探偵さん、リュック開いてますよは、一見すると力の抜けた“ほっこりミステリー”に見えます。
けれど実際に見進めていくと、このドラマが描いているのは「事件を解く話」以上に、人が抱えたまま言えなかった感情を、そっとほどいていく物語だと気づかされます。
舞台は、田舎の温泉街・西ヶ谷温泉。
廃業した旅館「ゆらぎや」を拠点に、失踪した父のあとを継いで探偵稼業を営む一ノ瀬洋輔は、奇妙で小さな依頼を、発明品と観察力で“頑張らずに”解決していきます。
松茸泥棒、町の噂、誰にも言えなかった後悔──どの事件も派手ではないのに、なぜか心に残る。
本記事では、全話のあらすじをネタバレありで整理しながら、
・各話の事件とその結末
・張り巡らされた伏線
・洋輔と「失踪した父」をめぐる縦軸の進み方
・最終回で何が語られ、何が語られなかったのか
を、初見の方にも分かりやすく解説していきます。
「ゆるいのに、なぜか刺さる」このドラマを、全話まとめて振り返りたい方は、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
【全話ネタバレ】探偵さん、リュック開いてますよのあらすじ&ネタバレ

西ヶ谷温泉の廃業旅館「ゆらぎや」を拠点に、失踪した父の跡を継ぐ探偵兼発明家・一ノ瀬洋輔が、クセの強い住人や新たな来訪者の依頼を、奇天烈な発明と独特の距離感で解決していく。
笑えて、少し切なく、最後は心がほどける“ほっこり温泉ミステリー”。
ここからは1話〜最終回までのあらすじ&ネタバレを公開していきます。
1話:松茸泥棒を捕まえろ
配信者の来訪で、探偵が“見られる側”になる導入
第1話は、外から来た配信者・南香澄が西ヶ谷温泉に入り込んだことで、洋輔の日常が「観察される側」へと反転していく導入回です。同時に、洋輔が探偵として受けた最初の依頼「松茸泥棒探し」が、ゆるい空気のままきっちり決着する構成になっています。
舞台は、西ヶ谷温泉の廃業旅館「ゆらぎや」。
失踪した父のあとを継いだ洋輔は、探偵稼業を続けながら発明にも没頭し、町の人の依頼に“ゆるく”応えて暮らしています。この町では、洋輔の発明品で移動するのが当たり前で、「ドンソク2号」のように悪口をエネルギーにする装置が、すでに日常の一部として溶け込んでいます。
南香澄の登場と「探偵をつけてみた」動画
そんな洋輔のもとに、幼なじみで不動産屋の清水としのりが“客”を連れてやって来ます。相手は田舎暮らし系の動画配信者・南香澄で、「ゆらぎやの一室を貸してほしい」と頼まれますが、洋輔は即座に断ります。
しかし香澄は引き下がらず、洋輔を追いかけて動画を撮影。「探偵をつけてみた」という投稿がプチバズしたことで、香澄の中で「この町はいける」という確信が固まっていきます。
町には口の悪い商店の娘・酒井あおい、洋輔とつるむ室町圭などクセの強い人物が多く、香澄のカメラは自然と洋輔の周囲を映し取っていきます。
松茸泥棒の依頼と、不穏な脅し
一方で、探偵としての洋輔は松茸農家・山村康一から「松茸泥棒を探してほしい」という依頼を受けて動き出します。ところが調査の途中、洋輔は何者かに車へ連れ込まれ、「これ以上、松茸業界に踏み込むな」と脅される事態に。
翌日、洋輔と山村は警察へ相談に行きますが、まともに取り合ってもらえません。そこで登場するのが、定年間近の刑事・春藤慶太郎です。
春藤は自らの余命が長くないことを打ち明け、「現場で死なせてくれ」と語ることで、ゆるい空気の裏側に静かな切実さを差し込んできます。
香澄の交渉と、ゆらぎやへの居着き
香澄は、洋輔が連れ去られた車のナンバーを目撃していました。
その情報提供の対価として香澄が求めたのは、ゆらぎやの「ウグイスの間」をしばらく貸すこと。洋輔は渋々受け入れ、香澄は事実上、泊まり込みで洋輔の生活圏に入り込む形になります。
洋輔は風呂場を掃除しつつ、山村の家で足形を採取し、松茸泥棒を捕まえるための発明に着手していきます。
山での追跡と、奇天烈なクライマックス
翌日、決戦の舞台は山へ。
山村は“わざと情報を流して”犯人を誘い出す作戦に出ますが、いざ囲まれると怖気づいてしまいます。そこへ香澄が撮影していたことが露見し、泥棒たちは逃走。
洋輔は追跡のため、山道を速く進める発明品「ニュー山村バランス」を投入しますが、履き慣れておらず思うように走れません。最終的に洋輔はリュックの紐を引き、ロケットのように飛び上がるという奇天烈な手段に出るものの、エンジン切れで落下し、土に半身が埋まってしまいます。
真相は「身内のこじれ」、そして次回へ
最終的に捕まった松茸泥棒は、山村にそっくりな“身内”でした。
真相は山の相続を巡る兄弟ゲンカで、弟が妬みから松茸を盗み、「NMOH」を名乗って騒ぎを大きくしていた、という形で第1話の事件は決着します。
事件はほっこりと収束しますが、香澄がカメラを手放さない限り、洋輔の周囲には「外部の視線」が残り続ける。失踪した父の謎も含めて、この町の“ゆるいのに怪しい”空気は、次回へと引き継がれていきます
1話の伏線
- 洋輔が「失踪した父の後を継いで探偵をしている」という前提
