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MISS KING/ミス・キング第3話ネタバレ感想&考察。“谷底”からの反撃が始まる、制度を攻略する復讐劇

MISS KING/ミス・キング第3話ネタバレ感想&考察。“谷底”からの反撃が始まる、制度を攻略する復讐劇

2話では藤堂が屋上から飛び降りましたね…。

ABEMAで配信中のドラマ『MISS KING/ミス・キング』第3話(10月13日放送)は、“谷底”からの反撃を描くターニングポイント。

かつて全てを失った元天才棋士・国見飛鳥(のん)は、元棋士・藤堂(藤木直人)と手を組み、盤上での復讐を誓う。しかし、彼女が彰一(中村獅童)と再び対局するには、“史上初の女性棋士”として棋士編入試験に挑むしか道がない――。
敗北から始まる再起、町の将棋クラブでの修行、アマチュア名王戦での手応え、そして盤外で突きつけられる誓約書と挑発。

第3話は、怒りではなく“手順”を武器に戦う飛鳥の覚醒を描き、“復讐=制度攻略”という本作の真のテーマを鮮明にした回となった。

目次

MISS KING/ミス・キング3話のあらすじ&ネタバレ

MISS KING/ミス・キング3話のあらすじ&ネタバレ

“谷底”からの反撃が始まる――感情の物語から“制度攻略”へ

ABEMA配信の第3話(10月13日20:00配信)は、タイトルどおり“谷底”からの反撃を描く導入回。

主人公・国見飛鳥(のん)と、天才棋士・国見彰一(中村獅童)に因縁をもつ元棋士・藤堂(藤木直人)が「盤上(将棋)で復讐する」と合意し、まず飛鳥が“公式戦で彰一と対局できる立場”になるための条件整理から動き出す。

ここで提示されるのが、「史上初の女性棋士」という高すぎる壁

年齢制限で奨励会は不可のため、棋士編入試験に挑むしかない――感情の爆発から“制度を攻略するロジック”へと物語が舵を切る。

再起の条件――アマ戦から始まる「手順」の確認

藤堂の段取りでアマチュア戦に出場した飛鳥。しかし20年以上のブランクは重く、中学生相手に完敗。

悔しさに震える飛鳥に対し、藤堂は「将棋をなめるな。お前は最弱だ」と突き放す。

第3話は“才能の覚醒”ではなく、まず“基礎の欠落”を可視化する構成。以後の「敗北→訓練→再挑戦」という筋立てを説得力あるものにするための初期条件づくりだ。復讐の物語を「手順の物語」へ翻訳するための第一手である。

将棋クラブでの修行――“町の師匠”上田三吉との出会い

清掃会社をクビになった飛鳥は、藤堂の恋人・礼子(倉科カナ)の家に居候しながら、地域の将棋クラブで修行を始める。そこで出会うのが、上田三吉(五頭岳夫)という厳しくも温かい“町の師匠”。

基礎の型と反復を叩き込むこの人物の存在が、飛鳥の“怒涛の反撃”の土台を形づくる。経験と身体知が積み重なるこの描写が、第3話を支える大きな見どころになっている。

“アマチュア名王戦”での再始動――女流スター・早見由奈の視線

修行を経て挑むのはアマチュア名王戦。

飛鳥は勝ち上がり、会場ゲストの女流棋士・早見由奈(鳴海唯)に実力を見抜かれる。

「今度、私と対局しようよ」という誘いは、飛鳥が盤上の世界で“見える存在”になりつつある証。“反撃編”は勝敗ではなく、社会の中で飛鳥の位置がどう更新されるかに焦点を移していく。

“誓約書”を突きつける龍也、藤堂の挑発――盤外戦の火種

会場には龍也(森愁斗)の姿も。彼は飛鳥が過去に書かされた「将棋をするな」という誓約書を突きつけ、再起の芽を摘もうとする。

そこへ藤堂が現れ、龍也に「まだ将棋にしがみついているのか」と挑発され、二人の過去の因縁がにわかに浮上。盤上での戦いに加え、“盤外戦”の緊張が高まっていく。誓約書をめぐるこの一幕は、ABEMA公式でも注目シーンとして紹介された。

藤堂はその誓約書を食べてしまいます…。

まとめ――“制度を攻略する復讐”への転換点

第3話は、「誰に勝つか」よりも「どの立場で勝つか」を定義した回。史上初の女性棋士→棋士編入試験→アマ戦という“順路”が描かれ、将棋クラブでの反復練習と名王戦での手順が積み上がる。

