『今際の国のアリス』シーズン1第2話では、無人の東京で繰り広げられるデスゲームがさらに過酷さを増していきます。

第1話のラストで登場した謎の女性・ウサギ(土屋太鳳)と、主人公アリス(山﨑賢人)がついに顔を合わせ、物語は新たな局面へと突入。今回の“げぇむ”は巨大な団地を舞台に、マシンガンを持った鬼から逃げる命懸けの「鬼ごっこ」。
前回を超えるスリルとアクションが視聴者を圧倒します。さらにゲーム終了後には謎のキーワード「ビーチ」が登場し、物語の行方は一層ミステリアスに。
以下では、第2話の見どころやストーリー展開、そして私が感じた魅力や考察をまとめていきます。
今際の国のアリス(シーズン1)第2話の見どころ:ダブル主人公の出会いと死闘の鬼ごっこ

第2話は、アリスとウサギという“ダブル主人公”の運命的な出会いが最大の注目ポイントです。
仲間を想い葛藤するアリスと、生への執念を燃やすウサギが命懸けのゲームで邂逅し、以降の物語を大きく動かすターニングポイントとなりました。また、舞台となる“鬼ごっこ”ゲームは第1話を上回るスリルとスケールで展開し、緊張感を一層高めています。
極限“鬼ごっこ”ゲームのスリルとスケールアップ
今回のゲーム「鬼ごっこ」は♠5(フィジカル型)の高難度。巨大な市営マンションを舞台に、マシンガンを乱射する“鬼”から逃げつつ「陣地」を探し出すというルールです。制限時間は20分。建物のどこかにある正解の部屋で非常ボタンを押さなければ、仕掛けられた爆弾が爆発し全員死亡という非情な条件でした。
第1話の「生きるか死ぬか」が密室での頭脳戦だったのに対し、この鬼ごっこはフィールドが格段に広く、参加者も多いため大混乱に。廊下や階段を駆け回る逃走劇、響き渡る銃声、次々と倒れていく参加者…。視聴者に息をつかせないアクション主体のデスゲームへとスケールアップしました。
ウサギ参戦!アリスとの運命的な出会い
第2話から本格的に物語へ加わるのが、土屋太鳳さん演じる宇佐木(ウサギ)です。序盤では岩場を登るシーンでその身体能力と生への執念が描かれ、キャラクター性を強烈に印象付けました。
彼女とアリスが出会うのは、鬼に追われ極限状態に陥った瞬間。窓際で必死に逃げるアリスに、ウサギが駆け付け窓伝いに救い出す場面は、まさにヒロインの鮮烈な登場シーン。ここで二人は初めて連携を取り、互いに信頼の芽生えを感じさせました。無気力だった青年と、生き抜くことを誓う女性――対照的な二人の出会いが、今後の物語を大きく動かすことになります。
協力か裏切りか?試される人間性
「今際の国」では、他人と協力するのか、自分だけ助かろうとするのかで人間性が浮き彫りになります。鬼ごっこでもそれが顕著に描かれました。
アリスは「協力して鬼の位置を共有しよう」と呼びかけますが、多くの参加者は恐怖から静観。唯一応じたのがウサギでした。彼女は鬼の位置を声に出して伝え、アリスの行動に力を貸します。信頼関係が成り立たない状況で、協力すること自体が大きなリスクになることを示す描写です。
一方、拠点に残ったシブキとチョータにも別の人間模様が描かれます。負傷し不安に泣くチョータに対し、シブキは突然キスをして慰め、さらには「本当の仲間はあなただけ」と囁きながら身体を重ねます。彼女の過去や生への執着が反映された行動であり、純粋なチョータの心に入り込むしたたかさが際立ちました。極限状態では人がここまで追い詰められるという現実を突きつけるシーンでもあります。
第2話が投げかける問い
鬼ごっこゲームは単なるサバイバルを超え、「信頼と裏切り」「本能と倫理」の対立を浮き彫りにしました。
アリスとウサギの出会いは希望を感じさせる一方で、他者を利用する者、恐怖に負ける者、必死に生きようともがく者といった多様な人間像が描かれ、視聴者にも「自分ならどうするか?」という問いを突き付けてきます。
今際の国のアリス(シーズン1)第2話のあらすじ&ネタバレ

第2話は、スリリングなデスゲーム「鬼ごっこ」の開幕と、物語の重要人物・ウサギとの邂逅が描かれるエピソードです。
