シーズン3の第7話は、「不倫疑惑で炎上した夫」と「夫を信じる理想の妻」という、いかにも分かりやすい構図から始まります。
けれど物語が進むにつれて、その“分かりやすさ”は少しずつ崩れ、代わりに浮かび上がってくるのは――都合の悪い現実を見ないことで保たれてきた、歪んだ夫婦のバランスでした。
叫び声も、派手な復讐もない。
あるのは、笑顔と丁寧な家事、そして「見なかったことにする」という静かな選択。
第7話は、不倫そのものよりも、「真実を処理するやり方」が人をどこまで壊せるのかを描いた回だったように思います。
優しさに見えるものが、実は一番鋭い刃になる――
見終わったあと、胸の奥にじわじわ残る後味が忘れられない一話です。
※ここから先は、シーズン3・第7話の結末までを含むネタバレで進みます。未視聴の方はご注意ください。
家政夫のミタゾノ(シーズン3)7話のあらすじ&ネタバレ

※ここから先は、シーズン3第7話の核心に触れるネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
「不倫疑惑で炎上した夫」と「夫を信じる“理想の妻”として称賛される妻」。この組み合わせだけでもう、胸の奥がザワザワするのに、第7話はさらにその上をいきます。
“夫婦って、愛だけでできてるんだっけ?”って、見ている私の価値観を静かに崩してくる回でした。
この回の怖さって、叫び声やホラー演出じゃなくて、笑顔と丁寧な家事の中に、ずっと刃が仕込まれているところ。私は見終わったあと、しばらく「都合の悪いもの、私も見ないふりしてない?」って、自分の生活まで反省しちゃいました。
1話冒頭からすでに不穏。「神対応」の妻が“完璧すぎる”
第7話は、黒部家の周囲に詰めかける取材陣から始まります。
世間を騒がせているのは、明京大学女子レスリング部コーチ・黒部英雄(大澄賢也)と、教え子・最上愛子(青山めぐ)の“不倫疑惑”。ホテル前での写真が撮られ、疑惑というより「もう黒じゃない?」と誰もが思ってしまう状況です。
そこに現れる妻・黒部静子(黒谷友香)が、もう……とにかく完璧。
取材陣にお茶を差し入れ、夫を立て、言葉選びも態度も隙がない。「夫を信じる貞淑な妻」像を、寸分の狂いもなく演じ切る。だからマスコミにも称賛される。
でも、私がゾクッとしたのはここ。
“完璧な人”って、心からそうしてるのか、計算でそうしてるのか、画面越しだと見分けがつかない。優しさが本物かどうか分からないときって、いちばん怖いんですよね。
むすび家政婦紹介所の空気が軽いほど、これからの落差が痛い
むすび家政婦紹介所から派遣されるのは、三田園薫(松岡昌宏)、村田光(伊野尾慧)、恩田萌(川栄李奈)の3人。今回の依頼先が“世間を騒がせる不倫疑惑の家”だと知った瞬間、萌は「絶対何かある」と警戒モード。光はどこまでも素直で、「奥さんすごい…」って早くも心が動いてしまう。
このバランスが、ミタゾノの面白さでもあるんだけど、同時に「人って、見たいものだけ見て信じちゃうよね」っていう危うさも映してくる。
私は光くんの“信じたい気持ち”が嫌いじゃない。むしろ好き。だけどこの回は、その純粋さが、じわじわ痛い。
黒部家へ。モラハラ夫と、笑顔を崩さない妻
いざ黒部家へ入ると、外で見た“理想の妻”像が、少しずつ剥がれていきます。
黒部英雄は、家の中だと静子に対してかなり上から。言い方も態度も乱暴で、静子を人として扱っていない感じがにじむ。いわゆる“モラハラっぽさ”が見えるんです。
それでも静子は、笑顔を崩さない。
怒らない。泣かない。言い返さない。
ただただ“完璧な妻”の形を守り続ける。
…ここ、私は胸が苦しくなりました。
夫に傷つけられても笑える人って、強いようで、実はもう“痛みのセンサー”が壊れてしまっていることもあるから。
