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【全話ネタバレ】「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)の最終回の結末&感想。テレビドラマシリーズ最後の放送!

【全話ネタバレ】「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)の最終回結末予想。テレビドラマ最後の放送!?

12年目を迎えた名作『緊急取調室』が、シーズン5で帰ってきた。

かつて解散したキントリ(緊急事案対応取調班)は、連続殺人事件の発生をきっかけに再結成。

真壁有希子(天海祐希)を中心に、梶山(田中哲司)、玉垣(塚地武雅)、菱本(でんでん)、小石川(小日向文世)らおなじみのメンバーが再び“可視化取調室”に集う。

シリーズを重ねるごとに深化してきたテーマは、「証拠よりも言葉」「自白ではなく理解」。

シーズン5では、可視化システムが映す“沈黙の秒”や“語尾の揺らぎ”までもが真実を浮かび上がらせる。国家プロジェクトに潜む利権、炎上社会に生まれる“正義”、英雄神話の裏で沈黙する人間――。

ここからは「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)について解説します。

目次

「緊急取調室/キントリ」のシーズン5はどんな話?

シーズン5は、キントリが“また集まる理由”が最初からはっきりしているシーズンです。

初回から国家レベルの思惑が絡み、取調室での心理戦がそのまま「世間の空気」や「権力の理屈」に刺さっていく構図になっています。

これまでのシリーズ以上に、取調室で交わされる言葉が、事件の真相だけでなく、社会の“決めつけ”そのものを揺さぶっていく。そのスケール感が、シーズン5の大きな特徴です。

初回は「再開発計画×ペンチ連続殺人」から始まる

物語の発端は、都心の地下に大規模な蓄電施設を建設する、政府主導の再開発計画です。反対の声が根強いなか、工事関係者がペンチで撲殺される事件が連続して発生します。

「反対派による犯行ではないか」という見方が一気に広がるものの、決定的な証拠は掴めない。

そこで臨時運用されるのがキントリ。真壁有希子を中心に、かつてのメンバーが再集結するところから、シーズン5は幕を開けます。

さらに初回では、世論を煽る存在として車いすキャスターの倉持真人が前面に登場します。

連日のように炎上を誘う発言が注目を集めるなか、倉持の実父が自宅で殺害され、倉持自身も襲撃される事件が発生。凶器は、またしてもペンチでした。

ここでシーズン5は、「事件の筋」と「世論・権力の筋」が完全に一体化します。
単なる連続殺人ではなく、“語られ方”そのものが事件を動かしていく構造が、最初から組み込まれているのです。

シーズン5の肝は「取調室の心理戦で、世の中の“決めつけ”をひっくり返す」こと

キントリの面白さは、犯人探しそのものよりも、取調室でのやり取りを通じて「世間が信じてしまった物語」を崩していく点にあります。

言葉の選び方、沈黙のタイミング、表情のわずかな揺れ。そうした細部から、もっともらしく語られてきたストーリーを解体していく。

シーズン5では、その構図がより強調されています。

事件単体の真相だけでなく、「誰が、どんな立場で、どう語ったから世間がそう信じたのか」という点までが、取調べの対象になる。

つまり取調室は、犯人を追い詰める場所であると同時に、社会の“決めつけ”を問い直す場として機能していくのです。

終盤は「警察学校の発砲事件」へ:シリーズ最後にふさわしい舞台設定

物語の終盤、第8話から最終話にかけて、舞台は警察学校へと移ります。

射撃訓練中、学生の宮本健太郎が同期生・中里美波に向けて発砲した事件が発生し、官邸からの要請でキントリが動くことになります。

ここから物語の軸は、「犯人は誰か」から大きく変わっていきます。
問われるのは、

  • なぜ撃ったのか
  • なぜ教場は沈黙したのか
  • 教官が守ろうとした信念とは何だったのか

という、信念と責任のぶつけ合いです。

警察学校という“正義の入口”で起きた事件だからこそ、個人の罪では終われない
組織の論理、教育の名の下に隠された沈黙、そして「失敗を許さない思想」が、取調室で解体されていく。

シーズン5は、キントリがこれまで積み上げてきたテーマを、もっとも重い場所に持ち込んだシーズンだったと言えるでしょう。

【全話ネタバレ】「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)のあらすじ&ネタバレ

【全話ネタバレ】「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)のあらすじ&ネタバレ

1話:「橙色の殺人」初回拡大SP――“言葉の綻び”が呼び込む再集結

都心の地下に建設予定の〈大規模蓄電施設〉をめぐり、反対運動と利権が渦巻く中、工事関係者が相次いでペンチで撲殺される。

世論は〈反対派の過激犯行〉を疑うが、犯人像はつかめない。現在SIT(特殊犯捜査係)に所属する真壁有希子(天海祐希)と、捜査一課管理官の梶山勝利(田中哲司)は、受注企業の広報担当・辻本裕太(角田晃広)から事情を聴くも核心に届かず――

一方、“日本初の車いすキャスター”倉持真人(山本耕史)は、自身の報道番組で政府を糾弾し、犯人を挑発する発言をしたことで炎上。

メディアが火をつけ、社会全体が騒然とする中、事態は急転する。倉持の自宅で同居していた父・磯貝信吾(竜雷太)が殺害され、第一発見者の倉持自身も襲撃される

凶器はいずれもペンチ。同一犯の線が濃厚となった警視庁は、「緊急事案対応取調班(キントリ)」の臨時運用を決裁

有希子、梶山、玉垣(塚地武雅)、菱本(でんでん)、小石川(小日向文世)――それぞれ別の現場に散っていたメンバーが再び集結し、“密室の戦場=取調室”が蘇る。

「些細な違和感」から始まる、再集結の初動

キントリが最初に注目したのは、倉持家の家政婦・時田史恵(峯村リエ)の“意外な証言”。

その一言で、被害者遺族であるはずの倉持本人にも疑念が生じる。有希子は、倉持の別居中の妻・利津子(若村麻由美)にも接触。何気ない会話の中に、事件と繋がる微妙な“言葉の綻び”を感じ取る。

