ドラマ「おコメの女」は、税務調査という一見地味な仕事を舞台にしながら、
「正しく集めて、正しく使う」という言葉の裏側にある、金と権力の歪みを暴いていく社会派ドラマです。
物語の中心にいるのは、東京国税局・資料調査課の調査官・米田正子。
彼女が立ち上げた新部署《複雑国税事案処理室(通称:ザッコク)》は、悪徳セミナー、企業の裏金、政治家の隠し財産といった“表に出ない金”を追い続けます。
一話完結の痛快さがありながら、物語は次第に正子の過去、政界サイドとの因縁、組織内の圧力という縦軸を強めていく構造。
最終回では、これまでの事件が一本の「金の流れ」に収束することが示唆されています。
この記事では、「おコメの女」全話を通して
・各話のあらすじと重要ポイント
・伏線の配置と意味
・ザッコク結成の真意
・最終回の結末予想
を、初見の人にも分かるように整理して解説します。
一話ずつ追ってきた人も、これから一気見する人も、全体像を掴むためのガイドとして読んでみてください。
おコメの女の脚本は誰?
まず結論から言うと、『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』の脚本クレジットは個人名ではなく「g.O.A.T」名義になっています。
脚本は「g.O.A.T」名義(公式クレジット)
脚本は g.O.A.T と表記されています。
そのため、「脚本家は誰?」と検索した場合、現時点での正式な答えはこの名義になります。個人名での脚本家表記は出ておらず、チームまたはプロジェクト名義として扱われている形です。
ついでに押さえると記事が厚くなる“制作陣”のポイント
脚本だけでなく、作品全体の“手触り”を決めている周辺スタッフも把握しておくと、記事の理解度が一段深くなります。
- 演出:田村直己/楢木野 礼/塚本連平
- 音楽:村松崇継
- 制作協力:MMJ
【全話ネタバレ】おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-のあらすじ&ネタバレ

東京国税局“コメ”に新部署ザッコク誕生。
米田正子率いるクセ者チームが悪徳セミナーや政治家の不正を暴き、脱税者を成敗。“正しく集めて、正しく使う”が軸。
※ここから先は結末まで含むネタバレです。
1話:年金ビーナス紅林葉子を摘発、ザッコクの“勝ち方”が決まる
税務調査を「頭脳戦」に変える導入
第1話の焦点は、「税務調査=堅い話」という印象を、ルールを武器にする頭脳戦へ転換できるかどうかにあります。結論から言えば、初回の時点でザッコクははっきりと“勝ち方”を提示しました。
物語は、国税調査官・米田正子が脱税社長を追い詰める場面から始まります。
相手が口を滑らせた瞬間を逃さず、「明示の承諾を得た」と宣言し、任意調査でも踏み込める状況を作り出す。さらに「脱税の上に成り立つ幸せは認めない」と数字と論理で言い切り、正子の仕事観が冒頭で強く刻まれます。
ザッコク結成、クセ者チーム始動
続いて正子は、新部署「複雑国税事案処理室(ザッコク)」を立ち上げます。
メンバーは、財務省キャリアの笹野耕一、ワークライフバランス重視の俵優香、強運だけが取り柄の室長・古町豊作、元“ガサ入れの魔女”と呼ばれた飯島作久子。
一癖も二癖もある人材を集め、厄介な案件を専門に扱うチームが始動します。
年金ビーナス紅林葉子という標的
初回のターゲットは、“年金ビーナス”として高齢者の支持を集めるセミナー講師・紅林葉子。
表向きは老後資金の相談に乗る善人ですが、裏では「今月は必ず3000万むしり取る」と金づるを品定めする悪党です。
ザッコクはセミナーに潜入して実態を探ろうとしますが、笹野の正体が割れて警戒され、葉子は上層部へ圧力をかけて調査を止めにかかります。それでも正子は引き下がりません。
潜入作戦とチームプレー
セミナー後、ザッコクは葉子に招待されたリゾート施設のパーティへ潜入。GPSと隠しマイクを使いながら、“金の回収現場”に迫っていきます。
ここでチームの役割分担が鮮やかに噛み合います。優香はウェイトレス、古町は着ぐるみで目くらまし、作久子は清掃員として嗅覚を頼りに手がかりを拾う。全員が自分の強みを活かし、現場を動かしていきます。
ルーレット勝負と摘発の決着
クライマックスは紅林葉子との直接対峙。
葉子は「明示の承諾がないと調査できない」と壁を作りますが、正子はルーレット勝負に持ち込み、30分間の調査許可を勝ち取ります。制限時間の中、ザッコクは隠し資産《タマリ》を捜索し、ホログラム水槽の奥に隠された現金を暴いて摘発。葉子の“善人の仮面”は剥がれ、初回案件は鮮やかに決着します。
次なる敵への布石
ただしラストでは、次の敵が示唆されます。
正子が居酒屋で飲んでいると、経済産業大臣の二世議員・鷹羽宗一郎が現れ、過去の因縁が匂わされる。物語は「個人の脱税」から「政治と税」へとスケールアップする気配を残して幕を閉じます。
1話の伏線
- 明示の承諾:任意調査の弱点を交渉と勝負で突破する、今後も繰り返される勝ち筋
- 《タマリ》:隠し資産探しが毎話のクライマックス装置になる
- 笹野耕一と正子の距離感:なぜ正子は笹野を引っ張り、危ない役回りを任せるのか
- 飯島作久子の過去:“ガサ入れの魔女”と呼ばれた理由と国税を離れた背景
- 紅林葉子の圧力ルート:権力側とつながる脱税が縦軸に入りそう
- 鷹羽宗一郎の登場:ザッコクの敵が“ルールを作る側”へ移る前触れ
1話のネタバレについてはこちら↓

2話:老舗おはぎ店「福はぎ庵」の脱税疑惑、真相は“番頭の横領”だった
タレコミから立ち上がる“糠の匂い”
発端は、ザッコク(複雑国税事案処理室)の発起人・米田正子が、情報屋・白井から受け取ったタレコミだった。狙いは、おはぎで評判の老舗和菓子店「福はぎ庵」。
「脱税疑惑」という一言で、正子の中に“糠の匂い”が立ち上がる。
兄弟の対立が生む、疑いの循環
先代・萩本新太郎の死後、店を継いだ双子の兄・亜紀也と、別路線で新店「シン・FUKUHAGI-&」を立ち上げた弟・莉杏の溝は深まっていた。
兄は「親父の金を使い込むようなやつは許さない」と弟を疑い、弟は「兄が遺産を食い潰した」と反発する。疑いが兄弟間で循環し、誰も事実に辿り着けなくなっている状態から物語は始まる。
