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TRICK/トリック(シーズン3)5話のネタバレ&感想考察。死なない老人ホームの正体とは?“蘇生実験”が招く最悪の結末

TRICK/トリック(シーズン3)5話のネタバレ&感想考察。死なない老人ホームの正体とは?“蘇生実験”が招く最悪の結末

シーズン3第5話は、TRICKの中でもとりわけ「死」という現実を真正面から扱った回です。

入居者が絶対に死なないと噂される魯人老人ホーム。軽い手品のような“戻る現象”を重ねた先で、物語は取り返しのつかない一線を越えていきます。

本当に人は生き返るのか。それとも、信じたい気持ちが現実を歪めているだけなのか――笑えない余韻だけが残る、重く苦いエピソードです。

目次

トリック(シーズン3)5話のあらすじ&ネタバレ

トリック(シーズン3)5話のあらすじ&ネタバレ

第5話は、TRICKの中でもかなりストレートに“死”へ踏み込む回です。

最初は「ビールが戻る」みたいな軽い見世物から始まるのに、気づけば猟銃が出てきて「本当に死んだのか?」というところまで連れていかれる。笑いと不穏の落差がえげつない分、ラストの余韻が強烈に残ります。

入会金10億円。「絶対死なない老人ホーム」を調べろ

いつものように(だいたい)金がなく、(だいたい)口も悪い山田奈緒子と、(だいたい)偉そうで、(だいたい)見栄っ張りな上田次郎

そんな二人のもとに持ち込まれるのが「魯人(ろじん)老人ホーム」の噂です。ここは“入居者が絶対に死なない”と言われ、しかも入居一時金が最低でも10億円という、もはや老人ホームというより富豪の都市伝説みたいな場所。

依頼人は京國屋書店の社長夫人・京明日香。家の資産を握る高齢の身内が近々亡くなりそうで、相続の問題も含めて不安が大きい。だからこそ“死なない”をうたう魯人に入れたいが、インチキだったら洒落にならない。真偽を確かめてほしい――というのが今回の依頼の入口です。

ここでTRICKらしいのは、上田が「金」に動くのではなく、まず「名誉」に動くところ。

成功報酬として“上田教授フェア”を派手にやる、みたいな“くすぐり”が刺さってしまう。上田という男は基本的に、知性よりもプライドの扱い方で動線が決まる。だからこそ毎回、だまされかけ、しかし最後は理屈で取り返す。今回もその型が、最初からきれいにセットされています。

「戻れ」…ビールが戻る。ロープが戻る。死も戻る?

上田と奈緒子が向かった魯人老人ホームで出会うキーマンが、専任カウンセラー・赤地洋司(あかち ようじ)

彼は「この世に存在するものを元通りにできる」と豪語し、施設の人間も老人たちも、それを疑いません。むしろ疑う上田や奈緒子のほうが“常識がない”扱いされる空気が、すでに気味悪い。

赤地の見せ物は段階的です。
・一度箱に入れて、壊れた置物が元通りになる
・切ったロープが元に戻る
・老人が飲んだビールが“飲む前”に戻る
このあたりまでは、TRICKの文法で言えば「手品の延長」に見える。観客(視聴者)も上田も、「タネはあるだろう」と思えるラインです。

ただ、奈緒子が面白いのは、ここで“理屈”ではなく“顔”で嗅ぐところ。

「今のは変だ」じゃなくて、「この人は危ない」みたいな生理的な反応で距離を取る。実際、赤地は口当たりが柔らかい。カウンセラーらしく“救う人”の声をしている

だからこそ余計に、信者を作れる。奈緒子の直感は、オカルトに騙されないためのアンテナでもあるのに、今回そのアンテナが「本物っぽさ」にも揺さぶられていきます。

そして空気を一気に加速させるのが、副理事長・千田鶴二郎(ちだ つるじろう)です。彼は上田たちに対して、むしろ“秘密”を早々に言ってしまう。

「この施設が“死なない”のは、赤地先生が死者を蘇らせるからだ」

隠すのではなく、堂々と言い切ることで、疑う側を「理解できない愚か者」に落とす。この態度が、いちばん厄介です。

猟銃の公開実験。死者蘇生が“ショー”に変わる瞬間

千田は、疑う奈緒子に対して過激な提案をします。

「奈緒子を猟銃で撃ち殺して、赤地に生き返らせてもらえばいい」

当然、奈緒子は拒否。ここで志願するのが古川良平という老人です。

年老いてなおスケベで、なぜか童謡『ふるさと』が大好き――というキャラの濃さで、場の空気を“冗談みたい”にしてしまう人。けれど、冗談みたいな人が撃たれることで、空気が一気に現実へ落ちていく。

