第4話で描かれるのは、「正しい選択」が通用しなくなる瞬間です。
自首を決意した聖子の前に突きつけられる、一樹の“殺してしまった”という告白。
そこから始まるのは逃走ではなく、家族ぐるみの共犯という選択でした。
守るものが増えるほど、嘘は太くなり、真実は誰かの手に触れ始める――第4話は、その歯車が一気に噛み合ってしまう回です。
※この記事は第4話のネタバレを含みます。第4話は、聖子が“うそをついた側”から“隠し通す側”へ、もう一段深い場所に降りていく回でした。
ドラマ「夫に間違いありません」4話のあらすじ&ネタバレ

「家族を守りたい」という大義がある一方で、守ろうとするほど“守る対象”が増えていく。
夫・一樹、子どもたち、義母、弟、そして自分自身――守るものが増えるほど、うそは太くなる。第4話はその因果が、ひとつの殺人(瑠美子の死)で一気に加速します。
自首の一歩手前で鳴った電話:一樹の「殺しちゃった」で世界が反転する
聖子は、「家族にうそをつきたくない」という気持ちが限界に達し、すべてを打ち明けるために警察へ向かいます。ここまで引き延ばしてきた“取り繕い”を、ついに終わらせる覚悟を固めた瞬間でした。
ところが、その直後に一樹からの連絡が入ります。内容は最悪で、「瑠美(瑠美子)を殺しちゃったんだ」。聖子の“自首”は、ここで一度リセットされます。
聖子は急いで一樹のいるアパートへ。そこで一樹は「殺意はなかった、事故だった」と語り、聖子に“想定外の提案”をぶつけてきます。
怖いのは、ここからの一樹が「逃げよう」ではなく「二人で隠し通そう」と言う点です。逃走ではなく“共犯化”。つまり、一樹は聖子を「目撃者」でも「被害者」でもなく、“同じ罪を背負う相手”に引きずり込もうとします。
「事故だった」一樹と「警察へ行こう」聖子:正しさが通用しない取引
聖子は当然、警察に行くべきだと自首を促します。ここは聖子の倫理がまだ生きている場面です。
しかし一樹は、聖子の倫理を“正論”として受け止めません。代わりに持ち出してくるのが、栄大と亜季の未来です。「子どもたちが殺人犯の子どもになる」。
この言葉は、理屈としては卑怯です。けれど現実の圧力としては最強です。
聖子がこれまで抱えてきた恐怖――「家族が壊れる」「子どもが傷つく」――その一点に、殺人の重みを上乗せしてくる。ここで聖子の中に迷いが生まれます。
第4話の前半は、聖子が“正しい選択”をしようとするほど、正しさが機能しない構造が露骨に描かれます。正しいからこそ、代償が大きすぎる。そんな状況に聖子は押し込まれていきます。
翌日から始まる「報道」と「罪悪感」:瑠美子のニュースが生活を侵食する
翌日から、テレビやネットは瑠美子の事件を繰り返し報じます。
つまり、聖子の生活の中から“瑠美子”が消えない。自分が見なければ済む話ではなく、どこを向いても事件が迫ってくる。
聖子は罪の意識に苛まれつつ、警察がいつ一樹に辿り着くかに怯え続けます。ここがつらいのは、聖子が“何もしていない時間”がいちばん苦しいこと。
一樹は隠れている。聖子は普段通りを装う。けれど内側では、心臓だけがずっと走り続けている。
そしてこの時点で、聖子のうそは二重になります。
「夫は死んでいる」だけではなく、「瑠美子の件で何も知らない」も背負う。隠す対象が増えた分、綻びの入口も増えていく。
天童の嗅覚が動き出す:キャバクラの記憶と“違和感”が結びつく
瑠美子の死に引っかかりを覚えるのが、週刊誌記者・天童です。
彼は以前、キャバクラで瑠美子を見かけたことがあり、その記憶とニュースがつながって「何かある」と確信していきます。
天童が厄介なのは、善悪よりも“匂い”で動くタイプなところ。事件の関係者が嘘をついているかどうかを、言葉よりも空気で嗅ぎ分ける。だから聖子のように、表情で抱え込むタイプは特に危ない。
さらに天童は、瑠美子の周辺(キャバクラ)から話を集め、瑠美子がどんな相手から金を引き出そうとしていたのか、周囲にどんな“匂わせ”をしていたのかを掘っていきます。