作久子が“割り切れない”理由
和菓子好きの飯島作久子が、この案件に限って調査に強く反対するのも印象的だ。先代も兄弟も昔から知る彼女にとって、福はぎ庵は“守りたい場所”。
作久子は単独で店に向かい、番頭・砂原の話を聞きながら、兄弟の険悪さの根を肌で探る。一方、正子たちは別動で新店へ向かい、莉杏から資金や確執の事情を引き出していく。ここで浮かぶのは、脱税というより「相続と店の金の扱いが絡まった歪み」だった。
作久子の過去が重なる縦軸
同時に描かれるのが、作久子の過去だ。俵優香が、作久子が若い男性の部屋に入っていく姿を目撃するが、彼女は理由を語ろうとしない。
やがて、その男性が作久子の過去のガサ入れと関係する家族に繋がっていたことが明かされる。かつて“ガサ入れの魔女”と呼ばれた作久子は、捜索が引き金で相手を死なせてしまった経験を抱えていた。その痛みが、福はぎ庵への感情的な抵抗と重なっていた。
ガサ入れで反転する真相
調査の末、ザッコクは正式な承諾を得てガサ入れを実施。作久子が目をつけた代々の壺は空振りに終わる。
しかし優香が番頭・砂原のヘルメットに触れた瞬間、砂原が異様な反応を見せ、そこから札束が見つかる。簿外取引の痕跡と繋がり、真相は「老舗の慣習を悪用した番頭の中抜き=横領」だと反転する。
砂原は兄弟を疑心暗鬼に陥れることで視線を逸らし、「店を継ぐのは自分だと思っていた」という歪んだ恨みから、現金中心の流れを利用して金を抜いていたのだった。
事件の先に残るもの
事件解決後、作久子は過去の家族から「もう大丈夫」と言葉を受け取り、ようやく自分を許す方向へ進む。
さらに、餅米を卸す農家への調査から、経済産業大臣・鷹羽宗一郎の名が浮上し、福はぎ庵の件が政界サイドへ繋がる可能性も示される。老舗の一件で終わらせず、ザッコクが“厄介な場所”へ踏み込む入口として、第2話は静かに幕を閉じる。
2話の伏線
・壺が空振りだった意味(伝統的ミスリード)
・砂原のヘルメットに隠された札束
・俵優香の観察者としての役割
・作久子の過去と「正しさへの恐怖」
・鷹羽宗一郎の名が示す政界との接点
2話のネタバレについてはこちら↓

3話:手相を変えると税も消える?美容×占い×宗教の脱税ルート
第3話は、表向きは“美容クリニックの脱税疑惑”なのに、蓋を開けると「占い」「宗教法人」「手相の整形」が一本の線でつながる回でした。
ザッコク(複雑国税事案処理室)の強みである“点と点を結ぶ嗅覚”が、ようやく本領を発揮した印象です。
ブタレは小粒、正子だけが反応した「Y2K」
麦谷から届いたブタレ(タレコミ)ファイルは小粒な案件ばかりで、メンバーのテンションは低め。そんな中、正子だけが「Y2K美容クリニック」に食いつきます。
総院長・芦屋満信はCMにも出演し全国展開、派手な露出と生活ぶりがいかにも怪しいタイプ。ここで出る正子の「糠の匂いがする」は、数字ではなく感覚で疑う彼女らしい合図でした。
優香の単独行動と、チームから距離を取る違和感
先行調査に動くも、俵優香はきっぱりと拒否して単独行動へ。
結果を出してきた彼女が、あえてチームから距離を取る選択をするのは戦力的に痛手ですが、同時に「何か抱えている」サインにも見えます。正子にとっては、戦力低下と不安が同時にのしかかる展開です。
制度ハックの正体|独立院長×消費税免税の悪用
作久子は客として院内を観察し、妙に緊張した待合室と、空間にそぐわない神棚に違和感を覚えます。一方、笹野と古町は医師が集まるサウナに潜り込み、六本木院の院長と“独立した医師”の会話を拾う。
そこで見えてきたのが芦屋の制度ハック。
若手院長を独立(個人事業主化)させ、開業初期の消費税免税を利用しつつ、給与を業務委託報酬に置き換えて不当に免税を受ける仕組みでした。派手に稼ぎながら税だけ軽くする、いちばん嫌な“賢さ”です。
占い師・神無月シェイクと「明示の承諾」の壁
一方の優香は、人気占い師・神無月シェイクの番組を見ている最中、やたらとY2KのCMが挟まることに気づきます。さらに動画に映った“ある女性”に引っかかり、占いサロン「ルナティック・クリニック」へ踏み込みます。
国税調査は強制捜査ではない場面も多く、入口には相手の同意=「明示の承諾」が必要。
シェイクはそこを突くように、簡単に首を縦に振りません。心理学で切り込む優香に対し、シェイクは逆に心の傷を言い当て、大学時代に親友・坂之下美月に裏切られた過去が露わになります。
脱税の核心|手相手術と「お布施」に偽装された現金
脱税の決定打は、シェイクが勧める「過去と決別する方法」=手相を変える手術でした。手に包帯を巻いた患者たちはその直後で、シェイクは彼らをY2Kへ紹介。見返りの現金を“宗教法人へのお布施”名目で受け取っていたのです。
美容(見た目)×占い(運)×宗教(救い)を混ぜ、課税されにくい形に金を変える。非課税の皮を被せた紹介料――ここを剥がせば、金の流れは一気に犯罪の顔をします。
美月の協力と、優香の「ばぁーか!」
決め手になったのは美月の存在。優香は「これ以上罪を重ねるな」と止めつつ「助ける」と手を差し出し、美月が協力に転じたことで明示の承諾が成立します。証拠が揃い、事件はきっちり決着。
最後に優香が吐き出した「ばぁーか!」は勝利宣言ではなく、長年飲み込んできた悔しさの放電でした。
ラストに伸びる縦軸|手相は政界ラインへ
ラストでは、鷹羽宗一郎の演説に重なる田次の姿が描かれ、“手相”というモチーフが政治の線へも伸びていきます。単発事件で終わらせず、政界ラインへ接続していく縦軸が、ここから一気に濃くなりそうです。
3話の伏線
- 神棚の違和感(確定):美容クリニックに“信仰”が入り込んでいたサイン。のちの「お布施」ルートと直結。
- 手に包帯の患者(確定):手相手術の存在を先に見せる伏線。
- 番組中にY2KのCMが頻発(確定):広告の“偶然”に見せた接点。優香が線をつなぐ起点。
- サウナでの医師の会話(確定):院長の独立・個人事業主化→消費税免税の悪用という、制度トリックの種明かし。
- 「明示の承諾」を巡る駆け引き(確定):強制で踏み込めない弱点を、相手に突かれる構図が今後も使われそう。
- シェイクが優香の過去を把握(確定):情報がどこから漏れているのか/誰が流しているのか、今後の不穏材料。
