『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』シーズン5の最終回は、「完結した」と言い切るには、あまりにも多くの余白を残して幕を下ろしました。
黒幕の正体は明かされた。けれど、事件は完全に解決したわけではない。
DICT(情報犯罪特命対策室)も、物語の中で“役目を終えた組織”には見えなかった。
だからこそ、視聴後に多くの人が感じたはずです。
「これ、続きがある前提の終わり方では?」と。
この記事では、
- シーズン5が“消化不良”に見える理由
- シーズン6(連ドラ)の可能性
- 2時間SPや映画という別ルートの現実性
この3点を、最終回の構造と伏線を整理しながら考察していきます。
※現時点で公式な続編発表はありません。
本記事は、あくまで作品の作りから読み取れる考察としてまとめています。
シーズン5が「消化不良」で終わった理由(=続編を匂わせる終わり方)

続編の可能性を語るうえで、まず整理しておきたいのがなぜシーズン5の最終回は“モヤっとした後味”を残したのかという点です。
最終回で黒幕の正体は判明した。でも“逮捕されていない”
シーズン5最終回の最大の焦点は、桐谷総理の娘・カナ誘拐を含む一連の情報犯罪の黒幕が誰なのか、という一点でした。
そこで明かされたのが、黒幕=カナ本人という、かなり踏み込んだ真相です。
ただし、ここで物語は「犯人逮捕」には進みません。
カナは最初から“捕まる側”ではなく、事件そのものを動かすゲームマスター的存在として描かれ、DICTは最終的に彼女を確保できないまま終わります。
つまり、
- 黒幕は分かった
- でも捕まっていない
- 事件構造そのものは壊れていない
この状態で幕を下ろしたことが、視聴後に残る“消化不良感”の正体です。
物語としては完結しているのに、「まだ終わっていない」感覚が強く残る。これは偶然ではなく、かなり意図的な終わらせ方だと感じます。
“最終回の事件”が、そもそも国家規模で大きすぎる
シーズン5のクライマックスで描かれたのは、単なる誘拐事件ではありません。
- 外交カードとして使われる首脳会談
- 国家規模の無償援助要求
- 情報犯罪による世論操作
これらが同時に絡み合い、事件のスケールは完全に「国家レベル」にまで広がっていました。
正直なところ、これを全11話の連続ドラマで完全決着させるのは難しい。
だからこそ、
- 黒幕は明かす
- でも捕まえない
- 戦いは“続いている”形で終える
という構造は、物語としてはかなり理にかなっています。
「描かれなかったピース」が意図的に残されている
もうひとつ重要なのが、明確に“拾われなかった要素”が複数残っている点です。
代表的なのが、序盤で示された過去シリーズに関わる名前や設定。
物語の流れ上、完全に無視されたというより、「説明されずに置かれた」印象が強い。
この手の要素は、シリーズものでは
- 次作で回収する前提
- あるいはSPや続編の導線
として使われることが多く、“置き土産”として残された伏線と見るのが自然です。
シーズン6がありそうな理由(※現時点で公式発表は未確認)

ここからは、あくまで状況整理と考察です。
2025年12月16日時点で、シーズン6制作決定やSP放送決定といった公式発表は出ていません。
ただし、それでも「続編はあり得る」と考えられる理由は、いくつか揃っています。
① 終わり方そのものが“次を想定した余白”として機能している
シーズン5は、
- 黒幕の正体は提示する
- しかし逮捕・決着までは描かない
という、シリーズものとして非常に強いフックを残しました。
視聴者視点ではモヤモヤしますが、続編を作る側から見ると、これ以上ない“引き”です。
「捕まえて終わり」よりも、「分かったけど、終わっていない」ほうが、次を見たくなる。
② 『絶対零度』シリーズはSP・続編運用の実績がある
これまでの『絶対零度』シリーズは、
- 連ドラ → SP
- SP → 新シーズン
といった形で、柔軟に展開されてきました。
つまり制作側にとってこのシリーズは、「毎回きっちり完結させる作品」ではなく、状況に応じて続けられるフォーマットです。
今回も、
- いきなりシーズン6
- もしくは2時間SPで決着編
どちらの形でも展開できる余地があります。
③ シーズン5は“新章”として舞台装置を作り直している
シーズン5では、情報犯罪特命対策室(DICT)という新しい舞台が用意されました。
これは単なる設定変更ではなく、
- 情報犯罪というテーマ
- 組織としての捜査
- 国家との距離感
を描くための新しい器です。
この器を1クール限りで終わらせるのは、正直かなりもったいない。
情報犯罪という題材は、現実世界でも更新され続けるテーマで、続編に向いたネタが無限に作れるジャンルでもあります。
シーズン6があるなら「~情報犯罪緊急捜査~」路線が濃厚