- 香澄の“撮る”という行為(尾行・投稿・拡散)が事件を動かす装置になっている点
- 洋輔が車に連れ込まれ、「松茸業界に踏み込むな」と脅された出来事
- 春藤慶太郎の余命設定と「現場で死にたい」という言葉
- 香澄が「ウグイスの間」を借り、よそ者から住人側へ踏み込んだこと
- 発明品が日常に溶け込む独自ルール(悪口が燃料、リュックで飛ぶなど)
- 山村の弟が名乗った「NMOH」という存在の未回収

2話:サステナブルボーイmeets地底人
新聞部の取材と、たいようの怒り
第2話は、洋輔の事務所に“小学校の新聞部”が取材に来る場面から始まります。
子どもたちの中でも田上たいようだけは、大人に対して異様に厳しい。洋輔の発明話にも「のんきな大人は地球を壊した側だろ」と噛みつくように言い放ち、環境問題に本気で向き合う姿勢の裏に、強い怒りを抱えていることが伝わってきます。
ドンソクが火をつけた“地底人依頼”
洋輔が“悪口を燃料にするサステナブルな乗り物”ドンソクを披露した瞬間、たいようの態度は一変します。「それが作れるなら、地底人も探せるはずだ」と、突拍子もない依頼を持ち出す。たいようは本気で、持続可能な未来のためには“地底人の知恵”が必要だと信じているのです。
洋輔は即座に「地底人なんていない」と否定しますが、香澄や清水、室町から「子どもの真剣さを最初に否定するな」と責められ、少し反省モードに入ります。
スケートリンクの少女が示す“否定しない距離”
室町が洋輔を連れて行ったのはスケートリンク。最近出会った14歳の少女が、やたらと達観していて、室町が思わず懺悔してしまったというエピソードが語られます。
大人が中学生に懺悔するという異様さは笑える一方で、少女の空気感は「否定から入るのも、嘘で安心させるのも違う」という絶妙な距離を示してくれる。洋輔はここで、自分がたいようを“即否定”したことを悔い、きちんと向き合う決意を固めます。
地底人の正体と、清水の軽い罪
香澄はたいようの行動原理を探る中で、たいようが店番をする精肉店に“長身の男”が現れ、環境問題の話を吹き込み、北欧の活動家の少女を引き合いに出していたと突き止めます。
その正体は、洋輔の幼なじみ・清水としのり。
清水の軽いいたずらとしての“地底人話”が、たいようの「大人は信用できない」という怒りと結びつき、学校に行かないレベルの抗議へ膨らんでいたのです。清水は反省し、たいように直接謝りに行く流れになります。
本当の問題は“家の中”
しかし今回の本題は地底人ではありません。たいようの家は精肉店を営んでいるのに、父は仕事をたいように任せて外出してばかり。たいようは「ちゃんと働いてほしい」と言いたいのに、怖くて言えない。
大人や社会に怒っているようで、実は“いちばん言いたい相手”は家の中にいる。この構図が、たいようの怒りの正体として浮かび上がります。
発明で背中を押す、洋輔なりの答え
洋輔が出した答えは説教ではなく発明でした。室町に装置を付けて“勇気を絞り出す”という少しホラーな機械を作り、たいようには“勇気の飲み物”を渡します。
父が再び店番を押し付けて出かけようとした瞬間、たいようはそれを飲み干し、「働け!ちゃんと働け!」と本音をぶつける。父は一瞬固まり、最後にはたいようを抱きしめる。
オチとして、勇気の飲み物の正体はブドウジュース。それでも背中を押されたのは本物で、第2話は“言えなかった一言が言えた瞬間”で静かに着地します。
2話の伏線
- 清水としのりの軽いいたずらが、子どもを本気で追い詰めかけたこと
- ドンソクが示す「負の感情をエネルギーに変える」世界観
- スケートリンクの14歳の少女という“懺悔を受け止める存在”
- 勇気を絞り出す機械という発明思想
- たいようの父の変化が一時的なものかどうか
2話のネタバレについてはこちら↓

3話:繭の怪死と暗号、FBI来襲
繭に包まれた連続死と、解けない暗号
西ヶ谷温泉で、繭(まゆ)のような謎の物体に包まれた遺体が相次いで発見される。
しかも現場には毎回、図形と文字が入り混じった“暗号らしきメモ”が残されているのに、警察も専門家も解読できない。
これまでの“ゆるい依頼”とは明らかに温度が違う不気味さで、町全体がざわつき、捜査は一気に袋小路に追い込まれる。
洋輔、解けない暗号に追い詰められる
ベテラン刑事・春藤慶太郎は、探偵兼発明家の一ノ瀬洋輔に「読めないものを読んでくれ」と無茶ぶりを投げる。
洋輔も思考を巡らせるが、暗号に規則性が見いだせない。三日三晩ほぼ眠らず机に張り付いても答えに辿り着けず、ついには布団にくるまって現実逃避する始末。“探偵なのに解けない”という、シリーズでも珍しい行き詰まり方を見せる。
クイズ王の死が示す、暗号の正体
突破口として浮上したのが、昭和の終わりに名を馳せた“クイズ王”。
洋輔は清水としのり、室町圭とともに自宅を訪ねるが、扉の向こうで待っていたのは解答ではなく、繭に包まれて死亡したクイズ王の遺体だった。暗号が「犯人からの挑戦状」ではなく、「何かに寄生された痕跡」だとしたら――事件の性質が一段変わって見えてくる。
FBI捜査官の来日と、場違いな温泉騒動