- 優香と美月の“関係修復の入口”(確定):優香がチームに戻るだけでなく、再び「誰かを信じる」方向へ動ける伏線。
- 鷹羽×田次×手相モチーフ(考察):今回の“手相”が単発ギミックで終わらず、政界ラインの鍵として回収される可能性。
3話のネタバレについてはこちら↓

4話:囮にしない正義、囮に“なってしまう”現実
今回の標的は、会社員を狙う還付金フィッシングだった。
「赤字に見せれば所得税が戻る」と甘い言葉で誘い、確定申告のやり方まで指南して手数料を取る。騙される側は、自覚のないまま不正申告に踏み込まされる。被害者と加害者の境界が曖昧になる、最悪の構造だ。
相談を持ち込んだのは正子の友人・真由美。しかも彼女は、ザッコク新人・笹野の母でもあった。仕事として淡々と処理したい案件に、家族が絡む。ここで笹野が演じてきた「平然」が、静かに揺れ始める。
被害者救済と「税の正しさ」を同時に背負う地獄
ザッコクは、被害者たちが口を揃えて訴える「連絡先が消えた」「銀行口座が変わって追えない」という点に着目し、指南役の動線を洗う。
今回の厄介さは、相手が直接金を盗むのではなく、「嘘の申告をさせて逃げる」点にある。正子は、被害者を守りながら、同時に税の正しさも守らなければならないという二重の地獄を背負う。
笹野は「母を囮にすれば尻尾が出る」と提案する。しかし正子は止める。危険が大きいこと、そして笹野がすでに冷静さを失っていることを見抜いていたからだ。
囮にしない判断と、単独行動という現実
それでも笹野は引かない。
真由美から「まだ調べている」と聞いた正子は作久子たちに共有するが、笹野は単独で調査を続行。詐欺に関わった会社員の一人・大崎と接触し、再会の約束を取り付ける。
だがその待ち合わせは罠だった。拉致された先で突きつけられたのは、暴力だけではない。
「お前も不正をした側だろ」という論理で、逃げ道を塞がれる。大崎こそが首謀者であり、被害者の弱さを食い物にしていた。
“数字”が命を救う瞬間
笹野は殴られて終わる男ではなかった。
隙を突いて古町のスマホに動画を送り、ザッコクへSOSを通す。優香たちはわずかな情報から位置を割り出し、正子は即座に動く。
踏み込んだ先にあったのは、詐欺で集めた金で購入された金塊だった。
大崎は「これは俺の金だ」ととぼけるが、笹野が送ったインゴットナンバーが決定打になる。金は形を変えても、数字は嘘をつかない。救出と摘発が同時に成立し、笹野は命を拾う。
正義の奥にあった“親子の欠損”
事件後、笹野は真由美に、数字のスペシャリストになった原点を打ち明ける。
「母に褒められるのがうれしかった」。この一言で、危うい単独行動が正義感だけでなく、親子関係の欠損から来ていたことが明らかになる。
そしてラスト、笹野は正子がザッコクを立ち上げた目的が、鷹羽宗一郎につながるのではないかと核心に触れる。
灰島が正子の父・田次に接触し、大崎と過去でつながる箱山も姿を見せる。4話は成敗回でありながら、縦軸である政界案件が明確に動き出す回だった。
4話の伏線
- 詐欺マネーが“金塊”に変わっている:資金洗浄の匂い。小さな詐欺が、もっとデカい資金の流れに接続し得る。
- インゴットナンバーが決定打になった:このドラマは「記録」「番号」「出どころ」で刺す。次も“数字の証拠”が鍵。
- 大崎は首謀者でも“使い捨て”に見える:口座変更・連絡遮断の手際が良すぎて、裏に管理者がいそう。
- 正子がザッコクを立ち上げた“目的”:笹野が鷹羽宗一郎との繋がりを疑う=縦軸の核心へ。
- 灰島→田次への接触:正子の家庭(父)側からも、政界案件が侵入してきた。
- 箱山の登場:大崎と“過去が繋がる”人物が出た時点で、今回の事件は単発では終わらない。
- 笹野の「家族が絡むと暴走する」危うさ:今後も“正義”と“私情”がぶつかるトリガーになり得る。
4話のネタバレについてはこちら↓

5話:現役大臣の愛人疑惑と“セレブ配信”のカラクリ
第5話は「愛人疑惑」から入りつつ、最終的には「金の出口」を押さえた側が主導権を握る回だった。
元大物政治家・鷹羽錦之助の“お別れの会”に現れた正子は、そこで新潟にいるはずの父・田次と鉢合わせる。鷹羽家と田次が同じ場にいるだけで、権力と家族の因縁が一気に匂い立つ導入だ。
違和感の正体は「数字と暮らしのズレ」
同じ会場で正子の目に留まったのが、動画配信者のポンギ★カナちぇる。
登録者数は突出していないのに、生活レベルはやたらとセレブ。この“数字と暮らしのズレ”こそが、ザッコクが嗅ぎ取った最初の違和感だった。
笹野の調査で、カナちぇるが港区女子を集め、経営者相手のギャラ飲みを回している構図が見えてくる。優香が潜入した先で浮上するのが、愛人と噂される会社経営者・下柳の存在だ。
恋愛ではなく「税務」の話になる瞬間
追うべきは恋愛感情ではなく、金の流れだった。
カナちぇるが下柳の援助でブティックを回っている事実に加え、作久子の目で「子どもがいる」ことまで判明する。ここで案件は一気に税務へと傾く。
養育費や援助金は、出し方を誤れば脱税にも、裏金の受け皿にもなり得る。感情の話をしているようで、実際に問われているのは「金をどう処理しているか」だ。
否定動画が暴いた“点と点”
決定打になったのは、カナちぇるが宗一郎との愛人疑惑を否定する動画だった。
否定のための動画であるにもかかわらず、そこにギャラ飲み参加者の税理士・大瀬良が映り込み、点と点が一気に線になる。
ザッコクが下柳の会社へ踏み込むと、現れたのは元国税局員の税理士・箱山哲郎。国税の手順も癖も知り尽くした相手であり、正子にとっては因縁の宿敵だ。
箱山の余裕と「行為計算否認」という切り札
箱山は余裕を崩さず、調査許可を出す。
しかし笹野が借用書を見つけ、社債の利子という形で約1億円規模の金、つまり養育費が動いている可能性が浮上する。形式は整っている。だから取り締まれない、というのが箱山の読みだ。
ここで正子が切ったのが「行為計算否認」。
見た目がきれいでも、実態が違えば認めないという“中身勝負”で下柳を追い詰め、ついに口を割らせる。ただし箱山は、担当を大瀬良にすっとすり替え、矢をかわして幕を引く。最初から逃げ道まで設計していたかのような手際が、逆に不気味さを残した。
政治の顔色と税の数字がぶつかる
一方で宗一郎は、女性スキャンダルの火消しに追われる立場に追い込まれる。
