第7話で圧力鍋探しや暗殺計画が描かれ、物語は大勝負への緊張感を高めました。

第8話は、明国からやって来た料理人たちとの大勝負が本格的に始まる回。第1ラウンドでは肉料理対決、第2ラウンドでは相手国の料理を再現するという難題が課され、ジヨンたちの知恵と絆が試されます。
特にジヨンたちが用意していたコチュ粉が対戦相手に盗まれていたことが発覚し、対決は予想外の展開に。
一方、金蓮花(蓮の花)のすべてを使った金蓮花包という美しい精進料理も披露され、料理人のプライドと誠実さが問われる回となりました。
「暴君のシェフ」8話の見どころ…失われたコチュ粉と北京ダック

第1ラウンド:消えたコチュ粉と肉料理対決
第8話の最大の見どころは、朝鮮と明国が威信をかけて挑む料理勝負です。最初のテーマは「新しい肉料理」。ジヨンは韓国らしさを表現するため、コチュジャンとコチュ粉を使った一皿を考案しました。
ところが直前になってコチュ粉が消えていることが判明。盗んだのは明国の女料理人ヤ・フェイシュで、彼女は四川山椒と交換したと主張します。突然のアクシデントに場は騒然としますが、ジヨンは冷静さを失わず、フランス料理の技法を応用したブライズドビーフ・ブルギニョンに切り替え、王や観客を驚かせました。
一方、フェイシュは盗んだコチュ粉で作った辣油を使い、辛さ際立つ宮保鶏丁を披露。対照的な二皿がぶつかり合い、会場は大盛り上がりとなります。
料理に込めた想いと判定の行方
ジヨンが自分の料理について亡き母の思い出を語る場面では、料理に込められた感情が観客の心に響きました。
さらに彼女はあえてフェイシュの料理を口にし、コチュ粉が使われていることを指摘。
これにより、フェイシュの伯父であるタン・バイロンは公正な競技を守るため謝罪を促します。イホン王は両者の料理を高く評価した上で、第1ラウンドを引き分けと判定しました。単なる技術だけでなく、料理に込めた想いと正義が勝負の行方を左右した印象的な展開でした。
第2ラウンド:北京ダックと金蓮花包
続く課題は「相手国の料理を再現せよ」。ジヨンが選んだのは北京ダックでした。
しかし、手の怪我で切り分けができない彼女に代わり、シェフ・メンから密かに包丁技術を学んだギルグムが登場。彼女の見事なカット技に客席からは大きな拍手が送られ、チーム全体の絆と成長が強調されました。一方、バイロンは金蓮花の茎や根を余すことなく使った精進料理「金蓮花包」を披露。
さらに10年前に朝鮮の僧侶に命を救われた思い出を語り、会場を感動で包み込みました。文化や歴史を背景にした料理対決は、一層の深みを増していきます。
クライマックスと次回への布石
北京ダックと金蓮花包という異なる二皿が揃い、審査員も観客も結果を固唾をのんで待ちます。しかし勝敗は発表されないまま幕を閉じ、緊張感と期待を次回へと引き継ぐ形となりました。
失われたコチュ粉事件やギルグムの成長、そして料理に込められたそれぞれの物語が、8話をより重厚なものにしています。視聴者としては、次回こそ決着の瞬間を見届けたいと強く思わせるエピソードでした。
「暴君のシェフ」8話のあらすじ&ネタバレ

