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「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)第7話のネタバレ&感想考察。年の差婚の裏に潜む“歪んだ復讐”の全貌

「緊急取調室/キントリ」(シーズン5)第7話のネタバレ&感想考察。年の差婚の裏に潜む“歪んだ復讐”の全貌

緊急取調室(キントリ)シーズン5の第7話は、「キントリも言葉を失う事件」という副題の通り、これまでのシリーズでも類を見ないほど重く、鮮烈なストーリーが描かれました

人気片付けアドバイザーとして活躍する赤沢秋絵の自宅で事件が発生し、容疑者として浮かび上がったのは24歳年下の夫・譲二。年の差婚ならではの“疑念”が渦巻く中、キントリはふたりの関係性に潜む違和感を丁寧に拾い上げ、事件の裏側に隠された真意へと近づいていきます

一見「よくある夫婦トラブル」のようでいて、その奥に潜む感情は想像をはるかに超える深さ——第7話は、そんな予感と静かな緊張をまとって幕を開けます。

目次

緊急取調室/キントリ(シーズン5)7話のあらすじ&ネタバレ

緊急取調室/キントリ(シーズン5)7話のあらすじ&ネタバレ

24歳年下夫に殺人未遂疑惑、浮かび上がる“逆玉婚”の影

24歳年下の夫が容疑者に! 人気“片付けアドバイザー”としてテレビなどでも活躍する赤沢秋絵(演:加賀まりこ)の自宅で事件が発生します。

秋絵を殺害しようとした疑いで逮捕されたのは、なんと彼女の24歳年下の夫・赤沢譲二(演:藤本隆宏)。

世間では「逆玉狙い(玉の輿の逆バージョン)」と噂される年の差婚であり、逮捕の報道が出るや「やっぱり遺産目当てか」と騒がれました

実際、事件の1週間前に秋絵が遺言状を書き換え、全資産の譲渡先を慈善団体から譲二へ変更していたことも明らかになり、この事実が譲二の犯行を強く示唆します。表向きの状況証拠は真っ黒で、「夫が資産目当てで妻を殺そうとした」という構図が浮かび上がっていました

取り調べで見せる“余裕”と、年上妻を見下す本音

しかし、当の譲二は一貫して容疑を否認します。譲二は「自分は無実であり、秋絵を心から愛している」と主張し、逮捕は誤認だとして早々に大物弁護士たちを集めた弁護団を結成。

警察を相手取り誤認逮捕で訴えてやると息巻いています。【キントリ】こと緊急事案対応取調班による取調べでも、譲二は取り乱すどころか終始余裕の態度です。「結婚したのも彼女を愛していたからだ」と繰り返し、自身の潔白を強調します。

その一方で、譲二は取り調べ中にこんな本音も漏らしました。

「だって秋絵は24歳も年上ですよ? 結婚自体がボランティアみたいなもんだからな…でもだからと言って殺してなんかいない!」と。年上の妻との結婚をどこか施しのように語る譲二の姿からは、彼の内心の驕りや不満が垣間見えます。この若い夫の態度に、真壁有希子(演:天海祐希)らキントリメンバーも不信感を抱かざるを得ません。

秘書・里香との不倫疑惑、そして“秋絵が仕掛けた偽証”の真相

こうした中、新たな疑惑が浮上します。譲二と秋絵の秘書・山本里香(演:佐津川愛美)との不倫疑惑です。

美人秘書の里香は秋絵の片腕として長年仕えてきた人物ですが、ここに来て突然「実は譲二と愛人関係ではないか」と噂が持ち上がりました。にわかには信じ難い話ですが、もしそれが真実なら事件の背景が大きく変わってきます。

キントリの菱本(でんでん)と小石川(小日向文世)は手分けして赤沢家(事件現場)へ赴き、里香と直接対面することにしました。問い詰められた里香は観念した様子で、譲二との不倫関係をあっさり認めます

“鏡に映る秋絵”──罪悪感か策略か、里香を襲う恐怖

里香が不可解なパニックに陥る出来事が起こりました。

事情聴取後に警視庁から解放された里香は、ショールームの鏡に秋絵の姿を見たと怯えながら警察に駆け込んできたのです。「ついさっきショールームの鏡に社長が映っていたんです…もうお金はいりません! 怖くなりました!」と取り乱す里香。その表情は恐怖に青ざめており、まるで秋絵の幽霊にでも出会ってしまったかのようです。