カナちぇるの軽率な振る舞いが引き金となり、「子どもの父親は宗一郎ではないか」という噂まで立ち始める。表の顔を保とうとするほど、裏の事情が滲み出る構図だ。
第5話は、政治の顔色と税の数字が、同じ場所で真正面からぶつかり始めた回だった。
5話のネタバレについてはこちら↓

6話:VS政治家の裏金錬金術師!“7億のカード”で箱山に決着
第6話は、米田正子の「原点」が明文化される回だった。
同時に、箱山哲郎の裏金スキームが具体的な“形”として露出し、ザッコクが初めて真正面から勝ち切る。
ただし勝利は単純ではない。箱山を崩しても、盤面そのものはまだ動き続けている。そこがこの回の肝だ。
政治資金パーティーの“不自然な数字”
箱山が美術品・骨董品を使ったマネーロンダリングに関与し、政治家とも密会している――。ザッコクはこれを単なる脱税の延長ではなく、「政治とカネの流通構造」として捉え直す。
焦点は鷹羽グループの政治資金パーティー。
笹野が掴んだのは、パーティ券売上が“グループ単位で揃いすぎている”という違和感だった。数字は整いすぎるほど不自然になる。会計処理の現場を知る者の目線だ。
現場の“肌感”とログ戦の合流
作久子・優香・古町の三人はパーティーへ潜入する。
優香は参加者から情報を引き出し、作久子は参加人数(482人)という規模感に違和感を持つ。
現場の空気と帳簿の数字が同じ方向を向いた瞬間、調査は強度を持つ。
ザッコクの強みは、形式ではなく“実態”を見にいく点にある。
箱山の挑発と、正子の過去
箱山は挑発するかのようにザッコク事務所へ現れ、正子を神経から揺さぶる。
同時に、鷹羽宗一郎に議員辞職というニュースが落ちる。偶然にしては出来すぎている。
ここで笹野が踏み込む。「なぜ鷹羽家の話で険しい顔になるのか」。
正子は語る。
父・田次はかつて鷹羽錦之助の秘書で、収賄の罪を背負わされ逮捕された。無実を信じた母も失い、正子は“鷹羽一族を許さない”と心に刻んできた。
だが正子の強さは復讐心ではない。
国税調査官としての原理、「正しく集め、正しく使う」。感情が揺れても、仕事の軸はぶれない。
空振りに見せて、視点を変える
箱山の自宅へ踏み込むが、決定的証拠は見当たらない。
帳簿も、明確な裏帳簿も出ない。
だが正子は引き返す。
視点を変え、名刺の置き方や保管の癖から辿り直す。そして見つけるのが、“7億円相当のトレーディングカード”。
美術品より小さく、評価額を操作しやすく、移動も容易。裏金の形として合理的すぎる選択だった。
自壊する“切り札”
だがその切り札は、皮肉にも愛犬に噛み裂かれる。
箱山の余裕は一瞬で崩れる。自分が価値を信じていたものが、自分の足元から崩壊する。
裏金スキームは暴かれた。
だが、箱山個人を崩しても、構造は残る。
誰が得をしたのか
錦之助の死、宗一郎の辞職。
連続する動きは偶然に見えない。
終盤に置かれた、田次と灰島の接点。ここからは「誰が盤面を動かせる立場か」という構造の戦いになる。
第6話は決着の回でありながら、次の局面への助走でもあった。
ザッコクが初めて明確な勝ち筋を示した一方で、より大きな金の流れが動き出している。
物語は、裏金の“個人戦”から“権力構造戦”へ段階を上げた。
6話の伏線
ここからは、6話時点で「回収されたこと/まだ残っていること」を整理しておきます。断定はせず、現時点の描写ベースで。
- 【大】田次×灰島の接点:終盤で父と宗一郎の秘書が“繋がっているかもしれない”余韻が残った。復讐のための潜入なのか、取引で縛られているのかで物語の軸が変わる。
- 【大】宗一郎辞職が出来すぎ問題:隠し子・父の死・辞職が連続した以上、誰が得したのか(後継/補選/資金隠し)を見ないと全体像が掴めない。
- 【中】パーティ券売上の“均一さ”:数字が揃いすぎるのは名義貸しや迂回入金のサイン。次は名簿・口座・送金履歴のログ戦になりそう。
- 【中】箱山の裏金は“美術品→トレカ”へ拡張:小型高額の可搬資産が出た以上、同じ手口の在庫(別カード/別保管場所)が残っていてもおかしくない。
- 【中】箱山の側近の動き:追い詰められた瞬間ほど“口を割る人/消される人”が出る。箱山本人より、周辺の人間の動きが証拠の入口になる。
- 【小】カードは破れても“痕跡”は残る:オークション履歴や送金の証拠は消えない。箱山を潰した後、誰の金だったのかが次の焦点。
7話:病院脱出ミッションと未公開株の罠
鷹羽宗一郎が数々の女性スキャンダルで経産相を辞職し、その穴を埋めるように秘書だった灰島直哉が“鷹羽直哉”を名乗って補欠選挙へ進む。
第7話の空気は、この時点で「本人より周囲が強い政治」に寄っている。宗一郎が主役のはずなのに、主導権はもう別の場所にある。
宗一郎の辞職と灰島出馬が示す「乗っ取りの始まり」
正子たち《ザッコク》が命じられたのは宗一郎の調査だが、狙いは宗一郎そのものというより、鷹羽家の黒い金の責任を宗一郎に被せて“しっぽ切り”する流れを止めることに見える。宗一郎は入院中で、灰島に外出を禁じられている。政治家としての自由より先に、身動きの取れない管理状態がある。
宗一郎は息子の誕生日を前に「一目会いたい」と懇願し、外に出してくれたら鷹羽家の“カネ”の話をすると取引を持ちかける。ここで宗一郎が自分の手に残っている武器が、政治力ではなく“父親としての時間”であることが露わになる。
《ザッコク》の病院脱出作戦が、宗一郎を悪役にできなくする
取引を受けて《ザッコク》が動くのが、このドラマの気持ちよさだ。変装と段取りで病院を抜け、宗一郎は着ぐるみ姿のまま息子にプレゼントを渡す。顔は見えないのに、声だけで「パパ?」と伝わる瞬間が決定的で、政治家のドラマが一気に“父親のドラマ”になる。
この一連は、宗一郎を単純に悪役として処理しにくくする。宗一郎の弱さは免罪符にはならないが、同時に「利用される側の弱さ」でもあり、灰島の動きが一段怖くなるための下地になっている。
「カネ」ではなく「鐘」だった肩透かしと、排除されている座標
だが肝心の“カネ”は拍子抜けする。宗一郎が語ったのは金ではなく鐘。鷹羽家の庭の祠から夜な夜な鳴る音を、先祖が三途の川の駄賃を求めているせいだと聞かされてきたという怪談だ。金の流れはすべて灰島任せで、宗一郎は詳しいことをほとんど知らない。