同じ頃、事件を嗅ぎつけたFBI捜査官リンダとマイクが来日する。
しかし2人は捜査より観光ノリで、温泉に入り記念撮影をするなど自由奔放。
現場で“何か”を回収したかと思えば、仕事は終わりだと言って引き上げようとする。春藤は手綱を握れず、接待も含めて洋輔の旅館に丸投げされ、温泉街の空気はさらにカオス化していく。
幽霊との遭遇と、発明の空回り
追い打ちをかけるように、旅館の風呂場で南香澄が目撃したのは、亡くなったはずのクイズ王の幽霊だった。
情報を引き出そうと、洋輔は幽霊と交信する装置を発明するが、会話は噛み合わず核心には届かない。時間だけが削られ、事態は悪化していく。
生命体の正体と、歌による解決
農園で悲鳴が上がり、今度はリンダが繭に包まれて死亡。さらに春藤まで繭に絡め取られて倒れてしまう。
マイクは原因を「宇宙から来た生命体」だと断言し、対抗策を探る中、農家の発想が突破口になる。「生き物なら、優しい音を嫌がらないか?」――春藤の娘・ふーこの歌声を防災無線で流すと、繭はほどけ、生命体は空へ去っていった。
事件後に残る“日常の異物”
事件が終息した後、マイクはスーツを脱ぎ、町の格好で現れる。「ただいま」と言わんばかりに西ヶ谷に残留し、洋輔の旅館の住民として日常に溶け込んでいく。
非日常が終わったはずなのに、町には確実に“何か”が残った感触だけが残る。
3話の伏線
- 暗号は「解く」ものではなく「痕跡」だった可能性:人間の言語として成立していないなら、次に同種の事件が起きたとき“解読”ではなく“パターン照合”が鍵になりそう。
- FBIが“なぜ”西ヶ谷温泉の怪死に来たのか:国内案件なのに来日した時点で、過去にも類似例があった(追跡対象が別にいた)線が濃い。
- 現場で回収した“何か”の正体:サンプル採取に見えた動きは、後から「証拠」になるか「感染源」になるかで意味が変わる。
- リンダが狙われた(消された)順番:捜査官が早々に犠牲になることで、敵の“学習能力”や“排除ロジック”が示された可能性。
- クイズ王の幽霊が出た理由:幽霊がいる世界観なら、今後“亡くなった側の証言”が武器にも凶器にもなる。なのに今回は情報が取れない=まだ仕掛けが隠れている。
- 幽霊交信装置は使い捨てで終わらない:発明が物語の道具として残るなら、別件(失踪した父の線や、町の過去)にも転用される余地がある。
- 「歌」でほどけた繭=音が生命体に効く設定:今回は優しい歌だったが、逆に“特定の周波数”“町の放送網”が今後の防衛線になる可能性。
- マイクが住民として残る意味:外から来た人間が“町の日常”に溶けるほど、次に来る異物(事件)はもっと大きい…という予兆にも見える。
3話のネタバレはこちら↓

4話:Welcome to NISHIGAYA From 戦国
西ヶ谷温泉に弓矢を構えた不審者が現れ、自らを真田幸村に仕える「真田十勇士」の穴山小助だと名乗る。
目的は驚くほど単純で、「戦国時代に戻りたい」という一点だけ。ただ、この一直線さが逆に怖い。逃げるための嘘なら、もっと言葉を濁す。覚悟のある人間ほど、願いを短い言葉で言い切る。
対応に困った春藤慶太郎は、探偵兼発明家・一ノ瀬洋輔に小助を預ける形を取る。洋輔も半信半疑ではあるが、相手の眼差しが芝居に見えない以上、切り捨てるほうが雑だと判断する。
「十」ではなく「九」が削る、小助の居場所
洋輔は清水としのり、室町圭を巻き込み、小助が「ここで時代がズレた」と語る温泉へ同行する。
そこで目に入るのが、“真田九勇士”の顔ハメパネル。十勇士ではなく九。冗談のようでいて、小助の自尊心を静かに削る違和感だ。
その一方で、洋輔はもっと現実的に危険なものを拾う。戦国時代のものらしき「石」。もしこれが過去のエネルギーを持つなら、帰還の鍵になるかもしれない。ここで洋輔の思考が“発明脳”に切り替わるのは自然だった。
「帰りたい」がねじれていく過程
この回の肝は、小助の「帰りたい」という願いが、物語の途中で歪んでいく点にある。
小助は現代への順応が異様に早い。温泉Tシャツを着こなし、悪口が燃料の乗り物「ドンソク」を乗り回し、酒井あおいの店ではバーコード決済で買い物までしてしまう。
町の人間関係にも自然に溶け込み、「小助ちゃん」と呼ばれる頃には、もはや迷い人ではなく“住民”の顔をしている。だからこそ、タイムマシンが完成した瞬間に口から出る「いやじゃ(帰りたくない)」が強く響く。
願いが叶うはずの場面で本音が反転することで、小助の目的が「帰る」ではなく「居場所を取り戻す」ことだった可能性が浮かび上がる。
発明では越えられない「時間」という壁
結末はさらに一段ズラしてくる。
完成したタイムマシンは試運転で室町を巻き込みはするものの、結局うまく作動しない。発明で多くの問題をこじ開けてきた洋輔でも、“時間”だけは曲げられない。その限界が、はっきり示される。
幸村の一言が断ち切る主従の時間
失敗の余韻を抱えたまま温泉に浸かる小助の前に、人影が現れる。
現れたのは、真田幸村本人だった。幸村は、小助が戻ろうとする気持ちを見透かしたように、過去はもう過去だと告げる。戻っても救えない、戻る必要もない。その温度感が残酷で、同時に優しい。