秋絵に不利な証言をした罪悪感から幻を見たのか、それとも何者かの策略なのか──。周囲は騒然となりますが、有希子は冷静に里香の発言に耳を傾けました。

そして彼女の口から意外な事実が飛び出しました。それは、「譲二に不利になる証言をしたのは秋絵社長(秋絵本人)に頼まれたから」だという衝撃の告白です。

実は秋絵は以前から夫と秘書の裏切りに気付き始めており、万が一自分の身に何かあった時のためにと、里香に「彼(譲二)が怪しかったと警察に証言してほしい」と依頼していたというのです。

さらに里香は、秋絵から「証言してくれたら謝礼として1000万円払う。断るなら不倫の証拠メールを警察に提出する」と持ちかけられていたとも明かしました。要するに里香は、秋絵に脅されて譲二不利の偽証をすることになっていたのです

里香の告白により、事件の様相は大きく変化します。秋絵本人が生前に周到な根回しをしていた可能性が浮上し、「もしかすると単純な遺産目当て殺人ではないのでは?」とキントリ班は考え始めます

“終活のような片付け”が示す、秋絵の覚悟

「秋絵さんは事件当日に何か大きな決断をしていたのでは?」

有希子はそう推理します。実は捜査の中で、秋絵が事件当日の午前中に自宅の愛用していた食器類をすべて片付け、リサイクル団体に送っていたことが判明していました。生前整理にも似たこの行動は、まるで自分の“終活”をしていたようにも見えます。

プロの片付けアドバイザーだった秋絵らしい行動ですが、同時に「自分がその日に死ぬ覚悟」を決めていたとも取れる不自然な動きでした。有希子の脳裏で点と点がつながり始めます。そしていよいよキントリは、譲二本人に対して事件の真相をぶつける時を迎えました。

妻が仕組んだ罠…驚きの真相とは?

再び取調室。今度は有希子とベテラン取調官・小石川のコンビで譲二に向き合います。静かにしかし鋭く追及を始めた有希子は、まず譲二と里香が企てていた過去の殺害未遂について言及しました。「あなた方は秋絵さんの自転車のブレーキに細工をしましたね?」——これは里香の供述や捜査の結果、すでに明らかになった事実です。

事件の少し前、秋絵が乗る自転車のブレーキには、事故に見せかけて殺そうとした形跡が確かに残っていました。

幸い秋絵はその時は死にませんでしたが、譲二と里香は密かにそんな恐ろしい計画まで立てていたのです。この指摘に、さすがの譲二も一瞬たじろぎます。

遺言状の改ざんは“死後に夫を疑わせる罠”

しかし有希子は容赦しません。次に問い質したのは秋絵の遺言状についてです。

秋絵さんは遺産を譲二さんに全額譲ると内容を書き換えていましたね。【もしあなたが疑われなかったら元も子もない】…そう考えて秋絵さんが仕掛けたワナだったんですよ」

その言葉に譲二はハッとします。

さらに有希子は追及を続けます。「秋絵さんはあなたと里香の不倫も知っていました。裏切ったあなたには財産を渡したくない——彼女はそう考えていた」。そして決定的な一言が告げられました。

「秋絵さんは……あなたに『ありがとう、さようなら』を言うために、自ら命を絶ったんです」

有希子はまるで秋絵本人になったかのように穏やかに語りかけ、その迫力に譲二の表情が揺れます。

秋絵の自殺計画──“死を使った復讐”の全貌

有希子たちキントリの推理によれば、秋絵は自殺でした。夫と秘書の裏切りに気付いた秋絵は、自ら命を絶つことで夫に復讐を果たそうとしたのです。

秋絵は毒物による自殺計画を周到に立てました。

夜、譲二が眠った後にスマホで毒草の調べ方を検索し、夫婦喧嘩の会話を録音し、自身の銀行通帳やカード類を譲二の車の中へ隠す。そして遺言状を譲二に全財産を譲る内容へ更新し、里香には偽証の約束をさせる。

すべては“自分の死後、譲二に殺人の疑いがかかるように仕向けるため”の入念な準備でした。秋絵は片付けアドバイザーらしく自分の人生の最後を「片付け」し、お気に入りの真紅のカーディガンに袖を通して毒をあおり、自ら命を絶ったのです。