ここは、これまでの記事の流れともかなり相性がいいポイントです。
結論から言うと、続編があるなら路線変更はせず、「情報犯罪緊急捜査」の延長線が最も自然だと思います。
DICTは“シリーズ化”に向いた舞台
シーズン5で描かれたDICT(情報犯罪特命対策室)は、
- 特殊詐欺
- サイバーテロ
- SNS・データを使った匿名犯罪
など、現代型犯罪を扱う専門組織として設定されました。
情報犯罪の特徴は、
- 実行犯は末端
- 指示役・黒幕が見えない
- 証拠がデジタル空間に散らばる
- 社会や政治と簡単につながる
という点にあります。
この構造は、1話完結にも向くし、長編サスペンスにも向く。
つまり、シーズン6を作るなら、わざわざ別テーマに移行する必要がないんですよね。
“顔の見えない敵”がラスボスに向いている
シーズン5の軸は、「顔の見えない敵=情報犯罪」でした。
そして最終回で、その“顔の見えない敵”がカナという「顔を持った存在」になった瞬間に、逃げて終わる。
これ、構造的に見てもかなり強いです。
- 正体は分かった
- でも捕まっていない
- だから追跡は続く
続編の導火線として、完成度が高すぎる終わり方でした。
続編の形は「連ドラ」「SP」「映画」どれが濃い?
※ここからは考察です。確定情報ではありません。
連ドラ(シーズン6)説:一番王道、ただし制作ハードルは高い
メリット
- カナを追う“長期戦”を描ける(黒幕が逃走中で終わっている)
- 情報犯罪は毎話題材を作れる(DICTと相性が良い)
- 官邸・国際犯罪・サイバー専門など新キャラ投入がしやすい
デメリット
- 月9枠の確保
- 主要キャストのスケジュール調整
- 黒幕カナを引っ張りすぎるとマンネリ化のリスク
王道だけど、一気にやるには少し重い、という印象です。
SPドラマ説:最も現実的で“きれい”な続き方
個人的に、いちばん形が美しいのはSPだと思っています。
理由はシンプルで、『絶対零度』シリーズは過去にSP → 連ドラの運用実績があるから。
シーズン5最終回で残した「捕まっていない黒幕」を、
- 2時間SPで“決着編”として描く
- その後、連ドラで新たな情報犯罪へ
という二段構えが可能です。
視聴者のモヤモヤも解消できて、シリーズも延命できる。
制作側にとっても、かなり現実的な選択肢です。
映画説:スケールは合うが、終わらせ方が難しい
最終回は、国家・国際政治まで絡むスケール感でした。
映画化すれば、
- 国際ロケ風の映像
- 大規模爆破
- 国家レベルの情報戦
など、画的にはかなり映えます。
ただ、映画は基本的に
- 大団円
- 強いカタルシス
のどちらかに振り切る必要があります。
シーズン5の「捕まらない黒幕」「モヤモヤを残す終わり方」を映画に持ち込むと、賛否が割れやすいのが難点。
なので、現実味の順で言うと、
SP > シーズン6(連ドラ)> 映画
この順かな、という感覚です。
シーズン6が来るならどんな内容になる?
ここからは完全に予想です。
ただし、最終回までに置かれた材料から大きく外れない範囲で考えます。
予想①:軸は「カナ逮捕」より“再発防止”に置かれる
カナは単なる愉快犯というより、「情報犯罪で国家を揺らせる」という全能感を持った存在として描かれていました。
だから続編で描くべきなのは、
- 捕まえる
- 事情聴取する
だけでは足りない。
- なぜ止められなかったのか
- 二度と同じ構造を作らせないにはどうするのか
ここまで踏み込んで、DICTがアップデートされる物語が来ると、テーマとして一段深くなります。
予想②:「久慈は雇われ」の先に、さらに上の存在がいる
久慈は「雇われ」だと語りました。
その後、黒幕=カナが判明します。
でも逆に考えると、
- カナは“プレイヤー”
- 設計者・支援者が別にいる
可能性も十分ある。
高校生が国家規模の“ゲーム”を回すには、
- 資金
- 人脈
- 技術
- 実行部隊
どこかに“大人の後ろ盾”が必要です。
シーズン6では、
- カナの背後にいる支援者
- 官邸・企業・国外勢力との接点
このあたりを掘ると、サスペンスとして一段格が上がります。
予想③:「桜木泉」という名前は続編のキーワード
序盤に出て、最後まで回収されなかった「桜木泉」。
これは続編導線としては強すぎる要素です。
考えられるのは2パターン。
- 桜木本人が裏で動いている
- 桜木の名を使った“なりすまし”が存在する
特に後者だと、「情報犯罪」というテーマと綺麗に噛み合います。
予想④:桐谷総理の“その後”が政治サスペンスとして再燃
最終回で桐谷総理は辞任しました。
ここから先は、
- 誰が政権を握るのか
- 事件は政治利用されるのか
- DICTは存続するのか、解体されるのか
という“国家側の物語”が描ける余地があります。
捜査機関そのものの立場が揺らぐ展開は、シリーズの緊張感を一気に高められます。
まとめ:シーズン6は「ありそう」。ただし形はSPが最有力
最後に整理します。
- シーズン5は黒幕が捕まらない余白を残して終わった
- DICTという舞台は情報犯罪を無限に描ける
- 過去シリーズにはSP運用の実績がある
以上を踏まえると、
「まずSPでカナ編の決着 → その後にシーズン6で新章」
この二段構えが、いちばんしっくりきます。
正直、ここまで“捕まっていない黒幕”を置いて終わって、何も無いほうが不自然なくらいです。
続き、見たいですよね。今後どのような続きになるのか注目していきましょう!
絶対零度のシーズン5についてはこちら↓


コメント