さをより強調しています。
⑥ 細川朝男=菜奈の“止まっていた時間”という構図
菜奈が6話で告白した内容は、伏線として大きな意味があります。
- 細川は今も戸籍上の夫
- 離婚届を出してくれない
- 仕事も細川経由が多く、関係を切れない
つまり菜奈は、“過去の結婚生活の時間”にまだ縛られていたということです。
この三角関係は後に、
- 細川の死(久住による突き落とし)
- 菜奈の死
- 翔太の反撃編への突入
すべてを動かす原点になります。
⑦ 501号室・佐野のクーラーボックスと、502号室の謎の影
ラスト近くで映る、
- 佐野が重そうなクーラーボックスを運んでいる
- 誰もいないはずの502号室から人影が出てくる
という意味深ショット。
後に、
- 佳世の“冷凍遺体”
- 佐野の仕事場が食肉加工場
という情報が明かされ、このシーンは“遺体保管の示唆”として機能していたことがわかります。
6話時点ではミスリードのように見えて、実はかなり核心に近い伏線だったという構造です。
あなたの番です(あな番)6話を見た後の感想&考察

「嘘」と「告白」、「守りたいもの」と「捨てられないもの」が正面衝突する回
6話全体を見て強く感じたのは、この物語の根底にある人間の矛盾が一気に噴き出したこと。
- 隠す人
- 告白する人
- それを受け止めようとする人
- 自分を守るために逃げる人
それぞれの生々しい感情が、6話では一斉にぶつかってきます。
「全部言う」宣言の直後に、やっぱり隠す菜奈
まず最初に胸を刺したのは、ここ。
菜奈は翔太に
「もう隠し事はしない。全部言うね」
と宣言します。
しかし実際には、
- 細川との関係
- 細川の名前を書いたこと
は打ち明けたものの、
木下から受け取った「302号室の人」の紙だけは黙ったまま。
翔太は、菜奈の癖から“嘘をついた瞬間”を察している。それでも、
「じゃあ、できることから一緒にやろうか」
と受け止める。
このやりとり、本当に心が痛い。
- 打ち明けたいけれど、全部見せるのが怖い菜奈
- 信じたいけれど、完全には信じきれない自分を分かっている翔太
理想の夫婦像の裏にいる“弱い人間”が、丁寧に浮かび上がる回でした。
翔太の“聖人ぶり”は、優しさなのか、それとも現実逃避なのか?
当時SNSでも、
「翔太、いい人すぎて逆に怖い」
「こんな旦那、現実に存在する?」
という声が多かった回。
6話の翔太は、
- 菜奈が“まだ籍の入った夫”を隠していた
- その夫に“殺したい人”として名前を書いていた
という衝撃事実を知りながら、
怒るのではなく、まず「気づけなかった自分」を責めるという謎の善人ムーブ。
普通なら爆発してもおかしくない状況なのに、翔太はとにかく“笑い”に変えて飲み込もうとします。
「久々のブル来ました!」
という一言も、心の衝撃を笑いへ変換する防衛反応。そして翔太の“オランウータンタイム”は、
- 冷静になる時間
- ネガティブを処理するためのバッファ
の両方の機能を果たしているように見えました。
6話は、その“ポジティブさ”が現実逃避と紙一重になっていく危うさが出始めた回でもあります。
児嶋佳世の“孤独”こそ、このドラマ最大のホラー
佳世のパートは、ホラーではなく“人間の壊れ方”として恐ろしい。
- 夫に突き放され
- 子どもにも拒絶され
- 他人の子どもを自分のもののように扱おうとする
「なんで私だけ寂しいの!」と泣き叫ぶ場面は、殺人事件以上に胸に刺さります。
6話は、「人が壊れていく過程」を観察するドラマであるという本作の本質が強烈に出た回でした。
ラストが“足だけ遺体”なのも象徴的。
- 彼女が欲しかったのは“家族全体”
- しかし残ったのは“足だけ”
あまりに残酷で、見るたびに胃が締め付けられます。
黒島が“探偵役”に出てくる違和感がすべての布石だった
6話の黒島は、急にスイッチが入ったように
- 積極的に意見を言い
- 住民会を整理し
- 自室に“黒島メモ”を作り
まるで事件解決に前向きな“探偵役”へとポジションが変化します。
当時の視聴者も敏感に反応していて、
「黒島ちゃん、急に喋りすぎ」
「探偵ムーブが逆に怪しい」
という声が多かった。
ミステリーの黄金ルールとして、
「事件に最も詳しい人間が犯人の可能性が高い」
という有名なセオリーがありますが、6話の黒島はまさにその典型的な布石になっていました。
今見返すと、完璧に“黒島黒幕説”の伏線です。
「あなたの番です」がダブルで届く──ゲームの質が変わる瞬間
6話最大のゾワッはここ。
- 久住のポスト
- 浮田の車
両方に「あなたの番です」が到着。
5話までのイメージは、
「次のターゲットは1人」
でしたが、6話で一気に、
「複数の殺人ルートが並列で動き始めている」
というゲームの変化が示されます。
この瞬間から、
- 犯人は複数いるのか?
- “ゲームを進める人”と“殺す人”は別なのか?
という考察が一気に複雑化していきました。
「正直に話す人」と「自分を守る人」の対比が鮮明になる
6話は、各キャラの“情報スタンス”がハッキリします。
正直に話す人
- 菜奈:細川を書いたことも、過去も告白
- 北川:佳世を書いたと認め、後悔する
自分を守るために隠す人
- 黒島:書いた/引いた紙について嘘をつく
- 田宮:夢に逃げ、ゲームから距離を置く
- 細川:菜奈との関係をごまかす
そして翔太だけは、
嘘に気づきながら、それでも「信じる」を選ぶ人間
という“第三の立ち位置”にいる。
この“立ち位置の差”が、後に誰が死に、誰が生き残るかを分けることになるのが本当に残酷。
6話時点での犯人候補たち&今振り返ると見えてくる仕掛け
リアルタイム視聴のころ、6話終了時点のざっくり印象はこんな感じでした:
- 黒島:怪しすぎる。探偵ムーブが逆に黒幕感。
- 浮田:警察に疑われ、番も届き、映り方も怪しい。
- 久住:罪悪感の揺れが危ない。細川を殺す可能性あり。
しかし実際には、
- 黒島 → 本当の黒幕
- 浮田 → 娘同然のあいりを守ろうとした“善の側”
- 久住 → グレーだが完全な悪ではない“中間層”
という複雑な真相に。
6話は、この“本当の顔”がすべて薄く顔を覗かせる、極めて重要な回でした。
まとめ:6話は“情報の取捨選択”がそれぞれの未来を決め始める回
6話は派手な事件(佳世の足だけ遺体)だけでなく、
- 誰が何を隠しているか
- 誰がどの情報を握っているか
- 誰がどこまで“信じる”のか
という“情報の立ち位置”が決定づけられる回でした。
このあと、
- こうのたかふみの正体
- 細川の運命
- 佳世の“残り”
- 黒島メモの裏の意味
など、6話で撒かれた伏線が一気に回収されていきます。
見返すときはぜひ、
「この時点で誰が何を知っていて、何を隠しているのか」
という視点で追うと、6話の恐ろしさが倍増します。
細かいしぐさや一言が、後の悲劇に直結しているのが分かって、背筋が冷えます。
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