しかも静子は、夫のために“特製ドリンク”を作っている。黒部はそれ以外の料理に飽きたとか、そんな理由で家政婦を呼んだような雰囲気すらある。夫のわがままが当然のように通る家。
掃除をするほど出てくる“不倫の証拠”。なのに妻は切り捨てる
家の中で三田園が見つけてしまうのが、ラブホテルのレシート。さらに、女性物のセクシー下着を頭にかぶって笑う黒部の写真まで出てくる。
疑惑じゃなく、証拠がどんどん積み上がる感じ。
ここで普通なら、妻は崩れる。怒る。泣く。問い詰める。
でも静子は違う。
三田園が事実を突きつけても、静子は表情を変えず、むしろ微笑んでこう言い切るんです。
「都合の悪いものは見なかったことにすれば、何もなかったのと同じ」
そして証拠を、ハサミで切り刻む。
もうね、私はこのシーンで鳥肌。
怒りでも悲しみでもなく、無音の処理。感情がないわけじゃなくて、感情を“家事”みたいに片づけていくのが怖い。
さらに萌が失敗してトロフィーを壊してしまった件を盾に、静子は萌と光にも圧をかける。「見なかったことにすればいいわよね?」と。
家庭内の空気が一気に凍る。
この回、家事の“清掃”が、ただの掃除じゃないんです。
都合の悪いものを消して、きれいにして、なかったことにする。家の中の空気まで磨く。そういう怖さがずっと流れてる。
黒部英雄の本音。「離婚したい」夫が三田園に持ちかけたこと
一方で黒部英雄は、静子と離婚したい。
そして三田園に「離婚に有利になる、妻の落ち度を探してほしい」と依頼するんです。報酬を上乗せするような形で。
ここがまた、黒部の“ゲスさ”を際立たせてくる。
自分が浮気してるのに、離婚のために妻の弱みを探す。
しかも表では「疑惑はデマ」と言い張りながら、裏では不倫相手に会い、妻を切り捨てる算段。
私は正直、怒りが湧くより先に、気持ち悪さがきました。
でもミタゾノって、“悪い人だけを悪者にして終わり”じゃないのが意地悪で。
黒部がここまで開き直れる背景に、「静子が、全部を“見なかったこと”にしてしまう」構造もある。夫婦って、どっちか一方だけで地獄が完成するわけじゃないんだな…って、そこがまた苦しい。
不倫現場はレスリング練習場。ミタゾノ、乗り込む
この回、タイトルや予告でも煽られていたけど、不倫現場=レスリング練習場にミタゾノが乗り込む展開が入ります。
“のぞき見”ドラマらしく、家庭の外にある「裏の顔」まで覗きにいく。
練習場という場が象徴的で、レスリングって“組み合う競技”ですよね。逃げられない距離で、力と力がぶつかる。
この夫婦も、まさにそんな感じ。
愛情で組み合ってるように見えて、実は“生存戦略”で組み合ってる。
私がこの回を見て何度も思ったのは、「夫婦の絆」って綺麗な言葉だけど、絆ってときに鎖にもなるんだなってこと。
夕食の席が修羅場に変わる。酢豚とパイナップルの罠
黒部は愛子と関係を続け、愛子も「本気」だと主張するような空気。
そして静子は、なんと愛子を食事に招いてしまう。断れない空気を作って、家に呼ぶ。
ここが私にとって、怖さのピークでした。
怒鳴り合いの修羅場じゃない。笑顔の食卓。
でも、その笑顔がいちばん残酷。
ミタゾノが出す料理が酢豚で、パイナップルをめぐるやり取りで、黒部と愛子の関係が“言い逃れできない距離”まで浮かび上がるんです。
好みを知っている、反射で気遣ってしまう、その一瞬の癖。浮気って、こういう無意識でバレる。
さらにペアリングの存在も露わになっていく。
黒部と愛子は「バレてない」と思っているけど、静子はたぶん最初から気づいている。
気づいた上で、食卓を“裁判の法廷”に変える。私はこの静子の冷静さが、本当に怖かった。
そして静子は、愛子の経歴詐称(年齢など)を突きつけて追い詰める。
愛子は愛子で、清楚な被害者というより、したたかに黒部にしがみついている面がある。
この回、誰も綺麗じゃない。誰も完全な被害者じゃない。そこが妙にリアル。
それでも離婚できない。静子が「絶対に離さない」理由