この動きが、聖子の「静かに隠したい」という願いと真逆に進む。
つまり第4話は、聖子が隠せば隠すほど、外側の人間が“掘り起こしにくる”回でもあります。
栄大のSOS:母の夜と瑠美子のアパート、そして弟・光聖へ
一方で、家の中でも火種は燃えています。
栄大は、母が夜に出入りしていた場所で瑠美子を見かけたこと、そして母が何かを抱えていることを、光聖に相談します。栄大から見れば、母は“自分たちを守るために頑張っている人”だったはずなのに、その母の行動がどんどん理解できなくなっていく。
ここで光聖が動くのが早い。
栄大の不安を止めるためではなく、まず“事実”を取りに行く。彼はとある場所――問題のアパートへ向かいます。
この時点で、光聖もまた「家族のために」という理由で動いています。ただし光聖の“家族”は、姉と姪甥だけではありません。自分の将来(九条家との関係)も抱えている。だからこそ、判断を間違えると全部が崩れる立場です。
光聖、アパートで「見覚えのあるもの」を見つける:夫の生存を確信する瞬間
光聖がアパートで見つけたのは、“見覚えのあるもの”。それは一樹の持ち物であり、光聖はそこで「一樹が生きている」ことを悟ります。
ここが怖いのは、確信の根拠が“生活の痕跡”であること。
証拠としては弱いようで、身内にとっては強すぎる。家族の匂い、癖、モノの選び方――そういうものは、他人には説明しにくいけど、身内には一撃で刺さる。
そして光聖は、この確信を持ったまま聖子を問いただします。
ここで聖子は隠し切れず、一樹が瑠美子と揉み合いになり、瑠美子が亡くなってしまったことを明かします。
この瞬間、聖子のうそは“家庭内”に侵入します。
外に隠していたものが、弟にまで届いた。つまり聖子はもう、一人で抱え込むフェーズを越えています。
「どっちを選んでも地獄」:光聖が下した“究極の決断”が共犯の始まり
光聖は聖子を責めるだけで終わりません。
むしろ、責めて終われないところがこのドラマのきつさ。光聖は「どっちを選んでも地獄」と腹を括り、栄大と亜季のために“秘密を隠し通す”側に立つことを誓います。
この決断が、倫理として正しいかは別。
ただ、光聖の論理は一貫しています。
- いま警察に行けば、家族は確実に壊れる
- いま隠せば、家族はひとまず形を保てる(ただし傷は深くなる)
つまり「短期で壊すか、長期で壊すか」という地獄の二択。光聖は“子どもが直接被弾しない地獄”を選んだ。
さらにこの後、光聖は栄大に対しても嘘をつきます。
アパートには行ったが「間違えた」「何もなかった」と言い、これ以上近づかないよう釘を刺す。栄大を守るための嘘が、光聖の口からも出てしまう。
第4話が重いのは、ここです。
“うそをつく人”が増えるほど、真実が出たときの被害が増える。聖子のうそは、もう聖子だけのものではなくなります。
天童、聖子の店へ:イルカの絆創膏が「瑠美子」と「聖子」をつなぐ
天童は聖子の店にも顔を出します。
彼は九条議員の件だけでなく、瑠美子についても調べていることを“匂わせ”ます。ここで聖子の背筋が冷えるのは当然です。
そして天童は、聖子に対して「イルカの絆創膏」を軸に探りを入れる。
この絆創膏は、天童が以前から“違和感のメモ”として持っている手掛かりで、聖子の生活圏に瑠美子が侵入していた証明になり得ます。
天童の攻め方は、直接「あなたが犯人だ」とは言いません。
代わりに「あなたの周りに、事件につながる臭いがある」とだけ示す。相手に想像させて追い詰めるタイプです。
さらに天童は、自身の過去の取材経験を引き合いに出しながら、「真実が出たから家族が壊れるんじゃない。罪を犯したから壊れる」といった趣旨の言葉を投げます。聖子の罪悪感に直結する言い方で、彼女の迷いを増幅させる。
聖子にとって天童は、警察よりも“今すぐ生活を壊しに来る存在”です。警察は手続きで来るが、天童は感情の隙間に入ってくる。
