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ドラマ「良いこと悪いこと」第1話のネタバレ&感想考察。黒塗りされた6人の共通点と園子のいじめの記憶

ドラマ「良いこと悪いこと」第1話のネタバレ&感想考察。黒塗りされた6人の共通点と園子のいじめの記憶

ドラマ『良いこと悪いこと』第1話「6人」は、懐かしい同窓会が22年前のいじめと不審死を呼び起こす、緊張感のある幕開けとなりました。現在は妻と娘を持つ父親になった高木将が、かつて「キング」と呼ばれていた自分と向き合わされていきます。

一方、いじめの被害者だった猿橋園子にとって、小学生時代の出来事は決して過去になっていません。6人の顔を塗りつぶした卒業アルバム、子どもたちが描いた夢、武田の転落死、桜井の店で発生した火災が結びつく中、高木と園子の関係も大きく動き始めます。

この記事では、ドラマ『良いこと悪いこと』第1話のあらすじ&ネタバレ、伏線、感想と考察について詳しく紹介します。

目次

ドラマ「良いこと悪いこと」第1話のあらすじ&ネタバレ

良いこと悪いこと1話のあらすじ

第1話は物語の始まりであるため、前話からのつながりはありません。ただし、物語は高木たちの同窓会から順番に始まるのではなく、何者かに襲われた男性がマンションから転落する衝撃的な場面を先に見せ、そこへ至るまでの時間をさかのぼっていきます。

第1話で明らかになるのは、黒く塗りつぶされた6人が、かつて園子をいじめていた仲間だったという事実です。

現在は平凡な父親として暮らす高木と、いじめられた記憶を抱えて記者になった園子。同じ22年間を生きてきた二人が、まったく異なる過去を背負っていることが、連続する事件によって浮かび上がります。

平凡な父親になった「キング」に過去が追いつく

第1話の冒頭では、武田敏生が何者かに襲われる未来が先に示されます。その後、時間は22年前と現在へ戻り、なぜ武田が命を落とすことになったのか、高木たちの過去に何があったのかが少しずつ描かれていきました。

冒頭で突き落とされる武田と血に染まる夢の絵

暗いマンションから、争うような物音が聞こえてきます。上階から先にバッグが投げ出され、続いて一人の男性が地上へ転落しました。

落ちてきたのは、高木の同級生で「貧ちゃん」と呼ばれていた武田敏生です。

武田のそばには、小学生が描いたような一枚の絵も舞い落ちます。そこには空を飛ぶ子どもの姿が描かれていましたが、地面へ落ちた武田の血によって絵の一部が汚れてしまいました。

この時点では、武田を襲った人物の姿も、なぜ絵を持っていたのかも分かりません。しかし、子どもの純粋な夢と、大人になった武田の死を同じ画面に置くことで、夢が残酷な形へ変えられてしまう物語だと示されています。

2003年に埋められた34歳の自分たちへの手紙

場面は、平成15年度の鷹里小学校6年1組へ移ります。子どもたちは「みんなの夢」というテーマで、それぞれが大人になった自分を想像した絵を描いていました。

完成した絵は封筒へ入れられ、金属製の容器に収められます。担任の大谷先生は、学校が創立50周年を迎える2025年、子どもたちが34歳になった時に掘り起こすと説明しました。

校庭には楽しそうにタイムカプセルを埋める子どもたちがいます。その輪から少し離れたところには、周囲になじめていないように見える女の子の姿もありました。

にぎやかな思い出として保存されたタイムカプセルの裏側に、誰にも共有されていない孤独があったことを感じさせる場面です。

娘にたしなめられる父親と、久しぶりに現れた武田

2025年、高木将は東京郊外で家業の塗装会社を継ぎ、妻の加奈、小学4年生の娘・花音と暮らしていました。仕事をしながら家庭を支える姿は、ごく普通の父親です。

家でたばこを吸おうとした高木は花音に見つかり、禁煙だと注意されて素直に謝ります。小学生時代にクラスの中心へ立っていた「キング」の面影より、娘に頭が上がらない父親としての柔らかさが先に描かれました。

そこへ武田が高木を迎えに来ます。花音の前でも高木を「キング」と呼ぶ武田は、タイムカプセルを掘り起こす会へ一緒に行こうと誘いました。

高木自身は22年前の約束をほとんど忘れていましたが、武田の登場によって、小学校時代の呼び名と人間関係が現在へ持ち込まれます。

22年ぶりの再会とタイムカプセルに残された夢

高木と武田が母校へ向かうと、元6年1組の同級生たちが集まっていました。再会を喜ぶ明るい空気の中で、園子だけは、昔から親しかった仲間の一人としてではなく、有名になった記者として迎えられます。