黒部は離婚届を出そうとする。
でも静子は拒む。泣いて取り乱すわけじゃなくて、姿勢を崩さず、必死に“妻の役目”を続けながら、離婚を回避する。
私、ここで初めて「静子は本当に黒部を愛してるのかな?」って思いました。
でも、すぐに分からなくなる。
だって、静子の言動って“愛してるから離れない”にも見えるし、“離れたら困るから離れない”にも見える。
この曖昧さが、胸の奥にずっと残る。
そして物語は、静子の“別の顔”を匂わせる方向へ進みます。
生命保険と通帳。静子が隠していた「お金の匂い」
家の中から見つかる、生命保険の書類。
さらに通帳から、多額のお金が動いている形跡。
「え、静子ってもしかして…」と疑いが生まれる仕掛けが、容赦ない。
そして静子が、公園で“ある男”にお金を渡している場面を黒部が目撃する。
黒部は「静子も不倫している」「だから離婚できる」と色めき立つ。
最低なんだけど、黒部の視点だとそれが“勝ち筋”なんですよね。
この回の黒部は、人生をレスリングだと思ってるみたい。
相手を倒すためのポイントを探して、取れそうならすぐ取りにいく。
夫婦の話なのに、愛も信頼もなくて、あるのは“有利不利”だけ。
私は見ていて、笑えないのに目が離せなかったです。
愛子の会見で形勢逆転。謝罪会見が“処刑台”になる
追い打ちをかけるように、愛子が会見を開き、「妻から脅迫されている」などと訴える流れが出てきます。
これで黒部の立場はさらに悪化し、監督内定の話も揺らぐ。
そして用意される、黒部夫妻の謝罪会見。
ここが、静子の真骨頂でもあり、黒部の自爆でもある。
黒部は静子の“公園の男”の写真を切り札にして、会見で静子を追い詰め、離婚に持ち込もうとする。
でも、その男の正体は、愛子の兄。静子が渡していたお金は、愛子側への“示談金”だった――という形で、黒部の目論見は崩れる。
しかも明らかになるのは、黒部が愛子だけじゃなく、あちこちで関係を持っていたこと。
静子はその尻ぬぐいをしてきた。
ここ、もう胸が痛いとかじゃなくて、虚無。
静子は“夫を信じている妻”じゃなく、“夫を管理している妻”に見えてくる。
そして極めつけに、黒部の“家庭内での態度”も暴かれていく方向へ。
世間に向けた「良い夫」「良い家庭」像が崩壊する瞬間って、こんなにもあっけないんだ…って、私はため息が出ました。
表向きは夫婦が再スタート。でも、ミタゾノだけが知った「最終的な真実」
会見の修羅場を経て、黒部は改心したように見える。静子に謝り、家族を大切にすると誓う。
一見すると、“地獄からの再生”みたいなエンディングに着地します。
……でも、ミタゾノはそこで終わらせない。
ラストに提示されるのは、静子が作っていた特製ドリンクへの疑いと、DNA鑑定書の存在。
静子の息子が黒部の子ではない可能性が示されるんです。
さらに静子は、夫の不倫に動じなかった理由を“愛”とは違う場所で語る。
息子を育てるためにお金が必要で、黒部を手放すつもりがない。
そしてミタゾノは、その事実を暴露して破滅させるのではなく、鑑定書を捨て、「なかったこと」にする。
ここ、私は息が止まりました。
静子が言っていた「見なかったことにすれば何もなかったのと同じ」を、ミタゾノ自身が実行して終わる。
“正義”の顔で暴くんじゃなくて、“同じ穴のムジナ”みたいに、黙って蓋をする。
ゾワッとするのに、妙に納得してしまうのが悔しい。
家政夫のミタゾノ(シーズン3)7話の豆知識・家事情報
第7話は、女子レスリング部のコーチ・黒部英雄の“不倫疑惑”で家が大騒ぎしているところへ、三田園さん・光くん・萌ちゃんが派遣される回。家の中も心もザワつく事件だらけなのに、ミタゾノさんはいつも通り淡々と「暮らしの裏ワザ」を差し込んでくるのがズルい…!今回は、スキャンダルを“もみ消す”みたいな流れとリンクするように、「手元にあるものを別の用途に使う」系の家事テクが印象的でした。