第1話は、後に展開する〈夫婦同時取調べ〉への布石を巧妙に置きながら、社会事件と家族の軋轢を交差させた構成が見事だった。

サブタイトル「橙色の殺人」に込められた寓意

工事現場の警告灯やニューススタジオの照明――“注意と熱”を象徴する橙色が、群集心理の熱狂と情報の暴力を重ねる。

ペンチという日常的な凶器の反復は、「正論が個人の尊厳を押し潰す」という社会の恐ろしさのメタファーにも見える。

初回拡大らしい情報量を、キントリ再始動という一点に収束させる構成が秀逸で、「なぜ倉持は“あの言い方”をしたのか?」という違和感を視聴者の記憶に残して幕を閉じた。

有希子の“沈黙の戦法”とチームの再生

有希子はまず“言い切らせない”。

語尾の曖昧さ、主語の置き換え、時制のズレ――そのすべてを拾い、沈黙を武器に変える。

挑発的なレトリックで世論を操ってきた倉持の言葉は、密室では逆に彼自身を追い詰めていく。虚勢か、保身か、誰かを庇う忠義か――その揺らぎを可視化するのがキントリの取調べだ。

梶山は上層部(副総監・磐城)との板挟みに苦しみながらも、有希子の直感を信じて“場”を整える役割を担う。

玉垣はデータで、菱本は人情で、小石川は経験で――それぞれが異なる角度から同じ違和感へと収束していく。

初回は再集結したチームの呼吸を確かめる回であり、〈取調べはチームスポーツ〉というシリーズの理念を改めて示した。

プロットの核心

第1話の鍵は二つ。
①社会事件(再開発)と家族内事件(父殺害)を“言葉の矛盾”で繋ぐ構造。
②取調べ前段階の“情報の仕入れ”を描き、次回〈夫婦同時取調べ〉へ自然に橋を架けた点。

ニュースの文言、会見の受け答え、家庭での口癖――そのすべてが“言葉”として証拠になる。

だからこそ、有希子が放つ「些細な一言を見逃さない」という姿勢が、観客の視点にも重なる。初回のテーマは、“証拠以前の違和感”。

ここから先、言葉は凶器にも、真実を守る盾にもなっていく。

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2話:「鈍色の鏡」――夫婦同時取調べで“愛と嘘”が反転する夜

再開発をめぐる国家プロジェクト関係者の殺害に続き、番組で犯人を挑発したキャスター・倉持真人(山本耕史)の実父・磯貝信吾(竜雷太)が同じ手口で殺害される。

キントリは真犯人から自白を引き出すが、磯貝殺害だけは頑なに否認。そこへ別居中の妻・利津子(若村麻由美)が「殺したのは私。夫も知っています」と爆弾証言を放ち、捜査は異例の“夫婦同時取調べ”へ。

焦点は、二人の供述に生じるわずかな時間差と語彙の温度差――〈同じ出来事を語っているのに、主語と視点が一致しない〉ことにあった。

夫婦の“言葉の温度差”が生む、緊迫の可視化取調室

取調室は二つ。倉持は冷静を装うが、妻が自白したと聞いた瞬間だけ、本音の動揺がにじむ。

一方の利津子は義父との確執を語り、「自分が犯人だ」という筋書きを淡々と提示。さらに犯行を裏づける新証拠まで差し出す。

そこで真壁有希子(天海祐希)が打つ一手は、“言葉の通線”――別室のまま、互いの声が相手に届く仕組みをあえて設けることだった。

心理的圧力を可視化しながら、〈偽りの連帯〉か〈本当の断絶〉かをあぶり出す――まさにキントリならではの戦術である。


嘘が裏返る瞬間――“夫婦W豹変”が呼ぶ決着

利津子は突然、供述を翻し「あなたが証拠を捨てるのを見た」と夫を追及。

「私が自白したのは、あなたを取調室に呼ぶため」と告げると、廃棄された証拠が発見され、倉持は崩れる。

メディアの表現力で身を守ってきた“キャスターの言葉”は、密室の中で自縄自縛の罠に変わる。

やがて彼は父への怨嗟と確執の過去を吐露し、犯行を認める。“夫婦W豹変”の緊張が走る、圧の強い中盤であった。

クライマックス:眠るはずの“軽さ”が示す真実

事件は自白で幕を閉じるかに見えたが、有希子は倉持の供述の“物理的な違和感”を見逃さない。

「眠っていた父をおぶったのに“驚くほど軽かった”」――その言葉。

眠った人間は重くなるのが常識だ。つまり、磯貝は“眠っていなかった”。

自らの最期を悟り、息子に最後の食事を作らせ、背に身を預けたのではないか――。

その推論に、倉持の目に遅れて涙が宿る。「父に…インタビューしておくべきでしたね」。加害の事実と被害者の覚悟を同時に浮かび上がらせた、静かな余韻のエンディングだった。

考察

同時取調べの設計:相手の言葉が自分の物語を侵食する恐怖を利用し、供述の主語や時制が崩れる瞬間を待つ。
語彙の温度差:倉持は“職業言語”で自己を守り、利津子は“生活言語”で切り込む。その間を有希子の比喩が橋渡しする。
事実の二層化:“誰がやったか”の上に“どう受け止めたか”を重ね、司法の判定と別次元の“救済”を提示する。

