2016年夏ドラマでTBS系水曜24:10より放送されるドラマ「死弊〜Death Cash」がスタートします。
ドラマの開始時間が深夜帯の時間となるため、少し怖い話になりますが夏にピッタリのホラーミステリードラマになります。
このドラマで主演を務めるのはSKE48の松井珠理奈さんになり、一緒に行動する刑事役には戸次重幸さんです。また、ゼミの先生役には筧利夫さんが演じるため、松井珠理奈さんを二人のベテラン俳優が固めるという布陣になります。
今回は、夏の本格ホラーミステリーのため、好き嫌いが分かれるドラマになりますが、注目が高いドラマの一つであることは間違いありません。
2016年7月13日(水)24:10よりTBSでスタートするドラマ「死弊〜Death Cash」が放送スタートするため、あらすじと感想を紹介していていきます。
※以後ネタバレ注意
「死幣」1話の見どころ…呪われたお金“死幣”の恐怖描写

深夜ドラマらしい本格ホラーサスペンスとして幕を開けた「死幣」第1話。
最大の見どころはやはり“呪われたお金=死幣”の不気味さと、その恐怖の描写です。
序盤で語られるルールは背筋が凍るものでした。「お金が欲しくてたまらない」人の元に突如届く一万円札の束が死幣であり、それを使うと肖像の福沢諭吉が黒く染まり、最終的に持ち主は惨たらしい死を遂げる――。
主人公・由夏(松井珠理奈)は妹から聞いた時「都市伝説でしょ」と笑い飛ばしますが、物語は早くも現実へと転じ、犠牲者が続出する展開に視聴者も一気に引き込まれました。
最初の犠牲者・橘郁美の悲惨な末路
最初に犠牲となるのは、由夏の親友・橘郁美(西田麻衣)。
美容への執着から「整形したい」と願う彼女の部屋には、焦げた一万円札と散乱する美容器具。そして由夏が駆けつけた時、ネックレスで首を吊った無惨な姿がありました。美しくなるためのお金を求めた結果、その願いが命を奪う形で返ってくる皮肉。理不尽さと残酷さが視聴者に強烈なインパクトを与えました。
三浦智志に降りかかる連鎖の死
後半では、先輩・三浦智志(山田裕貴)の悲劇が描かれます。
理想を掲げ貧しい人を救いたいと夢見る彼は、起業のため強烈にお金を欲するように。届いた死幣で事業を始め、高級品を買い揃えるも、死は容赦なく迫ります。サプライズで用意された等身大の騎士像が、シャンパンの栓の事故から塩酸で鎖を溶かし、最終的に剣が彼の胸を貫く――一連の流れはまるでドミノ倒し。逃れようのない運命が圧倒的な恐怖を演出しました。
願望が叶った瞬間、命を奪われる皮肉
郁美は美容整形、三浦は起業資金と、欲望の形は違えど共通するのは「強い金銭欲」。それぞれが切実な願いを叶えた直後、その願望が命を奪う凶器へと転じました。この「夢が叶った瞬間に命を奪われる」という構図こそ、本作の残酷さと切なさを際立たせています。
死幣がもたらす逃れられない運命
身近なものが連鎖的に凶器となる演出は、まるで「ファイナル・デスティネーション」シリーズを思わせます。
どんなに足掻いても死幣に取り憑かれた者は逃れられないという“運命の不可避性”が描かれ、ホラードラマとしての緊張感を一層高めました。第1話から二人の犠牲者を出すスピード感と衝撃的な演出は、シリーズの恐怖を予感させる強烈な幕開けとなりました。
死幣(ドラマ)第1話のあらすじ&ネタバレ

