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【ネタバレ】『じゃあ、あんたが作ってみろよ』9話あらすじ&感想。傷ついた二人が“素のまま”で再会した夜。復縁告白に揺れる心

【ネタバレ】『じゃあ、あんたが作ってみろよ』9話あらすじ&感想。傷ついた二人が“素のまま”で再会した夜。復縁告白に揺れる心

9話では、鮎美と勝男、それぞれが夢と仕事で大きな痛みを抱えた中、思いがけず再会した夜が描かれました

弱さが重なった二人は、かつての“完璧なふり”をやめ、素直な言葉で向き合うことで、ゆっくり距離を縮めていきます。

笑い合いながらも、どこか切なさが滲むその時間は、失ったはずの関係が静かに形を変えて戻ってくるような、不思議な温度を帯びていました。

そしてラストで勝男が口にした復縁の言葉——その返事を保留した鮎美の揺れが、最終回への大きな伏線として深く残ります。

目次

じゃあ、あんたが作ってみろよ9話のあらすじ&ネタバレ

じゃあ、あんたが作ってみろよ9話のあらすじ&ネタバレ

メキシカンフェス当日、再会した二人と動き出す想い

2025年12月2日放送の第9話。物語は太平が経営するバーで開催されたメキシカンフェス当日から始まります。

ヒロインの山岸鮎美は渾身のメキシカン風春巻きを来場者へ振る舞い、充実した表情を浮かべていました。その姿を人混みの中から見つめていたのが、元彼の海老原勝男であり、鮎美を積極的に手伝っていました。

付き合っていた頃から勝男に想いを残していた鮎美。しかし彼女は「付き合っていた頃とは明らかに変わった勝男」の気配に触れ、その変化に戸惑いながらも、どこか惹かれるような心境になっていました。

フェスが終わった後に鮎美に話しが舞い込む

フェスの終わった後、鮎美に思いがけない話が舞い込みます。

春巻きを食べた有名フードプロデューサーが現れ、「一緒に店を出そう」とスカウトしてきたのです。料理の腕を磨き、自分の店を持つことは鮎美の長年の夢。

驚きと喜びが胸に広がる一方、この誘いが彼女を大きく揺さぶる出来事へと繋がっていきます。

勝男の苦境:新プロジェクトとすれ違い

一方その頃、勝男自身の生活にも転機が訪れていました。

会社で新規案件のプロジェクトリーダーに任命され、責任の重さと業務量に追われ、自炊もままならない日々。

さらにタッグを組むことになった事業戦略部の柳沢とは、仕事観の違いからうまく噛み合えず緊張感が漂っていました。柳沢はワークライフバランス重視で、定時退社や休暇を優先するタイプ。一方の勝男は泥臭く愚直に仕事へ向き合うタイプで、二人のズレがストレスとなっていました。

また課長のススメでコミュニケーション不足を解消するために、飲みに行くのを誘いますが、それは仕事ですか?と言われて、断れてしまいます。

勝男は久しぶりに鮎美のご飯を食べる

フェスの後日、勝男と鮎美はスーパーで偶然再会します。

買い物をしていた勝男は、たくさんの食材を抱える鮎美を見つけました。鮎美はフェスでの誘いに心躍らせ、「実はお店を出すことになったの!」と嬉しそうに報告します。夢の実現に向けて意気込み、会社も退職して自宅で新メニューの試作に励んでいる最中でした。

勝男は驚きつつも、久しぶりに見る鮎美の生き生きとした表情に胸を打たれます。荷物で手いっぱいの鮎美を見かねて「送るよ」と申し出て、一緒に彼女の家へ向かいました。

鮎美と再会した勝男は、彼女の家で試作中の新メニューをご馳走になります。鮎美の料理を口にした瞬間「うまい!」と声を漏らし、変わらない美味しさに思わず笑みがこぼれます。しかし鮎美は、勝男の様子がどこか沈んでいることに気づき、「なんかあった?」と優しく問いかけます。

勝男は胸の内をぽつりぽつりと明かします。「俺…歩み寄ってくれる優しい人に甘えていた。自分から歩み寄るって難しい。心が折れそう…嫌だな、ダサい」。プロジェクトリーダーとしての責任、部下との衝突、協力してもらえない現状に、勝男は自分の不甲斐なさを痛感していたのでした。