第2話「鈍色の鏡」は、取調室を“鏡”として機能させ、愛と嘘・保身と赦しを同時に映し出した回だった。


言葉の重さがすべてを変える

事件は送致で終結するが、物語の核心はここから太くなる。

〈言い方〉の微差が〈意味〉を激変させる――キントリが扱うのは、証拠ではなく“言葉そのものの重み”。

第2話は、言葉をめぐる攻防がいかに人の真実を暴くかを示すエピソードであり、再結成されたキントリの哲学――「取調べは人の心を映す鏡」――を再び印象づける一話となった。

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3話:「山は嘘をつかない」――“英雄”の言い分と沈黙のザイル

第三話の舞台は“山”。人気の岩稜ルートで滑落死が発生し、地元でカリスマと呼ばれる救助隊員が過失致死の容疑で拘束される。

容疑者は会見で「仲間を助けようとした。落ちた相棒のザイルを引き上げようとした」と“英雄の物語”を語るが、真壁有希子(天海祐希)の可視化取調室での追及により、〈時間〉〈装備〉〈天候〉のわずかな矛盾が次々と浮上する。

「霧が晴れた瞬間に発見した」と語る一方、本人撮影の写真データには濃霧の時間帯が記録され、さらに「二人で登っていた」との供述と残されたハーケンの本数も食い違う。

取調室と現場、二つの“山”を登るキントリ

キントリは二手に分かれる。
玉垣(塚地武雅)はGPSログ・写真データ・通話履歴の削除痕を解析し、菱本(でんでん)は遺族や地元山岳会から相棒の“ロープ結びの癖”を聴取。

小石川(小日向文世)は保険契約やスポンサー更新時期を机上に差し込み、現場の監物(鈴木浩介)と渡辺(速水もこみち)は支尾根の落石痕とロープ傷を採取して取調室へ届ける。

有希子は、容疑者が語れば語るほど主語を“自分”から“山”へ逃がしていることを見抜き、穏やかに言葉を置く。
「山は嘘をつかない。でも、“人の山”は嘘をつくことがある」。
この一言が、英雄語りを揺らす導火線となった。

ロープが語る真実――沈黙の裏にある“選択”

争点はザイルの“痕跡”。

容疑者は「切っていない」と主張するが、ロープの荷重方向と切断面の繊維のほつれ、カラビナの開閉傷が示していたのは〈引き上げ〉ではなく〈一度抜けたあとに引かれた〉痕。

ここで有希子は“二段の問い”を投げる。
第一段――「あなたはロープを切っていない。けれど、“外れた”と分かった瞬間、助かる可能性は消えた」。
第二段――「その“外れた理由”に、あなたの沈黙が関係していないか」。
追い詰めるのではなく、英雄でありたい自分と、真実を語る責任のどちらを選ぶのか――余白を与えるのがキントリ流だ。

やがて容疑者は口を開く。「ロープは切っていない。だが、相棒が自分で外した」。
取材や名声に疲れた相棒は、“自分の意思で山を降りる”ことに固執していたのだという。

容疑者の語りは、自己弁護から相棒の尊厳へと軸を変え、遺族の証言や装備痕と合致する。

それは〈切断〉ではなく〈自解〉――“助けようとした人”と“助けられなかった人”の物語へ収束していく。

有希子は静かに告げる。「あなたは“助けようとした人”。でも、彼は“助けられる人”ではないと決めていた」。
室内に重い沈黙が落ち、容疑者の目に遅れて悔恨が宿る。

梶山の采配――“言わせる”より“言える”まで待つ

並行して、管理官・梶山(田中哲司)は古い山岳仲間から“安全講習省略”という不利な情報を得るが、あえて取調室へは持ち込まない。

現場と可視化室の速度を合わせ、有希子の“間”を信じて待つ――その姿勢が光る。

上層部の磐城(大倉孝二)は「早期収束」を迫るが、梶山は「言わせて終わりではなく、“言える”まで連れていく」を選ぶ。

結果、供述は“英雄の物語”から“相棒への弔い”へと主語を変え、事件は静かに送致の段階へと流れる。


第3話の見どころ

  • 可視化×山の相性
     “映像が残す間”と“山の時間”が共鳴し、秒単位の嘘と真実が立体的に立ち上がる。
  • ハードとソフトの一致
     ロープ・風向・GPSと、癖や言い淀みが一点で交差する時、キントリは最も強い。
  • 英雄語りの処し方
     断罪で終わらず、尊厳を“戻す”着地を選ぶ。落とすのではなく、救う取調べ。

シリーズ全体では、第1話〈国家プロジェクト〉、第2話〈メディア〉、第3話〈山岳〉と、三話連続で“世論をつくる現場”を描いた。

可視化室の“言葉”と現場の“事実”を往復させるリズムが確立し、キントリ再始動の地盤は整った。

真壁有希子の台詞、「面白くなってきたじゃない」は――ここからが本番、という宣言でもある。言葉はますます重く、そして優しくなる。

3話についてのネタバレ↓

4話:漆黒の記憶――“仮面の嘘”が暴かれる瞬間

死刑囚・礼奈の“もう一人殺した”告白

女性死刑囚・佐藤礼奈(大原櫻子)が、弁護士・清原(高岡早紀)に「もう一人、殺した」と告白したことから、キントリは異例の再取調べに踏み切る。

取調室に現れた礼奈はぶりっ子仕草でのらりくらりと捜査陣を翻弄。しかしその幼さは“愛されなかった人生”を覆う仮面だった。

白骨遺体の発見と“時系列の矛盾”