ギャグ回の顔をしながら、主従の決別を一瞬で描き切る構成が渋い。幸村が去った後、小助は「帰れない」現実を受け入れ、西ヶ谷温泉で生きる選択をする。
小助の物語は解決ではなく“固定”で終わる。
だからこそ、この回は静かな余韻を残す。
4話の伏線
- 「真田九勇士」というズレ:十勇士じゃない違和感は、単なるギャグにも見えるけど、“この町では史実すら歪む”という世界観提示にもなる。
- 戦国の石:今回限りの小道具にしては、設定が具体的すぎる。今後、別の“異物”や失踪事件と結びつく可能性がある。
- タイムマシンが失敗した事実:成功してないのが大事。成功してしまうと何でもアリになるが、失敗したことで「時間は簡単に戻らない」というルールが立つ。
- 小助の“定住”:新キャラが「また来る」じゃなく「住む」を選んだ時点で、町そのものが“避難所”になっている。新たな迷い人が増える流れの前振り。
- 幸村の登場タイミング:説明されないほど怪しい。実体なのか、町の誰かの仕掛けなのか、あるいは“見せられた”のか。ここは後で意味づけされる余地が大きい。
4話のネタバレについてはこちら↓

5話:Electric 蟻電流 スチームdeathボイス
第5話は、温泉街に起きている“変化”と、そこに溜まり続けてきた“怒り”が一本に繋がる回だった。
洋輔は、廃業した実家の温泉宿「ゆらぎや」を売りに出す決意を固めるものの、実際に買い手が現れた途端、その判断に迷いが生じる。
同じ頃、看板娘のあおいも店を畳む決断を下し、西ヶ谷温泉には落ち着かない空気が広がっていく。
温泉街を揺るがす殺人事件の発生
そんな最中、町の温泉で殺人事件が起きる。
被害者は“ハイパー温泉クリエイター”として名を売っていた男で、発見された遺体は茹で上がった状態だった。春藤たちが捜査に当たるが、目撃者も物的証拠も乏しく、事件は難航する。
事件当時に何が起きたのか。その全てを知っているのは、現場となった温泉の「お湯」だけという、常識外れの状況に行き着く。
「お湯に事情聴取する」発明の誕生
そこで洋輔が持ち出したのが、飛猿の体毛から発見された“とてつもない電流を放つ蟻”を利用した発明だった。
温泉のお湯と会話できる装置「OU翻訳機」を完成させ、前代未聞の“お湯への事情聴取”を試みる。
しかし捜査は一筋縄ではいかない。
お湯は被害者の無礼な行動を思い出して激昂し、熱湯を浴びせて反撃。発明品が蟻ごと湯船に沈んで声が途切れたり、予備の蟻が事故で失われたりと、事態は終始ドタバタだ。それでも飛猿が新たな蟻を確保し、洋輔たちは再びお湯と向き合う。
暴露される町の事情と、語られない真相
やがてお湯の声は、事件の枠を超えて町中へと響き始める。
再開発によって家や土地を手放す住民たちの事情まで次々と“暴露”され、西ヶ谷温泉が抱えてきた現実が浮かび上がる。
ただし、肝心の殺人事件の真相だけは語られない。
洋輔が問い詰めても、お湯ははぐらかし続ける。
「裸の付き合い」で対峙する洋輔
そこで洋輔は、理屈ではなく“裸の付き合い”を選ぶ。
熱々の温泉に自ら浸かり、お湯と一対一で向き合う決断をする。
お湯は、雲から落ち、草木を伝い、地面に染み込み、温泉になるまで「80年かかった」と語り出す。それに対し洋輔も、「旅館には2億円の値がついた」と、自分が抱えてきた本音を明かす。
犯人は“人間ではなく温泉”
そして、お湯はついに白状する。
被害者の男が泡の出る入浴剤を温泉に入れたことが、どうしても許せなかった。怒りで温度を極限まで上げ、男を茹で上げた。
犯人は人間ではなく、温泉そのものだった。
事件の決着と同時に、洋輔自身の迷いにも答えが見え始める。町が変わっていくほど、自分が守りたい場所の輪郭はより濃くなる。
洋輔は「ゆらぎや」を手放す方向へ一気に進むのをいったん止め、温泉街の未来と向き合う側へ舵を切る。その選択こそが、第5話の静かな着地点だった。
5話の伏線
- 温泉街の再開発(買収の波):お湯が「町が変わる」ことに強く反応し、住民側の事情まで表に出た。誰が土地をまとめ、何を作ろうとしているのかは未回収。
- 「ゆらぎや」売却の迷い:買い手が見つかったのに踏み切れない、という“心のブレーキ”が明確に出た。売却話そのものが次の揉め事の種になり得る。
- お湯が公共放送レベルで“声”を広げられる:自然物が感情を持ち、町を動かすほど影響を出せる世界観。次に“喋る側”に回るのは何か、発明品がどこまで拡張されるかが気になる。
- 飛猿の電流蟻=発明の燃料:蟻がいなくなると捜査が止まるほど、発明の根幹に食い込んだ。今後「入手経路」や「生態」が伏線になる可能性。
- お湯の“80年”という時間感覚:人間の都合で一瞬に変えられる開発と、自然の時間の対比が強調された。終盤のテーマ回収に繋がりそう。
5話のネタバレはこちら↓

6話:初恋の人と22年ぶり再会、疑惑の夫を追う
第6話は、事件解決の快感よりも「過去の恋の後始末」に重心が置かれた回だった。
鍵になるのは、22年前のラブレターと、室町が「禁断」とまで呼ぶ“両思い”の発明品だ。恋愛回に見せながら、実際は「過去の選択をどう回収するか」という問いで組み立てられている。