そんな勝男に対し、鮎美は「ダサくないよ。一生懸命な勝男さん、かっこいいと思う」とまっすぐな瞳で励まします。その言葉に勝男はハッとし、感謝と愛しさが込み上げてきます。勝男は意を決して「鮎美、俺さ…」と告げようとしますが、隣の部屋の飼い猫が大きな鳴き声を上げ、告白のタイミングは中断されてしまいました。思わず顔を見合わせて笑う二人。その空気には、かつての恋人同士にはなかった穏やかな優しさが流れていました。

柳沢の告発と勝男の出勤停止

翌日、勝男は柳沢との関係改善に動きます。協調のため、思い切って翌朝には手作りのおにぎりを差し入れて距離を縮めようと努力しました。勝男なりの“歩み寄り”でしたが、これが想定外の方向へ転びます。

柳沢は会社のアンケートに「勝男からパワハラを受けた」と訴えたのです。勝男には強引に誘ったつもりはありませんでしたが、柳沢にとっては負担であり、ハラスメントと受け取られてしまったのでした。相談の結果、柳沢の訴えは会社に受理され、勝男には出勤停止という厳しい処分が下されます。

晴天の霹靂でした。チームのためにと動いた善意が真逆の結果を生み、勝男はショックを隠せません。突然会社から切り離され、家でひとり取り残された彼は、自分の何がいけなかったのかと自問自答を繰り返すばかり。真面目に頑張るほど空回りし、誰にも理解されない苦しさが押し寄せていました。

鮎美に訪れたチャンスと裏切りの痛み

一方の鮎美にも試練が訪れます。メキシカンフェスで出会った有名フードプロデューサーの誘いに心躍らせ、具体的に店を出す計画を進めていた鮎美。

しかし資金を振り込み、物件引き渡しの当日。その話が詐欺だったと判明します。夢への第一歩だと信じて大金を注ぎ込んだ鮎美にとって、それは信頼の裏切りでした。

店を出す夢は一瞬にして消え、手元に残ったのは無職である自分と、失ったお金という現実だけ。

相談できる相手はいるものの、最終的に決断したのは自分。大人である自分が見抜けなかった甘さに、鮎美は深いショックと自己嫌悪を抱えます。「どうしてあんな話を信じてしまったのだろう…」。絶望の中、鮎美はひとりで街をさまよいます。

笑顔で夢を語っていた昨日とは一変し、肩を落とした姿は胸が締めつけられるようでした。

出勤停止の勝男が取り戻した“小さな生活”

同じころ、自宅待機となった勝男は時間を持て余していました。突然与えられた自由時間を持て余しながら、「自分には今、何が残っているのか」を考え込みます。そこで始めたのは、“人間らしい暮らし”を取り戻す小さな行動でした。

・スーパーで材料を買いロールキャベツを作る
・近所の高齢者たちとゲートボールを楽しむ
・スケッチブックを広げ絵を描く
・散歩中に出会った犬とじゃれ合う

一見すると時間つぶしのような行動ですが、忙殺されて自分を見失いかけていた勝男が、もう一度自分を取り戻すための小さなリハビリのようでもありました。

偶然の救出劇、そして二人きりの時間

そんな折、物語は思いがけない形で勝男と鮎美を再び引き合わせます。

ある日、勝男が街を歩いているときのこと。うっかりスマートフォンを自販機の下に落としてしまい、必死に手を伸ばしますが、狭い隙間に入り込んだスマホは簡単には取れません

焦る勝男は手探りを続けるうちに、地面に仕掛けられていたネズミ捕り用の粘着シートを誤って掴んでしまい、強力な粘着に手ががっちりとはまりつきます。大の男が道端の自販機の下で片手を挟まれ、もがくという情けない事態に陥ってしまいました。

そこに偶然通りかかったのが鮎美です。

自販機で四苦八苦する勝男の姿に驚き、「勝男さん!?」と駆け寄ります。事情を聞いた鮎美は急いで警察に連絡し、駆けつけた警官によって勝男はようやく解放されました。粘着シートまみれの勝男に、鮎美は「大丈夫!?」と心配そうに声をかけます。勝男は顔を赤らめつつ「助かったよ、ありがとう…まさかこんな所で会うなんて」と照れ笑いを浮かべました。

思いがけないハプニングで再会した二人。お互い、夢や仕事が挫折し行き場のない時間を過ごしていた同士でもあります。

「鮎美はなんでここにいるの?」と尋ねる勝男に、鮎美はしょんぼりと「お店出す話、なくなっちゃった」と答えます。その一言に、どれほど傷ついているかがにじんでいました。勝男も「そうか…。俺もさ、会社でちょっと…ちょっとね」と、自分も仕事でつまずき休職中であることをほのめかします