礼奈の供述どおりダム湖から「アキヤマ」名義の歯科医の白骨遺体が発見され、一見真実味が増す。

だが菱本だけが“失踪時期が礼奈の犯行期より前”という矛盾に気づき、「真犯人は別にいる」と確信。浮上した影は、礼奈の弁護士・清原だった。

弁護士立会い取調べの大逆転

キントリはあえて清原の立会いを認める。清原は「死刑囚にも人権を」と主張し礼奈を守るが、有希子が「誰の言葉で話しているの?」と問うと状況が一変。

礼奈は清原へ向かって「先生、アウトだよ」と暴露。“もう一人の殺人”は清原が罪を被せるための偽装で、真犯人は清原自身だった。

礼奈が語る“愛されたい”という動機

清原の逮捕後、礼奈は自らの放火殺人の真相を語る。

祖父だけを支えに生き、年上の男性に“ぬくもり”を求めた末の依存。幸せな家族を目にした嫉妬と絶望が衝動を生み、悲劇を招いた。

「もう少し早く刑事さんたちに会えてたら…」という言葉は、彼女の本音と悔恨を象徴している。

神回の余韻

清原は法を踏みにじった罪で連行され、礼奈は再び拘置所へ。「これで静かに死ねる」という礼奈の言葉に、有希子は言葉を失う。

“正義を語る人間の偽善”と“罪を抱えた者の孤独”を対比させながら、「人は誰の言葉で生き、どんな正義を信じるのか」という核心に迫った回

演技合戦と伏線回収が見事で、SNSでも「鳥肌」「衝撃の裏切り」と絶賛が相次いだ。

キントリ4話についてはこちら↓

5話:みどりのいえ――沈黙が崩れる瞬間

第5話は、与党幹事長・矢代樹の“完璧な家族”が崩れ落ちていく過程を軸に進みます。三人の養子を育て上げた理想の母として国民的人気を得ていた樹。

しかしその長男・卓海が、私人逮捕系配信者「ケルベロス」を刺殺したと自ら出頭し、政界は大混乱に陥ります

国会会期中であることから、官邸は事件の公表を抑え込み、キントリに極秘での取調べを要請。卓海は犯行自体は認めながら、動機に関して徹底した黙秘を続けます。

家族の“沈黙”が示す歪み

聞き取りの中で、父・雄三がケルベロスに恐喝されていた事実や、矢代家の台所から見つかった血のついた絆創膏が浮上し、家の中に隠された何かの気配が強まります。

樹自身も「卓海が犯人であるはずがない」と語りつつ、有希子に追及されると、突如「実父が粗暴だった」と息子を疑う発言に転じ、家族を“政治的価値”として見ていた矛盾が露出していきます。

真相は妹・初美の必死の自己防衛

やがて明らかになるのは、ケルベロスに会いに行ったのは卓海ではなく妹の初美だったという事実でした。

父の恐喝を止めたい一心でメッセージを送り、呼び出された夜、車に押し込まれそうになった初美は護身用の彫刻刀で抵抗。その刃がケルベロスの手を貫いて喉に達し、致命傷となります。

混乱する初美を前に、卓海は血痕の処理を指示し、自ら血を浴び直して出頭。母が掲げ続けてきた「家族で力を合わせろ」という言葉を、歪んだかたちで実行してしまったのです。

沈黙を破る告白と、母としての敗北

有希子の追及に対し、卓海は最後まで初美を庇いますが、取調室に現れた初美がついに真実を告白し、兄妹の沈黙は終わりを迎えます。事件は初美の正当防衛に近い刺殺と、卓海の犯人隠避で決着。

樹は子どもを信じ切れなかった自分を痛感し、幹事長・議員を辞職。政治家としてのキャリアを捨て、“母としてやり直す”決断を下します。

矢代家が守ろうとした沈黙の果てに残ったのは、「誰のための沈黙なのか」という重い問い。キントリが見つめ続けてきた“言葉の力”と“沈黙の代償”が、最も鋭く刻まれた回でした。

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6話:白いスケッチと「シロを証明する」取調べ

第6話は「クロを暴く」のではなく「シロを証明する」ことが、キントリの本懐であると強く示した回でした。

冒頭、山田弘が早朝の公園で“二つの太陽”を描く姿から始まります。亡き妻と交わしたその約束は、山田が“生きようとした証”でもあり、彼の胸の奥にだけ残された白でした。

しかしその静かな時間は、殺人容疑による逮捕によって突然断ち切られます。

殺人と国家試験漏洩が交差する起点

事件は、医師国家試験の問題印刷を担う〈鶴栄堂印刷〉の営業部長・岩崎が公園で絞殺され、さらに医師国家試験の問題が入ったノートPCが同時に行方不明になったことで、一気に「殺人 × 国家試験漏洩」の捜査へと発展します。

契約社員の山田弘は、
・現場周辺への頻繁な出入り
・凶器が自身のPCコード
・岩崎からの長年のパワハラ

と状況証拠が揃い、捜査二課は山田を“漏洩の主犯兼殺人犯”として早々に処理しようと動き始めます。

キントリと二課の対立——“黒を固めるための取調べ”か

如月・金本の二課コンビは、山田をただのスケープゴートとして黒に寄せたい姿勢を隠しません。一方でキントリは、山田の「白も黒も言い切らない沈黙」に違和感を覚え、“否認しないこと”そのものに意味があると見抜きます

誘導尋問にかける二課と、相手の言葉が出るまで待つキントリ。この違いが、今回の“誰のための取調べなのか”というテーマを明確にしていきます。

山田の沈黙と、絵に残された“白”

取調べ室で山田は、
・核心に触れると沈黙
・罪を認めるわけでも否定するわけでもない
・「刑務所でも絵は描けます」と自嘲気味に語る
というつかみどころのなさでキントリを揺さぶります。

