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「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)第4話のネタバレ&感想考察。「漆黒の記憶」…“死のパパ活女子”が仕掛けた、取調室の反転劇

「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)第4話のネタバレ&感想考察。「漆黒の記憶」…“死のパパ活女子”が仕掛けた、取調室の反転劇

第3話で「供述の真偽」をめぐる緊迫の心理戦を描いた『緊急取調室(キントリ)シーズン5』。

続く第4話では、放火殺人の死刑囚・佐藤礼奈(大原櫻子)が、収監中に突如「もう1人殺した」と語り、有希子(天海祐希)たちキントリチームは“再び取調室の舞台”へ。

その立会いを要求したのは、人権派弁護士・清原美香(高岡早紀)。

“公正の第三者”を名乗る弁護士と、“死のパパ活女子”という危険な被疑者――。取調室という密室で、有希子(天海祐希)たちが対峙したのは、他人の言葉で語る“偽りの自白”と、法の名を借りた“もう一つの罪”でした。

ここから、シリーズ屈指の心理サスペンス『緊急取調室』第4話のあらすじ・ネタバレ・感想・考察を詳しく紹介します。

目次

緊急取調室/キントリ(シーズン5)4話のあらすじ&ネタバレ

緊急取調室/キントリ(シーズン5)4話のあらすじ&ネタバレ

第4話の副題は「漆黒の記憶」。

第5シーズン第4話(タイトル「漆黒の記憶」)では、“死のパパ活女子”として世間を騒がせた女性死刑囚・佐藤礼奈(大原櫻子)がキントリの前に現れる。

過去にパパ活相手の男性とその家族を金銭トラブルから放火し殺害した罪で逮捕・収監され、現行法下で最年少の女性死刑囚となった礼奈。

その彼女が取調べ中、「もう一人、殺したのを思い出した」と語ったことから、キントリチームは異例の再捜査に踏み出す。

弁護士・清原美香の立会い要求と“死刑囚”との攻防

礼奈が口にした“もう一人の被害者”は「アキヤマ」という歯科医。

しかし、供述は唐突で、曖昧な表現が多く、真実味は薄い。

有希子(天海祐希)たちが警戒を強める中、国選弁護人の清原美香(高岡早紀)が現れ、「死刑囚であっても人権はある」と主張。

取り調べへの立会いを強く要求し、チームと対立する。

有希子らは一度は拒否するが、清原の圧力に押される形で、やむなく“特例”として同席を認めることになる。

“アキヤマ”の告白と白骨遺体の発見

取調べ初日、礼奈は無邪気な笑顔を浮かべ、挑発的な態度を崩さない。

有希子が根気強く問いかける中、突然「思い出した」として語ったのが、歯科医アキヤマを“ダムに突き落とした”という衝撃の供述だった

その後の捜査で、礼奈が話したダムの底から白骨遺体が発見され、身元は行方不明だった歯科医・秋本である可能性が高いと判明。

礼奈の供述は一見、真実に近づいたかに見えたが、有希子は“なぜ今になって告白したのか”、秋本を秋山と言ったのかという違和感を拭えずにいた。

再取調べ――弁護士・清原の“影”を追う

第2ラウンドの取調べには、清原の立会いが正式に認められる。

有希子、小石川(小日向文世)、玉垣(塚地武雅)が見守る中、清原は「礼奈は自主的に協力している」と冷静に主張するが、礼奈の口から出る言葉は法的な専門用語ばかり。

“覚えていない”“違法な取り調べはやめてください”といった言葉遣いが、清原の口調と一致していた。

有希子は、礼奈の“語りの主語”がすでに清原に乗っ取られていると気づき、質問の角度を変えていく。

反転――“誰の言葉で話しているの?”

取調べが緊迫する中、有希子が静かに尋ねた。

「いま話しているのは、誰の言葉?」

一瞬、礼奈の笑顔が消え、沈黙が訪れる。
そして彼女は清原を真っすぐに見つめ、

「先生、アウトだよ。このひと達、わかっちゃってる。ごめんね…れな、嘘は下手でさ、ごめんなさい!あたし、実は清原先生に頼まれて…」と口を開いた。

取調室は凍りつき、清原の表情がこわばる。

ここから清原は別室に移動させられる。そして礼奈の告白は、清原こそが“アキモト殺害”に関与していたという驚愕の暴露だった。


弁護士の罪――死刑囚を“利用”した隠蔽工作

清原はかつて秋山歯科医と飲みに行く。その時に隠し撮りをされて、脅されていた。ダムで脅されていた時に清原が秋本を突き落として死亡。

その関係を隠すため、死刑が確定している礼奈に「あなたが罪をかぶれば、誰も傷つかない」と囁いた。

“死刑囚なら何を言っても信じてもらえない”という弁護士の計算だった。

しかし礼奈は、面会時に感じた違和感からすべてを見抜き、最初から清原を追い詰めるための“自白劇”を演じていた。

清原は取り乱し、「この子の言うことは嘘よ!」と叫ぶが、菱本(でんでん)が提出した証拠により、清原の過去の医療訴訟と秋本の死が繋がっていたことが明らかに。

終幕――“漆黒の記憶”の残響

清原は逮捕され、礼奈の策略が功を奏す。

「法を守る人間が法を踏みにじってはいけない」という有希子の言葉が、清原の背中を打った。

一方、礼奈は自らの罪が消えないことを知りながら、「これで静かに死ねる」と微笑み、再び拘置所へ。有希子はその言葉に「そんなこと言わないで」と呟くが、礼奈は振り向かない。