ここからは、第8話の出来事を詳しく追っていきます。料理対決の緊迫感と宮廷の人間模様を章ごとに振り返ります。
料理対決開幕:未知の肉料理
明国の御前料理人が宮廷に到着し、第一ラウンドのテーマ「世界で誰も食べたことのない肉料理」が発表されます。ジヨンは朝鮮の伝統食材をアレンジして勝利を目指し、コチュジャンとコチュ粉を使った斬新な料理を考案します。
しかし、いざ料理を始めようとすると秘密裏に製造していたコチュ粉が消えていることに気づきます。ヤ・フェイシュが宮廷の役人ジェサン大君と取引をしてコチュ粉を持ち去っていたのです。
時間がないジヨンはパニックに陥りますが、シェフとしての経験から即座に方針転換。フランスで学んだ技術を生かし、米酒(マッコリ)の風味を使ったブライズドビーフ・ブルギニョンを完成させます。
王や重臣は、肉をワインで煮込む異国の味に驚嘆。一方のフェイシュは盗んだコチュ粉で作った辣油を使った宮保鶏丁を披露し、その刺激的な辛さと舌をしびれさせるシチュアンペッパーで明国使節を喜ばせます。
盗まれたコチュ粉の真相と引き分け
料理が並ぶと、ジヨンは自分の料理を「亡き母が私のために作ってくれた味を再現した」と語り、異国風でありながら家庭的な温かさを表現しました。しかし明国の使節は自国の料理を擁護し、勝負は明国有利と見られます。そこでジヨンは自らヤ・フェイシュの料理を味見し、叔父のタン・バイロンも公正さを守るため承諾しました。
一口食べたジヨンは、辣油の中に自分たちが乾燥させたコチュ粉の香りを感じ取り盗難を告発。ジェサン大君とフェイシュは「取引をしただけ」と言い訳しますが、バイロンは怒り、堂々と敗北を宣言します。
これに対しイホン王は「公平を期すために引き分け」と裁定。さらに「次のラウンドも引き分けなら明国の勝ち」と条件を提示しました。料理人のプライドを諭しつつも、国際関係を重視する王の判断が描かれた瞬間でした。
第2ラウンド:北京ダックと金蓮花包
続く第2ラウンドのテーマは「相手国の料理」。朝鮮側は明国を代表する北京ダックを選びます。
しかし、ジヨンは前話で負傷した手のせいで包丁を握れません。そこでカン側室に母を人質に取られていたシェフ・メンは、ギルグムに包丁技を教え、彼女が代役を務めることにします。当日、メンはフェイシュの陰謀で怪我を負いますが、ギルグムが見事な手さばきで皮を剥ぎ、ジヨンはパンプキンを使って臭みを消した北京ダックを完成させました。
一方、タン・バイロンは蓮の根や茎、花、葉をすべて用いた精進料理「金蓮花包」を披露。
その美しさと工夫に観客は息を呑みました。さらに彼は10年前に朝鮮の僧侶に命を救われた過去を語り、その恩義から朝鮮の料理を尊重していると明かします。北京ダックの外はパリパリ、中はしっとりとした食感に審査員は驚き、金蓮花包の物語にも涙を流しました。しかし結果は発表されないまま終わり、視聴者の期待は最終ラウンドへと引き継がれます。
料理人たちの誇りと裏の駆け引き
勝負の裏では思惑が交錯。ジェサン大君は明国と手を組んでコチュ粉を交換し、王位奪取を狙っていました。
カン側室はシェフ・メンの母を人質に取り、ジヨンの敗北を仕組もうとします。しかしメンは料理人としての誇りを捨てず、ギルグムに技術を伝授して朝鮮側に貢献。バイロンもフェアプレイを重んじ、ジヨンの告発を支持しました。イホン王は国の威信とジヨンの安全を守るため、公平な裁定を下します。
こうした駆け引きが料理対決に深みを与え、第8話の緊張感を一層高めました。
「暴君のシェフ」8話の作った料理

ブライズドビーフ・ブルギニョン
コチュ粉が盗まれるアクシデントに対処するため、ジヨンが即興で考案したフランス風の煮込み料理。米酒で柔らかくした牛肉をワインで煮込み、芳醇な香りと母への思い出を込めた一皿です。
宮保鶏丁(クンパオチキン)with 辣油
ヤ・フェイシュが盗んだコチュ粉で作った辣油を使用した四川料理。ピリッとした辛さと山椒の香りが特徴で、明国の使節団を魅了しました。
北京ダック
第2ラウンドでジヨンが選んだ明国料理。ギルグムが見事な包丁技で皮を剥ぎ、パンプキンを使って臭みを取ることで王も涙するほどの味に仕上げました。
金蓮花包(黄金蓮花包み)
タン・バイロンが作った精進料理。蓮の根や茎、花、葉をすべて使用し、植物の美しさと命を大切にする思想を表現。10年前に朝鮮の僧侶に救われた思い出を語りながら提供されました。
「暴君のシェフ」8話の感想&考察