しかし、彼のスケッチブックには、毎朝描き続けた公園の風景と“二つの太陽”が残されていました。筆致は繊細で、事件当朝を“よく見ていた人間”の描写そのもの

事件の真相へ導く「白い眼鏡」

山田の証言とスケッチから、キントリは病院〈江北女子医大〉へ捜査を広げます。山田は、妻の入院中に岩崎と蓮沼が“人目を気にしながら会話していた”光景を見ていました。

その証言とスケッチに描かれたことから、蓮沼と白いリーディンググラスへ辿り着きます。

それは蓮沼本部長の愛用品。
さらに、
・江北女子医大の異常な高合格率
・8,000万円の不正受領
・岩崎が“告発を決意していた”形跡

が重なり、蓮沼が口封じに殺害した構図が徐々に浮かび上がります。

“シロを証明する”という選択

再び取調室。有希子が「無実なんでしょ」と静かに問うと、山田は初めて言葉を紡ぎます。

・事件当朝の岩崎と蓮沼の口論
・蓮沼の白い眼鏡
・自分が“二つの太陽”を描いていた理由

そして、取調べをした菱本が山田に対して「刑務所じゃ、あの朝日は描けない」と言い、事件は幕を引いた。

キントリが守った“白”

蓮沼を追い詰める証拠が出揃い、キントリは真相を突き止めます。

有希子は「今回はクロではなく、シロを証明した」と噛みしめます。

第6話は、キントリが目指す“救い上げる取調べ”の本質がもっとも鮮やかに描かれた回でした。

6話のネタバレについてはこちら↓

7話:キントリも言葉を失う“逆玉夫”事件

第7話は、“誰もが言葉を失う”という副題にふさわしい異例の事件でした。人気片付けアドバイザー・赤沢秋絵が毒物によって意識不明となり、24歳年下の夫・赤沢譲二が殺人未遂容疑で逮捕されるところから物語は動き始めます。

譲二は元ラグビー選手で、リハビリ中に秋絵と出会い、3カ月で結婚した“スピード婚”。しかし世間は冷たく、“逆玉狙い”と揶揄する声ばかり。しかも事件の1週間前、秋絵は遺言を書き換え、財産のすべてを慈善団体から譲二へ変更していました。状況証拠だけを見れば、彼が犯人だと決めつけられても無理はありません。

譲二の“本音”がにじむ取調べ

一方当の譲二は、容疑を全面否定。大弁護団を率いて「誤認逮捕だ、警視庁を訴える」と息巻き、取調室でも「秋絵を愛していた」「無実だ」と強気な姿勢を崩しません。

しかし、有希子と玉垣が“寄り添う取り調べ”で探りを入れると、本音がポロリ。「だって24歳も上ですよ? 結婚なんてボランティアみたいなもんで」と、愛情と見下しの混じる言葉が漏れ出します。外面では理想の夫を演じつつ、内心では秋絵を軽んじていたと分かる瞬間でした。

“味方”に見えた秘書・里香の告白

現場調査に入った菱本と小石川は、秋絵の自宅兼ショールームで秘書・山本里香と対面。

長年秋絵を支えてきた右腕のような人物ですが、里香は驚くほどあっさり「譲二と不倫していた」と告白します。さらには「秋絵に頼まれて、譲二が怪しいと証言する約束をしていた」とも。

“鏡に映った社長”と、片付けられた食器

里香は後日「ショールームの鏡に社長が映った」と怯えて再び警察へ。秋絵の幻を見たのか、他者による仕掛けかは不明のまま…。

秋絵は裏切りに気づき、“死後に譲二へ疑いが向くよう”里香に偽証依頼をしていたのです。謝礼は1000万円。断れば不倫メールを警察に提出すると脅されていたとも語り、事件の裏で秋絵がどれほど綿密に動いていたかが明らかになります。

この訴えを皮切りにキントリは秋絵の行動を洗い直します。

すると事件当日の午前中、秋絵は自宅の食器をすべて片付け、提携団体へ寄付していた事実が判明。大切にしていたお気に入りの食器まで処分していたことから、有希子は「秋絵はその日、自分が死ぬと悟っていたのでは」と直感します。

明かされる“壮大すぎる遺言”の仕掛け

取調室に戻り、有希子と小石川は譲二へ“秋絵が実際に行った準備”を突きつけます。

秋絵は譲二と里香の不倫、ブレーキ細工、遺言無効の裁判準備など、すべてを知っていた。そのうえで彼女が選んだのは、「自分の死で夫を道連れにする」という極端な方法でした。

秋絵は毒草を自分で調べ、自ら命を絶つための毒を用意。さらに、

  • 喧嘩の録音データ
  • 通帳やカードを譲二の車へ隠す細工
  • 遺言を書き換える仕掛け
  • 里香への偽証依頼

など、死後に譲二が“最も疑われるよう”証拠を巧妙に配置。
赤いカーディガンをまとい、「ありがとう さよなら」と呟いて亡くなった――有希子は、その死を“人生を使った壮大な片付け”だと語ります。

秋絵の愛を“笑う”譲二、有希子の反撃

しかし譲二は、「遺産を渡したくなかっただけだろ? どこまでケチなんだ」「勝手に死んだだけ、笑える」と吐き捨て、秋絵の覚悟や愛情を最後まで理解しようとしません。

ここで有希子のスイッチが入り、片付けアドバイザーとしての秋絵の言葉を引用しながら、
「秋絵さんはあなたを気持ちよく“処分”するために、人生を丸ごと使った」
と静かに告げます。まるで秋絵本人が乗り移ったかのような語り口は圧巻で、視聴者にとっても鳥肌もののシーンでした。