返事をしなかった理由と、説明できない沈黙
“思い出の人”と再会する番組に呼ばれた洋輔は、スタジオで高校時代の同級生・神林リカと22年ぶりに対面する。相手は今や人気女優。
MCから「なぜ返事をしなかったのか」と核心を突かれても、洋輔は言葉にできず沈黙してしまう。
緊張が限界に達し、「帰ります」と口走り、本当に帰ろうとしてスタッフに止められるほどだ。結局、まともに説明できないまま放送は終わる。
ここで露わになるのは、洋輔が“過去を整理できないまま大人になった”という事実だ。
室町の怒りと“禁断の発明品”の影
西ヶ谷温泉では、その放送を見た清水と香澄が“青春の続き”に盛り上がる。一方で室町だけは怒りに震える。室町は当時、リカに片思いしており、洋輔に「両思いになれる機械」を作らせた張本人だった。
室町が使わなかったその装置を、洋輔がこっそり作動させた。室町の中ではそういう“結末”になっている。
ここで恋の話が、発明の倫理へと接続する。両思いが生まれたのは気持ちなのか、仕掛けなのか。その曖昧さが、室町の怒りの燃料になっていく。
夫の素行調査が、デートのように転ぶ
そんなタイミングでリカから洋輔に連絡が入る。依頼は、夫・タカシの素行調査だった。
タカシが立ち寄った店を追い、行動を確かめる二人。しかし判明したのは「相手は男3人だった」という肩透かしで、浮気の線は薄いと見える。
それでもリカは“女の勘”を捨てきれない。二人は食事やクレープを挟みながら、どこかデートのような時間を過ごしていく。調査の体裁で、過去の距離が縮んでしまう構図がここにある。
衝動が勝つ「強制送還」と、現在への接続
別れ際、修学旅行生に囲まれて身動きが取れなくなったリカが、「西ヶ谷温泉に帰ってみたい」とこぼす。
この瞬間、洋輔は衝動で動く。彼女を抱きかかえ、ロケットマンのように飛べる発明品で西ヶ谷へ“強制送還”する。理性より、あの頃の勢いが勝ってしまうのが洋輔らしい。
だがそこでタカシが現れる。追っていたはずの夫が、なぜここにいるのか。
混乱するリカにタカシが差し出したのはヘッドホンだった。タカシはドラマの音撮りの仕事で学校に来ており、チャイムや生徒の声を録音していた。
ヘッドホン越しの懐かしい音を聞いたリカの表情は、疑いから「思い出」へゆっくり切り替わっていく。
両思い機と、回収される22年
終盤で高校時代の回想が挟まれる。
洋輔は室町のために“両思い機”を発明したが、結局そのボタンを押したのは洋輔自身だった。
機械がきっかけだったとしても、リカの洋輔への淡い気持ちは消えきらなかった。洋輔もまた、返事をしなかった理由を抱えたまま大人になっていた。三角関係の誤解も、夫婦の疑念も、最後はメリーゴーランドの回転に乗せて一度リセットされる。
洋輔が過去を認め、リカが現在を選び直す。
第6話は、事件を解く回ではなく、過去を引き受ける回として静かに効いてくるエピソードだった。
6話の伏線
- “両思い機”=人の心を動かす発明の後遺症:洋輔は一度「人の感情に介入する」領域に踏み込んだ。今後の発明がどこまで許されるのか、倫理ラインの揺れが残る。
- リカは「誰かから聞いて」真相を知っていた:洋輔がボタンを押した事実を、リカは昔から把握していた。誰が伝えたのか(室町か、別の同級生か)は未確定で、回収の余地がある。
- 室町の怒りはまだ鎮火していない:過去の片思いが、現在の関係性に“歪み”として残るタイプ。次の依頼や対立の火種になり得る。
- タカシの「音」を集める仕事:音=記憶のスイッチとして機能した。洋輔の失踪した父や研究の背景と、どこかで接続してくる可能性もある。
6話のネタバレについてはこちら↓

7話:Lost Cat Days 探偵|“イズミ”の正体と、猫探偵の追跡劇
第7話は、入口が「迷い猫が来た」なのに、着地が「働き方と契約の話」になる。
そのズレが、このドラマの“ゆるさ”の強さだ。猫の可愛さに癒されながら、最後はちゃんと現実に引き戻される。だから見終わったあとに、じわっと残る。
迷い猫イズミが持ち込む、ゆらぎやの空気の変化
洋輔の探偵事務所兼住居「ゆらぎや」に、1匹の猫が迷い込む。
猫探しの依頼を受ける洋輔本人は、過去のトラウマで猫が大の苦手。追い出したいが外は雨、同居人たちはすっかり猫を気に入ってしまい、ゆらぎやは一気に“猫中心の空気”になる。
この回のいいところは、事件が起きる前に、生活がまず揺れることだ。
猫がいるだけで人の優先順位が変わり、家の温度も変わる。そこに洋輔の弱点が刺さる。
猫嫌い克服が早すぎることで、洋輔の危うさも映る
困り果てた洋輔は、14歳の元フィギュアスケーター・北由香里に相談する。
由香里の「今の猫は、昔の猫とは違う」という整理が効いて、洋輔は勇気を振り絞って猫に触れる。すると猫嫌いから一転、あっさりメロメロ。“イズミ”と名付けて溺愛し、自作の猫じゃらしまで発明する。
ここは笑える一方で、洋輔の危うさも出る。
トラウマは本来そんなに簡単に消えないのに、洋輔は怖い対象ほど「理解して距離を詰める」ことで乗り越えようとする。克服の軽さが、逆に“突っ込みすぎる性格”を照らしている。