言葉少なに状況を伝え合い、「そっか…」と俯く二人。しばし沈黙が流れました。

そんな中、勝男は意を決して明るい声を出します。「このあとは?」と問いかけるその瞳には、「良かったら一緒に過ごさないか」という思いが込められていました。

鮎美も「特に…予定はない」と答えます。失意のどん底で一人でいるより、誰かと一緒にいる方が救われる気がしたのかもしれません。こうして二人は久々に肩を並べ、夜の街へ繰り出すことになりました。

久々のデートのようなひととき

まず向かったのは、昔よく通っていたバッティングセンター。

無心でボールを打ち返す時間は悩みを一瞬だけ遠ざけてくれます。快音に合わせるように大声で笑う二人。次に立ち寄った雑貨屋では、可愛らしいキーホルダーを手に取った鮎美が「これ覚えてる?昔お揃いで買ったやつに似てない?」と懐かしげに話します。勝男も「ああ、覚えてるよ」と柔らかく返し、二人の間に当時の思い出がふっと蘇りました。

最後に向かったのは居酒屋。カウンター席に並んで座ると、鮎美は迷わずメガジョッキのビールを注文。特大サイズに勝男は驚き、「めっちゃ強いよね…」と目を丸くします。勝男は交際当時ずっと、鮎美はお酒が弱いと思い込んでいたのですしかし鮎美は「勝男さんの前では弱いふりしていたからね」とケロリと明かします。可愛く見られたくて“弱いふり”をしていたと聞き、勝男は「なんで?」と声を上ずらせ苦笑い。

グラスを傾けながら二人は語り合います。「お互い、全然知らなかったんだな…」。勝男は良く思われたい一心で“完璧な男”を演じ、鮎美も好かれたい気持ちから“弱い女”を演じていた。

そんな過去を振り返り、鮎美はふっと笑い「私も勝男さんのこと、超ハイスペック彼氏だと思ってた。でも今は…全力不器用男だね」と告げます。けなすようでいて優しい響きを持つ言葉でした。完璧だったはずの勝男が、今は等身大で必死に生きている。その変化を鮎美はちゃんと感じていました。勝男も「確かになぁ…」と照れくさそうに頭を掻きます。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、店を出る頃には夜風が頬を撫でていました。酔いも手伝い、少し赤い顔で笑い合いながら歩く二人。その距離は付き合っていた頃と同じくらいに近く、何よりお互い自然体でいられる心地よさがありました。

勝男の“一世一代”の復縁告白、鮎美の揺れる心

楽しい時間も終わりが近づき、帰り道。ふと会話が途切れた静寂の中で、勝男はゆっくりと口を開きます。

「…鮎美、もう1回やり直そう」

その言葉に鮎美は驚いて立ち止まります。勝男はまっすぐ鮎美を見つめ、「今の俺たちならうまくいくと思う。鮎美も俺も変わったし、前みたいにはならない」と続けました。勝男にとって一世一代の復縁告白。かつて未熟だった自分のせいで失った彼女を、もう一度幸せにしたいという強い想いが滲んでいました。

突然の告白に鮎美は心を大きく揺さぶられます。胸が高鳴り、酔いも一瞬で醒めたように感じられるほど。しかし同時に、鮎美の表情には戸惑いが浮かびます。嬉しさと不安が混ざり合い、咄嗟に答えることができません。視線は泳ぎ、勝男の顔をまともに見ることもできないまま、時間だけがゆっくりと過ぎていきました。

第9話はここで幕を閉じます。勝男の真摯な復縁の申し出に対し、鮎美は何を思ったのか。なぜ返事をためらったのか。余韻を残す結末となり、視聴者は鮎美の答えを知るために最終回を待つことになります。

じゃあ、あんたが作ってみろよ9話の感想&考察

じゃあ、あんたが作ってみろよ9話の感想&考察

復縁告白に秘められた想い:愛か、それともすがる気持ちか

第9話ラストの勝男の復縁告白は、胸が震える名シーンでした。「もう一回やり直そう」という言葉には、単なる未練以上の深い意味があったように感じます。私はこの告白を“愛の再確認”であると同時に、“弱さを共有することの提案”でもあるように受け取りました。

勝男にとって鮎美は、自分が未熟だった頃に傷つけてしまった相手であり、本当に失いたくない大切な存在。彼は痛みを経験し、歩み寄ることの難しさを知った今だからこそ、鮎美と改めて向き合いたかったのでしょう。

