第2話で生まれた“再会の予感”が、3話では涙と気づきへと変わっていきます。

元恋人・鮎美と新しい恋人・ミナト、そして勝男と椿——それぞれの関係が交錯する中で描かれるのは、“思いやり”の形でした。
おでんの味をめぐるささやかな衝突が、勝男の心を大きく揺さぶり、やがてかつての恋への“感謝”を引き出していく。
恋をやり直す物語ではなく、人を理解し直す物語としての3話。見終わった後に、静かな温度が胸に残る回でした。
じゃあ、あんたが作ってみろよ3話のあらすじ&ネタバレ

勝男、元恋人の裏切りを目撃する衝撃の始まり
第3話は、冒頭から心をえぐる展開で幕を開けました。
元恋人・鮎美(夏帆)と新しい相手・ミナト(青木柚)が抱き合っている現場を目撃した勝男(竹内涼真)は、その光景に言葉を失います。
未練を断ち切ろうとするも、同僚・白崎(前原瑞樹)のすすめでマッチングアプリに登録。そこで出会ったのが、強烈な個性を放つ女性・椿(中条あやみ)でした。
強烈な女性・椿との出会いが運命を動かす
待ち合わせに現れた椿は、勝男の想像を軽やかに裏切る人物。
会社経営者であり、テンポ良く会話を進め、食事もスマートにリードする大人の女性でした。
勝男は最初こそ圧倒されますが、彼女の明るさと率直さに次第に惹かれていきます。そして、椿から「次はお家デートにしよう」と提案され、勝男は期待と不安の入り混じる夜を迎えることになります。
“おでん事件”が映し出す、過去の自分
勝男はお家デートのために、おでんを丁寧に仕込みました。
けれど、椿は「コンビニのおでんくらいには美味しい」と率直に評価。冗談交じりの言葉に勝男のプライドが刺激され、口論に発展します。怒りの中で「作った人の気持ちも想像しないで!」と声を荒げた瞬間、勝男の脳裏に鮎美の姿がよみがえりました。
かつて自分も、彼女の思いを踏みにじっていた――その気づきに勝男は涙します。椿もまたその涙に心を動かされ、「今日はとことん飲もう」と寄り添う夜となりました。
“女友達”という新しい関係のはじまり
夜が明け、勝男がソファで目を覚ますと、椿が部屋の掃除をしていました。
特に二人は関係を持たないなか、ふたりは朝食を共にします。
椿が作ったのは、ユニークな「納豆トースト」。その味に驚きながら、勝男は「女友達って、なんだか嬉しいな」と呟きます。
椿は笑って「人類のもう半分も友達になれるってわかったからじゃない?」と返し、勝男はふと気づきます。異性でも分かり合える——そんな当たり前の温かさに。
彼は「この納豆トースト、鮎美にも食べさせたいな」と呟き、椿も頷きました。その頃、遠く離れた鮎美もまた、勝男を思い出していました。互いの成長が静かに重なるような余韻のある場面でした。
鮎美、新しい恋に芽生える違和感
一方、鮎美はミナトとの初デートへ。
浅草での食べ歩きデートを楽しむも、甘いものが苦手な自分に無理をしていることに気づきます。胸の奥に募る違和感。
帰宅後、友人の渚(サーヤ)に相談し、「大事なのは正直に伝えること」と励まされます。意を決した鮎美はミナトに電話し、「甘いものが苦手」と打ち明けたうえで、自ら「ミナトさんが好き」と告白。ミナトも「付き合ってください」と応え、晴れて恋人同士になりました。
公園での再会——別れと感謝の時間
物語の後半、勝男と鮎美が偶然スーパーで再会します。ぎこちなくも言葉を交わし、公園のベンチで向かい合う二人。
鮎美は「あなたのおかげで変われた」と感謝を伝え、勝男も「俺の方こそ」と返します。しかし、鮎美は続けて「実は彼氏ができたの」と告白。勝男は動揺しながらも笑顔を作り、互いに「ありがとう」と別れを交わしました。
かつて愛し合った二人が、それぞれの未来へ歩み出すための、静かでやさしい別れの瞬間でした。
ミナトの“裏の顔”に走る不穏な影
その夜、勝男は椿に誘われてバー「太平」へ。
涙の夜を支えてくれる椿に感謝しながらも、そこで偶然ミナトを目撃します。慌てて追いかけるも見失い、店に戻るとミナトの過去を耳にします。彼はこの店の女性客とも何人も交際していたというのです。勝男は言葉を失い、鮎美の新しい恋に暗い影を感じます。
――彼女の幸せを信じるのか、それとも守るために動くのか。第3話は、そんな問いを残したまま幕を閉じました。
じゃあ、あんたが作ってみろよ3話の感想&考察