ここでは、作中で出てきた家事情報を、私なりに日常で試しやすい形にまとめます(※あくまで“応急的”な使い方の話。安全第一で!)。
レシートは油取り紙の代用になる
ミタゾノさんがさらっと言っていたのが「レシートは油取り紙として使える」というもの。ポイントは、こすらず“押さえる”こと。額や小鼻などテカりやすいところに、印字面をそっと当てて皮脂を吸わせるイメージです。
ただ、ここは現実目線でひとこと。レシートは感熱紙で、BPAやBPSのような化学物質が使われることがあります。皮膚からの取り込みが指摘されていて、特に顔に当てるのは個人的にはあまりおすすめしません。「どうしても今すぐテカりだけ抑えたい!」という緊急時に限定して、使ったら手洗い…くらいの距離感が安心だと思います。
私なら代用するなら、ティッシュ・紙ナプキン・コーヒーフィルターみたいに“顔に触れても抵抗が少ない紙”を選ぶかな。レシートは最後の最後の奥の手、という扱いで。
ラップは包帯の代わりになる
もうひとつの家事情報が「ラップは包帯の代わりになる」。家に包帯がないとき、清潔なガーゼやハンカチを当てて、その上からラップで軽く巻くとズレにくい…という発想です。
コツは「強く締めない」こと。ラップは伸びるし密着するので、ギュッとやると血行を邪魔しやすい。指先が冷たくなったり、色が悪くなったり、しびれが出たらすぐ緩める(もしくは外す)くらいが安全です。長時間の固定にも向かないので、あくまで応急処置として考えておくと安心。
コルクが壊れたワインは“靴”で開ける
終盤の「え、そこで靴!?」ってなる小技が、壊れたコルクの開栓テク。コルクが途中でちぎれてしまって引っ張れないとき、ボトルの底を靴のかかと部分に入れて、壁や地面にトントン当てていくと、少しずつコルクが押し上がってきます。
これは勢いよくやると危ないので、やるなら本当に慎重に。ボトルはタオルで包む、ガラスが割れないよう硬すぎる場所は避ける、周りに人がいないことを確認する…など、「成功より安全」を優先で。個人的には、気分が上がるワインほど道具(コルク抜き)に頼りたくなっちゃうけど、覚えておくと“詰み”を回避できる裏ワザではあります。
おまけ:ミタゾノさんの「結婚=瞬間接着剤」を、家事目線で本当に考えてみる
家事情報の締めに、ミタゾノさんがさらっと残した「結婚は瞬間接着剤みたいなもの。くっついたら離れたくても離れられない」という言葉。笑いながら聞いてたのに、あとからじわじわ効いてくるタイプの名(迷?)言でした。
で、ここから私の“主婦脳”が勝手に連想しちゃったんだけど……瞬間接着剤って、確かに強力。でも、現実には「剥がす道具」も「剥がし方」もちゃんと用意されてるんですよね。物についた瞬間接着剤なら、専用の剥がし剤やアセトン入りの除光液で少しずつ溶かして落とす方法が紹介されています(ただし換気や素材への影響には注意!)。
夫婦の話に戻すと、無理やりベリッと剥がそうとすると、だいたい傷が残る。だけど、道具や順番を変えれば“別の形で解決する”こともある。第7話のワインのコルクと同じで、発想の転換って大事だな…と、家事テクから人生の教訓まで拾わせてくるミタゾノさんに、まんまと転がされました。
最後に、今回の家事情報を“私のメモ”として一行まとめ。
- テカりは「押さえて吸う」。でもレシートは肌に使うなら慎重に
- ラップ固定は「締めすぎない」「長く使わない」
- ワインは「安全第一で少しずつ」。無理はしない
次に同じ場面が来たとき、ミタゾノさんみたいに涼しい顔でサッと出せたら…ちょっとだけ“できる大人”になれた気がしそうです。
家政夫のミタゾノ(シーズン3)7話の感想&考察

※ここから先は第7話の内容に触れるので、未視聴の方はご注意ください。