「歩み寄りって難しい」と漏らした勝男が、自分と同じように傷ついた鮎美へ手を差し伸べようとしたのは、ごく自然な心の流れに思えました。

一方で、この告白には不安も滲みます。勝男自身「心が折れそう」で孤独な時期を過ごし、鮎美という存在に救われていたことは確か。弱っている同士だからこそ惹かれ合ったという側面は否定できません。「どん底同士」の告白が本当に正しいのかどうか。鮎美が返事を保留したのは、その迷いもあったからではないかと感じました。

本物の愛情なのか、孤独から逃れたい気持ちなのか――その境界線が曖昧で、そこにこそ二人の難しさがありました。

すれ違う優しさと“小さな裏切り”:職場と夢で起きたこと

今話では「優しさ」が伝わらず、裏目に出てしまうシーンが象徴的でした。勝男と鮎美、それぞれが違う場所で“善意が報われない瞬間”を経験します。

勝男は柳沢に対し、飲みに誘い、おにぎりを差し入れるなど歩み寄りを示しました。しかしその善意は受け入れられず、パワハラとして訴えられるという最悪の形に。強引にしたつもりがないだけに、勝男にとってこれは裏切りに等しい衝撃だったでしょう。「努力が報われない」という職場の孤独を強烈に味わった場面でした。

鮎美はフードプロデューサーの甘い誘いを信じ、夢のために勇気を出して行動しました。しかしそれは詐欺であり、彼女の純粋さにつけ込む裏切りでした。夢を砕かれた痛みは深く、自分を責める気持ちも強く残りました。

この二つの出来事は種類は違えど、根っこでは同じ「相手に気持ちが伝わらなかった苦さ」を描いていたように思います。勝男は誠意を伝えられず、鮎美は夢への熱意を利用されてしまった。善意や信頼が返ってこない悲しさは、今の時代を象徴するようでした。

しかし皮肉にも、そんな二人が再会したことで物語は良い方向へ動き始めます。“優しさの温度差”が人をすれ違わせた一方、勝男と鮎美は同じ温度の弱さを抱えていることに気づきました。だからこそ夜の街で素直に笑い合えたのだと思います。お互いが弱さを見せられたことが、二人の距離を一気に縮めました

“猫を被らない”関係がもたらす安心感

特に印象的だったのは、鮎美が「勝男さんの前では弱いふりしていた」と告白した場面です。付き合っていた頃、鮎美は彼に可愛く見られたくて、お酒が弱いふりをし、完璧な“いい彼女”を演じていました。それは彼女の本音を隠した姿でした。

しかし今の鮎美は、特大ジョッキのビールをぐいっと飲み干し、冗談めかして笑う。弱いふりをする必要がなくなったことに、私は清々しさすら感じました。

勝男も同じです。かつては亭主関白的で家事を女性に任せきりだった彼が、今ではロールキャベツを作り、ご近所の人とゲートボールをし、犬と遊ぶという、人間味にあふれた姿を見せてくれました。鮎美が「超ハイスペック彼氏だと思ってた。でも今は全力不器用男だね」と言ったのは核心で、勝男は見栄やプライドを脱ぎ捨て、等身大の“普通の男”へと変化しています。

飾らず人間らしい二人がそこにいて、その“普通でいられる関係”が、とても心地よいものに見えました。だからこそ鮎美がすぐに頷けなかった気持ちも理解できます。恋人同士に戻れば、また“弱いふり”“強いふり”をしてしまうのではないかという不安。そこに鮎美の葛藤がありました。

最終回へ向けて:愛と自立、どちらを選ぶのか

次週はいよいよ最終回。鮎美が勝男の告白にどんな答えを返すのか、私も胸がざわつきながら予想を巡らせています。鍵は「愛」と「自立」。二人はお互いに離れたからこそ自立し、対等に向き合えるようになりました。

鮎美は勝男の元を離れ、自分の夢を追いかけた。勝男は鮎美を失って価値観を見つめ直し、“料理をする男”としての新しい一歩を踏み出した。二人が再び交わった今、復縁はゴールではなく「対話の再スタート」なのだと思います。

愛を選ぶのか。
自立を選ぶのか。
両方を選ぶ方法もあるのか。

鮎美にとっては夢破れた直後というタイミングが悩ましく、勝男にとっては“断られたとしても尊重できるかどうか”が試されるでしょう。

勝男の告白に対する鮎美の答えは「YES」なのか「NO」なのか――どちらにせよ、二人が経験した痛みや成長は決して無駄にはならないはずです。復縁は終点ではなく、“本音で語り合う未来へのスタートライン”。最終回では、彼らが選ぶ答えと、その先に見つける幸せの形をしっかり見届けたいと思います。

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