第3話を見終えて、胸がいっぱいになりました。
鮎美と勝男、それぞれの恋が大きく動き出し、嬉しさと切なさ、そして今後への不安と期待が入り混じる回でした。
二人が別々の道で成長を遂げていく姿に、思わず感情移入せずにはいられません。ここからは、第3話を見て筆者が感じた率直な感想や考察を綴っていきたいと思います。
“泣き虫勝男”が教えてくれたもの
今回、最も心を揺さぶられたのは勝男の大号泣シーンでした。
第1話からどこか古い価値観で鮎美に接してきた彼ですが、おでんを巡る椿との口論でついに自分の過ちに気づきます。そして堪えきれず溢れた涙――その姿に、こちらも思わずもらい泣きしてしまいました。相手の気持ちを考えずにいた自分を悟った瞬間であり、勝男の人間的な成長が胸に迫ります。
これまで鮎美を傷つけてきた事実は消えませんが、涙を流してまで悔いる姿には真実がありました。
竹内涼真さんの熱演も圧巻で、鼻を真っ赤にして泣く姿がリアルに胸を打ちます。価値観のズレが行動として表面化した瞬間でもあり、この場面は本作のテーマを象徴する名シーンだったと思います。古い考えに縛られていた勝男が、「料理を作るのは女の役目」という思い込みを見つめ直す契機となりました。
鮎美の勇気ある告白に拍手を
一方で鮎美のエピソードには、思わず「よくやった」と拍手を送りたくなりました。ミナトとのデート中、甘い物が苦手なのに無理をしていた鮎美が抱いた「何か違う」という違和感。そのモヤモヤを自覚し、渚の助言を受けて自分の気持ちを正直に伝えようと決意した姿に胸が熱くなります。
過去の鮎美は、勝男に嫌われたくない一心で自分を押し殺していました。しかし第3話では、自分の“本音”に向き合い、自ら「好きです」と告白する勇気を見せます。
女性から告白する展開には驚きがありましたが、同時に清々しさもありました。自分の幸せを自分で掴みにいく姿がまぶしく、夏帆さん演じる鮎美の震える声と決意の表情に心を掴まれました。
また「本当の好きってこういうことか」という台詞も印象的でした。条件や打算ではなく、心から相手を愛おしく思う気持ちに出会った鮎美の姿が、見ているこちらまで温かく包み込みます。この恋が鮎美にとって本物であることを願わずにはいられません。
切なすぎる公園の別れに涙が溢れる
公園での再会シーンは、静けさの中に深い余韻を残しました。別れた元恋人同士が感謝を伝え合う光景は、現実ではなかなかないからこそ心に響きます。
鮎美が「変われたのは勝男さんのおかげ」と笑顔で伝え、勝男が「俺の方こそありがとう」と返すやりとりは、悲しみの中にも温かさがありました。かつて愛し合った二人が互いの幸せを願う姿に、筆者も涙が止まりませんでした。
勝男はまだ鮎美への想いを残しているようにも見えましたが、それを隠して感謝の言葉を返す姿に静かな強さを感じます。
竹内涼真さんの切ない笑顔と、夏帆さんの優しい眼差しが重なり、別れの瞬間がより鮮やかに映りました。この公園の場面は、二人の物語に一つの区切りを与えた象徴的なシーン。鮎美が過去の恋に“ありがとう”を伝え、新しい一歩を踏み出す時間でもありました。
強く優しい椿という存在の光
今回、物語を陰で支えたのは椿という存在でした。
初登場時は勝男の新たな恋の相手かと思われましたが、蓋を開けてみれば“女友達”という新鮮な関係性を築きます。椿は令和的な強さと優しさを併せ持つ女性。ズバズバ物を言いながらも情に厚く、勝男が泣く夜には「放っておけない」と寄り添う姿に温もりを感じました。
おでんデートで勝男のプライドを砕いたのも彼女の率直な言葉でした。
あの一言がなければ、勝男は自分の欠点に気づけなかったかもしれません。中条あやみさん演じる椿の豪快さと繊細さ、そのバランスが魅力的でした。朝の納豆トーストを一緒に食べる場面には、奇妙で心地よい友情の芽生えがあり、どこか希望の光を感じます。
ミナトの“裏の顔”に漂う不穏な影
そして第3話のラストでは、ミナトの意外な一面が明らかになります。
穏やかで優しげな彼が、実は恋多き“転換型”の男性だったという事実にゾッとしました。スイーツ好きで癒し系に見えていた彼の裏に潜む危うさ。そのギャップが物語に緊張を走らせます。視聴者の間でも「ミナトの裏が怖い」「鮎美がまた傷つかないか心配」といった声が広がりました。
鮎美がようやく掴んだ幸せが、このまま幻にならないことを願うばかりです。一方で、これは勝男にとっても新たな試練でしょう。彼女を守るべきか、そっと見守るべきか――その選択が次回の鍵になりそうです。
第4話では、勝男がミナトの過去を探る動きも予感されます。鮎美を想う気持ちはまだ消えていないからこそ、彼の行動に目が離せません。恋と料理を通して人の“思いやり”を描くこのドラマ。第3話は、痛みの中から優しさを学ぶ回でした。次回、勝男と鮎美の距離がどんな形で再び交わるのか——その瞬間を静かに待ちたいと思います。
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