“ケチ呼ばわり”から見える譲二の浅さと、有希子の静かな反撃

真相を突きつけられた譲二は、一瞬絶句。

しかし次に口をついて出たのは秋絵への悔悟ではなく「俺に遺産を渡したくないから?どこまでケチなんだ」という怒りと嘲笑でした。「要はあいつが勝手に死んだんだろ? バカバカしい!」と笑い飛ばそうとする譲二

秋絵の悲痛な覚悟を前にしてなお敬意の欠片もない態度に、有希子は一切怯みません。「最初に言いましたね。ここは録画録音されています」と静かに録音機を指し示します。

「殺人未遂をした者には相続権はありません。あなたは秋絵さんの自転車ブレーキを細工した(=殺人未遂を犯した)と自分で認めましたね?」

そう、キントリは最初から譲二に“自白”させるため、全てを計算し尽くした上で取調べを組み立てていたのです。

譲二が「罠にかけやがったな!」と叫んでも、もう手遅れ。

譲二は秋絵への殺人未遂で立件され、遺産相続人としての資格も失われました。

「秋絵さんはあなたを愛していた」──届かぬ想い

全てを失った譲二に、有希子は最後に静かに語りかけます。

「秋絵さんは誰よりもあなたのことを愛していた。でもあなたは秋絵さんの愛情を侮り過ぎたんです」

金と若さに溺れた男には到底届かなかったであろう、妻の深い愛情と覚悟。

有希子はそのすべてを、ゆっくりと、諭すように告げました。

“被害者であり真犯人”という衝撃の結末

これぞ「キントリ史上初」の真相——。

秋絵は被害者であると同時に、自らが“真犯人”としてこの事件の結末を支配していたのです。

自分の死を復讐の手段とするという前代未聞の真相に、有希子たちキントリメンバーも言葉を失いました。

事件の裏には想像を絶する愛憎劇が潜んでおり、まさに「第7話“キントリも言葉を失う事件”」という副題通りの結末となったのです。

緊急取調室/キントリ(シーズン5)7話の感想&考察

緊急取調室/キントリ(シーズン5)7話の感想&考察

裏切りへの復讐と“愛”の皮肉な形

第7話は、一見ありがちな「年の差婚の末路」というテーマを扱いながら、その実とても衝撃的で痛ましい真相が描かれました。見終わってまず感じたのは、秋絵という女性の覚悟と愛情の凄まじさです。

愛する夫に裏切られ、命まで狙われた秋絵が選んだのは、ただ夫を裁くためだけに自らの命を差し出すという途方もない方法でした。その計画性は徹底していて、まさに“片付けのプロ”らしく自分の人生の終い支度まで完璧に整えています。

遺産の行方から証拠の配置、第三者(里香)への証言依頼に至るまで、全てを自分の死後に夫を追い詰める材料とする執念には戦慄を覚えました。普通なら裏切られた怒りや悲しみから相手を殺してしまう犯罪に走るケースもあるでしょう。しかし秋絵は「自分が消える」ことで最大の報復としたわけです。

この発想はあまりにも悲しく、そして皮肉です。自ら命を断てば自分はもう幸せになれないのに、それでも「道連れ」に夫の人生も破滅させることを選んだ。その根底には、愛していたがゆえの強烈な憎悪と、「自分だけが犠牲になればいい」という歪んだ自己犠牲が入り混じっているように思えます。

譲二の浅はかさが浮き彫りになるラスト

譲二にしてみれば、秋絵は自分の命を使って壮大な罠を仕掛けてきたわけで、まさに想定外だったでしょう。

取調べの終盤、真壁が「秋絵さんは誰よりもあなたを愛していた」と語ったとき、譲二は最後までその意味を理解できなかったように見えました。彼は「ケチな女が勝手に死んだだけ」と嘲笑していましたが、その裏で秋絵がどれだけ深く自分を愛し、そして憎んでいたかに気付けなかったのです。

おそらく譲二という人間は、誰かに深く愛された経験がなかったのではないかとも感じました。だからこそ秋絵の極端な行動の真意を理解できず、「財産が惜しくて死んだ」としか捉えられなかったのでしょう。彼の浅はかさ、器の小ささが浮き彫りになったラストシーンでした。