第1話以上にフィールドが広がり、登場人物も増加。協力と裏切り、生存への執念と恐怖が交錯する中で、アリスたちは命を賭けた新たな試練に挑みます。ここでは、細部も含めて完全ネタバレで振り返っていきます。
ビザ切れの死とウサギの決意
最初のゲーム「生きるか死ぬか」を終えた翌日。夜空には無数の赤いレーザーが降り注ぎ、ビザの猶予が切れた人々が次々と命を奪われていきました。その惨状を高層ビルの屋上から見つめる一人の女性――宇佐木柚葉(通称ウサギ)。彼女は登山家だった亡き父の姿を胸に刻み、「必ず生き抜く」と心に誓います。
幼い頃から父に鍛えられ、クライミングの技術と精神力を培ってきたウサギ。死の国のようなこの世界でも、自分の肉体と強靭な意思が唯一の武器になることを理解していました。
無人の渋谷での探索
一方、主人公の有栖良平(アリス)は、幼なじみの苅部大吉(カルベ)、勢川張太(チョータ)、そして第1話で出会った紫吹小織(シブキ)と共に無人の渋谷を探索していました。
食料や移動手段を探すものの、車は動かず、コンビニの食材は腐敗。時間の流れが現実とは異なっていることを示す状況に、彼らは困惑します。「タイムスリップなのか?」「仮想現実の実験?」と仮説を語り合うも確証はなく、不安だけが募るのでした。
ここでシブキは、自分がこの世界に来て3日が経過していることを告白します。さらに、初参加したゲームで自分以外の参加者が全滅したことを語り、この世界がただのいたずらではなく周到に設計されたデスゲームであると確信させました。
次なるゲームへの決断
第1話をクリアしたことで得たビザは3日間。残りは2日ほどです。しかしチョータの火傷は悪化しており、とても動ける状態ではありません。
カルベは「早めにゲームに参加し、経験を積んだ方がいい」と主張。生き延びる知恵を得るためにも、アリスと2人で次のゲームに挑むことを決めます。シブキは同行を希望しましたが、カルベは「チョータを看病してくれ」と説得。内心では体力勝負のゲームを避けたかったのかもしれません。こうしてアリスとカルベは夜になると、再び光る電光掲示板の指示に従ってゲーム会場へと向かいました。
シブキとチョータの一夜
残されたシブキとチョータは、廃ビルの“隠れ家”で不安な夜を過ごします。怪我で動けず無力感に苛まれるチョータは涙を流し、自分を責めます。
そんなチョータに近づいたシブキは突然唇を重ね、「大丈夫、私はあなたの味方」と囁きます。そして「生き延びるためなら何でもする」と過去を語り、自分の生存本能をさらけ出しました。チョータは戸惑いながらも彼女に身を委ねます。
シブキの行為は計算でもありました。弱ったチョータを篭絡すれば、自分の生存が有利になる。けれど同時に「裏切られ孤独に生きてきた二人が寄り添った一夜」とも取れる複雑なシーン。チョータの脳裏には、かつて母を宗教に奪われた記憶がよぎり、深い孤独と喪失感が重なります。この一夜が後の展開に影を落とすことになります。
巨大マンションで「鬼ごっこ」開幕
夜。アリスとカルベが案内されたのは、古びた団地のようなマンション。エントランスの端末にスマホをかざすと扉が開き、中には既に参加者が集まっていました。総勢13名。その中にはチシヤ(苣屋駿太郎)やアグニ(粟国)といった後のキーパーソンの姿もありました。
やがてルールが告げられます。ゲーム名は「鬼ごっこ」、難易度は♠5。制限時間は20分。建物内に隠された「陣地」を見つけ、非常ボタンを押せばクリア。ただし鬼は銃を持ち、捕まれば射殺。制限時間が尽きれば爆弾で全員死亡。参加者たちは恐怖に包まれ、一斉に階段へ駆け出しました。
銃弾飛び交う死闘
開始直後、参加者は蜘蛛の子を散らすように散開。逃げ遅れた者は鬼のマシンガンに倒れていきます。鬼はフルフェイスの馬マスクを被った異様な存在。さらに建物の外へ逃げた者もレーザーで即座に処刑され、逃げ場がないことを思い知らされます。