ここで重要なのは、宗一郎が嘘をついているのではなく、「金の座標」から排除されている点だ。知らないのではなく、知らされていない。お飾りとして管理されている構図が、取引の価値を一気に薄くする。
ただし、この祠の話は“ただの笑い”で終わりにくい。鷹羽家が何かを埋めて守ってきた匂いを残し、次回以降の突破口になり得る布石にもなる。
未公開株という罠と、ハピハピホームズの線
そこへ追い打ちのように浮上するのが、未公開株を政治家にばらまいた疑いだ。名前が挙がるのはハピハピホームズ。優香が灰島の選挙事務所近くで看板を見ていた点も効いてくる。現場で拾った“看板ひとつ”が、政治の金の話へ繋がるのがこのチームの強みだ。
宗一郎は株を“もらった”ことは認めるが、未公開株の意味すら理解していない。ここで出る「ほっとけば黒だったのに」という言葉が、盤面を整える側の冷たさとして残る。宗一郎の無知が問題なのではなく、無知のまま使い捨てられる前提がある。
箱山の距離感と、桑原が指す「仕組み」
正子は拘置所の箱山に当たるが、未公開株の件は知らないと言い切られる。さらに「自分ならそんな分かりやすいことはしない」と返され、正子がそれに納得してしまうのも皮肉だ。箱山の言葉は開き直りではなく、「これはもっと別の設計だ」と示唆している。
そのうえで箱山が示した次の手が、ハピハピホームズの元顧問税理士・桑原。桑原は社長に「やめろ」と進言してクビになった過去を語り、未公開株スキームが個人の失策ではなく仕組みで回っている気配を濃くする。ここで事件は“誰がやったか”より“どう回っているか”へ寄っていく。
宗一郎が売っていなかったことで、灰島の罠が不発になる
決定打は宗一郎の行動そのものだった。正子が「株を売っていくらになった?」と問うと、宗一郎は売っていないどころか社長に送り返していた。灰島が“宗一郎が売った”前提で陥れようとした罠は不発になる。
宗一郎の無知と弱さが、逆に致命傷を避けた格好だ。頭の良さではなく、金のゲームに加わっていなかったことが、結果として“黒”の確定を回避してしまう。このねじれが、灰島の設計の冷たさをより浮かび上がらせる。
灰島と澄子が固定した「鷹羽家の力学」
灰島側の描写も不気味だ。妻・澄子に叱責されても「宗一郎が表に戻るまで鷹羽の家を守る」と言い訳しつつ、視線は“鷹羽の一番上”へ向いている。澄子が「弟よりあなたを選ぶ」と答えることで、家の中の力学まで灰島に傾いたのが分かる。
宗一郎が戻っても居場所はない。そう思わせるだけの固定が、すでに始まっている。
宗一郎を救うでも泳がせるでもなく、利用される前に掘る
それでも《ザッコク》が選んだのは、宗一郎を救うか泳がせるかの二択ではなく、「利用される前に事実を掘り起こす」という第三の線だった。政治案件の怖さは、証拠の有無より先に“触っただけで怒られる”ところにある。だからこそ、宗一郎の着ぐるみの背中は切ないし、ラストの田次の登場は生々しい。
正子が追っているのは金の流れで、同時に人の流れでもある。
「カネ」を「鐘」にすり替える小ネタは笑えるのに笑い切れない。宗一郎は嘘をついているのではなく、そもそも金の座標から排除されている。だから調査は難航するが、その一方で祠の話は“埋めて守ってきたもの”の匂いを残す。ここが次回以降の突破口になるなら、第7話は肩透かしではなく、ちゃんと布石だ。
余談として、この回は《ザッコク》の強みがきれいに出た。机上の資料だけではなく、現場で拾った看板ひとつが突破口になる。相手が政治家でも、会って話し、顔色を見る。正子の「正しく集めて、正しく使う」は税金の話から家族の話まで貫いている。だからこそ、田次の一件は正子の正しさを最もえぐる場所に刺さってくる。
7話の伏線
- 田次が灰島と同じタクシーに乗っていた理由
協力/潜入/脅迫/過去の清算…どれでも地獄。正子が“仕事”と“家族”の両方を揺さぶられる導線。 - 祠の“鐘”の怪談
肩透かしの笑いに見せて、鷹羽家が何かを「隠して守る」ための目くらましにもなる。 - ハピハピホームズの未公開株ばらまき疑惑
宗一郎が売っていなくても、他の受け取り政治家・関係者に波及できる“束で押さえる”案件。 - 元顧問税理士・桑原の存在
会社側のスキームと“内部で止めようとした形跡”を証言できるキーパーソン。 - 宗一郎が株を送り返した事実
返送の記録・受領の記録・社内処理の痕跡が残っていれば、別の角度から線が引ける。 - 澄子が灰島を選んだ発言
鷹羽家の内側のパワーバランスが、宗一郎ではなく灰島に寄っているサイン。 - 箱山の「わかりやすいことはしない」
未公開株より“もっと見えにくい裏金ルート”が別にある示唆にも見える。
7話のネタバレについてはこちら↓

8話の予想:ザッコク解体まで1ヶ月、“埋蔵金”が暴く鷹羽の闇
7話のラストで一気に盤面がひっくり返りました。
宗一郎の未公開株は「売っていない=決定打にならない」で逃げ、代わりに正子が見たのは“灰島と父・田次が同じタクシーに乗る”という最悪の絵面。金の流れを追っていたはずが、家族の流れまで巻き込んでくる。8話はここに、組織の首(=解体)まで乗ってくるわけで、いよいよ終盤の「詰め」に入る回になると見ています。
予想①:解体通告は“調査封じ”の最終手段。狙いは正子ではなく《ザッコク》そのもの
麦谷から告げられる解体理由は、選挙期間中の灰島(鷹羽)への接触と、鷹羽家への執拗な調査。つまり「脱税の有無」以前に“政治案件に触れた”こと自体がアウト判定になった構図です。
ここで重要なのは、正子個人の処分ではなく《ザッコク》の解体と、笹野の引き剥がしがセットで来ている点。チームという“機能”を壊せば、残るのは散らばった個人。情報は繋がらず、証拠は積み上がらない。政治側が一番嫌がるのは「点が線になる瞬間」なので、解体はまさにその瞬間を潰すための手だと思います。
予想②:タイムリミット1ヶ月でやるべきは「裏金の出口」より「入口」。未公開株はまだ終わっていない
7話で宗一郎が株を送り返したことで、“宗一郎の犯罪”としては不発。でも逆に言うと、未公開株スキームが「宗一郎だけの話じゃない」ことが鮮明になりました。
