ドラマ「良いこと悪いこと」で、もっとも視聴者を揺さぶっている人物が小山隆弘――通称ターボーです。
アメリカで成功した実業家であり、かつてキングと夢を語り合った親友。
その一方で、「帰国の妙なタイミング」「替え歌の存在」「黒い噂」など、物語の随所に“ターボーが黒幕ではないか”と思わせる伏線が置かれています。
しかし彼は、仲間を守ろうと奔走し、友情に熱い姿も強く印象に残るキャラクター。ターボーは果たして犯人なのか、それとももっと大きな構図の一部にすぎないのか。
本記事では、彼の人物像と各話での動きを整理しながら、事件との関係を深掘りしていきます。
良いこと悪いことの小山隆弘(ターボー)とは

ターボーという人物の基本的な立ち位置
まずは、ターボーこと小山隆弘がどんな立ち位置の人物なのかを整理しておきます。
ドラマ「良いこと悪いこと」は、小学校のタイムカプセルから出てきた卒業アルバムをきっかけに、元6年1組の同級生たちが次々と「将来の夢の絵」に沿った形で襲われていく連続殺人ミステリーです。
標的にされているのは、かつて転校生の猿橋園子をいじめていた「仲良し6人組」。その1人が小山隆弘、あだ名はターボー。
ターボーは現在、アプリ開発会社「TURBO inc.」の社長。アメリカ在住のスタートアップ成功者で、業界では「アプリ業界の革命児」と呼ばれるほどのカリスマです。
小学生の頃に描いた「みんなの夢の絵」は「宇宙飛行士になる」。その後、宇宙関連の新規事業まで立ち上げ、本当に「宇宙」に手を伸ばそうとしているところが、視聴者から見るとかなり象徴的な設定ですよね。
キングとの「絶交エピソード」が残した傷
過去のエピソードで重要なのは、キングこと高木将とターボーの「絶交エピソード」。
三人で分け合った遊戯王カードの「ラーの翼神竜」を北中の生徒に奪われた時、キングは「取り返しに行こう」と言うのに対し、ターボーは「塾のほうが大事」と勉強を優先してしまう。
この時、キングは裏切られたと感じ、ここから二人は疎遠になっていきます。ターボー自身も、その選択をずっと後悔している。
それでもターボーは、小学生の時にキングと交わした「いつかお前を宇宙に連れていく」という約束を覚えていて、今でもその約束を守ろうとしている。
公式インタビューやSNSで公開されているプレゼンの一節には「ここまで来るのは決して簡単な道ではありませんでした。ただしこれは幼い頃からの夢であり、そして親友との約束でした」と語るシーンもあり、彼が単なる成り上がりではなく、子どもの頃のピュアな夢をちゃんと背負っている人物だと分かります。
一方で、園子の調べによれば「目的のためなら手段を選ばない」「黒いウワサが絶えない男」とも言われている。
表向きはクリーンな成功者、しかし裏側にダーティな噂がつきまとうという、いかにもサスペンスで「犯人臭い」キャラクターに仕上げられています。
キングの同級生の中では熱い奴
そんなターボーですが、視聴者の間でよく言われているのが
「怪しいけど、めちゃくちゃ熱い奴」
という評価。
第3話放送時には「ターボー熱い」「やっぱり親友だったね」がトレンド入りするほど、キングとの友情シーンが刺さっていました。
ターボーの熱さがよく出ているのは、まずあのプレゼンの演説。
宇宙関連ビジネスの発表会で、幼い頃からの夢と親友との約束を語る姿は、ビジネスとしての成功自慢というより「置いてきてしまった友達へ向けたメッセージ」のようでした。
プレゼンの中で語られた「幼い頃からの夢」「親友との約束」というキーワードが、22年前の教室と今のターボーを一本の線で繋いでいるのが分かります。
ちょんまげを守るために“踏み込む”ターボー
さらに第4話では、次の標的と目される「ちょんまげ」こと羽立太輔の元に、キングと園子と共に直接会いに行きます。
かつて自分たちが“仲間扱い”していた羽立に「友達じゃない」と突き放されつつも、ターボーは羽立を守るために自分の会社で雇うという踏み込んだ行動に出ます。
羽立のスキルを買っている面もあるにせよ、
「自分たちのせで引きこもりになったかもしれない友達」を、ビジネスリスク込みで引き上げようとする
という行動は、情の厚い人間でなければできません。
視聴者の感想でも、
「キングにしてもターボーにしても、優しいところとか熱いところがあってさ」
「どうしてこの子たちがいじめっ子になってしまったんだろう」
と、彼のポジティブな面に触れる声が非常に多い。
「熱い奴」であり「成功者」であり「疑われる人物」という三重構造
つまりターボーは、
- 成功したエリート
- でも根っこは熱くて不器用
- そして“犯人かもしれない”影も持っている
という三重構造で描かれているキャラクター。
その熱さがあるからこそ、
「こんなに熱いターボーが、本当に黒幕なのか?」
という視聴者の葛藤が生まれるのだと思います。
小山隆弘(ターボー)は犯人なのか?黒幕か考察