大人になった同級生たちと園子への過剰な歓迎

母校では、当時の担任だった大谷が校長となり、同窓生たちを迎えていました。学級委員長だった小林紗季、専業主婦になった土屋ゆき、美容師として働く豊川賢吾、居酒屋を経営する桜井幹太らが、それぞれの近況を語り合います。

武田たちが特に待ち望んでいたのは、週刊誌の記者として知られるようになった園子でした。園子が姿を見せると、武田や桜井は自分たちを覚えているかと親しげに声をかけます。

しかし、園子の反応はどこかよそよそしく、再会を心から喜んでいるようには見えません。武田たちにとっては有名人になった同級生との楽しい再会でも、園子にとっては、自分を傷つけた人々が待つ場所へ戻ることでもありました。

武田の「空を飛ぶ夢」と桜井の「消防士」

やがて校庭からタイムカプセルが掘り起こされ、「みんなの夢」と書かれた封筒が一人ずつ返されます。桜井が描いていたのは消防士になった自分、武田が描いていたのは空を飛ぶ自分でした。

ゆきは結婚を思わせる絵を見ながら、現在の自分と重ねて喜びます。豊川も美容師になる夢を描いており、実際にその道へ進んでいました。

夢をかなえた人、違う人生を選んだ人がいる中でも、絵を見返す時間は一見すると穏やかなものでした。

ところが、高木は自分の封筒を開こうとしません。何を描いたのか尋ねられても曖昧に答え、絵を見られないように隠します。

高木にとって、その絵は懐かしい思い出ではなく、現在の自分と過去の自分を比較させるものだったと考えられます。

本来入っていないはずの卒業アルバム

タイムカプセルの中には、子どもたちの絵だけでなく、一冊の卒業アルバムも入っていました。誰が入れたのか分からないままページを開くと、6年1組の個人写真のうち、6人の顔だけが黒く塗りつぶされています。

塗りつぶされていたのは、高木、武田、桜井、小山隆弘、中島笑美、羽立太輔です。小学生時代に親しかった6人が、まるで消すべき存在であるかのように狙われていました。

ほかの同級生たちが理由を分からず戸惑う中、高木は園子へ視線を向けます。園子と目が合うと、高木はすぐに目をそらしました。

高木はこの段階ですでに6人の共通点へ気づきながら、それを同級生たちの前で口にできなかったのです。

黒塗りされた6人と、同窓会に流れる記憶の温度差

場所を桜井の居酒屋へ移した同級生たちは、卒業アルバムの異変について話し合います。しかし、黒く塗られた本人たちでさえ深刻には受け止めず、過去を覚えている高木と園子だけが重い表情を見せていました。

黒塗りを悪ふざけで済ませようとする桜井たち

武田は、自分たち6人の顔だけが塗りつぶされていたことを気にします。ゆきは、6人がいつも一緒にいた仲良しグループだったと指摘し、誰かから恨まれている可能性を口にしました。

それでも桜井は、あまり気にするなというように場を明るくしようとします。顔を黒く塗られたことを不気味に感じながらも、重大な警告や殺害予告だと考える者はいませんでした。

欠席している小山、中島、羽立の絵をどう渡すかという話になると、地元に残っている高木が預かることになります。高木のもとへ未出席者の絵が集まったことで、夢の内容と6人の過去を結ぶ手がかりも、高木の身近な場所へ残されました。

園子の黒い絵と、誰も聞こうとしない理由

園子は記者として顔が知られるようになった経緯を尋ねられ、武田からは有名な同級生として軽い調子で持ち上げられます。武田たちは園子の現在には興味を示しますが、園子がどのような思いでそこまで来たのかを知ろうとはしません。

園子が席を外した間、武田は園子の「みんなの夢」の絵を勝手に撮影します。そこには、一人の女の子と、その周囲を覆う暗い色が描かれていました。

ほかの同級生が明るい職業や未来を描いていた中で、園子の絵だけは孤立と閉塞感を強く感じさせます。

園子が戻ると、周囲は見なかったことにするように絵を元へ戻しました。園子がなぜそのような絵を描いたのかを尋ねる者はいません。

同窓会の帰りにも、ほかの同級生がエレベーターを使う中、園子だけは階段を選びます。その理由も、誰からも深く問われませんでした。

「どの子」という呼び名を覚えていた高木

同窓会を終えた高木、武田、桜井は、レトロスナックのイマクニで飲み直します。久しぶりに会った園子の話題となり、武田や桜井は園子の態度や暗い絵を、自分たちとは関係のないものとして語りました。