ここ、税務の観点だと“売ったかどうか”だけが勝負じゃない。受け取った時点で何が起きたのか(誰が、何の対価で、どう評価して渡したのか)を固めれば、宗一郎が無知でも周辺は黒くできる。桑原の存在はその入口の証言者になり得るし、ハピハピホームズ側の帳簿や株主名簿、社内メモが出れば一気に線が繋がるはず。
8話は「宗一郎を落とす」から「ばらまき側と受け取り側を束で押さえる」に視点が切り替わると予想します。
予想③:宗一郎が語る“埋蔵金”は、物理の金塊より「隠し財産の置き場所=証拠の置き場所」
宗一郎は心を入れ替えて真っ当に生きると誓い、鷹羽家に代々伝わる隠し財産=埋蔵金について語り始める。ここは字面が派手ですが、ポイントは“埋蔵金そのもの”より「それを隠し続けるための仕組み」です。
祠の“鐘”の話が7話で出たのも、ただの肩透かしじゃなく、8話で「鐘が鳴る=近づくな」の目くらましとして回収される気がする。宗一郎が知っているのは場所のヒント程度で、管理してきたのは灰島か、鷹羽家の上層(錦之助)か、あるいは外部の実務者。だから《ザッコク》が欲しいのは、金塊を掘るスコップより、名義・移動・管理者がわかる“紙”と“ログ”です。
もし埋蔵金が「現金・金塊」+「名義を隠した資産」の二段構えなら、ドラマとしても税務としても絵になる。8話はその入口提示回になりそう。
予想④:笹野の内示は“戦力削ぎ”であり、同時に“潜入ルート”にもなる
笹野が財務省に戻されるのは、チームの頭脳を抜く狙いが濃厚。ただ、笹野が戻る場所は“権限の中心”でもある。ここで笹野が完全退場するより、むしろ内側から資料を引っ張る役に回る可能性があると思っています。
条件は2つ。①笹野が「キャリアの安全」より「職務の完遂」を優先する覚悟があること。②《ザッコク》側が“連絡が途切れても回る仕組み”を作ること。解体までの1ヶ月は、その仕組み作り(証拠の共有・役割分担・引き継ぎ)をやる時間でもあるはずです。
予想⑤:田次は裏切りではなく「単独行動の保護者」か「過去の精算」のどちらか。正子の真の目的が刺さる
最大の爆弾は田次。新潟で隠居しているはずの父が、なぜ当選した灰島の隣に“常に”いるのか。
ここで断定はできないけど、僕は“黒幕”よりも「守るために汚れる」タイプの匂いを感じます。正子と田次は微妙な距離がある。つまり、正子は父を信用し切れていないし、田次も娘に全部は話していない。だからこそ田次は、正子に相談せず“自分のやり方”で灰島に接触している可能性が高い。
もうひとつ怖いのは、田次が「鷹羽家の隠し財産の管理に関わった過去」を持っているパターン。もし田次が鍵を握るなら、正子が《ザッコク》を立ち上げた真の目的(鷹羽家を追う執念)とも繋がる。8話はその核心に、ようやく手がかりが落ちる回になりそうです。
予想⑥:灰島は“当選”で盤面を固定しに来る。次の一手は「正子を動けなくする」方向
灰島は7話で宗一郎を陥れ損ねた。だから8話は「別の手」で正子を止めにくるはずです。具体的には、解体を盾にした圧力、内部への揺さぶり(情報漏えいの疑いをかける、監察を入れる)、そして田次を使った心理戦。
政治の世界で一番効く制裁は“破滅”より“固定”です。仕事を奪い、味方を散らし、正子の選択肢を塞ぐ。その上で「黙れば家族は守る」という取引を出してくる――灰島の狙いはここだと思います。
8話は、①解体までの1ヶ月で《ザッコク》が何を優先するか、②宗一郎の埋蔵金情報が“証拠”に変換できるか、③田次の立ち位置が味方か敵かの輪郭が出るか、この3点が見どころ。個人的には、祠の“鐘”が「笑える小ネタ」から「背筋の寒い伏線」へ反転する瞬間を期待しています。
9話以降について:後ほど更新
※後ほど更新
おコメの女で出てくる専門用語の解説
このドラマ、見てると「え、いまの単語なに?」ってなる瞬間が多いです。
ただ、用語がわかると“どこが攻めどころで、どこが守りどころか”が見えて、ザッコクの勝ち筋が一気にクリアになります。ここで一回、スッキリ整理しておきます。
おコメの女の資料調査課(通称:コメ)とは
まず前提として、物語の土台は「東京国税局・資料調査課」。
ここは“圧倒的な情報収集能力と調査スキル”を誇り、脱税者を震え上がらせる《税務調査最後の砦》。そして“料”の米偏を取って《コメ》と呼ばれています。
ポイントは3つ。
- 《コメ》=いわば“税務調査の最前線”
ただの事務仕事ではなく、「隠してる金の匂い」を嗅ぎ分ける現場の部署として描かれているのが肝です。 - 《ザッコク》は《コメ》の中に作られた新部署
正子が《コメ》の中に新たな部署=複雑国税事案処理室《通称・ザッコク》を立ち上げ、他部署が手を出しにくい厄介な事案を扱う、という整理になります。 - “専門用語が飛び交う理由”もここ
そもそも《コメ》が扱うのは、相手が「金の隠し方」も「逃げ方」も上手い世界。だからこそ、ドラマ側も“実務っぽい言葉”を武器として出してきます。
おコメの女のタマリとは(隠し財産の意味)
このドラマの“宝探しワード”が《タマリ》です。
《タマリ》は「脱税の証拠となる現預金、不動産、有価証券など、追徴のため有力な証拠となる資産」のこと。要は「隠してる金(や資産)の実体」ですね。
ドラマ的にわかりやすく言うと、
- 脱税者側:タマリを“見つけさせない”のが勝ち
- ザッコク側:タマリを“見つければ”一気にひっくり返せる
この構造があるから、毎話「どこに隠す?」「どう暴く?」がゲーム性として成立します。
おコメの女の明示の承諾とは?(税務調査で何が変わる?)
視聴者が一番引っかかるのがこれ。
『おコメの女』は、“いきなり踏み込んで押収!”という世界じゃなくて、《明示の承諾》=相手の許可が取れて初めて踏み込める、というルールがドラマ内で強調されています。
「承諾がある/ない」で何が変わるのかを、ドラマ視点で整理するとこう。
- 承諾がない:調べられない(=決定打が出ない)
だからザッコクは、相手の“プライド”“世間体”“損得”を読みながら、承諾を取りにいく必要がある。 - 承諾が取れた:一斉に調査フェーズへ(=タマリ探しが始まる)
ここから「隠した資産をどこまで突けるか」の勝負になる。
つまり《明示の承諾》って、ただの用語じゃなくて、“勝負のゴング”みたいなもの。
承諾を取るまでが心理戦、取ってからが宝探し。ここを理解すると、見どころが途切れません。
おコメの女は「マルサの女」と何が違う?似てる?