スーパーでの遭遇:紗春の言葉が刺さる「親のせいで晒される子ども」
罪の意識と恐怖で削られていく聖子が、さらに追い込まれる場面があります。
スーパーで、紗春が子連れのクレーマーと対峙している現場に遭遇するのです。
紗春はそこで、「親のせいで好奇の目にさらされる子どもは気の毒だ」という趣旨の言葉を口にします。これは正論です。
でも今の聖子にとっては、正論が凶器になります。なぜならその言葉は、まるごと栄大と亜季に刺さるから。
ここで聖子は、一樹の言葉(殺人犯の子どもになる)を再び思い出してしまう。自首という選択が、子どもを“晒す”行為になるかもしれない――この恐怖が、聖子の足を止めます。
「会わない」決断が遅すぎる:いずみが紗春を家に招いてしまう
光聖の助言もあり、聖子は「今後は紗春に会わない」と決めます。
これは一見、冷たい決断です。でも聖子からすると、もう“これ以上関係者を家に近づけられない”。家の中に秘密が多すぎるからです。
ところが、最悪のタイミングで義母・いずみが紗春を家に呼んでしまいます。
聖子の「会わない」が、生活の中で機能しない。ここが家庭サスペンスの怖いところで、家族の誰か一人でも“普通の善意”で動くと、秘密は簡単に破裂します。
聖子ははっきりと「今後は会えない」と紗春に釘を刺します。
紗春も渋々ながら受け入れる形になりますが、このやり取り自体が、紗春の中に「なぜ?」を生む。
つまり聖子は、紗春を遠ざけることで“疑いの種”も同時に植えてしまっています。
いちばん見られたくない「写真の中の手」:二つ並んだほくろが一致する
そして第4話の決定打。
紗春は、栄大の昔のアルバム(家族の写真)から、一樹の手にも“二つ並んだほくろ”があることに気づき、衝撃を受けます。
この“ほくろ”は、第1話からずっと物語の核にある証拠でした。
聖子が「夫に間違いありません」と言った根拠。つまり、遺体の身元確認を成立させたもの。
だからこそ紗春がここで感じる衝撃は、単なる「似てる」では終わりません。
もし一樹が生きているなら、聖子が夫だと思った遺体は誰だったのか。もしその遺体が別人なら、その別人は――という連想が一気に走る。
この回のラストは、紗春の表情が変わることで“疑いの矢印”が反転したところで終わります。
聖子が紗春を遠ざけたかった理由が、紗春の中で「確信」になりかけている。
光聖のもう一つの首輪:九条ゆりと稲代建設、「架空の法人口座」依頼
第4話は、光聖にも別の地獄を用意しています。
彼は九条ゆりから「架空の法人口座を開設してほしい」と頼まれている状況です。
ここで光聖が苦しいのは、姉の秘密を守ると決めた“同じ回”で、自分もまた別件の不正に引きずり込まれかけていること。
しかも相手は、婚約者の母であり、社会的地位もある九条。断れば関係が壊れる。受ければ自分が壊れる。
さらに、九条と関係のある稲代建設も絡んでいき、光聖は“銀行員としての立場”を使って不正に手を貸すよう求められる形になります。
つまり、光聖は姉の件を隠すために嘘をつく一方で、自分の人生でも嘘をつかされる側に立ってしまう。
第4話は、聖子の地獄を光聖に分けた回でもあります。
「二人で隠し通す」という一樹の言葉が、結果的に“姉弟で隠し通す”に拡張され、さらに“九条の不正”まで背負うルートが見えてくる。
第4話の着地:守るために、嘘が増える。嘘が増えるほど、誰かが気づく
第4話の結末を一言で言うなら、「隠す覚悟は固まったのに、隠し切れない条件が揃ってしまった」。
聖子は自首を止め、一樹は共犯化を進め、光聖は守る側へ回る。しかしその一方で、天童は嗅ぎつけ、紗春はほくろに気づく。
そして何より、いずみの善意(あるいは無邪気さ)が“家庭の防波堤”を簡単に越えてしまう。
家庭という場所は、秘密を隠すには近すぎて、真実に触れるには自然すぎる。だからこそ一番危ない。
ここから先は、聖子が「隠す」ことで家族を守れる時間がどれだけ残っているかの勝負になります。
