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TRICK/トリック(シーズン3)10話(最終回)のネタバレ&感想考察。霊能力の真実と“門に火”が示す結末とは

TRICK/トリック(シーズン3)10話(最終回)のネタバレ&感想考察。霊能力の真実と“門に火”が示す結末とは

シーズン3最終回は、TRICKという作品が最後に置いていく“答えの出ない問い”が、もっとも濃く表れる一話です

霊能力者と宣告された長谷千賀子、呪いの封筒に書かれた奈緒子の筆跡、そして黒門島で解かれる封印――すべてが「本物かもしれない」という恐怖をまとったまま進んでいきます。

けれどこの最終回が描くのは、霊能力の真偽以上に、人が何を信じ、どこで踏みとどまるのかという選択の物語です。

※ここから先は、最終回(第10話)までの内容を“がっつり”書きます。未視聴の方はご注意ください。

目次

トリック(シーズン3)10話(最終回)のあらすじ&ネタバレ

トリック(シーズン3)10話(最終回)のあらすじ&ネタバレ

第10話(最終回)は「解かれた封印 霊能力の真実」。前回(第9話)「念で物を生み出す女」から続く“最終章”の決着回です。

前回までの流れ|「本物」と宣告された直後に、奈緒子が消える

御獅舞村(おしまいむら)で“霊能力者”として恐れられる長谷千賀子。

彼女は25年前、世間の「超能力ブーム」と「権威の検証」の狭間で追い詰められ、村を追われた過去を持つ――という背景が語られていました。復讐として戻ってきた千賀子は、上田の前でも超常現象めいた事件を次々に起こし、村を掌握していきます。

前回の終盤で怖いのは、千賀子が“誰かを当てる”のではなく、「死ぬ時間」「死に方」「選ばれ方」まで“物語として支配”し始めるところ。そこで奈緒子は、千賀子から「あなたは本物の霊能力者だ」と言い切られ、精神的に揺さぶられます。

そして、その宣告の直後――奈緒子は謎の集団に拉致され、御獅舞村から忽然と姿を消す。最終回はここから始まります。

御獅舞村サイド|呪いの封筒、そして“筆跡”が上田を刺す

奈緒子が討伐隊(千賀子をどうにかしようと森へ向かった集団)と共に消えた後、上田は「呪いの封筒」を発見します。中の紙に書かれていたのは、長谷千賀子の名前。しかも筆跡は奈緒子

ここが最終回の“変な怖さ”の入口です。奈緒子が本当に千賀子を呪ったのか? もし呪ったのだとしたら、千賀子は本当に死ぬのか? そして「書いた本人が消えている」――。上田は反射的にその紙を隠し、周囲(岸本など)の視線が一瞬だけ鋭くなる。

事件の謎と同時に、人間関係の火種も点火します。

この作品って、推理のロジックだけじゃなくて、「隠した」や「黙った」や「言い換えた」が、だいたい次の事件の導火線になる。

上田が隠したのも、理屈では正しい防御なのに、感情の面では“怪しさ”を残す。最終回はこの気まずさを引きずったまま進みます。

上田の推理|千賀子の“念で物を生み出す”は、どう成立したのか

ここから上田は、前回の「超常現象」に見えた出来事を、いつものように“解体”していきます。ポイントは大きく3つ(+大きな4つ目)です。

①「心臓に縫い針が実体化した」ように見える死
教師・北見は「予言の時間」に突然倒れ、検視では外傷がなく、針が心臓に刺さっていた――“物体化”にしか見えない状況。
上田の答えは、北見が事前に針を身体の近くに仕込んでいた可能性。予告時間直前に腕を振り上げるなどの動きが“スイッチ”になり、針が心臓へ刺さる結果を作った、という筋です。つまり「能力で出現した」のではなく、「仕込み+動作」で“出現したように見せた”。

②「毒見した水が毒に変わった」ように見える死
村の有力者・金井源三は、ただの水で死ぬはずがないのに、予言通り“毒で死ぬ”。
上田はここも「水が変わった」のではなく、「別の水を用意していた」人間心理を千賀子が読んで、そちらに毒を入れていた――という線に寄せます。TRICKがよくやる“物理”じゃなく“人間の癖”で起こすタイプのトリックです。

③「呪いの封筒で省吾が選ばれた」ように見える偶然
奈緒子が封筒を選び、そこに書かれた名前の人物が刺されていた。選んだのは奈緒子なのに、結果が千賀子に都合よく出過ぎる。
上田の答えはシンプルでえげつない。「どれを選んでも同じ名前が出るようにしておけばいい」。つまり封筒の中身は“選択”ではなく“演出”。奈緒子に「私が選んだ」という罪悪感まで背負わせる設計です。