刺青男の登場で、空気が一段きな臭くなる
西ヶ谷温泉に、背中一面に猫の刺青を入れた男が現れる。
清水と室町が「怖いのか、でも猫だぞ!?」で堂々巡りする会話が妙にリアルで、笑いながらも不穏な前触れとして機能する。
刺青男はどうやら“イズミ”を探している。
ここで「かわいい迷い猫」が「追われる存在」に変わり、物語のジャンルが少しだけズレる。
猫語翻訳アンテナが暴く、イズミの正体
真相を確かめるため、洋輔が持ち出すのが“猫語翻訳アンテナ”。
猫と会話できるようになると、イズミは「僕はテディ」と答える。脱走した人気タレント猫・テディ本人だった。
さらにテディが語るのは、タレント猫業界の過酷な実態だ。
「撮影に行きたくない」「朝から晩まで仕事」「罵倒」「予定外の案件」「逆らえば干される」。言い分が人間くさすぎて笑えるのに、同時に笑えない刺さり方がある。ここで回の芯が「猫の話」から「働かされる側の話」へ移る。
猫探偵の追跡劇が、“保護”を単純化させない
刺青男=“猫探偵”が迫り、ゆらぎやメンバー総出の逃走劇に突入する。
清水や室町を含め、西ヶ谷温泉の面々が次々とやられていく中、洋輔はリュックに仕込んだジェットでテディを抱えて空へ逃げる。
「猫が空を飛ぶ」画面のバカバカしさを、ちゃんと“必死の保護”に見せるバランスが巧い。
逃走がギャグで終わらず、「守りたい」という必死さに変換されるから、追跡劇が物語の熱になる。
結論は救出ではなく、契約の結び直し
追い詰められる中でテディは、「仕事が嫌いなわけじゃない。変えたい」と意思を言葉にする。
ここが第7話の芯だ。連れ戻して終わりではなく、“本人(猫)の意思”を確認して、条件を整えて再スタートを切る。
最後はマネージャーが駆け込み、翻訳アンテナを介してテディの気持ちを理解したうえで、契約を結び直す流れで着地する。
保護=正義、逃走=悪、という単純化をしない。だからこの回は、ゆるいのにちゃんと現実の話として残る。
テディが本音を言語化する展開は、洋輔自身へのブーメランにも見える。
怖いものを翻訳して理解するだけでは、本当の自由には届かない。第7話は、その一歩手前までを“猫”で描いた回だった。
7話の伏線
- 猫語翻訳アンテナは、「言葉にならない本音」を可視化する発明として強烈に印象づいたので、最終回の“決断”や“すれ違い”の局面で再利用されてもおかしくない。
- テディの「仕事は嫌いじゃない、でも条件を変えたい」という落としどころは、洋輔が迫られている“生き方の選択”ときれいに重なる(残る/行く、続ける/戻るの二択じゃなく、条件交渉の発想)。
- 次回予告では、母・恵美の帰国と“アメリカの同僚からの手紙”、さらに清水の大ピンチが示され、ゆらぎや再開と進路の天秤が本格的に動きそう。
- “日本猫協会組合の猫探偵”という裏設定が出たことで、西ヶ谷温泉にはまだ変なプロ集団が潜んでいそうで、世界観の広がりも残した。
7話のネタバレについてはこちら↓

8話(最終回):おにぎりにした悲しみは
第8話は、ゆらぎや再開へ動き出した洋輔が「外の世界」に引っ張られながら、最後は“ここにいる理由”を自分の手で確かめ直す最終回だった。
派手な大事件で締めず、暮らしの延長線で腹を括る。その着地の静けさが、後から効いてくる。
ロケットの誘いが突きつけた「外」と「今」の分岐
南香澄たち同居人の勢いに押され、洋輔は廃業した温泉宿「ゆらぎや」を本気で立て直す方向へ舵を切る。そこへ世界を旅していた母・恵美が帰国し、アメリカ時代の同僚からの手紙を渡してくる。内容は、かつて洋輔と取り組んだ「人の悪口をエネルギーにしたロケット」を再始動したい、という誘いだった。
発明家としての血が騒ぐ一方で、温泉街の“いま”から離れていいのか。
洋輔の迷いが、最終回でいちばんはっきり形になる。
西ヶ谷温泉のゆるさが、最後まで“生活”を守る
一方で、西ヶ谷温泉の空気は最後までゆるい。共同浴場では無口すぎる謎の男・飛猿が突然しゃべりだし、「その蟻は俺と美子の愛の結晶だ」と言い放つ。しかも毛深い“奥さん”まで登場し、周囲が「奥さんいたんだな」とざわつく。
事件の緊張を引きずらない。
この作品が最後まで「町の呼吸」で終わろうとしているのが、ここでも分かる。
“悪口の反対側”に置かれた、あおいの「ありがとう」
香澄の「悪口チャンネル」も最終回らしい着地をする。
口の悪さで鎧を着ていたあおいが、撮影中にふっと黙り込み、「……ありがとう」と言ってしまう。町から出られない事情や腐っていた自分を認めたうえで、それでも友だちになってくれた香澄に感謝する。
悪口が燃料になる発明が象徴だったこの作品で、最後に“悪口の反対側”を置いてきたのが効いている。言葉は人を削るが、同じ言葉で救われることもある。その両方を残して終わらせる。
ばくだんおにぎりは「解決アイテム」ではなく洋輔の原点
事件は清水の「壁に挟まった」一本で全部持っていく。みんなで『おおきなかぶ』みたいに引っ張っても抜けない。そこで洋輔が作ったのが、おにぎり型の爆弾だ。