アリスは冷静さを取り戻し「鬼の位置を共有しよう」と呼びかけますが、誰も応じません。唯一声を上げたのはウサギ。「鬼は4階中央ブロック!」と鬼の位置を知らせ、協力する姿勢を見せます。その行動にチシヤは「面白い」と興味を抱きました。
アグニの策略とカルベの奮闘
鬼の圧倒的な攻撃に追い詰められる参加者たち。そんな中、アグニが登場し「鬼も人間だ」と冷静に分析。仲間のジンを囮にして鬼をおびき寄せ、消火器で視界を奪い、弾切れを狙う作戦を立てます。
カルベは負傷しながらも勇敢に飛びかかり、アグニと共に鬼に挑みます。しかし鬼の膂力は凄まじく、カルベはマチェットで脇腹を斬られて重傷。アグニも傷を負いながら執念で鬼に立ち向かい、場を繋ぎます。
アリスの閃きと陣地発見
一方、単独で探索していたアリスは、銃痕や部屋の構造からある部屋を陣地だと推理。そこにチシヤも現れ、二人で突入しますが、部屋にはもう一人の鬼が潜んでいました。襲いかかる鬼をチシヤのスタンガンで一時的に無力化し、アリスは隣室に逃げ込みます。
そこでアリスは「2人同時にボタンを押せ」という仕掛けを発見。協力しなければクリアできない意地悪なルールだったのです。アリスは窓から仲間に助けを求めました。
奇跡のクリアと「ビーチ」の謎
その声を聞きつけたウサギが窓から乱入。残り10秒、彼女はチシヤからスタンガンを受け取り鬼を感電させ、アリスと共に非常ボタンを同時に押しました。残り1秒で「CONGRATULATIONS」の音声が流れ、ゲームはクリア。
直後、鬼の首輪が爆発し、鬼が実は自分たちと同じ“参加者”であった可能性が浮上します。さらに死体から落ちた無線機から「答えは得た、ビーチに帰還する」という謎のメッセージが流れました。新たな舞台「ビーチ」の存在が示唆され、第2話は幕を閉じます。
まとめ
第2話は、広大なフィールドでの鬼ごっこというスリリングなゲームを通じ、アリスとウサギの出会いを描いた重要回です。協力と裏切り、人間の本性、そして新たなキーワード「ビーチ」の登場。物語は一気に広がりを見せ、視聴者を強烈に引き込むエピソードとなりました。
今際の国のアリス(シーズン1)第2話の感想&考察

第2話「鬼ごっこ」は2020年12月10日に配信され、物語が一気に加速する回となりました。
第1話での閉ざされた空間での頭脳戦から一転、今回は広大なマンションを舞台にしたアクション満載のサバイバル。さらに新キャラクター・ウサギが本格的に登場し、物語の軸となる“アリスとウサギ”の出会いが描かれた重要なエピソードです。ここからは、私が感じた第2話の魅力や考察ポイントを詳しく整理していきます。
鬼ごっこゲームの迫力とスリルに圧倒される
第2話最大の見どころは、やはり「鬼ごっこ」ゲームの迫力です。舞台は市営マンションのような巨大な団地。制限時間は20分。鬼はサブマシンガンを持ち、参加者は銃撃をかいくぐりながら“陣地”を探し出さなければなりません。ルールはシンプルですが、鬼に殺されるか、時間切れで爆破に巻き込まれるかという緊張感が常に付きまとい、画面から目が離せませんでした。
冒頭から参加者が次々に銃弾に倒れていく描写は、日本のドラマとしては異例とも言えるスケール感。銃撃、追跡、肉弾戦、スタントの数々は、映画さながらのクオリティでした。特に鬼(馬面の男)との格闘戦は圧巻で、劇団EXILEの青柳翔さん演じるアグニと町田啓太さん演じるカルベが共闘して挑むシーンは本作屈指の名場面。消火器で視界を封じ、隙を突いて肉弾戦を仕掛けるコンビネーションはスピード感にあふれ、視聴者の緊張を最高潮に高めました。
クライマックスでアリスが鬼に追い詰められるシーンでは、観ている側も息を呑みます。ここにウサギが颯爽と現れ、アリスと力を合わせてクリアを目指す展開は熱く、まさに“神回”と呼ぶにふさわしい迫力でした。SNSでも「団地鬼ごっこが凄すぎる!映画以上のクオリティ」「銃撃戦から肉弾戦まで、全部詰め込まれていて最高」といった感想が多数寄せられ、作品全体の評価を一段と押し上げた回となったのは間違いありません。