キントリメンバーの心理戦が冴え渡った回

今回のエピソードでは、キントリチームの連携と取調べテクニックも際立っていたように思います。

まず序盤では、有希子と新人取調官の玉垣(演:塚地武雅)のペアが譲二を取り調べました。玉垣が譲二に寄り添い、「秋絵さんにそんなに愛されて羨ましいですよ」と持ち上げると、譲二は調子に乗って本音をペラペラと話し始めましたね。

あの場面、玉垣の柔らかい物腰で相手をリラックスさせる作戦は見事でした。

結果、譲二の「結婚はボランティア」発言を引き出したことで、彼の本性を掴むヒントを得たと言えます。キントリは決して頭ごなしに糾弾するのではなく、時に相手をおだてて油断させる——まさに心理戦のプロ集団であることを改めて感じさせるシーンでした。

里香の“幻影”騒動と、キントリの揺さぶり

中盤以降、小石川と菱本が現場調査に赴き、里香から証言を引き出したくだりも興味深かったです。里香が鏡に映った秋絵の幻影に怯えて自白する展開は一見オカルトじみていますが、実際には有希子たちが彼女の良心を揺さぶるために仕組んだ可能性があります。

劇中では明確に描かれませんでしたが、有希子が赤いカーディガンを着て現れたのではとも思わせる演出でした(天海祐希さんが加賀まりこさんの物真似まで披露したという話題もあり)。実際、有希子は取調室で秋絵になりきった口調で譲二を追い込んでおり、彼女自身が秋絵の「代弁者」となって事件を解決へ導いた印象です。

キントリメンバーがそれぞれの持ち場で役割を果たし、最後はリーダーの有希子が真相を突きつける——この流れは痛快でありつつ、今回はその真相があまりにも重いため後味の複雑さも残りました。

シリーズ全体の伏線と“最終章”への布石

タイトルにもある「キントリも言葉を失う事件」というフレーズ通り、今回の事件はキントリ史上類を見ない異色のケースでした。【自殺した被害者が周到に犯人を陥れる】という結末は、メンバーにとっても想定外だったでしょう。

劇中でも有希子が「このケースは初めてかも…」と漏らしていましたが、長年数々の凶悪事件と向き合ってきた彼らでも、ここまでの事態は経験したことがなかったということです。事実、最後に有希子たちがモニター越しに秋絵の遺影に向かって黙礼するシーンは、なんとも言えない余韻を残しました。

被疑者逮捕の爽快感というより、真相を知った上で秋絵に対する哀悼と複雑な想いが滲んでいたように思います。この異例づくしの第7話が提示されたことで、物語は最終章に向けてさらに深みを増していくのではないでしょうか。

次回はクライマックス突入へ

そして次回以降、いよいよシーズン5もクライマックスに突入します。第8話からは「連ドラ最後のエピソード」という触れ込みで、警察学校での射撃訓練中に起きた事件が描かれると予告されています。おそらくキントリメンバーのこれまで積み重ねてきた経験やチームワークが総動員される、大きな山場が待っていることでしょう。

第7話のラストでも、劇中ニュースで次の事件を匂わせる報道が流れ、大下容子アナウンサーや林美沙希アナウンサーといった現職アナウンサーがカメオ出演していました。この演出からも、次の事件が警察を揺るがす重大事であり世間的にも注目を集めるものであることが伝わってきます。

キントリ班が今回のような想定外のケースを経て感じた衝撃や学びを胸に、最終章でどんな活躍を見せるのか非常に楽しみです。

感想まとめ

第7話は、犯人像が二転三転するスリリングな展開と、被害者自身が仕組んだ驚愕の真相で視聴者を圧倒しました。男性ライターの私・YUKIとしては、論理的な伏線回収と心理戦が存分に描かれた点に大満足です。

ラストで譲二が見せた人間の浅ましさと、秋絵の深い愛憎が対照的で強く心に残りました。伏線も全てきれいに回収され、タイトル「キントリも言葉を失う事件」に偽りなしの衝撃回だったと思います。

次回からの最終章では、果たしてキントリにどんな試練が待ち受けているのか、引き続き目が離せません。秋絵が遺した「ありがとう、さようなら」のメッセージの意味を噛み締めつつ、私も次の展開を見届けたいと思います。

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