第4話はその残り時間を、はっきり削ってきた回でした。
ドラマ「夫に間違いありません」4話の伏線

4話は「事件が増えた」というより、“知ってしまった人”が増えた回でした。
殺人そのもの以上に怖いのは、秘密が共有されるほど、嘘が「共同作業」になっていくこと。ここから先は、誰がどの情報を握り、どのタイミングで爆発させるか――そのゲームになっていきます。
一樹の「事故だった」は“免罪符”なのか“地雷”なのか
一樹は瑠美子の件について「殺意はなかった、事故だった」と主張します。けれどこの言い方は、真実の告白というより“言い訳の定型句”にも見える。
ここが伏線として効いてくるのは、後から事実関係が掘り返された時です。
仮に一樹の言う通り「揉み合いの末の事故」だったとしても、
- その後に何をしたか(救急を呼んだか/隠したか)
- 誰に連絡したか(聖子への電話の意図)
- 現場に“残るもの”があるか(痕跡・目撃・防犯)
で評価が一気に変わる。
そして一樹はすでに「二人で隠し通そう」と言い出している時点で、“事故だった”が成立しにくい方向へ自分で舵を切ってしまっています。
つまりこの「事故だった」は、一樹にとって免罪符ではなく、後半戦で“嘘を証明するための言葉”になり得る。ここはかなり危険な伏線です。
「二人で隠し通そう」=共犯化の合図(逃げるためじゃなく縛るため)
一樹の提案のヤバさは、逃走ではなく“共犯化”を選んだこと。
逃げるのは一樹ひとりでもできる。でも「二人で隠し通そう」と言った瞬間、聖子を逃がさない構造が完成します。
ここが伏線として怖いのは、今後「責任の押し付け」が起きる余地があること。
共犯関係って、揺れた瞬間に“味方”が“証人”に変わるんですよね。
- 聖子が心変わりして自首しようとした
- 一樹が聖子を切り捨てるために“全部言う”
- 逆に聖子が一樹を守り切れなくなって“正直に言う”
どちらに転んでも、「二人で隠す」という約束は、後で裏切りの刃になります。
4話はその刃を磨いた回でした。
子どもを盾にする言葉が、聖子の“判断能力”を奪っていく
一樹が持ち出したのは「栄大と亜季が殺人犯の子どもになる」という脅し。聖子の怒りが一度止まり、迷いが生まれる描写が入ります。
ここは単なる情に訴えるシーンではなく、聖子の決断を鈍らせる“装置”として働いています。
この先、聖子が何かを選ぼうとするたびに、頭の中で同じ言葉が鳴る。すると判断の基準は「正しい/間違い」ではなく、「子どもが傷つくかどうか」一本になる。
この“基準の固定”は、物語の後半で致命傷になる伏線です。
なぜなら、子どもを守るために嘘を重ねれば重ねるほど、子どもが知った時の傷は深くなるから。
栄大の存在が「家庭内から真相を掘り起こす」導火線になる
4話の危険人物は一樹でも天童でもなく、実は栄大です。
栄大は母の異変を感じ、光聖に相談する。大人の世界を知らないぶん、“まっすぐ”に近づいてしまう。
そしてこの相談が、結果として光聖を動かし、真相に近づける引き金になった。
つまり栄大は「守るべき存在」であると同時に、「秘密を破裂させる存在」でもある。
今後いちばん怖いのは、栄大が正義感で動いたときです。
学校・SNS・友人関係――子どもの世界は、大人が思うより“拡散”が早い。家の中で抑えられている秘密が、家の外で一気に燃える可能性がある。ここはずっと張っておきたい伏線です。
光聖が「一樹の生存」を確信した瞬間、ゲームは別ルールに入った
光聖は、聖子が出入りしているアパートに行き、窓越しに見えた一樹の服から生存を確信します。
この時点で、光聖は“推理”ではなく“確信”を手に入れた。
ここが重要なのは、以後の光聖が「知らないふり」できないことです。
一樹が生きている=遺体の取り違えと保険金の問題に直結する。つまり光聖は、家族を守るには「姉の嘘」だけでなく「制度の嘘」まで抱え込む位置に立ってしまった。