④最大の謎|千賀子は“本当に”超能力者だったのか?
ここが最終回の肝。奈緒子が書いたのは、千賀子本人の名前。普通に考えれば「呪いが成立するなら千賀子が死ぬ」。成立しないなら、千賀子は死なない。
ところが千賀子は血を吐いて倒れる。
上田が辿り着くのは「千賀子は、奈緒子が自分の名前を書くことまで読んでいた(読ませた)」という不穏な答え。さらに、北見も千賀子も“最初から死ぬ覚悟で舞台に立っていた”可能性が出てくる。ここで物語は、村の事件から一気に“黒門島”へ接続します。

奈緒子サイド|黒門島へ拉致、黒津分家の異様な圧

一方その頃、奈緒子は“無人島”へ拉致されていました

そこで明かされるのが、島の名――黒門島。シーズン1の最終盤で、奈緒子の出自を絡めて描かれた因習の島が、シーズン3最終回で再び浮上します。

島に着いた奈緒子を待っていたのは、やたらと人数が多く、やたらと“黒津”姓が並ぶ集団(いわゆる黒津分家)。名前紹介だけで圧がすごいのに、やっていることは土着の因習と、かなり現代的な“拉致監禁”。このギャップがTRICKらしい。笑えるのに、やってることは怖い。

彼らの目的は一つ。
「里見(奈緒子の母)が黒門島から持ち出し、どこかに隠した“封印されたもの”を開けたい」。

その封印を解くには“5文字の言葉”が必要で、里見の血を引く奈緒子なら開けられる、と彼らは信じている――という構図です。

霊能力テスト|黒白の玉を“見ないで当てる”奈緒子の動揺

ここで奈緒子は、霊能力の有無を試す「実験」を受けさせられます。奈緒子は玉を見ていないのに、黒と白の玉の色を次々に言い当ててしまい、自分でも驚く

この「当たった本人が一番ビビる」描写が上手い。視聴者は「え、奈緒子…?」と一瞬だけ本気で思ってしまう。

ただ、TRICKはそこで気持ちよく“本物認定”をしない。

すぐに「当てたように見える構造」が見え始めます。順番や条件を握っているのは、試験官側(黒津分家)で、奈緒子が“当てた”というより“当てさせられた”可能性が濃い。

目撃の場を作り、権威を作り、確信を作る。超能力の証明というより、信仰の製造工程です。

里見サイド|南方の脅しと、封印のキーワード「門に火」

御獅舞村では上田が手がかりを求め、里見に連絡します。

里見の元には民俗学者・南方も現れ、同じく“5文字”を狙う。奈緒子の命と引き換えだと迫る南方に対し、里見は「口にするのは危険」として、紙に書いて封筒に入れ渡します。そこに書かれていたのが「門に火」。読み方は分からない。けれど、これが“封印を解く言葉”に繋がる最大のヒントになります。

この時点の里見がまた絶妙で、いつも通りの強欲で図太い母親に見せながら、奈緒子の“出自”と“鍵”を一番握っている顔をする。ギャグ装置として成立しつつ、縦糸の当事者でもある。だから里見が一枚紙を出すだけで、最終回の空気が変わるんですよね。

洞窟で再会|上田の「あああああ」総当たりが、最終回でも健在

奈緒子は監禁状態から抜け出し(この脱出がまたTRICKらしい理屈で笑わせる)、島の洞窟へ。そこで上田と合流します。

ここからの上田は、“理系のバカ真面目”が最大火力になる時間。

5文字の言葉を解くために、文字通り「あああああ」から順に読み上げていく総当たりを始める。現実にやると気が遠くなるのに、画面だと妙に説得力があるのが上田次郎です。

同時に、矢部とその部下、地元警察まで黒門島へ雪崩れ込み、捜査とドタバタが加速。矢部のヅラ絡みのギャグも入り、“事件の深度”と“くだらなさ”が同居してしまう。この混ざり方が、最終回でもブレないのがTRICKの強み。

封印の正体|「門に火」=5文字の“プロポーズ”だった

総当たりが空振りする中で、上田は別の角度に気づきます。

ヒントは「前回の冒頭にあった、里見の“のろけ話”」。一見、無駄話にしか見えなかった断片が、ここで効いてくる。プロポーズの言葉――それが“5文字”で、しかも日本語じゃないのでは

英語の「I love you」では字数が合わない。そこで出てくるのがフランス語の「Je t’aime(ジュテーム)」です

上田がたどたどしく口にすると、扉が開く。奈緒子と上田が声を合わせて唱えることで、封印は解かれてしまう。
この瞬間、謎解きでありながら、ほぼ告白みたいな温度になるのがズルい。