母の口から、洋輔の最初の発明が“ばくだんおにぎり”発想の爆弾だったこと、周りに怒られても父だけは褒めていたことが明かされる。
だからこの爆弾は、単なる解決アイテムではなく、洋輔の原点そのものになる。
ところが清水は、挟まっている間に痩せたことで自力脱出してしまい、爆弾の出番が消える。解決のための爆弾が、解決に使われない。ここで物語は「結果」より「気持ち」のほうへ寄っていく。
誰も傷つけない爆発が、父の不在を束ねる
洋輔は人のいない場所で爆弾を投げ、爆発の煙の向こうから“父の影”を見る。洋輔が「あなたに褒められたくて」とこぼす瞬間、全話で積み上げてきた「父の不在」と「評価への渇き」が一気に束ねられる。
ここで刺さるのは、「解決のための爆弾」が結局“誰も傷つけない場所”で爆発するところだ。派手に何かを壊してカタをつけるのではなく、爆発の余韻だけが残り、そこに父の面影が差し込む。
才能は確かにあるのに、それを振りかざすほど大人になり切れていない洋輔の温度が、そのまま映る。
「ここにいること」を選び直す最終回
結局、洋輔は西ヶ谷温泉に残り、ゆらぎや再開と探偵稼業を続ける道を選ぶ。シークレットゲストとしてオダギリジョーが登場し、“外”の眩しさをチラつかせつつも、最後は大事件で締めずに暮らしの延長線で終わらせた。
ロケット計画を断ち切ったわけでも、父を取り戻したわけでもない。
それでも見終わったあとに温度だけが残るのは、このドラマが事件解決より先に「人が腹を括る瞬間」を撮りたかったからだと思う。人生の詰まりも、清水が痩せてスッと抜けたみたいに、時間と誰かの手で少しずつ緩むのかもしれない。そんな余韻を置いて終わった。
8話の伏線
最終回で大きく動いた一方、あえて余白として残した要素もある。
- 父の失踪の真相
父の失踪は「影」を見せただけで結論は出ていない。幻なのか、生存のサインなのかで意味が変わる。もし続編があるなら最優先の回収ポイントになる。
- 悪口エネルギーのロケット計画
洋輔は残ったが、手紙は消えていない。発明家としての未来はまだ分岐のままで、ゆらぎや再開とどちらが本業になるのかも含め、先の物語を呼び込む仕掛けとして残る。
- あおいが町を出られなかった理由の奥
あおいは「ありがとう」で町に根を張る気配を見せたが、彼女が出られなかった理由の奥までは語り切っていない。母との関係など、核心が解けたときに“悪口の鎧”がどう変わるかが次の焦点になる。
ドラマ「探偵さん、リュック開いてますよ」の主要キャスト

舞台は田舎の温泉街「西ヶ谷温泉」。廃業した温泉旅館「ゆらぎや」を拠点に、探偵兼発明家が“ヘンテコ依頼”をゆるく解決していく、ほっこり系のヒューマンミステリーです。
ここでは、主要キャストを「誰が・どの立場で・物語をどう動かすのか」が分かるように整理します。
一ノ瀬洋輔(松田龍平)|探偵兼発明家・ゆらぎやの主
本作の中心人物。失踪した父のあとを継ぎ、探偵業を営みながら発明にも没頭している男です。実家である温泉旅館「ゆらぎや」を、そのまま事務所兼住居として使っており、事件や人間関係は自然とここに集まってきます。
洋輔の最大の特徴は、探偵らしからぬ“抜け感”。普段はぼんやりしていて、外出時はリュックが開きっぱなしという緩さが、作品全体の温度を決めています。
一方で、かつてアメリカで「負の感情をエネルギーに変える研究」を成功させた過去を持ち、この設定は物語後半や最終回を考える上で重要な軸になっていきます。
酒井あおい(髙橋ひかる)|フレッシュマート酒井の看板娘・町の“税関役”
西ヶ谷温泉の商店「フレッシュマート酒井」の看板娘。
愛想は薄く口も悪いものの、実は世話焼きで頼られる存在です。外から来た人間に対しては容赦なく、本音でぶつかるため、町の“空気”をそのまま体現するキャラクター。
よそ者に厳しい分、物語では最初の壁であり、同時に正しい道を示す案内役にもなります。洋輔のゆるさと対照的な存在として、物語のバランスを取る役割を担います。
清水としのり(大倉孝二)|幼なじみの不動産屋・トラブルメーカー枠
洋輔の中学時代からの腐れ縁。不動産屋として働いていますが、田舎町ゆえに暇を持て余しがちで、適当な性格が原因で問題を引き起こしやすい人物です。
その結果、洋輔を事件や依頼に巻き込む“導線”として機能します。
物件話で人を連れてきたり、町の噂を運んできたりと、ストーリーを動かすための便利な役回りを担う存在です。
室町圭(水澤紳吾)|射的屋の跡取り・親友トリオの常識人
洋輔・清水と同級生で、実家の射的屋を継いでいます。
三人組の中では比較的常識人で、ツッコミ役・落ち着き担当。地元の友人としての存在感が、洋輔を“特別な探偵”ではなく、町に根付いた一人の人間として見せてくれます。
南香澄(片山友希)|田舎暮らし系動画配信者・外から来た観察者
田舎暮らし系の人気動画配信者。西ヶ谷温泉にやって来て「ゆらぎや」に住みたいと申し出るも、一度は断られます。それでも洋輔に興味を持ち、「探偵をつけてみた」動画を投稿して注目を集め、そのまま洋輔周辺を追い続ける存在になります。