さらに、聖子は問い詰められて「もう引き返せない」と叫び、瑠美子殺しの事実も明かす。光聖は自首を促すが、最終的に“共犯になる”決断をする。
ここは伏線として明確で、光聖が「家族の外側」にいた人間から「罪の内側」に入ってしまった瞬間です。
この決断は次回以降、「光聖がどこで壊れるか」をずっと引っ張る導火線になります。
九条ゆりの「架空の法人口座」=別件が本筋と合流するサイン
数日後、光聖は恋人まゆの母で国会議員の九条ゆりから呼び出され、「架空の法人口座を開設してほしい」と持ちかけられます。
これ、単なる“弟の不憫イベント”じゃなく、物語全体の縦軸を太くする伏線だと見ています。
なぜなら、ここで初めて「家族の嘘」と「政治・企業の金の嘘」が、同じ人物(光聖)に集まったから。
嘘が重なると何が起きるか。答えは簡単で、どちらかの嘘を守るために、もう一方の嘘が利用される。
- 一樹の件を隠すために、九条側の力を借りる
- 九条側の不正を隠すために、光聖が“一樹の件”を弱みにされる
どっちもあり得る。
光聖は「家族のために嘘をついた」つもりでも、気づけば“握られている側”に回ってしまう構造が見えてきます。
天童の違和感は「事件」ではなく「人の動き」に向く
天童は瑠美子の死に引っかかりを覚え、周辺を探り始めます。
ここでの天童は、警察のように証拠を集めるというより、“人のつながり”をたどるタイプ。
だからこそ怖い。
天童が掴むのは、死因よりも「誰が慌てているか」「誰が隠しているか」「どこで話が食い違うか」。聖子のように“平常運転を演じる人”は、天童の視線と一番相性が悪い。
天童が次に狙うのは、瑠美子と一樹の関係だけじゃないはずです。
「瑠美子は誰から金を取ろうとしていたのか」まで行けば、物語は一気に政治側へ接続していきます。
紗春が気づいた「二つ並んだほくろ」=最大級の正体バレ装置
紗春は、一樹の手にある“二つ並んだほくろ”に気づいてしまう。
ここは、4話の中でもトップクラスの爆弾です。
なぜなら紗春は、遺体取り違えの“もう片側の当事者”だから。
彼女が確信してしまった瞬間、聖子の嘘は「家庭の事情」ではなく「他人の人生を奪った嘘」に変わる。
さらに厄介なのは、紗春が今の時点では“悪意で嗅ぎ回っていない”こと。
運命を感じて近づくほど、偶然が伏線回収になる。近づきたい気持ちが、そのまま真相に触れてしまう。ここが地獄です。
未回収の伏線メモ(毎話追記用)
- 瑠美子の死の「状況」:本当に事故なのか、隠蔽でラインを越えたのか
- 天童が掴む“瑠美子の金の動き”:誰が利益者なのか
- 光聖の架空口座:拒めなかった場合、どこまで巻き込まれるか
- 紗春のほくろ発見後の行動:黙る/問い詰める/裏で調べる
- 栄大が“外”に漏らすリスク:学校・友人・動画など(家庭外の爆発)
ドラマ「夫に間違いありません」4話の感想&考察

4話を見終わって、いちばん残ったのは「このドラマ、嘘を“増やす”んじゃなく、“共有させる”のが上手い」という感覚でした。
嘘って本来、ついた本人が一番苦しい。でも共犯が増えた瞬間、苦しさが分散する代わりに、破滅の規模が跳ね上がる。4話はその“分岐点”を見せてきた回だったと思います。
聖子が「自首できなかった」のは弱さじゃなく、構造に負けたから
聖子は警察へ向かった。つまり、正しい方へ足は出したんですよね。
でも一樹の電話で止まる。ここを「優柔不断」と切るのは簡単だけど、4話はそこを“構造”で見せてくれた。
一樹の言葉は、聖子の倫理を殴るんじゃなく、母としての本能を殴る。
「子どもが殺人犯の子どもになる」――このワード、卑怯だけど強すぎる。
聖子の選択は、正しさの問題じゃなく「子どもに傷を負わせないための先延ばし」になってしまった。
そして、先延ばしをした時点で、未来の傷は大きくなる。そこが一番しんどい。
一樹の怖さは“感情”じゃなく“計算”にある
一樹って、ただのクズ夫ならまだ救いがあるんですよ。怒鳴れば切れるから。
