3話の最後に勝男は鮎美の彼氏のミナトが多数の女性と付き合った過去があるのがわかりました。

同棲を始めた鮎美とミナト。
幸せの形が整うほどに、ふたりの間には小さな違和感が静かに積もっていく。一方、鮎美の元恋人・勝男は、彼女を“助ける”のではなく“任せる”という選択をする。
料理、距離、言葉——この物語の「作る」は、すべての人間関係の比喩になっている。同じオムライスを作っても、込める想いは違う。
信じることと、見守ること。そのあいだにある“優しい痛み”を描いた第4話は、恋愛の成熟とは何かを静かに問いかける。
じゃあ、あんたが作ってみろよ4話のあらすじ&ネタバレ

序盤:噂と同棲スタート――“大量消費型恋愛体質”という不穏な言葉
第4話は、「任せる愛」と「自分を守る勇気」が交差する30分。
鮎美はミナトと同棲へ、勝男は“元カレは無関係”という線を越えないまま、ただひとつだけ願いを託す。そして雨の夜、鮎美の前で〈信じたい気持ち〉と〈見てしまった現実〉が真正面からぶつかる。物語は、優しさと痛みを同じ食卓に並べていく。
鮎美が「すごく好きな彼氏ができた」と報告した直後、勝男は太平のバーでミナトの姿を目撃。渚や居合わせた元カノたちから、“すぐ付き合ってすぐ別れる=大量消費型恋愛体質”という評判を耳にする。
一方の鮎美はミナトとの距離を縮め、ついに同棲へ。視聴者の胸騒ぎが高まる中、勝男は南川の「元カレは無関係」という言葉を思い出し、あえて踏み込まない。第4話の土台は、この“知ってしまった心配”と“越えない境界線”に置かれている。
“リンク”するオムライス――名前とハート、届く/届かない
今話の象徴はオムライス。勝男はアルバムの“かつおさん(ハート)”の写真に背中を押され、自分の台所でひとり再現する。鮎美は“ミナトさん(ハート)”と書いたオムライスを用意するが、返ってきたのは「今日はお腹いっぱい」。同じ料理を作っているのに、食べてほしい人は違う。
リンク演出の切なさが、ふたりの現在地を静かに照らした。SNSでも“オムライスのリンク”に多くの反響が寄せられた。
南川の告白と、勝男の“非介入”の決意
職場帰りに南川と飲む勝男。南川は自分の恋の空洞をさらけ出し、「割り切りが私の幸せか分からない」と吐露する。
勝男は「たくさん付き合う人でも、ひとつひとつが軽いとは限らない」と答え、これまでの自分の浅さを認めるように語る。
ふたりの会話は“相手の生き方を断じない”という成熟に触れていて、以降の勝男の選択――“救出”ではなく“任せる”――の地ならしとなる。
酒屋での邂逅:勝男×ミナト――「任せるよ」と「任せなくて大丈夫」
南川と入った酒屋は、偶然ミナトの職場。「元彼さん?」と言われて、そこから勝男は進められたテキーラをひたすら飲みました。
テキーラを前に、勝男は「鮎美のこと、よろしく」と静かに託す。
「鮎美の料理はおいしいから、おいしく食べてあげて」「食器用洗剤は植物性ね。手が荒れやすいから」――過去の自分が見落としてきた思いやりを、一項目ずつ手渡すように。
するとミナトは、柔らかく、しかしはっきり返す。「任せなくて大丈夫。鮎ちゃんは僕らよりずっと強いから」。
“彼に委ねる愛”と“彼女の自立を信じる視線”が、同じテーブルで衝突も共存もする。 二人の会話は、今話の心臓部といえる。
ラスト:雨の夜――“目撃”で止まる足、「大丈夫?」の問い
配達に出たミナト。
雨の中、傘を持った鮎美は店へ向かう途中、ミナトと女性が車内にいる姿を目にしてしまう。到着した店にいたのは、ひとりで片付けをしている勝男。
彼の「大丈夫?」に対し、鮎美は「うん、大丈夫」と答えて背を向けるが、視線は濡れたまま。
“同棲=安心”のはずの場所が、“同棲=試される関係”へと変わる。甘さの中に砂粒が混ざった瞬間に、第4話は静かに幕を閉じる。放送後、勝男とミナトのやり取り、そしてラストの「大丈夫?」に大きな反響が集まった。
じゃあ、あんたが作ってみろよ4話の感想&考察。