追い詰められた譲二はついに
「俺がやったのは自転車ブレーキの細工だけだ!」
と殺人未遂を自白。有希子が録画カメラを示し、「殺人未遂には相続権はありません」と告げた瞬間、譲二は秋絵の仕掛けに完全に絡め取られたことを悟ります。

“自分の死で真実を残す”という前代未聞の事件

こうして事件は、「被害者自身が死を利用し、加害者を追い詰める」というキントリ史上でもかつてない形で決着します。最後に「こんな事件は初めてだ」とメンバーが言葉を失うのも納得。

愛、執念、裏切り、そして“片付け”の哲学がねじれ合い、秋絵という一人の女性が遺した“最後のメッセージ”が強烈に胸に残る一話でした。

7話についてのネタバレはこちら↓

8話:紫の旗

2025年12月11日放送の第8話「紫の旗」は、警察学校で起きた拳銃発砲事件から幕を開ける。

教官・滝川隆博の指導下で射撃訓練が行われる中、学生の宮本健太郎が構えた拳銃が発砲し、同期生の中里美波に命中。警察官を育てる“教場”で起きた、あってはならない事態に現場は騒然となる。

暴発か、故意か――取調室に広がる膠着

この発砲が過失なのか、それとも故意なのか。官邸からの要請もあり、真壁有希子率いる緊急事案対応取調班(キントリ)が取調べに入る。しかし宮本は黙秘を貫き、取調室は開始早々、決定打を欠いた膠着状態に陥る。

“出てこない映像”が生む違和感

捜査を難航させるのが、警察学校側の対応だ。提出された監視カメラ映像は、宮本の様子を至近距離で捉えたものだけで、銃弾が命中した瞬間は映っていない。

管理官・梶山勝利が射撃場全体の映像提出を求めるも、滝川は「学生の個人情報流出の恐れ」を理由に拒否する。真相に近づくほど、肝心な部分が“見えない”“出てこない”構造が浮き彫りになっていく。

宮本の自白が投げかける新たな謎

そんな中、宮本は突然「狙って撃ちました」と口にし、暴発ではなく故意だったことを認める。

有希子も殺意の有無を問いただすが、宮本は動機の説明を拒否。さらに「撃たなくても、警察官になれなかった」と意味深な言葉を残し、口を閉ざす。その言いかけの一言が、事件の裏に個人の感情だけでは説明できない事情があることを示唆する。

教場に漂う沈黙と、学生たちの異様な空気

一方で梶山は、一命を取り留めた中里が発した“ある一言”に引っかかりを覚える。

捜査一課の渡辺鉄次と監物大二郎は学生たちへの聴取を進めるが、教場全体にはどこか不自然な沈黙が広がっている。事件は、単なる個人の暴走ではなく、教場そのものを覆う何かと結びついている気配を強めていく。

キントリの作戦と、思わぬ転落

終盤、キントリは宮本から真実を引き出すため、ある作戦に打って出る。

しかしその判断は裏目に出て、思わぬ方向へ転がり、キントリにとって大きな失態となってしまう。真相はまだ明かされず、「警察学校」「滝川教場」「欠落した映像」「不可解な自白」という要素だけが不気味に噛み合ったまま、物語は次回へと引き継がれる。

第8話が残した問い

第8話は、事件の派手さよりも、証拠が欠けている構造と、教場に漂う沈黙の圧で引っ張る回だった。次話では、この回で置かれた「出せない映像」と「言えない動機」がどのように回収されるのか。その一点が、連ドラ最終章の最大の焦点になりそうだ。

8話についてはこちらのネタバレ↓

9話:「蒼い銃弾」

発砲事件の違和感と、真壁が見抜いた“形”

最終話は、警察学校の射撃訓練中に学生・宮本健太郎が同期の中里美波を撃ってしまった発砲事件の続きから始まります。

宮本は一貫して「事故だ」と主張しますが、同じ教場の学生たちは口を閉ざし、学校側も肝心の映像提出に消極的

真壁有希子は、黙秘や隠ぺいの仕方そのものに強い違和感を覚え、この事件を「ただの暴発事故」で終わらせないと決めます。

狙われていたのは誰か――教場を支配する空気

やがてキントリが映像を確認すると、宮本が銃口を向けていた相手は中里ではなく、教官・滝川隆博だった可能性が濃厚に浮上します。つまり「狙いは滝川、被害者は中里」という構図

教場は“滝川王国”のような空気に覆われ、その中心にいたのが教場長格の伊丹でした。伊丹は学生たちに沈黙を強要し、動揺して泣き出す者が出ても力で押さえ込む。菱本たちはその空気を崩すために揺さぶりをかけ、ついに一部の学生が「何が起きていたのか」を語り始めます。

もう一つの銃と、追い詰められた宮本

証言から明らかになったのは、発砲事件以前から教場に“もう一つの銃”が存在していた事実でした。

伊丹が私用で拳銃を秘密裏に所持し、射撃訓練以外でも使用していた疑いがあり、それを知った中里が宮本に相談していたのです。真面目で正義感の強い宮本は伊丹を説得しようとしますが失敗。

伊丹は立場の強さを盾に圧をかけ、宮本を追い詰めていきます。最後の頼みとして滝川に訴えるものの、滝川は伊丹を処罰せず隠ぺいを選択。教場の前で宮本を「同期を疑った嘘つき」のように糾弾し、退学までちらつかせて孤立させました。

銃口の意味と、中里が飛び出した理由

結果として宮本の中で歯車は決定的に狂います。発砲当日、宮本が滝川に銃を向けたのは、単なる逆恨みではありません。「誰も信じてくれないなら、最後に拳銃の怖さを教えてから死んでやる」とまで追い詰められていたのです。