香澄は視聴者と同じ“外からの目線”を担い、町の違和感や洋輔の魅力を浮かび上がらせる役割。新しい風を町に入れる導火線的存在です。
春藤慶太郎(光石研)|余命宣告の刑事・父と洋輔をつなぐ要
定年間近のベテラン刑事で、余命宣告を受けている人物。「現場で死なせてくれ」と軽口を叩きながら、実は洋輔を頼りにしている存在です。
さらに重要なのは、春藤が洋輔の失踪した父と親しかった点。父の過去や失踪の謎に触れられる数少ない人物であり、最終盤で物語を大きく動かす鍵を握る可能性があります。
追加キャスト(原田美枝子/濱田岳/夏帆/中島歩/きたろう/村雨辰剛)
後半に向けて登場する追加キャスト陣。
役柄の詳細は伏せられていますが、物語をかき乱す存在として投入される配置です。中でも原田美枝子は、洋輔や父の失踪と深く関わる重要人物になる可能性が高く、全話を通した縦軸に強く関与していきそうです。
ドラマ「探偵さん、リュック開いてますよ」の最終回の結末予想

ここからは未放送ぶんも含めた結末予想です(確定情報ではありません)。
ただし、作品が最初から提示している設定やトーンはかなり明確なので、そこを整理すると最終回の着地点はある程度見えてきます。
まず、現時点での僕の結論(予想)はこの3点です。
- 最終回では「失踪した父」に関する情報が動き、洋輔が“継いだ探偵稼業”にひとつの区切りをつける
- 春藤刑事の「現場で死なせてくれよ」という言葉が、ギャグではなく“生き方の回収”として効いてくる
- 西ヶ谷温泉には新しい住人が定着し、「ゆらぎや」が町の居場所として再生する
以下、その根拠を順に分解します。
前提:全8話・各話独立型なら、最終回は「一番温度の高い物語」に寄せる
本作は全8話構成で、基本は各話完結型。
この形式の場合、最終回でやりがちなのは「黒幕を倒す」タイプの大事件ではなく、
- 町で積み上げてきた人間関係の総決算
- 「この町で生きていく」という感覚の着地
- 主人公の過去(父の失踪)に一歩踏み込む
この3点をまとめて回収することです。
本作の空気感を考えると、派手な謎解きより“静かな前進”の方が似合います。
予想①:父の失踪は“事件”として動くが、答えは完全ではない
洋輔は「失踪した父のあとを継いで探偵業をしている」と明言されています。
つまり父の不在は、物語の中心設定です。
さらに春藤刑事は父と親しかった人物で、洋輔を気にかけ続けてきた存在。
この関係性を踏まえると、最終回では
春藤 → 父の手掛かり → 洋輔の選択
という流れが組まれる可能性が高い。
ただし、このドラマのトーンは「全部を解き明かす」方向ではありません。
- 父の居場所や事情の輪郭は分かる
- でも、なぜ失踪したのかを断罪しきる展開にはしない
- 洋輔自身が“追いすぎない”選択をする
この「半歩だけ前に進む」着地が、作品のやさしさに合っています。
予想②:春藤刑事の“余命設定”は、最終回で一番エモく効く
春藤は余命宣告を受けており、「現場で死なせてくれよ」と軽口を叩く人物。
序盤では脱力ギャグとして機能しますが、最終回ではこの言葉が本音として回収されるはずです。
ただし本作は、暗さで押し切るタイプのドラマではありません。
だから結末は、
- 「死に場所を探す」から
- 「生きて見届ける」へ
春藤が気持ちを切り替える方向になると予想します。
父の件が動くなら、春藤は“父の代わりに洋輔を見守ってきた人”として、最後にバトンを渡す役。
ここは静かに泣かせにくる可能性が高いです。
予想③:南香澄の動画は「暴く」から「残す」へ変わる
香澄は当初、「探偵をつけてみた」動画で町を観察する側の存在。
最終回で起きてほしい変化は、この逆です。
- 町をコンテンツとして消費する
- → 町の人の生活を記録して守る
この転換が起きると、作品のテーマときれいに噛み合います。
父の手掛かりや町の問題が動く場面で、香澄の発信が“救い”になる展開も作れます(ただし、あくまでほっこりの範囲で)。
予想④:「負の感情をエネルギーに変える」設定は、人間関係の回復で回収される
洋輔の設定で最もユニークなのが、
負の感情をエネルギーに変える研究を成功させたという過去。
最終回では、この設定が
- 事件解決のためのギミック
ではなく - 人の感情を否定しないための思想
として回収される可能性が高い。
最終回の依頼は、大事件ではなく
嫉妬・後悔・寂しさ・怖さといった、町に溜まった感情が噴き出すタイプ。
洋輔の発明は、それを「悪者」にせず、受け止めて変換する役割を担うはずです。
予想⑤:追加キャストは“父の不在”を埋める役として効いてくる
後半から登場する追加キャストは、物語をかき乱す存在として配置されています。
中でも、主人公と密接に関わるとされている人物は、
- 父の知人
- 父と同じ世代で、過去を知る人物
このどちらかとして、終盤の鍵を握る可能性が高い。
父の失踪を「過去の謎」で終わらせず、
洋輔が“今どう生きるか”に繋げるための存在として配置されると、最終回の座りがかなり良くなると思います。
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