「ターボー犯人説」が強く疑われる理由
次に、いちばん気になる「ターボー犯人説」について。
現時点でネット上の考察界隈では、ターボーは真犯人候補のトップクラスに名前が挙がっています。映画サイトの特集でも「犯人像にいちばん近い」とまで書かれているほど。
ターボーが怪しいとされるポイントを整理すると、大きくこんな感じです。
1つ目:「帰国のタイミング」と「事件現場の写真」
ターボーはアメリカ在住のはずなのに、最初の犠牲者である貧ちゃんの転落死の現場写真を匿名メールで受け取り、その直後に「宇宙関連の新規事業のPR会見」という名目で日本に戻ってきています。
これ、表向きは偶然に見せつつ、裏では 「事件の進行を見守るために帰国した」 とも読める動きなんですよね。
2つ目:「森のくまさん」の替え歌の存在
ターボーは、自分がこの替え歌を作った張本人だと語り、カンタローの病室近くで鼻歌を口ずさむシーンまであります。
現在の連続殺人は、この替え歌の歌詞に沿って同級生が襲われているため、
「ルールの設計者」でもあるターボーが、計画の中心にいるのでは?」
という疑いがどうしても消えません。
3つ目:「黒いウワサ」と「組織力」
園子の調べでは、ターボーには
- 「目的のためなら手段を選ばない」
- 「黒いウワサが絶えない男」
とも言われています。
にもかかわらず、ドラマ本編ではまだ彼の“闇の部分”がほとんど描かれていません。
この 「言葉だけ先行し、映像では見せない」 演出が、後半で一気に裏の顔を出す伏線に見えるという指摘は、かなり説得力があります。
4つ目:「運転手つきの車を用意できる立場」
会社社長として運転手付きの車をいくらでも手配できる点も怪しまれているポイント。
第5話ラストで、大谷先生が地下駐車場で誰かに呼び出され、運転手付きの車に乗り込むシーンがありましたが、
「こういう車を用意できるのはターボーくらいでは?」
という考察も出ています。
大谷先生についてはこちら↓

5つ目:「自作自演説」まで浮上している
ネット考察では、
「自分が標的にされるフリをしている自作自演説」
も根強いです。
第3話のガラス落下未遂事件は、替え歌の順番から見るとターボーが次のターゲットだったので自然にも見えますが、
「自分で仕掛けておけば、世間にもキングたちにも“ターボーは被害者側”という印象を植え付けられる」
という読み方もあり、ミステリーとして十分成立する説です。
ターボー黒幕説への反論と「別の黒幕」説
一方で、ターボーが黒幕ではない・もしくは別の黒幕に利用されているという見方も強く存在します。
1. ターボーは“真相を追う側”として積極的に動いている
ドラマ内でターボーは、事件の真相を追う「主人公チーム」の一員として機能しています。
- 第4話以降、キングや園子と共に羽立を守ろうと奔走
- 第7話では連絡が取れない羽立の部屋に一人で乗り込み、手がかりを掴もうとする
黒幕にしてはリスクの高すぎる行動で、むしろ 「本気で仲間を守ろうとしている熱血キャラ」 に見えます。
2. 「ターボーは偽物では?」という大胆な説もある
さらにネットでは、こんな説も浮上しています。
「犯人にとって、カンタローとターボーが対面すると困る= いま画面に映っているターボーは偽物なのでは?」
という“ターボー影武者説”。
もしこの説が当たっているなら、
現時点で映っている“ターボーの行動”を根拠に犯人扱いするのは時期尚早
ということになります。
現時点での個人的結論
個人的には、ターボーは
「事件の中心にいるのはほぼ確実だけれど、単独の黒幕というより、もっと大きな構図の一部」
という位置付けに感じます。
- 過去の罪悪感
- キングへの負い目
- 園子への複雑な感情
- ビジネスでのし上がった“今の立場”
これら全てを、
“誰か”が利用している可能性が高い。
ターボー犯人説は濃厚に見えて、実は“黒幕の下にいる重要な駒”という展開もありえるわけです。
物語タイトルが「良いこと悪いこと」である以上、ターボー自身が 「良いターボー」と「悪いターボー」 の両方を内包して描かれている点はとても重要。
その二面性が事件の真相にどう絡むのか。
ここが最終盤の最大の見どころになるはずです。
【話数別】小山隆弘(ターボー)の動き