結論から言うと、似てるのは「税の正義で、金の嘘を暴く」骨格。違うのは「踏み込み方(権限)とドラマの設計」です。
似てるところ
- 国税側が主役で、脱税者が“隠し金”を守ろうとする
- 「暴く側 vs 隠す側」の知恵比べが中心
この点は『おコメの女』も同じです。
違うところ(おコメの女の特徴)
- 舞台が《コメ》(資料調査課)で、《明示の承諾》が鍵として描かれる
→ “強制捜査で押し切る”より、“承諾を取ってから勝ち切る”ゲームになってる。 - 作品トーンが「社会派+痛快エンタメ」寄り
→ 毎話「スカッと」しつつ、次の火種(よりデカい相手)を置いていく作り。 - チーム戦の描き方が強い
→ 個の天才というより、ザッコクが“連携して勝つ”方向へ寄せている。
おコメの女の「ガサ入れの魔女」とは?飯島作久子の過去が鍵になる理由
“ガサ入れの魔女”は、人じゃなくて称号。
飯島作久子が、かつて「どんな裏金も見つけ出す」ほどの敏腕調査官として恐れられていたことを示す呼び名です。
で、ここが重要なんですが――
作久子は“最強だった”だけじゃない。
ある事案で大きなトラウマを抱え、現場を離れた過去が示唆されています。つまり彼女の過去は、単なる設定じゃなく“縦軸”として回収される前提なんです。
今後の見方はこうなります。
- 作久子が“なぜ力を失ったのか”(トラウマの正体)
- そのトラウマが、現在の案件や“政界案件”にどう繋がるのか
- そして、作久子が再び“魔女”に戻る瞬間が来るのか(復活の回収)
ここが動くと、ザッコクの強さが“スキル”じゃなく“物語”として立ち上がってくるはずです。
おコメの女の黒幕候補は誰?(政界サイドの役割分担)
黒幕の話って、つい「この人が悪い!」で片づけたくなるんですが、政界サイドはだいたい“分業”で動きます。
このドラマも、役割を分けて見ると候補が整理しやすいです。
候補①:鷹羽宗一郎=「表の顔」(人気の二世政治家)
政界サイドでまず名前が上がるのが、経済産業大臣・鷹羽宗一郎。
若くして内閣入りした“政界のホープ”で、父の影響力や、選挙区が新潟で主人公側と関わりが示されているのが不穏ポイントです。
表向きは好感度が高い一方で、“脇が甘い一面”が匂わされている。ここが「操られているのか/本人もグレーなのか」の分岐になります。
候補②:灰島直哉=「実務の黒幕」(秘書=金と情報のハブ)
次に怪しいのが、宗一郎の議員秘書・灰島直哉。
立ち位置としては「スピーチ原稿や立ち居振る舞いまで裏で整える側」で、政治家本人の“顔”を設計できる人物です。
つまり、金と人脈と情報のハブになりやすいポジション。
黒幕が“システム”であるほど、実際に手を動かすのは政治家より秘書側になりがちで、国税の情報戦とも相性がいい役割です。
候補③:引退後も幅を利かせる「父」=“元締め”(資金と後援会の源)
そして地味に怖いのが、宗一郎の背後にいる父の存在。
宗一郎は「父の跡を継いだ典型的な二世政治家」とされており、父は引退後も政界で影響力を持ち続けている人物です。
つまり、黒幕候補としては「宗一郎本人」よりも、父(+後援会・支援者ネットワーク)が資金の流れを握っている可能性が高い。
政界サイドの役割分担を3行でまとめると
- 宗一郎:表で票と人気を取る“看板”
- 灰島:裏で言動・根回し・情報を回す“実務”
- 父(+後援会):仕組みと資金の“元締め”
※ここは現時点では「候補の整理」。
放送が進んだら、誰がどこまで“金の流れ”に触れているかで確定更新するのが強いです。
おコメの女の時系列まとめ(ザッコク結成→政界案件へ収束まで)
最後に、全話記事で一番役立つ“骨組み”を作ります。
ここでは 第1話のあらすじ+第2話のあらすじ+第1話ラストの示唆 をつないで、時系列を一枚にまとめます。
※後ほどどんどん更新していきます。
Phase0:ザッコク結成(物語の起点)
《税務調査最後の砦》=東京国税局・資料調査課《コメ》の中に、正子が新部署《ザッコク》を創設。
厄介な事案を扱うため、個性派のメンバーを招集する。
Phase1:第1話(“年金ビーナス”紅林葉子の案件)
正子が“年金ビーナス”紅林葉子の存在を知り、セミナーを起点に調査へ。
ドラマの勝負どころは《明示の承諾》で、承諾獲得 → 一斉調査 → タマリへ、という「基本フォーマット」が提示される回。
Phase2:第2話(福はぎ庵の脱税疑惑/作久子の過去が動く)
正子が情報屋の白井から、老舗和菓子店「福はぎ庵」の脱税疑惑のタレコミ(ブタレ)を得て調査へ。
双子の兄弟のトラブル、作久子の単独行動、優香の目撃(若い男性のアパート)、そして作久子のトラウマ回収の入口が示されている。
Phase3:政界案件へ収束(現時点では“示唆”)
第1話ラストの鷹羽宗一郎の引きは、「次は権力の近くの金」に向かう予告として機能している。
ここに、麦谷の妨害(内部抗争)や作久子のトラウマ回収が絡み、最終的に“政界マネー”へ収束していく流れが見えてくる。
ドラマ「おコメの女」の主要キャスト

舞台は東京国税局・資料調査課(通称《コメ》)と、その中に新設された《複雑国税事案処理室(通称:ザッコク)》です。
まずは「誰が・どの立場で・何を背負って動くのか」を、関係性が見える形で整理します。
米田正子(松嶋菜々子)
主人公。東京国税局・資料調査課(《コメ》)の敏腕調査官で、厄介な国税案件を専門に扱う新部署《ザッコク》を立ち上げた張本人。
信条は「正しく集めて、正しく使う」。脱税や裏金を“数字”で暴き、相手が誰であろうと容赦なく追い詰めるタイプです。理想論ではなく、制度の中で正義を通す現実主義者でもあります。
ザッコク(複雑国税事案処理室)メンバー
《ザッコク》は、能力は高いが扱いづらい人材を集めた“最強混成チーム”という立て付け。単発事件だけでなく、最終章へ向けた縦軸にも深く関わる顔ぶれです。
笹野耕一(佐野勇斗)
東大卒の財務省キャリアで資料調査課所属。優秀すぎるがゆえに局内で距離を置かれ、重要案件から外されていた人物です。
正子に見抜かれて《ザッコク》へ。帳簿や資料の数字を一瞬で記憶し、構造的な不正をロジカルに炙り出す“数字のスペシャリスト”としてチームの主砲を担います。
俵優香(長濱ねる)
心理学に精通し、コミュニケーション能力が突出した人物。正子に引き抜かれて《ザッコク》に参加します。
人の言葉・表情・沈黙から嘘を見抜くタイプで、取り調べや潜入時のキーパーソン。淡々とした物言いで核心を突くため、チーム内では空気を整える役にも、刺す役にもなる存在です。
古町豊作(高橋克実)
《ザッコク》の室長。本人いわく「強運だけが取り柄」。
調査官としての爆発力より、チームをまとめる潤滑油的ポジションで、修羅場でも妙に流れを引き寄せる不思議な存在。重くなりがちな国税ドラマの“抜け”を作る役割も担っています。
飯島作久子(大地真央)
正子の元上司で、かつてはどんな裏金も見逃さない“ガサ入れの魔女”と恐れられた伝説的調査官。
ある案件をきっかけに現場を離れ、穏やかな部署に異動していましたが、正子に請われ《ザッコク》へ復帰します。トラウマを抱えながらも、再び数字と向き合う“再起の物語”を背負う人物です。
国税局内の“圧”になる上長
正義を掲げる《ザッコク》が存在するほど、組織内の軋轢は強くなる。ここが毎話のカウンター役になります。
麦谷実(戸次重幸)
財務省キャリアで、東京国税局・課税第二部長。
《ザッコク》の存在を快く思っておらず、組織の論理・出世の論理で正子たちを締め上げる立場。正論ではなく「空気」と「前例」で動く、国税内部の壁を象徴する人物です。
政界サイド(鷹羽一族)
物語は単発の脱税案件にとどまらず、政治と金が絡む“上級国民の不正”へ踏み込んでいく構造が示唆されています。
鷹羽宗一郎(千葉雄大)
現・経済産業大臣の二世議員で、政界の若きホープ。
正子の地元・新潟が選挙区で、過去に因縁があることが示されている点が重要です。表向きはクリーンだが、背後にどこまで金の匂いがあるのかが焦点になります。
灰島直哉(勝村政信)
鷹羽宗一郎の議員秘書。スピーチ原稿から立ち居振る舞いまでを管理する実務家で、宗一郎を陰で支えるブレーン。
宗一郎本人以上に、金と権力の流れを動かしている可能性が高く、実質的な黒幕ポジションになり得る人物です。
私生活サイド(新潟・米田家/居酒屋)
主人公が「なぜそこまで正義に固執するのか」を掘り下げる縦軸。
米田田次(寺尾聰)
正子の父。新潟で野菜を育てながら静かに暮らしている人物で、正子とは距離のある関係。
過去の出来事や価値観が、最終章で重要な鍵を握る可能性が高い配置です。
美郷(山野海)
正子行きつけの居酒屋「いこいの郷」の店主。仕事帰りの正子が本音をこぼせる数少ない場所を提供する存在です。
和可菜(大澤サラ)
居酒屋「いこいの郷」のアルバイト。明るく場を回すムードメーカーで、美郷を支える看板娘的ポジション。重い展開が続く中で、日常の温度を保つ役割を担います。
おコメの女のザッコクメンバーの役割分担(誰が何で勝つチーム?)
