ドラマ「良いこと悪いこと」を語る上で、じわじわ視聴者の注目を奪っているのが宇都見啓という存在です。
スナック「イマクニ」に通う気さくな常連──かと思いきや、第4話で突然“捜査一課の刑事”という裏の顔が判明。
そこから、宇都見をめぐる考察は一気にヒートアップし、「犯人では?」「黒幕の可能性は?」とSNSでも議論が止まりません。
彼は味方なのか、それとも事件の裏側を握るキーマンなのか。
本記事では、これまでの描写と伏線を総ざらいしながら、宇都見啓の正体に迫っていきます。
良いこと悪いことのイマクニの常連の宇都見とは

まずは、物語の中での宇都見啓という人物像を整理します。
肩書としては「スナック・イマクニの常連客」ですが、その立ち位置は、同級生グループ・警察というのレイヤーをさりげなくつなぐ、かなり特殊なポジションです。
イマクニに通う34歳の常連客
公式の人物紹介では、宇都見啓は34歳。
スナック「イマクニ」に“毎日のように通っている常連客”で、周囲には職業を「しがない公務員」と名乗っている男性として設定されています。
ドラマ序盤で観客が受け取る印象も、まさに「よくしゃべる常連のお兄さん」。
- 店主の今國一成と同世代で、カウンター越しに軽口を叩く
- キング(高木)たちの会話を聞きながら、時折ツッコミを入れる
- イマクニのレトロな空気を楽しみつつも、妙に“人の話をよく覚えている”
という、どちらかといえば緩い存在として描かれています。
この「しがない公務員」という自己紹介が、のちに「実は警視庁捜査一課の刑事でした」という大きなひっくり返しに繋がるのが、いかにも考察ドラマらしい仕掛けです。
アポロ陣営と同級生陣営をつなぐ“第三の視点”
物語構造的に見ると、ドラマは大きく三つのグループで動いています。
- 元6年1組の同級生たち(キング、園子、ターボー、ちょんまげ、ゆっきー、トヨなど)
- 週刊アポロ編集部(園子、東雲、編集長ら)
- 捜査にあたる警察サイド
このうち宇都見は、
- 「イマクニの常連」という顔で同級生サイドの内情を自然に把握している
- 実は警察サイドの人間として、事件全体を俯瞰する視点を持っている
という、非常に“位置エネルギー”の高いキャラクターです。
週刊アポロ側とは直接の職場関係はありませんが、園子や東雲が追っている過去の報道・薬物事件と、警察側の情報がどこかで結びついていく可能性は提示されており、宇都見がその橋渡し役になる余地も十分に残されていると感じます。
イマクニ常連“宇都見啓”の正体は刑事だった

続いて、視聴者をざわつかせた「正体:捜査一課の刑事」判明の流れを振り返ります。
宇都見の本当の職業が明らかになるのは第4話ラスト。ここから彼の全ての行動の意味が、一段階深いレイヤーで読み替えられていきます。
第4話ラストの衝撃
第4話のラストシーンでは、連続不審死事件を捜査する会議室で、捜査一課の刑事たちがホワイトボードを前に事件の関連性を整理しています。
その場で「どう考えても連続殺人だ」と冷静に分析している人物こそが、スナック・イマクニの常連として描かれてきた宇都見啓だった、という種明かし。
第2話で笑美から職業を聞かれた際には「しがない公務員」と答えていたため、視聴者は「公務員=役所勤めの一般人」と受け取っていた流れからの反転。
そのため、
- 宇都見がまさかの刑事だったことに驚いた
- 「公務員ってそういう意味か」と納得
- イマクニに出入りしていた理由が一気に怪しく見えてきた
といった声がSNSでも多く上がり、この瞬間が「良いこと悪いこと」の“考察スイッチ”を本格的に押したタイミングになっています。
公式プロフィールでも「イマクニに通う常連客。実は警視庁捜査一課の刑事」と明言されており、表の顔と裏の顔が完全に二重構造になっているキャラクターです。
4話についてはこちら↓

第5話以降の“刑事としての顔”
第5話以降は、宇都見が単なる“情報を拾う常連”ではなく、事件に真正面から向き合おうとする刑事として描かれていきます。
- 警察内部では、これまでの不審死が「事故」と処理されてきた状況に対し、宇都見が上司に再捜査を直談判
- 「表立っては動けない」という制約を受けながらも、連続性を示す手掛かりを探ろうとする姿勢
といった描写が続き、彼が“組織の枠に収まらないタイプの刑事”であることが強調されます。
さらに第8話では、7人目“博士”こと森智也と羽立が対峙した件を受けて、羽立の死をめぐる事情を高木たちから丁寧に聞き出そうとする姿が描かれています。
犯人の顔がはっきり見えていない状況でも、被害者側の心情に寄り添いながら話を引き出す宇都見の姿は、彼がただの“切れ者刑事”ではなく、
「警察の論理」と「被害者・加害者の感情」のあいだで揺れる良心派刑事
として造形されていることを示しています。
宇都見啓は犯人なのか?事件の黒幕かを考察