箱の罠|「最初に開けた者は死ぬ」…それでも奈緒子は手を伸ばす

扉の奥にあったのは“お宝の箱”。ただし箱には、こういう趣旨の文言が残されている。「箱を開ければ全員助かるが、最初に開けた者は死ぬ」。

周囲は奈緒子に「開けろ」と迫る。奈緒子は、理不尽に巻き込まれてきた側なのに、ここで“みんなのために”手を伸ばす。奈緒子って、普段はズルいし貧乏だし口も悪いのに、最終局面だけ妙に腹が据わるんですよね。

この選択が、単なるヒロイックではなく「試されている」感じがあるのがポイント。TRICKの“人間の弱さ”を突く回では、最終的に「勇気/自己犠牲」を問う仕掛けが置かれがちで、ここもまさにそう。

岸本の暴走と毒ガス|逃げた者が苦しくなる、皮肉な結末

終盤、岸本がガソリンを持って洞窟へ乱入し、奈緒子を殺そうとする。さらに上田を崖から突き落とした件や、村での盗み(2000万円)と口封じの殺人など、岸本が“事件の裏側”にいたことが繋がっていきます。

奈緒子が箱を開けると、化学反応で毒ガスが発生。空気より重い毒ガスは下へ溜まるため、洞窟の低いところへ逃げた人たちほど吸い込みやすく、逆に“踏みとどまった人間が生き残る”構図になります。

「最初に開けた者が死ぬ」という言葉は嘘だった。むしろ試されていたのは、“最初に開ける勇気”と、“逃げない胆力”。TRICKらしい、めちゃくちゃ意地の悪い道徳テストであり、だからこそ美しい幕引きです

ラスト|奈緒子の「なぜベストを尽くさないのか」と、上田の「門に火」

騒動が収束した後、奈緒子と上田は“紙に書いて”言いたいことを言い合う。ここが最終回の名場面。
奈緒子が書くのは、あの決め台詞「なぜベストを尽くさないのか」。

上田が書くのは、最後まで読み方が明かされない「門に火」――でも意味は、プロポーズだった。言葉を交わさず、理屈も説明せず、「書く」ことでしか言えない感情を置いていく。

最後に上田が「ジュテーム」と叫ぶのも、決してロマンチック一辺倒じゃない。

どこか間の抜けたテンション(バナナボート云々)で、視聴者に“笑っていいのか泣けばいいのか”を選ばせないまま終わる。

この「答えを言い切らない」終わり方こそ、TRICK3というシーズンの締めにふさわしい余韻です。

トリック(シーズン3)10話(最終回)の伏線

トリック(シーズン3)10話(最終回)の伏線

最終回は、事件の種明かしだけでなく、「奈緒子の縦糸」と「上田の言えない本音」を一気に回収する回でもあります。ここでは“10話内で効いている伏線”を、回収ポイント込みで整理します。

「呪いの封筒」と“筆跡”|奈緒子が書いた名前の意味

  • 奈緒子の筆跡で書かれた「長谷千賀子」
    → 奈緒子が「呪い」を実行したのか?という疑惑を生むが、最終的には“千賀子側が奈緒子に書かせた構造”の疑いが濃くなる。
  • 奈緒子が自分で引いた封筒=自分で誰かを選んだ感覚
    → TRICKの定番。「選ばされたのに、選んだと思わせる」心理誘導の伏線。

千賀子事件の伏線|「物体化」より“仕込み”と“覚悟”

  • 北見の不自然な動作(「どんと来い」連呼など)
    → 針のトリックの“作動条件”として回収される。
  • 毒死の前に見える、金井源三の“自分ルール”
    → 毒見しているのに死ぬ違和感が、「別の水を用意していた」伏線へ繋がる。
  • 千賀子が最後に“本物宣告”をする不自然さ
    → 奈緒子を黒門島へ引き渡すための“舞台転換の合図”として効く。

黒門島の伏線|「封印の5文字」が物語の縦軸になる

  • 里見が握っている「黒門島の何か」
    → いつもの守銭奴ギャグに見えつつ、最終回で“封印の当事者”として回収される。
  • 「門に火」というキーワード(読み方不明)
    → 最終盤で「ジュテーム(Je t’aime)」に変換され、扉を開ける鍵になる。
  • 「日本語じゃない」可能性
    → 上田の総当たり(あああああ)が空回りすることで、“別言語”の伏線が立つ。

岸本の伏線|疑いの視線と“火”の衝動

  • 上田が紙を隠す→岸本が不審がる
    → 「疑っている側が、実は裏がある」TRICKの反転構造の仕込み。
  • ガソリン=火のイメージの前置き
    → 最終盤で“燃やして消す”という短絡的な暴力に回収される。