猟銃が鳴り、古川が倒れる。ここでの怖さは、血や死の表現よりも「周りの目」が揃っていることです。老人ホームの面々は、祈るような顔で赤地を見る。赤地は「戻れ」と唱え、倒れた古川を蘇生させる。視聴者としても、ここで一瞬、理屈が追いつかなくなる。手品の域を越えた“ショック”だけが残る

勢いに乗った理事長・万田亀太郎は、さらに千田に命じます。
「次はお前が自分を撃て。赤地先生がいるから大丈夫だ」
冗談のような命令が、冗談では通らない段階に突入する。

千田が自分を撃つ。倒れる。――そしてここで、TRICK特有の“最悪のタイミング”が来ます。

赤地が千田を蘇生させようとしたその瞬間、矢部たちが踏み込んで止める。
「死体に触るな」「救急車を呼べ」
正論です。警察として当たり前の対応。けれど、この回は“正論が悲劇を生む”方向へ話が傾いていく。

蘇生を中断され、千田は病院へ運ばれる。赤地は怒り、「邪魔が入らなければ生き返らせた」と言い張る。しかも施設側・老人たちは、上田と奈緒子こそが千田を殺したのだと詰め寄る空気になっていく。

ここまでで第5話は幕。

“本当に霊能力者なのか?”という問いより先に、“もし本当に蘇生できたなら、自分たちは取り返しのつかないことをしたのでは?”という罪悪感の芽が刺さって終わる。

TRICKって、毎回「タネ明かしでスッキリ」だけじゃなく、最後に必ず「人間の弱さの後味」を残してくる。第5話はその“後味”を、銃声で叩きつけてくる回です。

トリック(シーズン3)5話の伏線

トリック(シーズン3)5話の伏線

第5話は前後編の前編として、わざと「矛盾」に見える情報を大量に並べてきます。

上田の推理癖を刺激する“違和感の仕込み”が多く、後編に向けて「何がズレている?」を考えるほど面白くなる構造です。

入居一時金10億円という異常な金額

「死なない」なら安いくらい、と思わせつつ、実際は“誰でも入れない”ことが重要な条件になっています。富裕層に限定することで、施設側が“絶対に外へ出されたくない事情”を抱えている匂いが濃くなる。金額が設定というより、事件装置として機能しているのがポイント。

赤地の肩書が「霊能者」ではなく「カウンセラー」

赤地は呪術師でも宗教家でもなく、カウンセラーとして“心”に入り込む職業の顔を持っています。
つまり武器は、超常現象よりも「言葉」や「安心」や「信頼」。この肩書だけで、彼がやっていることが“救い”にも“支配”にも転ぶ余地を匂わせている。

「元通りに戻す」という能力の“言い方”

赤地の能力は「治す」ではなく「戻す」。ここが地味に重要です。
・壊れたものが直る
・飲んだビールが戻る
・死者が戻る
すべてが“時間を巻き戻す”ような語り口で統一されている。TRICKはしばしば、言葉の選び方そのものがトリックの設計図になります。「戻す」という語が強調されるほど、視聴者は「何が入れ替わっている?」「何がすり替わっている?」という方向へ思考が動く。

小さな手品から、いきなり“猟銃”へ飛ぶ不自然さ

ビールやロープの復元は“見世物”として段階を踏んでいるのに、証明の最終手段がいきなり「人を撃つ」なのが異常です。

普通に考えれば、ここまで大事にするなら、もっと安全な方法で証明する。なのに千田は“死”で押し切ろうとする。この性急さは、彼がこの施設で背負っている事情(焦り、立場、金)を匂わせる伏線になっています。

古川老人の「ふるさと」好き(=後で効いてくる“記憶”)

第5話ではまだ“ネタの種”に見える古川のキャラ付けですが、わざわざ「ふるさとが大好き」と強調されるのが不自然。

こういう「一見ギャグの情報」は、TRICKが一番回収してくるタイプの伏線です。歌詞の違い、覚え間違い、記憶のズレ――そういう細部が、後編で「本人は本当に本人か?」という疑いに直結していきます。

面会時間が短い/外部者を入れたがらない空気

施設側は“死なない奇跡”を見せて信者を増やしたいように見える一方で、外部の視線が長く留まることは嫌がる。

面会時間の短さなど、管理の強さが示されます。これは「奇跡を見せたい」のではなく、「見せたい範囲だけ見せたい」構造の伏線。つまり、見せていない場所に“都合の悪いもの”がある。