では、視聴者の間で盛り上がっている「宇都見犯人説」「宇都見黒幕説」はどこまで妥当なのか。ここからは、これまでの描写と各種考察、SNSの反応を踏まえて整理していきます。
宇都見が捜査一課の刑事だと早々に明かされたことで、「こんなに早く正体を出すのは逆に黒幕フラグでは?」という見方が一気に強まりました。実際、多くの考察ブログでも宇都見は有力候補のひとりとして名前が挙がっています。
宇都見黒幕説が生まれた理由
宇都見が怪しまれている主な理由を、いくつかのポイントに分けて整理します。
①「立場」と「情報量」が圧倒的
- 捜査一課の刑事として事件内部の情報を握っている
- イマクニの常連としてキングや今國たちの会話を日常的に聞いている
つまり、宇都見は犯人側にも捜査側にもアクセスできる“特権ポジション”。ミステリでは「両陣営の中心に自然と入り込める人物」がもっとも疑われやすく、宇都見もまさにその典型です。
② 正体判明のタイミングが“早すぎる”
第4話というまだ序盤で「実は刑事だった」が明かされた構造は、
- ここで正体を出す=さらに大きな秘密が隠れている
- 宇都見が実は“二段階目のひっくり返し”の黒幕なのでは
という疑念を自然に生みます。
考察系では「早い段階で正体を出すキャラほど、後半で大きな逆転を起こす」と指摘する人も多く、宇都見の異質さを裏付けています。
③ カンタロー襲撃との関わりを疑う声
カンタローの焼死シーンでは、警察の動きの遅さや現場の混乱ぶりから、
- 宇都見は“事件発生のタイミング”を知っていたのでは
- もしくは“動かなかった”こと自体が伏線なのでは
という推測が浮上。
特に「公開処刑」のような手口へガラッと変化した第4話が、宇都見の刑事バレ回と一致している点も、疑惑を加速させました。
④「忘れられた7人目」候補として名前が挙がった時期があった
第4話時点では、
- 小学生時代の回想で“7人目の手”が映っていた
- イマクニ常連で同級生と同年代の宇都見がその候補では?
- どこか距離感のある立場も“疎外された7人目”像に合う
という理由で、「宇都見=7人目説」も出ていました。
7話以降の展開でこの説は後退しましたが、「疑われるポジション」に宇都見が置かれていること自体が重要です。
7人目についてはこちら↓

「犯人ではなさそう」と感じるポイント
一方で、「宇都見こそ真の黒幕」と断言しきれない描写も多くあります。
① 第5話以降の行動が“黒幕の動き”と食い違う
宇都見は、
- 上司に再捜査を直談判するほど事件に前のめり
- 「表立っては動けない」と制約を受けながらも粘り強く捜査しようとしている
- 第8話では高木たちから丁寧に情報を引き出し、“森が犯人かどうか”を慎重に検証している
という、かなり正義感の強い描き方。
黒幕であれば自分の仕掛けた事件を“自分の口で疑う”矛盾が発生するため、脚本上の整合性が弱くなります。
② “7人目=森智也”が公式確定したことで、宇都見の立場が変わった
第8話でついに、
- 7人目=森智也(博士)
と明言されたことで、
- 宇都見=7人目
- 宇都見=復讐者サイドの中心
という仮説はほぼ消滅。
宇都見の位置は「同級生側の因縁」ではなく、「警察から事件に接近する第三者」というラインに絞られてきました。
現時点の個人的結論
ここまでの伏線をまとめると、宇都見像はこう整理できます。
- 連続殺人の“表側の捜査”を担う捜査一課の刑事
- イマクニの常連として、同級生グループの内情にも最も近い
- 情報量と立場ゆえに疑われやすいが、描写は“正義寄り”
- 事件の核心に近い第三者=キーパーソン
つまり、
「宇都見は黒幕ではないが、真相を暴く側の軸になる人物」
という立ち位置が最もしっくりきます。
ただし、
- カンタロー襲撃時の動きの不自然さ
- イマクニにいつから出入りしていたのか
- 連続殺人以前から“6年1組”をマークしていた可能性
など、まだ説明されていない点も多く、「完全に白」と断言するのも早い状態。
最終的に宇都見が、
- 真犯人を追いつめるヒーローになるのか
- あるいは“ある一部では加担していた”グレーキャラとして描かれるのか
脚本がどちらにも転べる余白を残したまま、後半戦へ投げ込まれている印象です。
宇都見啓のキャストは木村昴さん