最終回の“感情伏線”|文字でしか言えない二人

  • 里見ののろけ話=プロポーズの言葉
    → 事件の鍵であり、同時に上田の“告白”を遠回しに導く装置。
  • 最後を会話ではなく「紙」にする
    → ずっと続いてきた「言い切らない関係性」の伏線回収。奈緒子の台詞と、上田の「門に火」が“答えの代わり”になる。

トリック(シーズン3)10話(最終回)の感想&考察

トリック(シーズン3)10話(最終回)の感想&考察

最終回を見終わった後、いちばん残るのは「事件が解けた」よりも、「言えない言葉が残った」という後味でした

TRICKは毎回、超常現象を論理で剥がしていくのに、最後に剥がれないものだけを置いていく。その象徴が、今回の「門に火」だと思います。

“本物の霊能力”より、信じたい気持ちが怖い

千賀子編の面白さは、トリック自体もさることながら、村が「信じたい」方向に一瞬で舵を切るスピードにあります。

  • 権威(かつての糾弾、科学者、世間)に潰された人が
  • 今度は“信仰の権威”として戻ってきて
  • 村人が恐怖と期待で祭り上げる

この流れが、まるで現代の炎上や陰謀論の縮図みたいに見える瞬間がある。超能力の真偽より、人間の脆さが露わになるのが怖いんです。

そして奈緒子が「本物」と言われた途端、本人がいちばん困るのが皮肉。奈緒子は“能力者として生きたい”わけじゃないし、むしろ能力者扱いは生活を壊す。笑えるのに、当事者の人生だけは笑えない。TRICKの不穏さって、結局そこに集約されます。

黒門島が出てくると、空気が“土着”になる

黒門島に入った瞬間、画面の空気が変わるのが面白い。村の事件では“社会の怖さ”が前面に出るのに、黒門島では“土地の怖さ”になる。

しかも、それが「因習ホラー」一辺倒じゃなく、黒津分家の“人数の多さ”とか“名前の圧”とか、“やたら字幕が付く言葉”とかで笑わせてくる。笑いの手触りが増えるほど、逆に「この島、マジでめんどくさい場所だな…」という実感が強まる。

この“土着の臭い”がつくと、奈緒子が急に「主人公というより鍵」に見えてくるのも良い。普段は貧乏マジシャンなのに、島に来た瞬間だけ、血筋と役割に絡め取られる。奈緒子がずっと逃げてきた「自分の出自」が、事件の中心に座ってしまうんですよね。

「ジュテーム」と「門に火」|事件の鍵が、そのまま恋の鍵

最終回の美味しさは、封印を解く言葉が“プロポーズ”の言葉だったこと。

普通、ミステリーって事件の鍵は事件の鍵として閉じるんですが、TRICKはそれを恋の鍵にもしてしまう。だから扉が開いた瞬間、謎解きの快感と、胸がきゅっとする感情が同時に来る

そして最後は、会話じゃなく文字。奈緒子が「なぜベストを尽くさないのか」と書き、上田が「門に火」と書く。
これって、奈緒子は“いつもの奈緒子”に戻り、上田は“いつもの上田”を捨てかけている構図だと思うんです。

  • 奈緒子は、逃げずに踏ん張った後でも、結局ツンとする。
  • 上田は、理屈を語らず、意味だけを置いていく。

恋愛ドラマなら台詞で言わせる場面を、TRICKは「読めない文字」で終わらせる。言い切らないから、終わらない。ここがシリーズ作品として本当に巧い。

毒ガスの“道徳テスト”が、TRICKらしく意地悪で好き

箱の文言「最初に開けた者は死ぬ」って、観客に「誰が開ける?」のチキンレースを想像させる悪趣味な誘導なんですよね。

でも結果として試されるのは、自己犠牲の勇気だけじゃない。“逃げない胆力”の方。空気より重い毒ガスが下に溜まり、逃げた者が苦しくなるっていう皮肉が、TRICKの世界観に合いすぎている。

「信じた者が救われる」じゃなく、「逃げた者が報われない」。この冷たさがあるから、最後の“文字の告白”が甘くならずに済む。

まとめ的考察|最終回の“真実”は霊能力じゃなく、二人の距離

第10話のサブタイトルには「霊能力の真実」とあります。けれど見終わると、「霊能力が本物かどうか」よりも、「上田が何を言えなかったのか」「奈緒子が何を受け取ったのか」の方が、ずっと心に残ります。

封印を解く言葉がプロポーズで、最後に残るのが“読めない文字”。

つまり最終回が解いたのは、黒門島の扉だけじゃない。上田の腹の底にあった“言葉”の扉を、ほんの少しだけ開けた――そういう終わり方でした。

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