“もう一人の殺人”は立証されず、礼奈の刑も変わらない。

しかし、彼女が取り戻したのは“自分の言葉”だった。
取調室という密室で、他人の物語を背負い、奪われた主語を取り返す。
第4話は、法と倫理、そして言葉の暴力を見事に描いた、シリーズ屈指の緊張感を誇る回となった。

緊急取調室/キントリ(シーズン5)4話の感想&考察

緊急取調室/キントリ(シーズン5)4話の感想&考察

第4話「漆黒の記憶」は、シリーズの真骨頂とも言える心理戦と倫理の対比が詰まった神回でした。

“死のパパ活女子”佐藤礼奈(大原櫻子)の飄々とした笑みの裏に潜む哀しみと狂気、そして弁護士・清原美香(高岡早紀)の“正義を名乗る偽善”が静かに衝突していく構図。

取調室という密室を舞台に、人間の闇と「言葉の暴力」をここまで濃密に描けるドラマは稀有です。

佐藤礼奈の狂気と孤独——“死のパパ活女子”が求めたのは愛情の残像

大原櫻子の怪演は圧巻でした。

礼奈のブリッ子仕草や舌足らずな台詞は、単なる挑発ではなく“仮面”として機能していた。

視聴者を苛立たせながら、終盤でその裏にある「愛されなかった人生」への渇望を露わにする構成が見事でした。礼奈の根底にあるのは“人を憎む”ではなく“愛されたい”という原始的な欲求。

家庭の崩壊と祖父の死で孤独を拗らせた彼女が、“パパ活”という歪な形でぬくもりを模索した背景が明かされると、行動の異常さにも一瞬の理解が生まれる。

ラストの「最初から先生を裏切るつもりだった」という台詞には、自分を利用した大人たちへの静かな復讐と、わずかな救済の気配が交錯していました。

清原美香の“正義”——善意の皮を被ったエゴの崩壊

第4話最大のカタルシスは、弁護士・清原美香の仮面が剥がれる瞬間です。

「死刑囚にも人権を」と堂々と語っていた彼女が、実は自らの過去の過ちを隠すために礼奈を利用していたという事実。

“正義を語る者ほど危うい”というシリーズの定番テーマを、今回は法の番人自身が体現していました。清原の「あなたはもう死刑が決まっているのだから、もう一つ罪を背負って」と囁く場面には、法と倫理の境界を踏みにじる背筋の寒さがありました。

礼奈がその罠を逆手に取り、清原を告発する反転劇は圧巻。

有希子の「法を守る人間が法を踏みにじってはいけない」という一言が、この回の主題を一瞬で凝縮していました。

罪と罰——“裁く”ことの残酷さと希望の余白

この物語が秀逸なのは、礼奈がただの“悪人”として描かれないこと。

彼女は罪を認め、死を受け入れながらも、「静かに死ねる」と言って自分の中の闇と折り合いをつける。

その姿に有希子が感じたのは、被疑者を“救う”のではなく“見届ける”という刑事の矜持。取調室の戦いは、真実を暴くためだけではなく、“人間がどう罪を引き受けるか”という哲学的な命題を描いていました。

礼奈が最後に見せた涙をこらえた笑顔は、

どんな判決文よりも重い「人間の宣言」だったと思います。

取調室の緊張感——演出と演技の化学反応

天海祐希の冷静な視線と、大原櫻子の無邪気さから一転する狂気のギャップ。

そして、高岡早紀の“理想と保身が混じる声の震え”。

三者三様の“声”が支配する取調室は、まるで舞台劇のようでした。

特に、礼奈が笑顔を消して「先生、ごめんね」と語る瞬間のワンカットは、シリーズ全体でも屈指の名場面。

菱本(でんでん)の冷静な裏取り、小石川(小日向文世)の温度を保つ台詞運びも抜群で、チームの呼吸が取調べそのもののリズムを作っていました。

第4話が突きつけた問い——「真実」と「語る力」

取調室で繰り広げられたのは、供述の真偽ではなく、“誰の言葉で語っているのか”という戦いでした。

清原が“善意”で作った言葉を、礼奈が“自分の言葉”で奪い返す。

その瞬間こそが、キントリの本質。

「語り」は人を救うことも、支配することもある――。

この回は、言葉を職業とするすべての人間への鋭いメッセージとして機能していました。

総括:法の外側にある“人間”を見せた回

第4話は、取調べという手続きの枠を越え、“正義を騙る者の罪”と“罪を引き受ける者の覚悟”を同時に描いた秀作。

大原櫻子と高岡早紀の緊張感ある対峙は、シリーズ史に残る名勝負でした。

「漆黒の記憶」というタイトル通り、真っ黒な闇の中に、かすかな人間の光が見えた回。

礼奈の「ありがとう。これで静かに死ねる」という台詞の余韻が、最後まで心に残る。

それは絶望ではなく、“罪を抱えたまま生きた証”としての希望だったのかもしれません。

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