宇都見啓を演じているのは、声優としても俳優としても大活躍中の木村昴さん。キャスティングそのものが、このキャラクターの“読み”を一段階深くしている点も興味深いところです。
木村昴さんといえば、国民的アニメ「ドラえもん」のジャイアン役として広く知られる声優。ドイツ出身で、声優・俳優・タレント・ラッパー・ナレーターなど多彩な肩書きを持つマルチプレイヤーです。2002年のミュージカル「アニー」で初舞台を踏み、14歳でジャイアン役に抜擢されて以降、アニメだけでなく洋画吹き替え、舞台、ドラマなど、幅広い領域で活動を続けています。
近年は実写ドラマでもコンスタントに存在感を発揮しており、「鎌倉殿の13人」「どうする家康」といった大河ドラマ、連ドラ初主演となった「クラスメイトの女子、全員好きでした」など、多様な役柄に挑戦。俳優としての表現の幅も年々広がっている印象です。
宇都見啓というキャラクターは、視聴者の“考察を促す存在”として非常に重要な役割を担っています。
- イマクニでは陽気で憎めない常連のお兄さん
- 捜査会議では、低い声で部下に指示を出す冷静な刑事
この二つの顔を、声の強さと身体的存在感で切り替える木村さんの芝居は、宇都見の二面性を鮮やかに浮かび上がらせています。
特に、ジャイアン役で培われた“強さ”のイメージが、宇都見の
- ただのムードメーカーでは終わらなそうな雰囲気
- ケンカも辞さない正義感のにおい
といったニュアンスへ自然につながっているように感じます。
SNSでも、
- 「昴くんがまさかの刑事でびっくり」
- 「ラストの刑事宇都見が格好よかった」
といった感想が多く、木村さんの演技が宇都見の“裏の顔”を魅力的に印象づけていることが伝わってきます。
宇都見啓についてまとめ
最後に、ここまでの整理を簡単にまとめます。
宇都見啓は、スナック「イマクニ」の常連として登場する34歳の男性で、当初は自らを「しがない公務員」と名乗っていました。しかし第4話ラストで、実は警視庁捜査一課の刑事であり、連続不審死事件を追う“捜査側の人間”だったことが判明。ここから一気にキャラクター像が裏返ります。
イマクニの常連という顔と、刑事としての顔を併せ持つことでキーパーソンになっている点が特徴です。事件を追う側としての立場と、同級生たちの会話を至近距離で聞ける立場を同時に持っているため、情報量も圧倒的に多いキャラクターと言えます。
その特異な立場と登場のタイミングから、「宇都見犯人説」「宇都見黒幕説」も長く囁かれていますが、第5話以降の宇都見の動き――再捜査を直談判しようとする姿勢、第8話での事情聴取における慎重なアプローチ――を見る限り、“事件を正しく扱おうとしている刑事”として描かれている印象が強いです。
このため、物語全体を操る“完全な黒幕”とは言い切れず、むしろ真相解明側の人物である可能性の方が現時点では高いと考えられます。
とはいえ、
- カンタロー襲撃時の警察の動きの遅さ
- 宇都見がいつからイマクニに張り付いていたか
- 連続殺人とは別の「もう一つの事件」に関与している可能性
など、未回収の点も多いため、キャラクターとして“隠し球”が残されている余地も十分あります。
演じる木村昴さんは、声優としての知名度と実写俳優としての存在感を武器に、宇都見の「陽気な常連」と「鋭い刑事」の二面性を説得力たっぷりに表現。視線や声の抑揚ひとつで雰囲気を切り替える演技は、キャラクターに深みを持たせています。
個人的には、宇都見は“事件の全貌をひっくり返す最後の証人”のような役割を担うのではないかと予想しています。
連続殺人そのものの黒幕は、元6年1組の内部にいる。
しかし、その影で“別の凶悪事件”や「イマクニをめぐるもう一つの犯罪」が進行しており、宇都見はそちらを追っていた——。
そんな二重構造を匂わせる描き方でもあるため、今後の話数でも、宇都見の何気ない一言や表情のカットには引き続き注目しておきたいところです。
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