第4話を見終えて胸の奥に長く残ったのは、「愛って、手放し方にも作法がある」という感触だった。
作って、待って、渡せなかったごはん。任せて、祈って、雨に濡れた背中。ここではNATSU目線で、物語の芯を6つの視点からほどいていく。
料理は“ケアの言語”——名前とハートが語るもの
オムライスのケチャップの文字は、「私はあなたをこう呼びたい」という表明だった。
過去の“かつおさん(ハート)”と現在の“ミナトさん(ハート)”。同じ動作なのに、届く/届かないの差は、受け手がそれを受け取る準備があるかに尽きる。
「おいしく食べてあげて」と頼む勝男の台詞は、料理=栄養+関係性というこのドラマの定義を端的に言い当てていた。料理は胃袋より先に、相手の時間を満たす。
勝男の“非介入のケア”——大人の選び方がやっとできた
勝男は、噂を聞いても“直線的に乗り込む”を選ばなかった。
南川の言葉が刃ではなく鏡となり、「相手を断じない」という学びが行動を変えた。酒屋での「任せた」は、彼がやっとできた「引く勇気」。それは卑屈でも敗北でもなく、彼女が自分で選ぶ権利を守る姿勢だった。
第3話の気づき(作る側の痛み)から、第4話の実践(相手を尊重する距離)へ。成長の連続性が、観ていて嬉しかった。
ミナトは“悪役”では描かれていない——強さへの誤読
評判は“大量消費型恋愛体質”。 だが、酒屋での受け答えは誠実だった。
「任せなくていい。鮎ちゃんは強い」は、彼女の自立を信じる視線であり、そのまま責任の放棄にも滑りやすい両義性をはらむ。
だからこそ、車内の目撃は痛い。彼の“軽さ”が真実なのか、“軽さの仮面”なのか。作品は断罪を急がず、鮎美の心の速度に合わせて判断を保留させる。
情報は揃った。だが、選ぶのは彼女自身だ。
「大丈夫?」に重なる二つの意味——境界線の確認
勝男の「大丈夫?」は、再介入の合図ではなく、境界線の確認だった。
大丈夫と言うなら、信じて見守る。大丈夫じゃないと言うなら、助ける。この二択を、彼は彼女に委ねた。
過去の勝男なら、問いを待たずに“正しさ”で動いたはず。聞ける男になったことこそ、今話いちばんの進化だ。視聴者の反響が大きかったのも、この優しさの手つきの変化が届いたからだと思う。
同棲は“ゴール”じゃない——日常で試される愛
鍵、ゴミ出し、食器用洗剤。第4話の小道具は、生活の粒度で恋を測る。
「今日はお腹いっぱい」に含まれるのは、“あなたのために作られた時間への無頓着”。それは一度なら擦り傷、続けば関係の骨折になる。
同棲=日常の共同運営だからこそ、愛より先に段取りが問われる。鮎美がこの痛みをどう処理するか――飲み込む/伝える/引くのどれを選ぶかで、彼女の恋の成熟度が明確に見えてくる。
タイトル回収――「じゃあ、あんたが作ってみろよ」は“手順”の指名
このドラマの“作る”は、料理だけじゃない。距離を作る、言い方を作る、終わり方を作る。
勝男は“任せる手順”を作り、鮎美は“自分の幸せを守る手順”を作る途中。ミナトは“誰かと長くいる手順”を、まだ持っていないのかもしれない。
作るのが下手な人から順に、痛む。だが、その痛みは優しさの設計図になる。第4話は、その設計図の端を、雨でふやけた紙からそっと剥がして見せてくれた。
次回に向けて——“リンクするオムライス”が残した約束
“リンクするオムライス”は、ふたりが同じ言語(料理)でまだつながっている証拠。
どこかでまた、作ることでしか届かない言葉が交わされるはず。視聴メモは「卵をもう一度、割る」。
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