園子に昔のあだ名があったかと問われた高木は、「どの子」と呼ばれていたことを思い出します。この呼び名は親しみから生まれたものではありません。

園子という一人の人間を、「どの子なのか分からない子」「自分たちの仲間ではない子」として扱う言葉でした。

高木が覚えていたことは、まったく忘れていた桜井たちとの違いでもあります。ただし、高木もその場でいじめを告白することはなく、過去を説明しないまま酒を飲み続けました。

武田は二人と別れ、タクシーで自宅マンションへ帰ります。そして玄関前で鍵を探しているところを何者かに襲われ、冒頭の転落死へつながりました。

※以下の記事には、最終回までのネタバレが含まれます。関連する人物・伏線の詳しい整理は、以下の記事で確認できます。

「空を飛ぶ夢」が武田の転落死へ変わる

翌日、武田の死を知らされた高木は、卒業アルバムの黒塗りと結びつけて考え始めます。一方の園子も、武田の死を記事にしようと動き、二人はそれぞれ別の立場から同じ違和感へ近づいていきました。

警察に黒塗りの卒業アルバムを話せない高木

高木塗装へ警察が訪れ、武田が昨夜マンションから転落して死亡したと伝えます。同窓会の後に一緒に飲んでいた高木は、武田の当日の様子について確認されました。

高木は事件なのかと尋ねますが、警察は現時点で事件性が高いとは見ていませんでした。武田が酒を飲んでいたこともあり、事故の可能性も考えられていたからです。

警察から気になることがないかと聞かれた高木の脳裏には、6人の顔が塗りつぶされた卒業アルバムが浮かびます。それでも高木は何も話しません。

アルバムの意味を説明すれば、園子へのいじめも語らなければならず、自分の過去を公にする覚悟までは持てなかったのでしょう。

園子が武田の死を記事にしようとする理由

園子も武田の死を知り、勤務する週刊誌の編集部で記事にしたいと訴えます。しかし、同窓会の直後に同級生が転落死したというだけでは、記事として扱う根拠が弱く、提案は認められませんでした。

後輩から、卒業アルバムで6人が黒く塗られていた理由を尋ねられた園子は、彼らが「悪い子」だったからではないかと答えます。そこには、6人を疑っているのではなく、6人に傷つけられた自分自身の評価が表れていました。

さらに、武田が空を飛ぶ夢を描いていたのに転落死したことを指摘され、園子の表情が変わります。タイムカプセルの絵と武田の死が偶然ではない可能性に、園子は高木よりも早く近づき始めました。

桜井の店で再び向き合う高木と園子

高木は桜井の居酒屋を訪ね、武田の死と卒業アルバムの関係を相談します。しかし桜井は、武田が殺されたとは限らず、アルバムも誰かのいたずらだと軽く考えていました。

高木が6人の共通点を思い出していないのかと尋ねても、桜井はすぐには理解できません。高木が園子の呼び名を口にしたところへ、記者として園子が現れます。

園子は、高木と桜井に黒く塗られた6人の共通点を質問しました。桜井は仲の良いグループだったと答えますが、高木が「どの子」という呼び名を覚えていたことから、園子は高木が過去を認識していると見抜きます。

ここで武田の死をめぐる疑いは、22年前のいじめへ直結しました。

※以下の記事には、最終回までのネタバレが含まれます。関連する人物・伏線の詳しい整理は、以下の記事で確認できます。

園子が突きつけた、忘れられないいじめの記憶

園子は、黒く塗りつぶされた6人が自分をいじめていた事実を明かします。高木は覚えていましたが、桜井はすぐに思い出せず、園子の苦しみを「昔のこと」として処理しようとしました。

6人にとっての悪ふざけが園子の人生を変えていた

園子は、高木たちから「どの子」と呼ばれていたことも、何をされたのかも忘れていませんでした。園子にとっては、同窓会で久しぶりに思い出した過去ではなく、現在まで途切れずに続いている記憶です。

園子は、いじめが原因で閉所恐怖症になり、現在もエレベーターを使うことができないと説明します。同窓会の帰りに一人だけ階段を選んだ行動も、単なる好みではありませんでした。