ここからは、これまでの各話でターボーがどんな動きをしてきたのか、ざっくり時系列で整理しておきます。
執筆時点で本編は第7話まで放送済み、第8話以降は公式のあらすじと予告ベースの情報になります。
第1話「6人」
第1話では、ターボーは名前と「かつての仲良し6人組」の一員としてのみ語られます。タイムカプセルから「みんなの夢の絵」と卒業アルバムが見つかり、キングたち6人の顔だけが黒く塗りつぶされていることが判明。ここで「標的となる6人」の一人として、ターボーの存在が再び浮かび上がります。
本人はまだ画面にほとんど登場せず、「アメリカで成功している親友」という、やや遠い存在としての扱い。この「距離感」が、後に帰国した時の違和感や、犯人説の燃料になっていきます。

第2話「歌」
第2話は、ニコちゃんこと中島笑美がトラック事故で三人目の犠牲者となる回。
ターボーは本格的に登場し始め、「帰国しているらしい」「アプリ業界の革命児」といったプロフィール紹介とともに、視聴者の間で早くも「怪しい」と騒がれます。
レビューでは「目の底に闇がある」「帰国のタイミングが良すぎる」という声が多く、SNSでも「ターボー」がトレンド入り。ここで、単なる親友ポジションではなく、「初期から怪しい空気をまとった人物」として位置づけられました。

第3話「絶交」
第3話は、ターボー回と言っていいほど、彼の過去と現在がクローズアップされます。
- ニコちゃんが3人目の犠牲者となり、キングと園子は「犯人は替え歌通りに動いている」と確信
- 替え歌の次のターゲットはターボー
- ちょうどそのタイミングで、ターボーが新規事業PR会見のために帰国
園子は「たまたま日本に帰国?」と疑いの目を向け、「アプリ業界の革命児、小山には黒いウワサが絶えない」「目的のためなら手段を選ばない」と調べてきます。
さらに、ガラス板落下による「ターボー殺害未遂事件」も発生。
キングがとっさに庇ったことで未遂に終わりますが、これが「本当に犯人に狙われたのか」「自作自演なのか」で大きな論争に。ネットでは「ターボー実行犯説」「ターボー、黒幕の駒説」などが飛び交い、彼の立ち位置が一気に曖昧になります。

第4話「黒」
第4話では、「ちょんまげ」こと羽立太輔が次の標的と見なされ、キングと園子、ターボーの三人で羽立のアパートを訪ねます。
ボサボサ頭で引きこもる羽立に、ターボーは「友達として守りに来た」と語りかけますが、「友達なんかじゃない」と突き放されてしまう場面も。
ここで重要なのは、ターボーが「守る側」として明確に動いたことと、「仲良し6人組は、本当に全員が同じ記憶を共有していたのか?」という疑念が浮上すること。羽立の視点から見た過去は、キングやターボーの記憶よりずっと陰湿で、「自分たちは良いことをしていたつもり」の側とのギャップが印象的です。

第5話「みんなの夢」
第5話では、キング・ターボー・羽立の三人が、高木家のガレージで「犯人探し会議」を開きます。ここに園子も合流し、当時の担任で現校長の大谷先生に話を聞きに行くことに。
ターボーは久しぶりの母校で懐かしさを見せる一方、園子が当時受けていた仕打ちを目の当たりにしてショックを受ける立場でもあります。さらに後の回では、彼の会社で羽立を雇い、羽立がネット上で「博士」と名乗る人物と接触するきっかけを作るなど、事件解明のための「土台」を用意しているのもターボーです。

第6話「傘」
第6話は、園子がライバル誌により「連続殺人犯」として記事にされ、世間から大バッシングを浴びる回。
ターボーはキングと共に、「園子を守りたいが、動けば動くほど炎上を助長してしまう」という板挟み状態に置かれ、「俺たちはどうすれば」と頭を抱えています。
ここで見えてくるのは、ターボーが「自分の会社のイメージ」と「仲間を守りたい気持ち」の両方を抱えて葛藤している姿。彼のビジネス的な冷静さと感情的な熱さが同時に揺れている回です。

第7話「バトン」
第7話では、4人目の犠牲者として大谷先生が冷凍庫で遺体となって発見されます。
お別れの会で、キング・園子・ターボーの三人はクラスメイトから集中砲火を浴び、「お前らのせいで迷惑だ」と責められる展開に。
キングは「誰も巻き込みたくない」一心で、協力を申し出るゆっきーやトヨを突き放し、ターボーとも険悪なムードに。しかしその中でターボーは「連絡が取れないちょんまげが心配だ」と一人で羽立のアパートに入り、合鍵を使って部屋を調べます。
そこで彼は「博士」と名乗る人物が書き込んだ古い掲示板と、「あの7人組で覚えていてくれたのは、ちょんまげだけだ」という書き込みに行き当たる。
この発見は、第8話「7人」で本格的に浮上する「忘れられた7人目=博士」への流れを決定づけるもので、ターボーは事件の核心にさらに深く踏み込んでいきます。