第8話は料理対決のみに焦点を当てた珍しい回でしたが、その中にさまざまな人間ドラマやテーマが詰め込まれていました。ここでは感じたことや考察を綴ります。
コチュ粉は誇りの象徴
印象的だったのは、朝鮮の料理人たちが国産唐辛子を守ろうとする姿です。コチュ粉は彼らの努力と秘密の結晶であり、それが盗まれた時の絶望感は視聴者にも伝わってきました。
ジヨンが大胆に相手の料理を味見し、盗難を暴露する姿は爽快で、彼女の正義感とプロ意識の高さを感じさせます。さらにバイロンが自国の甥を叱責し、公正を重んじて引き分けを受け入れた場面には、料理人の誇りは国境を越えるというメッセージが込められていました。
ブルギニョンに込められた母への思い
ブライズドビーフ・ブルギニョンの場面では、ジヨンが亡き母と料理を通じて対話しているかのようでした。
母が自分に作ってくれた家庭料理を異国の方法で再構築し、観客に語りかける姿は、料理が単なる競技ではなく記憶や愛情を伝える媒介であることを示しています。料理人としての柔軟性や創造性、そして母を思う心がこの一皿に込められており、ジヨンの人間味を強く感じました。
黒幕ジェサン大君とカン側室の策謀
今回の裏の主役はジェサン大君とカン側室でしょう。ジェサンが明国の胡椒とコチュ粉を交換した事実は、彼が王位奪取のために国の名誉さえ切り売りする危険な野心家であることを示しています。
カン側室はメンの母親を人質に取り、ジヨンの敗北を狙って妨害を命じました。しかしメンは最後まで料理人の矜持を捨てず、結果的に国とジヨンを守る道を選びます。この二人の策謀に対して、イホン王は公平を貫き、ジヨンは正々堂々と勝負する姿勢を見せました。宮廷内の権力闘争が料理対決にまで影を落としている点が、このドラマの魅力の一つです。
ギルグムの成長とメンの師弟愛
ギルグムが隠された才能を発揮したことも忘れられません。彼はこれまでコミカルな存在でしたが、メンから密かに包丁技を学び、実質的に北京ダックの成功を支えました。
メンは母を人質に取られながらも料理人としての誇りを守り、ギルグムに技術を伝授。国と仲間を守る道を選んだ姿は胸を打ちます。この師弟愛は涙を誘い、二人が単なる脇役ではなく物語を支える大切な存在であることを強調しました。
バイロンの物語と国境を越えた友情
タン・バイロンが語った「10年前に朝鮮の僧侶に救われた」というエピソードも印象的でした。
彼は明国の料理人でありながら正義と恩義を重んじ、ジヨンの告発を受け入れます。彼の作った金蓮花包は単なる料理ではなく、命を救ってくれた人への感謝の形そのもの。背景が語られたことで、引き分けという結果がより深みを持った展開となりました。
恋愛要素は控えめでも支え合いが光る
本話では恋愛的な盛り上がりは控えめでしたが、イホン王とジヨンの信頼関係がさらに強固になったことが感じられました。王はジヨンの判断を尊重し、公平な裁定を下しつつ彼女を守ります。
ジヨンも王を信じて料理を作り切り、最後まで諦めない姿を見せました。恋愛感情が前面に出る回ではありませんでしたが、互いを支え合う描写がロマンスの期待を高める要素となりました。
国の誇りと食文化の融合
第8話の大きなテーマは、食文化が国の誇りと深く結びついていることです。
コチュ粉のような新しい食材が国の力となる一方で、明国側も自国の伝統料理に誇りを持っていました。料理が外交の武器となり、公平さや義理人情が勝敗を左右する様子は、単なる「料理ドラマ」を超えた迫力を生み出しています。視聴率がシリーズ最高を記録したのも、国民がこの勝負を自分ごととして応援したからでしょう。
今後の展開予想
次回は最終ラウンドである高麗人参スープ対決が描かれるはずです。コチュ粉の引き分けと北京ダックの結果が未発表のまま残されているため、さらに激しい駆け引きが待ち受けるでしょう。
ジェサン大君やカン側室の陰謀も再び動き出すはずです。また、ジヨンが現代へ戻る鍵である「マングンロク」の行方も未解決のままで、王とジヨンの関係に新たな試練が訪れるかもしれません。料理バトルだけでなく、恋愛やタイムスリップ要素も絡み合う後半戦に期待が高まります。
暴君のシェフの関連記事


コメント