ウサギの身体能力とヒロイン像に注目
第2話から本格的に物語に参加するのが宇佐木柚葉、通称ウサギです。土屋太鳳さんが演じるこのキャラクターは、原作ファンにも人気の高いヒロインであり、ドラマ版でもその魅力がしっかり表現されていました。
冒頭で描かれる断崖絶壁のクライミングシーンでは、彼女の身体能力と生き抜く覚悟が強調されます。鬼ごっこゲーム中でも、建物の外壁を伝って窓から窓へ移動するなど、圧倒的な身軽さを見せつけました。実際に土屋太鳳さんは撮影前に相当なトレーニングを積んだとのことで、体当たりの演技がキャラクターに説得力を与えています。
特に印象的なのは、アリスの絶体絶命のピンチに現れて彼を救うシーン。ここで二人は初めて心を通わせ、互いに信頼の芽を感じ始めます。無気力で絶望しがちなアリスと、父の教えを胸に生き抜こうとするウサギ。対照的な二人が出会った瞬間に、物語のエンジンが強く動き出したように感じられました。今後の物語は間違いなくこの二人を軸に展開していくでしょう。
シブキの計算高さと人間の弱さ
第2話のもう一つの大きな見どころは、シブキとチョータの人間模様です。アリスとカルベがゲームに向かっている間、残された二人は不安な夜を過ごします。そこで描かれるのが、シブキの“生き残るためなら手段を選ばない”計算高さと、チョータの弱さでした。
怪我で動けず涙を流すチョータに、シブキは突然唇を重ね「大丈夫、私はあなたの味方」と囁きます。そして自らの過去を語り、「生き延びるためには何でもする」と示します。この行動は純粋に慰めとも取れますが、同時に弱ったチョータを篭絡するための計算とも考えられます。
結果として二人は肉体関係を結び、チョータは彼女に心を許しました。ここにはシブキのしたたかさと脆さ、チョータの純粋さと依存心が交錯しており、極限状況で人間の倫理観がいかに揺らぐかを突きつけてきます。この関係性が後の物語にどう影響するのか、視聴者に強烈な印象を残した場面でした。
ゲームマスターの存在と「ビーチ」の謎
鬼ごっこゲームの終盤で明らかになった事実は、物語全体の謎をさらに深めました。鬼として参加していた男たちが実は“ゲームの被害者”であり、首輪型爆弾で強制されていたこと。そして、彼らの無線から聞こえた「ビーチに帰還せよ」というメッセージ。
ここで初めて「ビーチ」という単語が登場します。この時点では何を意味するのか不明ですが、カルベは「答えはビーチにある」と直感。視聴者も「ビーチ=安全地帯なのか?」「黒幕組織の拠点か?」とさまざまな推測を巡らせたことでしょう。
この“ビーチ”が後の物語の大きな舞台となるわけですが、第2話のラストで提示されたこの謎は、視聴者の考察意欲を強く刺激しました。
視聴者の反応と今後への期待
第2話配信後、SNSには「鬼ごっこが迫力ありすぎ!」「ウサギに惚れた」「シブキのシーンが人間の怖さを描いている」といった声があふれました。特に首輪爆発の衝撃シーンや「ビーチ」という新キーワードは話題を呼び、多くのファンが次回への期待を高めたようです。
私自身も、第2話は脚本・演出・アクションのバランスが絶妙で、一瞬たりとも目を離せない濃密な50分だったと感じました。アリスとウサギという二人の主人公の関係性が動き出し、シブキとチョータの関係性も深まり、さらにはビーチという新たな舞台の存在が示された。まさに「序盤のピーク」と言える充実度でした。
まとめ
『今際の国のアリス』シーズン1第2話は、鬼ごっこゲームの迫力、アリスとウサギの出会い、シブキとチョータの人間模様、そしてビーチの謎と、重要な要素が詰まった回です。デスゲーム作品としてのスリルに加え、人間ドラマとしての深みも感じさせ、物語を一気に加速させました。
今後アリスたちはどのようなゲームに挑み、ビーチで何を見つけるのか――。第2話は、その大きな期待を抱かせるに十分な、シリーズ屈指のエピソードだったと言えるでしょう。
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