でも4話の一樹は違って、聖子の弱点(子ども)に正確に指を差してきます。
「二人で隠し通そう」って、言い方だけ聞けば“夫婦の絆”みたいな顔をしてる。
でも実態は、聖子を“同罪”にして逃げ道を潰す提案です。情じゃない。支配です。
このドラマが怖いのは、一樹が「謝って許してもらう」方向に行かないこと。
「一緒に沈もう」と言う。だから聖子が抵抗すればするほど、泥が深くなる。
光聖の決断が、視聴者の胃を一番削ったと思う
4話で感情的に一番きついのは光聖でした。
彼は姉に嘘をつかれていた側なのに、真相を知った瞬間、怒りより先に“守る”を選んでしまう。
これ、光聖が優しいとか甘いとかじゃなくて、彼の人生が「姉と二人で耐えた時間」に支配されているからだと思う。
姉弟の絆が強いほど、姉が壊れると自分も壊れる。だから彼は自首を勧めつつ、最後は共犯になる。
しかもその直後に、九条ゆりから架空口座の話が来る。
つまり光聖は“家族の罪”を引き受けた瞬間、自分の仕事の世界でも罪を背負わされる。
これ、メンタル的には二重拘束です。
断れば姉が詰む。受ければ自分が詰む。逃げ場がない。だから視聴者が「光聖が一番しんどい」って言いたくなるの、めちゃくちゃ分かる。
紗春は悪役じゃないのに、最強の爆弾として配置されている
紗春が気づいた「二つ並んだほくろ」。
ここで面白いのは、紗春が“敵意”で気づいたわけじゃないことです。むしろ彼女は聖子に共通点を感じて距離を縮めている。善意で近づいて、偶然で爆発する。
この構造、サスペンスとしてはかなり残酷で、同時にリアル。
人間関係って、疑われて壊れるより、“仲良くなりかけた時”に壊れる方が傷が深いんですよね。
紗春が真相に近づけば近づくほど、聖子の嘘は「子どもを守るため」では言い訳できなくなる。
なぜなら紗春は、嘘の被害者だから。ここが一気に“倫理のステージ”を上げます。
天童が動くと、家庭の嘘が「社会の嘘」になる
天童は瑠美子の死に違和感を覚え、独自に探り始めている。
天童が厄介なのは、彼が“家庭の事情”を尊重してくれないことです(当然ですが)。
家庭の中で通用する言い訳って、外では通用しない。
むしろ外では、言い訳が“ネタ”になります。天童が真相に触れれば、聖子の嘘は「家族を守る秘密」から「社会に晒される案件」へ変わる。
そしてこのドラマは、そこに政治の金(九条ゆり)まで乗せてきた。
つまり今後は、家庭のサスペンスでは終わらない可能性が高いです。
「金の流れ」が見えた瞬間、口封じの圧力が現実味を帯びるから。
4話で確信したこと:この物語は“破滅”より“固定”が怖い
この手の話って、派手な破滅に行くとスッキリするんですが、4話は逆の怖さを出してきました。
誰かが派手に崩壊するより、みんなが「引き返せない」と腹を括って、日常の顔のまま沈んでいく。
聖子は自首を止める。
光聖は共犯になる。
一樹は隠すことを当然にする。
この“固定”が進むほど、救いのルートは細くなる。
だから次に怖いのは、爆弾が爆発する瞬間じゃなく、爆発する直前の「もう少しだけ…」です。
このドラマは、その「もう少しだけ」を積み重ねて地獄に行くタイプ。
ここから注目したいポイント(考察メモ)
最後に、見ながらメモした“今後効きそうな軸”だけ置いておきます。
- 証拠の出どころ:窓の服/写真のほくろ/金の口座。どれが決定打になるか
- 光聖の限界点:家族と仕事、どちらの罪が先に彼を折るか
- 紗春の理性:真相を知った瞬間、彼女は“正しく”いられるのか
- 天童の嗅覚:事件の線を“人間関係”から辿ることで、最短で聖子に刺さる
4話は「戻れる最後の駅」を通過した回でした。
ここから先は、誰が嘘を守るために誰を傷つけるのか――その選択の連続になるはず。見ていて苦しいけど、目が離せないタイプのサスペンスになってきました。
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