桜井は、なぜ今さら昔の話をするのかという反応を見せます。しかし、桜井が忘れて生活できた22年間と、園子が閉所を避けながら生きてきた22年間は同じではありません。

いじめた側にとって終わった出来事でも、いじめられた側には現在の生活を制限し続ける傷として残っていたのです。

園子を閉じ込めた人物と、助けなかった6人

小学生時代、園子は隠された筆箱を探すために器具庫へ入り、何者かによって外から扉を閉められました。暗く狭い場所に一人で取り残された園子は、外へ助けを求めます。

近くで遊んでいた高木たち6人は、器具庫から聞こえる声が園子だと気づきました。しかし、扉を開けて助けるのではなく、外から扉を叩いて園子を怖がらせます。

ここで重要なのは、園子を最初に器具庫へ閉じ込めた人物が、第1話では明らかにされていない点です。高木たち6人が鍵をかけたとまでは断定できません。

それでも、助けを求める園子の存在を認識しながら、恐怖を増幅させたことは変わりませんでした。

高木の謝罪になりきらない告白

園子が去った後、高木は自分たちが園子をいじめていたことをはっきり思い出します。そして園子を呼び出し、いじめていた事実も、園子が嫌がっていたと分かっていたことも認めました。

しかし、高木の目的は園子へ謝ることではありません。武田を殺したのが園子だと疑い、ほかの仲間へ手を出すなと警告するためでした。

さらに、復讐するなら仲間ではなく自分を狙えという態度を見せます。

高木なりにリーダーとして責任を負おうとしたとも受け取れますが、園子から見れば、自分が犯人だと決めつけたうえで語られる自己犠牲です。園子は高木の言葉をくだらないと切り捨て、その場を去ろうとしました。

高木は加害を認め始めても、園子の痛みを理解するところまでは進めていません。

桜井の店の火災で交差した加害者と被害者の現在

高木と園子が話している最中、桜井の居酒屋から煙が上がります。武田に続いて黒塗りの一人が襲われたことで、卒業アルバムと夢の絵が、単なる不気味な思い出ではないことが決定的になりました。

桜井を助けるため火の中へ入った園子

店から煙が出ているのを見た園子は、高木より先に走り出します。店内では桜井が倒れており、すでに火が広がっていました。

園子は口元を覆いながら店へ入り、桜井を助けようとします。武田を殺した犯人として疑われた直後でありながら、園子は自分をいじめていた桜井を見捨てませんでした。

この行動だけで園子が桜井を許しているとは言えません。むしろ、桜井への怒りや恨みを抱えたままでも、目の前で命が失われることを止めようとした点に、園子が自分の行動を自分で選ぼうとする強さが表れています。

暗闇で蘇る器具庫の恐怖と高木の救出

園子が店内へ入った直後、火がカセットガスへ引火し、爆発が起こります。煙と暗闇に包まれた園子は、器具庫へ閉じ込められた時の記憶を呼び起こされました。

呼吸を整えようとしても、閉じ込められて逃げられなかった小学生時代の恐怖が重なり、園子は動けなくなります。過去のいじめが、危険な状況で身体の自由を奪うほど深く残っていることが示されました。

そこへ高木と消防隊が入り、高木は園子を店の外へ連れ出します。かつて園子を暗い場所で助けなかった高木が、現在は火の中から園子を救いました。

高木の行動が過去を帳消しにすることはありませんが、人間を過去の一場面だけで固定できないという本作の視点が表れた場面です。

殺されたくない高木と、犯人に利用されたくない園子

桜井は救急搬送され、一命を取り留めたものの、すぐに話ができる状態ではありません。病院で高木は、なぜ園子があれほど迷わず店へ入ったのかを尋ねます。

園子は、武田が空を飛ぶ絵を描いて転落し、消防士の絵を描いた桜井が火災に巻き込まれたことを結びつけます。二つの出来事は、子ども時代の夢を使った計画的な襲撃に見えました。

園子は、武田の死を知った時、一瞬だけ因果応報だと感じた自分も認めます。しかし、誰かの死を喜ぶ人間になれば、自分まで高木たちと同じ「悪い子」になってしまう。

園子は、自分をいじめた6人を許さないと同時に、自分のいじめを利用して人を襲う犯人も許さないと決めました。

高木と園子は信頼し合ったからではなく、殺されたくない高木と、復讐犯として扱われたくない園子の利害が一致したことで手を組みます。

第1話の結末で誕生したのは、和解した加害者と被害者のバディではありません。互いへの不信と怒りを残したまま、同じ事件を追わざるを得なくなった二人です。

武田の死、桜井の火災に続き、残る黒塗りの人物も夢になぞらえて狙われるのかという不安を残して、第1話は幕を閉じました。

※以下の記事には、最終回までのネタバレが含まれます。関連する人物・伏線の詳しい整理は、以下の記事で確認できます。

ドラマ「良いこと悪いこと」第1話の伏線

第1話では、犯人へ直接つながる証拠はまだほとんど示されていません。ただし、卒業アルバム、夢の絵、園子の記憶、同級生たちの反応を重ねると、現在の事件が22年前の6年1組を詳しく知る人物によって計画された可能性が見えてきます。