千田の“死”が「事件」ではなく「空気」で処理されそうになる

矢部が正論で止めたのに、施設側は「お前たちが殺した」と空気で断罪してくる。

ここがTRICKの怖さで、論理ではなく集団心理で人が追い込まれる。この“空気の暴力”が、後編で施設の全体像(誰が共犯で、何が目的か)に繋がる大事な伏線になっています。

トリック(シーズン3)5話の感想&考察

トリック(シーズン3)5話の感想&考察

第5話は、TRICKの「オカルト×科学」の中でも、科学で切り裂きにくいジャンル――“死”と“救い”を正面から置いた回でした。正直、前半は「また胡散臭い超能力者が出てきたな」くらいで見ていける

でも後半、銃が出た瞬間から、笑いが喉に引っかかって出てこなくなる。TRICKが得意な“コメディの皮をかぶったホラー”が、これでもかと濃縮されています。

「本物か?」ではなく、「本物だったらどうする?」に追い込む脚本

赤地の力の見せ方がずるいんですよね。

ビールが戻る、ロープが戻る――これだけなら「手品だろ」で済む。けれど“死者が戻る”だけは、もし本当だったら人生観が崩れる。視聴者も上田も、その一点に思考が吸い込まれる

そして第5話のラストは、真偽を判断する前に「自分たちは蘇生を止めてしまった」という感情の負債だけを残す。つまり、事件の答えより先に罪悪感がくる。ここにTRICKのいやらしさ(褒めてます)がある。

上田次郎の“弱点”が今回も鮮やかに刺される

上田はいつも、最初に「名誉」で釣られます。今回も“上田教授フェア”という美味しい餌で動く。けれど同時に、上田は「自分の理屈で世界を説明できない状況」に置かれると、急に子どもみたいに黙る瞬間がある。

赤地の“戻れ”は、その黙りを引き出す演出として機能していました。上田が負けそうになるのは、オカルトの力じゃなくて「説明できないことが起きたときの動揺」です。

その動揺があるからこそ、後編で上田が理屈に戻ってくるカタルシスが効く(はず)。第5話はそのための“落とし穴”として、きれいに設計されていると思いました。

奈緒子の立ち位置が、今回はちょっと苦しい

奈緒子って、普段は“現場の感覚”で上田の推理を補強する存在なんですが、今回は「人が死んだ(かもしれない)」を目の前にして、いつものバカ騒ぎができない。

しかも、彼女が踏み込むほど「じゃあ今すぐ千田を生き返らせろ」と正論を投げたくなる。

この正論は強いけど、相手がカルトの空気をまとっているから、正論ほど折られやすい。奈緒子が“空気の暴力”に絡め取られていく予感が、前編の時点でかなりきついんですよね。

赤地洋司が怖いのは「優しい顔で支配できる」こと

赤地は暴力的な脅しをしません。むしろ穏やかで、寄り添う声をしている。

でもだからこそ、老人たちが“自分から”従う。自分から信じる。ここが宗教と同じで、信じる側の欲望が勝手にシステムを強くする

赤地の力が本物か偽物か、という議論より、「人はなぜここまで“戻れ”に縋るのか」を描いているのが、このエピソードの核心だと思いました。

死にたくない、失いたくない、罪を消したい。そういう願いが、奇跡を必要とする。奇跡が必要な人ほど、トリックに弱い。TRICKがずっと描いている“弱さ”が、老人ホームという舞台で濃く出ています。

視聴者の反応も「怖い」「辛い」に寄る回

実際、視聴者の感想でもこの回(この章)は「ゾッとした」「辛い」という反応が目立ちます。

“面白い”と“怖い”が同居しているコメントが出てくる。TRICKの凄さって、まさにそこなんですよね。笑っていたはずなのに、最後に冷たいものだけ残る。

まとめとしての考察|この回の「死なない」は、希望ではなく“商売”の匂いがする

第5話の時点ですでに、「死なない」は希望というより“商品”に見えます。入居一時金10億という値付け、奇跡のプレゼン、信者の空気、外部者を遮断する管理。全部が「仕組み」です。

TRICKは毎回、超常現象を“解体”して終わりますが、この章の前編は解体より先に「人間の欲」を見せてくる。だから後味が悪い。だから続きが気になる。

そして最悪なのが、矢部たちの正論が“悪い結果”を呼ぶ構図。

TRICKって、正しさだけで救われない世界を、コメディの顔で描いてくる。第5話はその象徴回だと思います。次回、上田と奈緒子がこの空気をどうひっくり返すのか――前編はそのための、胸の奥に残る“鉛”を置いて終わりました。

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