第7話、私の中では「笑ってたはずなのに最後に背中が冷える回」でした。序盤は“ゲス不倫コーチの火消し”という、いつものミタゾノ節(=家庭の中のドロドロを覗き見してスパッと掃除する)を期待して見ていたのに、静子さんの笑顔がずっと綺麗すぎて、逆に怖い。しかも、ただ怖いだけじゃなくて、本人は終始「正しい妻」の顔を崩さないんですよね。
「完璧な妻」は、優しさの顔をした“意思”だった
静子さんって、一見すると理想の妻そのもの。夫が不倫疑惑で叩かれても、表では落ち着いて対応して、家の中でも取り乱さない。普通なら怒りが漏れる瞬間でさえ、微笑みを保ったまま「どうして離婚を?」って返してくる。あの静かな圧、胸がギュッとしました。
でも、見れば見るほど分かるのが、静子さんの“完璧さ”は愛情というより「目的に合わせて崩れない意思」なんだなということ。証拠が出ても見ないふりをさせたり、相手を家に呼んでまで空気を支配したり…。きっと本人の中では、泣くことも怒ることも「損」なんですよね。
そして終盤、ミタゾノさんに核心を突かれた静子さんが口にする“完璧な妻”の定義。あれ、言葉だけ聞くと悟りみたいなのに、中身はめちゃくちゃ現実的で、生々しい。要するに「夫に完璧なんて求めてない。私が欲しい条件さえ守ってくれるなら、他は目をつぶる」という宣言で、ここで一気に恋愛の夢が砕け散る音がしました。
黒部英雄の“強さ”が、家庭ではまったく役に立たない皮肉
黒部英雄って、リングの上では強い(という設定)なのに、家庭の中では驚くほど弱い。弱いというか、卑怯。自分が不利になると分かった瞬間、妻の落ち度探しに切り替えて、離婚の材料を集めようとする。しかも不倫相手が教え子って、権力関係の時点でアウト。ここは見ていて結構しんどかったです。
ただ、私は黒部さんをただの“悪役”として片付けたくない気持ちも少しあって。というのも、黒部さんの言動って「強い男でいなきゃ」「勝ち続けなきゃ」という呪いの裏返しにも見えたから。だからこそ、完璧な妻の前で“弱さ”を見せるのが怖くて、嘘とごまかしで固めてしまう。もちろん同情はしないけど、現実にもこういう人、いるよね…って思ってしまいました。
むすび家政婦紹介所の会話が刺さる。「愛情」って、綺麗事じゃない
私が地味に好きだったのが、むすび家政婦紹介所での「愛情のないお金持ち vs 愛情いっぱいの貧乏人」トーク。みんなが揃って“お金持ち”を選ぶあの現実味、笑えるのに笑い切れなくて…。
そこで光くんだけが「奥様は旦那様を愛しているから離婚しない」って言うのが、もう、眩しすぎる。ピュアさって、時々ナイフみたいに刺さるんですよね。私も「愛情があればなんとかなる」って信じたい側だから、ちょっとだけ光くんに寄りかかりたくなる。だけどこの回は、その甘さを最後にまとめて叩き割ってくるから、ミタゾノ…容赦ない…。
記者会見というリング。世間体のカウンターが一番痛い
そして修羅場のピークが、謝罪会見。黒部さんは「妻の不審な写真」を用意して形勢逆転を狙うのに、蓋を開けたら“相手の男”は不倫相手の兄で、静子さんは示談金を払って火種を消していただけ…という反転。ここで「夫婦の問題」じゃなくて「世間体の戦い」になっていくのが、この回の怖さだと思いました。
さらに追い打ちみたいに、黒部さんの複数の不倫やら、背中に貼られたQRコードの映像やらで、会見が完全に崩壊。あの瞬間、私の中で黒部さんは“レスラー”じゃなくて“言い訳が剥がれた裸の人”になって、急にみじめに見えた。
ただ同時に、ミタゾノさんが映像を“編集して作った”という点も、ちょっと怖い。真実って、強い証拠があるほど信じたくなるけど、映像ですら編集できる。誰かが本気で「潰そう」と思ったら、人はあっという間に社会的に終わる。笑いの中に、現代の闇が混ざってました。
「鬼嫁」ってラベル、笑えるけど…私はちょっと怖かった