ここでは、第1話時点で気になる伏線と、今後の展開へつながりそうな違和感を整理します。

「みんなの夢」が犯行方法へ反転している

子どもたちが未来への希望として描いた夢が、武田と桜井を襲う方法として使われたように見えます。犯人が夢の内容を知っているなら、タイムカプセルへ近づけた人物の範囲も限られてきそうです。

武田の「空を飛ぶ夢」とマンションからの転落

武田は、空を飛ぶ自分の絵を同窓会へ持ち帰りました。その夜、何者かにマンションの上階から落とされ、絵と一緒に地上へ転落しています。

単に武田を殺害するだけなら、転落以外にも方法はあったはずです。それでも犯人が絵を現場へ持ち込み、武田の夢を再現するような形を選んだのだとすれば、目的には殺害だけでなく、過去を思い出させる演出も含まれていると考えられます。

また、武田が自分の絵を持って帰ると知っていた人物でなければ、同窓会当日に計画を実行することは難しくなります。犯人が同窓会の場にいたのか、参加者の動きを別の方法で把握していたのかも気になるところです。

桜井の「消防士」と居酒屋の火災

桜井が描いた夢は消防士でした。しかし、大人になった桜井は消防士ではなく、居酒屋の店主となっています。

その店で火災が発生し、桜井自身が救助される側になりました。

武田の事件と同様に、夢が皮肉な形へ反転しています。空を飛びたかった武田は落とされ、消防士になりたかった桜井は火の中で倒れました。

ただし、第1話時点では火災がどのように起こされたのか、桜井がなぜ店内で倒れていたのかは分かっていません。意図的な放火に見えても、犯人の侵入方法や使用した道具までは確定していないため、現段階では夢になぞらえた襲撃と考えるのが妥当です。

開けなかった高木の封筒

高木は、同級生たちがそれぞれの絵を見せ合う中、自分の封筒だけを開こうとしませんでした。何を描いたのか聞かれても答えを濁し、周囲から見えないようにしています。

高木が絵を隠したのは、内容を知られたくなかったからなのか、それとも現在の自分と比較するのが怖かったからなのか。第1話だけでは理由を断定できません。

しかし、夢の内容が襲撃方法に利用されているなら、高木の絵も今後の危険と無関係ではありません。高木自身が黒塗りされた6人の一人である以上、絵を開かないことは、過去から目をそらす姿勢と、将来の襲撃方法を隠す仕掛けの両方に見えます。

卒業アルバムをタイムカプセルへ入れた人物

タイムカプセルに入っていた卒業アルバムは、高木たちが22年前に保存した「みんなの夢」とは性質が異なります。6人の顔を塗りつぶした人物は、同級生の関係と過去を知っていた可能性が高いでしょう。

6人だけが選ばれた理由

黒く塗りつぶされていたのは、高木、武田、桜井、小山、中島、羽立の6人です。園子をいじめていた仲間という共通点は、高木と園子の会話によって判明しました。

しかし、同窓会に参加した多くの同級生は、その共通点をすぐに思い出せませんでした。桜井でさえ、高木に指摘されるまで園子へのいじめを忘れています。

そのため、アルバムを加工した人物は、園子がいじめられていたことを強く記憶している人物に見えます。園子本人が疑われるのは自然ですが、園子を犯人に見せるため、別の誰かが彼女の過去を利用している可能性も残っています。

いつアルバムが入れられたのか

アルバムが22年前からタイムカプセルに入っていたのか、掘り起こされる前に誰かが追加したのかは分かりません。容器へ近づける時期によって、犯人候補は大きく変わります。

22年前に入れられたのなら、小学生時代から6人への強い感情を持っていた人物がいることになります。近年になって入れられたのなら、タイムカプセルの場所と開封日を知り、母校の校庭へ入ることができた人物が疑わしくなります。

さらに、黒塗りのアルバムを同窓生全員へ見せること自体に意味があったようにも見えます。犯人は6人だけでなく、過去を忘れたクラス全体へ問いを突きつけようとしているのかもしれません。