一方の中里も、自分が伊丹の件を相談したことで宮本を追い詰めたという負い目があり、銃口が滝川に向いた瞬間、とっさに間へ飛び出してしまう。宮本も慌てて銃を下げようとしますが間に合わず、銃弾は中里に命中してしまいました。

滝川の過去と、“最後の授業”

取調室で真壁と梶山に追い詰められても、滝川は「伊丹の拳銃を実際に見ていない」と法の外側に逃げ込み、宮本を逆恨みだと断じ続けます。

そこで真壁が突きつけたのが、滝川の過去の拳銃絡みの失敗でした。鍵となったのは元部下・大山耕平の存在。

かつて不祥事で交番勤務になった大山は、今も腐らず現場で働き続け、「滝川に感謝している」と語る

その姿が、滝川の理屈にヒビを入れます。真壁は「失敗を許さないのは強さではない。失敗からどう立ち直るかを教えるのが教官の使命だ」と畳みかけ、滝川に“最後の授業”として伊丹に罪を認めさせる決断を迫りました。

裏返された真相と、最終回の着地

最終的に教場へ伝えられたのは、滝川の言葉として「拳銃は武器だ」「どう受け止めるかは自分の意思で決めろ」という趣旨のメッセージでした。

伊丹は銃の不法所持で送致され、宮本も発砲の責任を問われることに。表向きは「学生の暴発事故」だった事件は、実際には違法な銃と組織的な隠ぺいが引き起こした悲劇だった――その構図をきっちり裏返して見せた、キントリらしい最終回でした。

「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)のキャスト一覧

「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)のキャスト一覧

シーズン5では、一度は解散していた「緊急事案対応取調班(通称:キントリ)」が久々の再結成を果たします。

シリーズを通しておなじみのメンバーが勢揃いし、再び“取調室の心理戦”が幕を開けます。以下に主要キャストとその役柄の概要を紹介します。

緊急事案対応取調班(キントリ)メンバー

真壁有希子(天海祐希)
本作の主人公で、叩き上げのベテラン女性取調官。
シリーズ開始から12年、可視化設備の整った取調室で数々の凶悪犯と心理戦を繰り広げてきた。
シーズン4でキントリ解散後は警視庁SIT(特殊犯捜査係)に異動していたが、連続殺人事件の発生を機にキントリが臨時再始動。
班長格として再び取調室に戻る。常に真実を追求する姿勢と、“伝説の取調官”としての誇りを持ち続ける。

梶山勝利(田中哲司)
キントリを統括する管理官で、有希子の上司。階級は警視。
一見穏やかだが腹の底では計算高く、状況を読む策士。
過去シリーズでは、有希子の殉職した夫に関する秘密を握っていたが、現在は厚い信頼で彼女を支える。
シーズン5では再び現場に立ち、キントリを指揮しながら有希子と息の合ったコンビネーションを見せる。
シリーズを通して二人の関係には微妙な“絆”と“緊張感”が漂う。

玉垣松夫(塚地武雅)
シーズン3から登場したキントリの頭脳派メンバー。
元「捜査支援分析センター」所属で、情報分析やデータ処理を得意とする。
数字と理論で捜査を支える一方、人情味あふれる温かい性格で、チームのムードメーカーでもある。
塚地武雅さんの柔らかな演技が、キントリの緊迫感の中で“癒しの空気”を生み出している。

菱本進(でんでん)
キントリ創設当初からのベテラン刑事。
取調室での経験は長く、“聞き上手”かつ“情で動く”人情派。
シーズン4後に一度現場を離れ、免許試験場勤務となっていたが、シーズン5で現場復帰。
年齢を重ねても衰えない洞察力で、若手メンバーの支えとなる。
冗談を交えながらも、真実を見抜く眼光の鋭さは健在。

小石川春夫(小日向文世)
キントリ創設メンバーであり、温和な笑顔の裏に鋭い観察眼を持つ古参刑事。
元・捜査二課の知能犯担当で、経済事件など頭脳戦を得意とする。
定年退職の危機を経て特例で再合流。柔らかい言葉と心理操作で容疑者の心に踏み込む“名聞き役”。
チームの精神的支柱であり、“キントリの父”とも呼べる存在。

警視庁 捜査一課

監物大二郎(鈴木浩介)
捜査一課一係の現場刑事。豪快な性格で現場主義を貫く叩き上げタイプ。
渡辺鉄次と組む“モツナベ”コンビの片割れ。
シーズン4で一時的に左遷されたが、シーズン5で復帰。
取調べよりも足で稼ぐタイプで、キントリの裏方的な情報収集にも協力する。

渡辺鉄次(速水もこみち)
監物の後輩で、モツナベコンビのもう一人。
高身長で行動派の肉体型刑事。勢いが先行することもあるが、事件に対する情熱は誰よりも強い。
監物に忠誠を誓い、共に現場を駆ける姿はシリーズの“疾走感”を象徴している。

磐城和久(大倉孝二)
警視庁刑事部の副総監。かつては捜査一課長として現場に立っていたが、今やキントリの“上層の監視者”。
組織防衛を最優先する官僚的な立場から、キントリとたびたび衝突する。
現場の理想と組織の現実――その対立がシリーズのもう一つの軸となる。
シーズン5でも、政治的圧力をかける“目付役”として存在感を発揮。

その他の登場人物

しんじ(生島勇輝)
キントリメンバー行きつけの居酒屋「しんじ」の店主。
かつては素行の悪い不良だったが、ある刑事に更生の機会を与えられた過去を持つ。
今ではメンバーたちの憩いの場を守り、時に捜査のヒントを与えることもある。
キントリを陰で支える“もう一つのチームメンバー”といえる存在。