この回、作中でも「奥さんは鬼嫁なのか?」って話が何度も出てきます。萌ちゃんが疑って、光くんが全力でかばって、最後は賭けの勝ち負けまでつく流れ、コメディとしては分かりやすくて最高。
でも私は同時に、「鬼嫁」って言葉の便利さがちょっと怖くもなりました。だってラベルを貼った瞬間に、複雑な問題が“妻が怖いかどうか”の一点に縮んでしまうから。黒部さんの不倫や立場の強さ、静子さんが何を守ろうとしているのか…そういう本質が、笑いで薄まっていく。
しかもミタゾノさんの「本当の鬼嫁は一見して分かるものではない」という言葉が、最後の最後で効きすぎる。あれって、ただのオチじゃなくて、“見た目では判断できない地獄もある”という宣告に聞こえました。静子さんは声を荒げないし、泣きわめかないし、誰よりも礼儀正しい。それでも一番怖い。だから余計に、後味が残るんですよね。
あと、最上さん(不倫相手)も、ただの“悪い女”として消費されがちだけど、コーチと教え子という関係性を考えると、立場は対等じゃないはず。怒りの矛先が彼女だけに向いたら、それこそ一番ラクな“スケープゴート”になってしまう。だから私は、誰か一人を鬼にして終わらせないこの回の嫌なリアルさが、逆に好きでした。
ワインのコルクと夫婦の修復。「方法を変えれば、開く」…でも
会見がカオスになったタイミングで、ミタゾノさんがワインを出して、壊れたコルクを“靴”で開ける。あれは完全に象徴ですよね。「一度壊れても、方法を変えれば解決する」って。
ここ、私は二つの気持ちが同時に来ました。
ひとつは、ちょっと救われる気持ち。関係って一回ヒビが入ったら終わり、じゃなくて、やり方を変えたら続けられることもある。実際、静子さんが涙を見せて「向き合ってほしかった」と言った瞬間だけは、胸が熱くなりました。
でももうひとつは、「いや、これは“修復”じゃなくて“延命”では…?」というモヤモヤ。黒部さんは土下座して、静子さんは優しく受け入れて、新聞には美談として載る。だけど視聴者の私たちは知ってるんです。この夫婦、まだ“本当の問題”に触れてないって。
ラストの背筋ゾクッ…ミタゾノさんが“蓋を閉じた”意味
決定打はラスト。ミタゾノさんが見つけていた父子鑑定の結果、そして静子さんのジュースに混ざる“毒のある観葉植物”。静子さんの目的が「愛」じゃなく「条件」で、最終的には保険金まで見えてくる…この一連、私はほんとに声が出ました。
何より怖いのは、静子さんが“悪女”として描かれてるというより、「合理的な人」として描かれてること。静子さんの中では筋が通っている。だから表情が崩れない。だから笑える。だから怖い。
そして最後に、ミタゾノさんがゴミ箱の中の“毒の葉”を見つけて、ふん、と蓋を閉じる。あの仕草、私は「全部分かった上で、あえて介入しない」という線引きに見えました。暴くことで救える人もいるけど、暴いたからといって幸せになるとは限らない。ミタゾノさんはいつも“真実を出す人”なのに、今回は“真実に蓋をする人”になる。その矛盾が、逆に余韻として残りました。
まとめ:この回のテーマは「夫婦」じゃなくて「条件」
第7話を見終わったあと、私の中に残ったのは「夫婦って愛情の物語だよね」という気持ちじゃなくて、「夫婦って条件の契約でもあるよね」という乾いた感覚でした。
もちろん、愛情がある夫婦もいる。だけどこの回は、愛情が“建前”として機能する怖さを描いていた気がします。外から見たら理想の夫婦。でも内側では、誰も誰のことも信じてない。しかもそれが、案外成立してしまう。笑いながら覗き見してる私まで、ちょっと共犯みたいで、妙に後味が残る回でした。
それでも、ミタゾノシリーズって、こういう“笑えない現実”を最後まで笑いの形で出してくるからやめられない。次回最終回の前に、この第7話を挟んだ意味、かなり大きいと思います。
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