欠席者の絵が高木へ預けられたこと

同窓会へ来なかった小山、中島、羽立の絵は、高木が預かることになりました。地元に残っており、6人の中心人物だった高木なら渡せるだろうという軽い判断です。

しかし、この決定によって、高木は欠席者の夢を確認できる位置へ置かれました。犯人の襲撃方法を予測するうえで重要な資料が、高木の手元へ集まったことになります。

一方で、犯人がその流れまで計算していた可能性も否定できません。高木を事件の中心へ引き戻し、過去の仲間を守る役割を負わせること自体が、計画の一部にも見えます。

園子を器具庫へ閉じ込めた人物は別にいるのか

回想で確定しているのは、高木たち6人が閉じ込められた園子を助けず、外から扉を叩いて怖がらせたことです。最初に園子を器具庫へ誘導し、扉を閉めた人物までは明かされていません。

隠された筆箱と閉じられた扉

園子は、自分の筆箱を探すために器具庫へ入りました。筆箱が偶然そこへ置かれたとは考えにくく、誰かが園子を一人にする目的で隠した可能性があります。

さらに、園子が筆箱を見つけた後、扉は外から閉められています。高木たち6人は、その後に助けを求める声を聞いて近づいたように描かれていました。

この場面順が正しければ、園子を閉じ込めた人物と、閉じ込められた園子をからかった6人は別です。第1話では姿がはっきり示されていないため、特定の同級生を犯人だと断定することはできません。

傍観と便乗も加害になる

仮に高木たちが園子を閉じ込めた本人ではなかったとしても、6人の責任が消えるわけではありません。助けを求める声を聞き、園子だと気づきながら、救出ではなくからかうことを選んだからです。

誰かが始めたいじめへ周囲が便乗すると、責任の所在は曖昧になっていきます。高木たちは「自分が閉じ込めたわけではない」と考えることで、自分の行動を軽く扱ってきた可能性があります。

本作が今後、最初に行動した人物だけでなく、笑った人、見ていた人、止めなかった人まで描くのであれば、この器具庫の場面が集団心理を象徴する伏線になりそうです。

閉所恐怖症が園子の現在を縛っている

園子は事件後、閉所恐怖症を抱えながら生きてきました。同窓会の帰りに階段を使い、火災現場で暗闇に包まれた際には、器具庫の記憶が蘇って動けなくなります。

園子にとっていじめは、過去を思い出して不快になるだけの出来事ではありません。移動手段や危険時の行動を制限する、現在進行形の傷です。

今後も閉ざされた場所に遭遇した時、園子がどのような選択をするのかは重要になります。同時に、高木が園子の症状を知ったうえで、過去の責任とどう向き合うかを測る場面にもなりそうです。

同級生たちの記憶と反応に残る違和感

第1話では、園子だけでなく、同窓会へ集まった同級生たちの表情や沈黙にも違和感が残されました。誰が何を覚えているのか、誰が覚えていないふりをしているのかは、事件を考えるうえで重要です。

高木だけが6人の共通点へ気づいた理由

黒塗りのアルバムを見た高木は、すぐに園子へ視線を向けました。桜井や武田が理由を分からずにいる中、高木だけは6人と園子の因縁を思い出しています。

高木は、過去を完全に忘れていたのではなく、日常の中で思い出さないようにしていたと考えられます。園子の呼び名も、器具庫での出来事も、きっかけを与えられると蘇りました。

一方で、覚えていながら語らなかったことは、忘れていた場合とは別の責任を生みます。高木が警察へアルバムのことを話さなかった判断も、現在の事件より自分の過去を隠すことを優先したように見えました。

桜井の「昔のこと」という感覚

桜井は園子からいじめを指摘されても、22年前の話を今になって持ち出すことへ戸惑います。桜井にとっては、記憶に残すほど重大な出来事ではなかったのでしょう。

しかし、その反応は園子にとって二度目の加害になります。いじめそのものだけでなく、苦しみ続けている人へ「もう終わった話だ」と告げることで、被害の重さを否定してしまうからです。

桜井が本当に覚えていないのか、思い出したくないだけなのかは分かりません。火災から回復した後、園子との過去をどのように語るのかが注目されます。

子ども時代の替え歌に隠された順番

第1話では、子ども時代に歌っていた替え歌の存在も断片的に示されています。高木たち6人の呼び名を、よく知られた童謡へ当てはめた遊び歌です。

現時点では、替え歌が事件と直接関係しているかは分かりません。しかし、黒塗りされた6人の名前が含まれているなら、犯人が標的を示すために使う可能性があります。

夢の絵が襲撃方法を示しているように、替え歌が襲われる順番や人物関係を示していることも考えられます。何気ない子どもの遊びが、事件の設計図へ変えられているのかもしれません。