かやの(中村静香)
居酒屋「しんじ」の女将で、しんじの妻。
明るく世話焼きな性格で、キントリメンバーを家庭的に支える。
店はメンバーたちの息抜きの場であり、彼女の優しさが緊張続きの現場に“人の温度”を取り戻してくれる。

「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)は映画に繋がる

シーズン5を“全話のまとめ”として捉えるなら、外せないのが劇場版への接続です。

連続ドラマとしては、ひとつの事件をきちんと描き切る。でも、シリーズ全体のフィナーレは映画で迎える――そう整理すると、このシーズンの位置づけがいちばん分かりやすくなります。

劇場版は2025年12月26日公開:「最後の敵は、内閣総理大臣。」

劇場版のタイトルは『緊急取調室 THE FINAL』。公開日は2025年12月26日(金)です。

キャッチコピーも非常に強烈で、「最後の敵は、内閣総理大臣。」と、はっきり言い切られています

2014年から続いてきたドラマシリーズが、12年の時を経て劇場版でフィナーレを迎える。この時点で、物語としての“最終決戦”が、連ドラではなく映画に置かれていることが明確です。

映画の事件は「総理大臣襲撃」と「空白の10分」が焦点

映画の導入は、超大型台風が連続する非常事態のなかから始まります

内閣総理大臣・長内洋次郎が、災害対策会議に10分遅れて到着。その“空白の10分”を糾弾する暴漢が現れ、総理大臣襲撃事件が発生します

キントリは緊急招集され、被疑者は「総理を取調室に連れて来い」と要求。

さらに、総理自身に“ある疑惑”が浮上していく――という流れで、物語は一気に国家中枢へ踏み込んでいきます。

なぜシーズン5が「映画の助走」になるのか?ドラマ側で仕込まれていた構造

個人的にいちばん「繋がっている」と感じるのは、シーズン5終盤の事件が、官邸からの要請でキントリが動く構図になっていた点です。

これは、取調室の戦場が、一般犯罪の枠を超えて「政治」や「組織の論理」に近づいていることを示しています。

取調室という密室で、相手がどれほど強い立場にいても、言葉と矛盾だけで追い詰めていく。そのキントリの“強み”を、映画ではついに内閣総理大臣という存在にぶつける。

そう考えると、シーズン5は単なる一区切りではなく、最終章へ向けた再点火として非常にきれいな役割を担っていたと言えます。

ドラマで描いた「組織の沈黙」「権力が生む歪み」を、映画でどこまで解体できるのか。シーズン5は、その問いを観客に残したまま、次のリングへ物語を送り出したシーズンでした。

「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)の最終回の結末は?

最終回(2025年12月18日放送の拡大スペシャル)は、警察学校で起きた発砲事件の真相に、キントリが到達する回でした。

ポイントは「誰が撃ったのか」ではなく、「なぜ撃つしかなかったのか」を突き止めること。シリーズらしく、個人の感情だけで終わらせないラストが描かれます。

最終回の事件:警察学校の射撃訓練で発砲、理由が語られない

教官・滝川隆博の指導のもと行われた射撃訓練中、学生の宮本健太郎が同期生・中里美波に向かって発砲します。

宮本はその場で逮捕されるものの、肝心の発砲理由は語られないまま。さらに、教場にいた学生たちも口を揃えて「何も見ていない」と証言し、捜査は行き詰まります。

多数の目撃者がいるはずの状況で、情報が完全に遮断されている。この時点で、事件の背景に“個人ではない何か”があることが浮かび上がります。

狙いは滝川。引き金は「違法拳銃」と「隠ぺい」

キントリの捜査によって見えてきたのは、宮本が狙っていたのは中里ではなく、教官の滝川だったのではないか、という疑惑でした。

さらに掘り下げると、同期の伊丹が私用で拳銃を所持していた事実が判明します。それを知った中里が宮本に相談し、宮本は伊丹を止めようと動く。しかしうまくいかず、最後の望みとして滝川に打ち明けます。

ところが滝川は、処罰ではなく隠ぺいを選んでしまう。結果として宮本は“嘘つき”のように扱われ、教場の中で孤立していきます。

発砲当日、宮本が滝川に銃を向けた瞬間、中里が間に割って入り、銃弾が中里に命中する。この一連の因果関係が一本に繋がり、事件の輪郭がはっきりと定まります。

宮本の動機は逆恨みではなく「拳銃の怖さを教えたかった」

最終回で決定的なのは、宮本の発砲が「恨みで撃ったものではない」と明かされる点です。

宮本は、誰にも信じてもらえないなら、“最後に拳銃の怖さを教えてから死ぬつもりだった”と語ります。

つまり動機は、滝川への逆恨みではなく、拳銃という武器の危険性を伝えたかったという歪んだ使命感でした。

もちろん、撃ったという事実の重さは消えません。

それでもキントリが最後に行ったのは、罪の有無を裁くだけでなく、そこに至る心理と構造を分解し、「間違った正義」がどこで生まれたのかを可視化することでした。ここに、この作品の矜持がはっきりと表れていたと思います。

連ドラの“最後の事件”は完結:ただしシリーズのフィナーレは映画へ

シーズン5最終回は、あくまで「連続ドラマとしてのラスト事件の決着」です。

物語全体の最終決戦は、劇場版『緊急取調室 THE FINAL』に委ねられる構成になっています

この先、取調室はついに“権力の頂点”と向き合う段階へ進む。

ここまでシーズン5を見届けてきた人ほど、映画で描かれる「総理大臣を取調室に座らせる」という展開が、決して突飛ではなく、キントリの延長線上にあることを実感できるはずです。

連ドラの終わりであり、同時に最終章への入口。

シーズン5最終回は、その役割をきっちり果たした結末でした。

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