画面の裏では龍也×由奈の関係も動き、盤上と盤外の両輪が同時に回り始めた“反撃編の開幕”となった。飛鳥が社会の制度をどう突破するのか――その布石がここに打たれた。

MISS KING/ミス・キング3話の感想&考察

MISS KING/ミス・キング3話の感想&考察

復讐を“制度の攻略”に置き換えた転換点

第3話の核心は、復讐を“制度の攻略”に言い換えたことだ。怒りを燃料に突き進むのではなく、「奨励会は年齢制限→編入試験へ」という明確な手順を提示し、アマ戦での惨敗→将棋クラブでの修行→名王戦での手応えという段取りへ落とし込む

勝利のドラマではなく、“正しく勝つためのプロセス”のドラマに舵を切ったことで、飛鳥の一手一手に必然が生まれた。

「谷底」演出の意味――“敗北”は悲壮ではなく、合理の起点

冒頭の完敗、そして藤堂(藤木直人)の「最弱だ」という断言は、視聴者の苛立ちを誘いながらも、物語を合理のレールに乗せる。

敗北はキャラクターを壊すのではなく、次に何を積むべきかを示す設計図だ。以後の鍛錬と勝利がご都合主義に見えない下地を整えた点で、“反撃編”の導入として非常に巧みだった。

“町の師匠”が持ち込む身体知――上田三吉という導管

将棋クラブの上田三吉(五頭岳夫)は、作品の温度を変える存在だ。プロとアマの境界ではなく、型と反復を媒介する“現場の師”。

彼の厳しさと温かさが、飛鳥の感情を“練習”に接続する導管となる。彼の登場により、将棋描写が“天才のひらめき”ではなく、身体で覚える技術として立ち上がった。キャスティングの妙も含め、説得力ある足場を作品に与えている。

“誓約書”の暴力性と、藤堂の介入

龍也(森愁斗)が突きつける誓約書は、法の形式をまとった心理的脅迫に近い。飛鳥の「盤上に立つ自由」を奪うその紙切れを前に、藤堂は教師(過去)と共犯(現在)の二つの顔を見せる。

ここで重要なのは、藤堂が正義感ではなく、飛鳥の未来を守るために行動している点だ。紙を前にした彼の反応は、“飛鳥の未来の喪失”を未然に防ぐための介入として機能し、作品の緊張感を盤外に広げた。

女流スター・由奈の“視線”がもたらす転換

早見由奈(鳴海唯)の「今度、私と対局しようよ」という言葉は、飛鳥の立ち位置を変える決定打。

単なる励ましではなく、社会的な照明の向きを変える一手として効いている。盤外で話題となった龍也×由奈の“ハグ”というシーンも、盤上での女同士の対峙への期待を高める装置として作用している。

視線=推薦=対局の連鎖が、飛鳥という存在を“社会が見る対象”へと押し上げていく。

「復讐を制度に落とす」ことのドラマ的利点

復讐譚で難しいのは、主人公の怒りを暴走させずに物語へ落とすこと。第3話は、奨励会不可→編入試験→アマ戦→名王戦という明確な順路を提示し、飛鳥の行動を*必要な過程”として観客に納得させた。

視聴者は“勝ってほしい”ではなく、“この手順が正しい”と感じるようになる。勝利の快楽は規律の帰結として後からついてくる。この論理設計が実に鮮やかだった。

盤外力学の露出――“家”と“契約”の圧力

龍也の背後には“家”という権威、誓約書には“契約”という制度の重みがある。

どちらも社会の正義を装いながら、飛鳥を縛る力として機能する。第3話はこの圧を公然化し、以降は“盤上の勝利を盤外の権力にどう響かせるか”という主題を浮かび上がらせた。技術の反撃(鍛錬)と権力への反撃(可視化)を同時に走らせる構成は、反撃編の開幕にふさわしい仕掛けとなっている。

次回への宿題――“手順”をどこまで描くか

  • 訓練の継続:上田のもとでの反復が、終盤力や定跡理解にどう反映されるか。
  • 由奈との対局:対局が単なる序列確認で終わらず、飛鳥の社会的立場をどう更新するか。
  • 誓約書の後始末:盤外の拘束を盤上の結果でどう上書きするのか。

第3話が掲げた「制度の攻略=復讐」という地図に、どれだけ具体的なピンを打てるか。この手順の精度が、次回以降の“飛鳥の再生”の説得力を左右する。

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2話のネタバレはこちら↓

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