ザッコクって“特殊能力バトル”じゃなくて、勝ち筋がわりとロジカルです。
結局、国税は 情報・数字・現場・交渉 の組み合わせで勝つ。だからメンバーの役割もきれいに分業されています。
① 米田正子:指揮官(交渉と決断で勝つ)
正子はザッコクを立ち上げてチームを率いる中心人物。
手順を外さずに相手を追い詰める“冷静な指揮官”ポジションで、誰をいつ現場に出すかの判断が最大の武器になります。
② 笹野耕一:数字担当(スキーム解析で勝つ)
笹野は、東大卒の財務省キャリアで数字のスペシャリストという役どころ。
税務は「帳簿の嘘」を暴く競技なので、ここがチームのエンジン。怪しい資金の流れを“形”にする係です。
③ 俵優香:対人担当(コミュ力と心理で勝つ)
優香は、心理学に精通し“人心掌握術の天才”という設定。
税務調査って、最後は「誰が、何を、いつ、どう隠したか」を人から引き出す必要があるので、優香は 証言と感情のルートを開ける役目です。
④ 飯島作久子:現場担当(“タマリ”発見で勝つ)
作久子は元国税調査官で、かつては“ガサ入れの魔女”と呼ばれるほどの調査力を持つ一方、過去の事案でトラウマがある人物。
現場での“嗅覚”が武器で、隠された資産=タマリを見つける側です。
⑤ 古町豊作:潤滑油担当(強運と場づくりで勝つ)
古町は、元は総務部・広報広聴室にいてマスコット運営をしていた人物で、正子に引き抜かれてザッコクの室長に。
抜擢理由が“強運”というのが面白いところです。
理屈だけで詰め切れないときに、空気を変える・流れを呼ぶ役。チームの潤滑油ですね。
ザッコクの役割分担を「誰が何で勝つ?」で一気に整理
- 正子:交渉と決断で勝つ
- 笹野:数字と資金スキームで勝つ
- 優香:心理と聞き出しで勝つ
- 作久子:現場とタマリ発見で勝つ
- 古町:強運と場づくりで勝つ
ドラマ「おコメの女」の最終回の結末予想

ここから先は放送前の情報を踏まえた予想です(=確定ではありません)。
ただし、公式が提示している“縦軸の匂わせ”はかなり明確なので、ロジックで整理すると最終回の着地はだいぶ絞れます。
予想の前提|このドラマの縦軸は「3本立て」
僕は、最終回に向けて回収される縦軸は次の3本だと見ています。
- 縦軸①:正子が《ザッコク》を立ち上げた“真の目的”
- 縦軸②:政界サイド(鷹羽一族)と正子の因縁(新潟・選挙区・過去の示唆)
- 縦軸③:組織内の敵(麦谷)と、ザッコクの正当性
この3本が、最終回で「同じ金の流れ」に収束する構造がいちばん美しい。
単発事件の寄せ集めではなく、“一つの巨大な金脈”をめぐる物語として完結するはずです。
結末予想①|最終案件は「鷹羽一族の巨大な“タマリ”」
第1話の時点で、このドラマは「タマリ(隠し財産)」の匂いを嗅ぎ分ける物語だと示されています。序盤は悪徳セミナーや中規模の不正ですが、最終回ではスケールを最大にするのが定石。
- 悪徳セミナー → 企業の裏金
- 企業の裏金 → 政治資金・献金・迂回寄付・天下り
というふうに、“隠し金の器”が段階的に大きくなる流れです。
鷹羽宗一郎は
・元政治家の息子
・若くして内閣入り
・正子の地元・新潟が選挙区
という設定が揃っており、最終章で“ラスボス案件”になる配置としては完璧です。
さらに重要なのが秘書・灰島直哉。
実務と金の流れを握る人物が灰島である以上、最終回は「宗一郎を倒す」より「灰島の仕組みを壊す」展開のほうが痛快に決まります。
結末予想②|鷹羽宗一郎は“黒幕”ではなく利用されていた側
僕の予想では、宗一郎本人は完全な黒ではありません。
- 表の顔:政界のホープ
- 裏の実態:秘書に任せきりで、金の構造を理解していない
つまり“操られていた側”です。
この場合、最終回の分岐は2つ。
- 宗一郎もろとも沈む
- 宗一郎は切られ、灰島+父・錦之助が本丸として浮上
木9枠の作りとしては②のほうが後味がいい。宗一郎に「地元新潟の期待」を背負わせたまま、自分の足で立たせる結末にもできるからです。
結末予想③|正子の真の目的は「復讐」ではない
公式がわざわざ
「正子がザッコクを立ち上げた真の目的」
を掲げている以上、ここは最終回で必ず回収されます。
ただし方向性は、個人的な復讐ではないはず。
- 誰かを潰すため
ではなく - 潰してもいいほどの巨悪を“合法的に裁くため”の装置
それが《ザッコク》。
その巨悪が鷹羽一族(新潟の利権)と繋がり、
さらに父・田次との微妙な距離=家族のわだかまりとして回収される。
最終回は
「悪を裁く」
+「家族の過去を解く」
+「ザッコクという仕組みを残す」
この3点セットで終わると、かなり座りがいいです。
結末予想④|飯島作久子は“トラウマを抱えたまま前に出る”
飯島作久子は、過去案件のトラウマで一線を退いた人物。
この設定、最終回での使いどころは明確です。
- かつてと同じ状況に直面する
- でも今回は仲間がいる
- 恐怖を抱えたまま、それでも現場に立つ
正子が彼女を《ザッコク》に呼び戻した理由が、
「戦力」だけでなく「救い」だったと分かる瞬間。
仕事ドラマとして、ここが一番胸に残る回収になる可能性があります。
結末予想⑤|麦谷実は“敗北”か“承認”でザッコクを正当化する
麦谷はザッコクを嫌う組織側の象徴です。
このタイプのキャラの最終回での役割は、だいたい2択。
- 最後まで敵として潰される
- 土壇場でザッコクの正当性を認める
個人的には後者を予想します。
それができると、ザッコクの勝利が「個人の武勇伝」ではなく、
制度としての勝利に昇華できるからです。

コメント