ドラマ「良いこと悪いこと」第1話を見終わった後の感想&考察

良いこと悪いこと1話の予想考察(ネタバレ)

第1話で強く残ったのは、武田の転落死や黒塗りの卒業アルバム以上に、高木たちと園子の記憶の差でした。大人になった現在の姿だけを見れば、高木は家族を大切にする父親であり、桜井も自分の店を営む普通の人です。

それでも、現在を真面目に生きていることだけで、過去に傷つけた人の苦しみが消えるわけではありません。第1話は「誰が犯人か」と同時に、「過去の加害を忘れた人は、どこから責任を取り直せるのか」という問いを立ち上げています。

現在の高木が良い父親でも、過去の加害は消えない

高木は娘に注意されれば謝り、仕事をしながら家族を養っています。現在の生活だけを切り取れば、誰かを積極的に傷つける人物には見えません。

「キング」から普通の父親へ変わった高木

小学生時代の高木は、仲間の中心に立ち、周囲の行動を決める立場でした。器具庫の園子をからかう場面でも、高木が動くことでほかの仲間が続いています。

現在の高木は、その頃より丸くなり、家庭の中では娘の言葉を受け入れる父親です。人は22年の間に変わることができるという点は、確かに描かれています。

しかし、高木が変わったことと、園子の傷が癒えたことは別問題です。高木が良い父親になったからこそ、園子は、自分を傷つけた人間が何事もなかったように幸福な家庭を持っている現実を突きつけられます。

忘れたのではなく、思い出さない生活を選んでいた

高木は6人の共通点を思い出し、「どの子」という呼び名も口にします。つまり、記憶そのものが完全に消えていたわけではありません。

高木は、園子と再会するまで過去を振り返る必要のない生活を送っていました。自分から思い出さなければ、夫としても父親としても、過去と切り離された自分でいられたからです。

高木の問題は、忘れたことだけではなく、思い出さずに済む側の人生を無自覚に受け入れてきたことにあります。

その意味で、黒塗りの卒業アルバムは殺害予告であると同時に、高木たちが消したつもりになっていた記憶を、本人たちの顔へ塗り返す装置にも見えました。

園子の怒りが苦しく響く理由

園子は高木たちを許していません。しかし、自分を被害者という立場へ閉じ込めることも、犯人に復讐の象徴として利用されることも拒みます。

「昔のこと」で済ませられない身体の記憶

桜井の反応が苦しく感じられるのは、園子の人生へ残った影響をまったく見ていないからです。桜井にとっては、小学生同士の悪ふざけだったのかもしれません。

しかし園子は、現在もエレベーターを避け、暗い店内で身動きができなくなるほどの恐怖を抱えています。出来事の年月ではなく、その後も影響が続いているかどうかで考えれば、園子にとってはいじめは終わっていません。

加害者が「昔」と呼ぶことで過去へ置けたものを、被害者は身体の反応として現在へ持ち続ける。その非対称性が、園子と桜井の短いやり取りによって明確になりました。

武田の死を喜んだ自分まで否定しない園子

園子は、武田が死んだと知った瞬間に、因果応報だと感じた自分を隠しません。いじめた相手の不幸を見て、完全に無感情でいられるほど傷は浅くなかったのでしょう。

それでも園子は、その感情のまま復讐へ進むことを拒否します。誰かが死ぬことを望む自分になれば、長い時間をかけて築いてきた人生まで、いじめた側によって変えられてしまうからです。

園子は「許す」という選択をしていません。許さなくても、殺人を肯定しないことはできます。

被害者に赦しを要求せず、復讐にも進ませない点に、園子の主体性が表れていました。

高木の「狙うなら自分を」に見えた責任と自己中心性

高木は仲間を守るため、自分が代わりに狙われようとします。一見すると責任感のある言葉ですが、園子の視点から見ると、簡単には受け入れられない問題も含んでいました。

リーダーとして仲間を守ろうとする高木

小学生時代に「キング」と呼ばれていた高木は、大人になっても仲間の中心であろうとします。武田が死に、ほかの仲間も危険だと感じると、自分が引き受ければよいと考えました。

高木は、いじめをしていたことも、園子が嫌がっていたと分かっていたことも認めています。桜井より一歩早く、自分の加害へ目を向け始めた点は重要です。

仲間の後ろへ隠れるのではなく、自分が責任を取ろうとしたことには、高木なりの誠実さもあります。ただし、その誠実さは園子へ謝るためではなく、仲間への襲撃を止めるために向けられていました。