第8話「7人」以降の動き(予告ベース)
公式サイトの第8話あらすじによれば、キング・園子・ターボーの三人は、ゆっきーとトヨも巻き込んで、7人目の仲間「博士」こと森智也に迫ろうとします。
しかし羽立が単独で森に会いに行き、結果的に命を落としてしまう。
ターボーは、羽立を自分の会社に受け入れた責任も含めて、相当な罪悪感と怒りを抱えるはずです。
この段階でターボーは完全に「事件の渦の真ん中」に立っているキャラクター。犯人であれ被害者であれ、最終章で大きな役割を担うことはほぼ確実だと考えています。
小山隆弘(ターボー)のキャストはSixTONESの森本慎太郎さん

ターボーを演じているのは、SixTONESの森本慎太郎さん。
森本さんは1997年生まれ、SixTONESのメンバーとして音楽活動を行いながら、俳優としても多くの作品に出演してきました。
最近では、日本テレビ日曜ドラマ「だが、情熱はある」で南海キャンディーズ山里亮太役を演じ、「情熱」と「コンプレックス」を抱えた男を熱量たっぷりに体現して話題になったのも記憶に新しいところです。
「アツさ」を体現する俳優としての存在感
リアルサウンドなどの特集でも「アツさを体現する俳優」と評されることが多く、その持ち味が今回のターボー役にも直結しています。
成功者としての落ち着いた余裕と、昔の友達の前でだけ見せる青臭さ。
森本さんの芝居は、その二つを切り替えるのがとても巧みで、ふとした目の泳ぎ方や息の詰まり方に「まだ言えていない本音」や「隠している何か」が滲んでいる。
ターボーの“熱さ”を支える芝居
個人的に印象的なのは、
- キングを庇って感情を爆発させる場面
- 「園子を疑うのか、他の仲間を疑うのか」で声を荒げる場面
この時のターボーは、理屈より感情のほうが先に出てしまう男で、まさに森本さんがこれまでも得意としてきた「不器用で熱い青年像」と重なります。
森本慎太郎が“ターボー犯人説”を強めている
ターボー犯人説がここまで盛り上がっているのも、脚本だけでなく、森本慎太郎の演技が持つ
「善にも悪にも転べるギリギリのグラデーション」
を保ち続けているからこそ、という気がします。
ターボーが“仲間を守る熱い男”にも見えれば、“裏で糸を引いている黒幕”にも見える。その曖昧さを成立させているのは、森本さんの芝居が、キャラクターの奥に“まだ見えていない何か”を常に残しているから。
小山隆弘(ターボー)についてまとめ
最後に、ターボーというキャラクターについて、改めてポイントをまとめます。
- ターボーは、キングの元親友であり、アメリカで成功したアプリ会社社長
- 子どもの頃の夢は「宇宙飛行士」で、今も宇宙関連ビジネスを推し進め、キングを宇宙に連れて行こうとしている
- 一方で「黒いウワサ」「目的のためなら手段を選ばない」と語られる、ダークサイドの気配もまとった人物
- ガラス落下事件、帰国のタイミング、替え歌の作者であることなどから、真犯人や黒幕候補として最有力視されている
- しかし羽立を守ろうとしたり、園子やキングを本気で心配したりと、「熱い友達」としての顔も強く描かれている
- 第7話時点で、7人目「博士」とのつながりの鍵を握る人物であり、物語の中心人物であることは間違いない
ターボーは“怪しい”が、そのまま黒幕とは限らない
ドラマの構造上、「最初からずっと怪しいやつ」がそのまま真犯人というパターンはもちろんありますが、本作のような考察ミステリーでは、
- 視聴者の視線を集める「表の怪しい人」
- あまり注目されていない「影の存在」
このセット構造が採用されることが多いです。
ターボーは間違いなく前者の代表格。
ただ、彼の中にある「良いこと」と「悪いこと」、そして過去の罪と現在の贖罪のバランスをここまで丁寧に描いている以上、
単なる悪役には終わらないだろう
というのが僕の今の予想です。
最終章でターボーがどんな“答え”を出すのか
キングとの友情を守りたいターボー自身の選択が、最終的に事件の決着をどう方向づけるのか。
ターボーが「犯人」かどうかだけでなく、
「どんな形で自分の悪いことと向き合うのか」
そこにこそ、彼というキャラクターの核があると感じます。
最終章では、ターボーが
- 自分の過去とどう向き合うのか
- 誰を守ろうとするのか
- どんな“良いこと”を選ぶのか
このあたりが物語の大きな焦点になっていくはずです。
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