園子を復讐犯と決めつけたままの自己犠牲

高木は、園子が武田を殺したという確かな証拠を持っていません。それでも、いじめられた園子には動機があるという理由で、最初から犯人側へ置きました。

そのうえで自分を狙えと言われても、園子からすれば、加害者が勝手に罪と罰の形を決めているだけです。園子がどのような謝罪を求めるのか、そもそも高木と話したいのかさえ確認されていません。

高木の自己犠牲には、責任感と同時に、今も自分が物語の中心にいるという意識が混じっています。今後、高木が「自分が背負えばよい」という考えから離れ、園子の言葉を聞く側へ変われるかが大きな見どころです。

火災の救出は過去を帳消しにする場面ではない

高木が園子を火災現場から救い出したことで、二人の関係にはわずかな変化が生まれました。しかし、命を救ったことを理由に、過去のいじめまで許されたと考えるべきではありません。

助けなかった子どもが、助ける大人になった

器具庫の前で園子の声を聞いた小学生の高木は、扉を開けずにからかいました。一方、火災現場の高木は、暗闇で動けなくなった園子を助けるため店内へ入ります。

同じ人物が、過去には助けず、現在には助ける。この対比によって、高木がまったく変わっていない悪人ではないことが分かります。

ただし、現在の善い行動が過去の悪い行動を相殺するわけではありません。重要なのは、高木が善人か悪人かを決めることではなく、今後も責任から逃げずに選択を続けられるかです。

園子は救われても、高木を許してはいない

園子が高木と手を組んだのは、火の中から助けられて感謝し、過去を許したからではありません。夢を利用した襲撃を止め、自分の傷を殺人の動機として使う犯人を見つけるためです。

園子は高木たちへの怒りを明確に残しています。同時に、園子を疑う高木への不信も消えていません。

バディになった後も、二人の間には被害者と加害者という解消できない関係があります。

第1話のラストが印象的なのは、和解ではなく、和解していない二人が同じ方向へ歩き始めたからです。

高木は殺されないために真相を追い、園子は自分の人生を犯人に利用させないために真相を追う。目的の違う二人が事件を通じて何を知り、互いの見方をどう変えていくのかが、『良いこと悪いこと』の中心になりそうです。

第1話が残した「良い人と悪い人を誰が決めるのか」という問い

第1話では、園子をいじめた6人が「悪い子」として黒く塗りつぶされています。一方で、現在の高木は父親として暮らし、園子を火災から救いました。

被害者である園子にも、他人の死を喜ぶ感情がある

園子は明確な被害者ですが、武田の死に一瞬だけ喜びを感じています。その感情だけを切り取れば、園子を冷たい人間だと評価することもできるでしょう。

しかし、そう感じるまでに何があったのかを無視すれば、高木たちが園子の苦しみを「昔のこと」と軽く扱った構造を繰り返すことになります。感情が生まれた背景と、その感情を行動に移すかどうかは分けて考える必要があります。

園子は憎しみを持ちながら桜井を助けようとしました。人の善悪は、抱いた感情だけでなく、その場で何を選んだかによっても変わると受け取れます。

犯人の制裁は正義ではなく新しい加害になる

高木たちが園子をいじめたことは事実です。それでも、誰かが高木たちを殺してよい理由にはなりません。

犯人が園子へのいじめを理由にしているのだとすれば、園子の傷を本人の許可なく復讐へ利用しています。園子を被害者として救うのではなく、殺人を正当化する道具へ変えているのです。

その結果、園子は復讐犯として疑われ、高木たちは命を狙われ、さらに新しい被害が生まれます。過去の悪を裁くつもりで始めた行為が、別の悪を作り出す構造こそ、第1話が示した大きな問題でしょう。

次回に向けて気になる高木と園子の距離

高木と園子は、事件を追うという一点で協力することになりました。しかし、高木はまだ仲間を守る意識が強く、園子は高木たちを許すつもりがありません。

今後、残る黒塗りの人物へ危険を知らせるには、高木が園子との過去をほかの仲間へ説明する必要があります。仲間がいじめを認めるのか、それとも園子を犯人として排除しようとするのかによって、バディの関係も揺れそうです。

また、夢の絵を知る人物が同級生の中にいるとすれば、二人はかつての仲間全員を疑わなければなりません。過去を共有しているはずの人々が、実はまったく異なる記憶を持っていたことが、次の事件を通じて明らかになっていくと考えられます。

『良いこと悪いこと』第1話は、犯人当ての入口であると同時に、忘れることができた人と、忘れることを許されなかった人の物語の始まりでした。

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