七咲学院大学・経済学部に通う一年生である南由夏(みなみゆか)(演:松井珠理奈)はある日、妹である南小夢(みなみこゆめ)(演:清原華那)から怪談話でもある”死弊”の話を聞く。死弊とは金が欲しくてたまらない人に突然届く呪いのお金であり、死弊を使用すると一万円の福沢諭吉の肖像画の部分が黒くなっていく。最終的に死弊を使用した人が残酷な死を迎えるという内容である。
この話を聞いた由夏はただの都市伝説だと思っていた。自分の身の回りである事件が起きるまでは・・・
ある日、由夏の高校時代の友人である橘郁美(たちばないくみ)(演:西田麻衣)がしばらく連絡を取れないことを心配し、同じ経済学部教授・財津太一郎(ざいつたいいちろう)(演:筧利夫)のゼミ(通称:財津ゼミ)の先輩・三浦智志(みうらともし)(演:山田裕貴)や、他の財津ゼミの仲間に聞いても心当たりがないと言う。
先輩で就職活動の最中である三浦はお金は人を幸せにするものだと信じ、将来は貧困層を助ける仕事に就きたいと志している。そんな三浦に由夏は憧れを抱いていくのであった。しかし、理想の高い三浦を採用してくれるところは中々なく、三浦は就職活動に行き詰まっていた。
その日の夜、ゼミの仲間からも行方が分からなかった郁美がテレビで街頭インタビューに答えている姿が放送されていた。郁美はインタビューで「女性は外見が大事だから整形したい」と答えている。この放送を観た瞬間に由夏は「キーン」という耳鳴りのようなもの音とともに、一瞬郁美の顔がねじれたように感じる。
由夏はこの現状が起こる時は不吉な出来事が起こる予兆だと知っていた。なぜなら、由夏には第六感のような不思議な能力があるのだ。
この出来事が起きて、由夏は急いで郁美のアパートへ向かう。郁美のアパートの鍵は開いている。由夏が部屋を開け、薄暗い部屋へと進んでいくと・・足元には焦げた一万円が・・。さらに奥の方へと進んでいくと、部屋が見え、部屋の中は健康器具で散乱している。その真ん中にネックレスで首を吊った郁美の姿が・・。
郁美の通夜の日、財津ゼミに所属する由夏や三浦が弔問客として並ぶ中、一人の男が焼香の前に立つ。彼は刑事の若本猛(わかもとたけし)(演:戸次重幸)。岩本は通夜の場で急に、親族や弔問客に向かって、事情聴取を始めるという。郁美の遺体の第一発見者である由夏に犯行の疑いをかけられる
郁美は高額の健康器具や化粧品を購入しており、死ぬ間際にも関わらず三日後に300万の整形手術の予約もいれていたため、このお金がどこからきたのか?自殺する人が整形の予約を入れるわけがないと若本が考えていたからだ。財津が今日のところはそっとしっといてほしいと、その日は切り上げになった。若本は由夏に「またな〜」と伝える。
その通夜の帰りに三浦の同級生達は三浦が就職がきまってないことをバカにし、三浦はこれを聞いていたのだ。三浦の理想を叶えるには起業するしかないと考え、そのための資本金のが必要。三浦は家の中で「金ー!金ー!」と強く求めた。そうすると、玄関のポストに「カラン」と音がした。三浦が、ポストを開けると、「御霊前」の封筒に大金が入っていた。次に物置から音がし、三浦がドアを開けると、「御霊前」の封筒が何十個もあったのだ・・・・
その後、三浦はゼミのメンバーに起業することを告げ、去っていく。同じゼミの灰谷源(はいたにはじめ)(演:葉山奨之)が起業なんて無理だと言う。財津は「ビルゲイツやマークッザッカーバーグも無謀だと言われたが、強い理想があったから成し遂げた。」続けて、「理想をかかげることが目的になってしまい、ビジネスとしての実が伴っていなければ、それは目も当てられないことになるでしょう」と言った。
三浦は着々と起業の準備を進め、どんどんお金を使う。一枚の一万円札に描かれている福沢諭吉の肖像画の部分が黒くなっていったのだ・・・
由夏は三浦に呼びだされて、ビルの一室にいく。嫌な胸騒ぎが由夏にはしたのだ。部屋の中は急遽真っ暗になり、由夏のためにバースデーケーキを準備していたのだ。続けて三浦が、由夏に鎧を着た等身大の騎士(ナイト)をみせ、盾には会社名「KNIGHT WILL」と書いてある。
三浦がシャンパンの栓を「ポン!」と開け、グラスに注ぐ。由夏はお金の心配をしたが、三浦は「お金はいくらでもある」と言う。少し疑問に思った由夏。三浦がナイトの前で由夏に告白をする。そのちょっと前に三浦が抜いたシャンパンの栓が容器に入っていた塩酸を倒し、塩酸がナイトを支えていた鎖を溶かしたことにより、ナイトが傾き、持っていた剣が三浦を突き刺したのだ・・・・
由夏の目の前で三浦は倒れたのだ・・・
すぐ後にに由夏を付けていた若本がやってきて、お前がやったのか?と疑うが放心状態の由夏は違うと答えるのであった・・・
三浦は死弊の二人目の被害者となった・・・・
「死幣」1話の感想&考察

第1話から主要人物が次々と無惨な死を遂げる展開は衝撃的でした。開始早々、親友の郁美、続いて先輩の三浦が命を落とし、「このゼミの仲間たちは皆死んでしまうのか…?」という不安を視聴者に突き付けます。
この思い切った構成によって、“死幣”という作品の方向性が鮮烈に示されました。単なるホラーとしての怖さにとどまらず、経済や欲望といったテーマを絡めた社会的な含みを持つ点も興味深い要素です。
舞台が経済学部のゼミであることもあり、教授の「理想を掲げることが目的になってしまい、実が伴わなければ目も当てられない」という言葉など、金銭や夢にまつわる示唆的な台詞が随所に散りばめられていました。夢の実現に不可欠な“お金”が、同時に人を破滅へ追いやる両刃の剣であるという現実味が、ホラー演出に深みを与えています。
ホラー演出の工夫と恐怖感
ホラー演出は深夜ドラマとは思えないほど力が入っていました。郁美の変死体が発見される場面は、暗い部屋の描写やネックレスでの首吊りといった残酷さで強烈な印象を残しました。
さらに三浦の死に至るまでの一連のシークエンスは、最初は祝福ムードのサプライズパーティーが徐々に不穏さを帯び、やがて悲劇に変わる流れが秀逸。シャンパンの栓、化学薬品、鎖、そして騎士像の剣へと連鎖する描写は、まるでピタゴラ装置のように仕組まれた“死の必然”を思わせました。
視聴者の間でも「ファイナル・デスティネーションのようだ」と評され、偶然の積み重ねが避けられない死に直結する構造が強烈なスリルを生んでいます。
主人公・南由夏の描かれ方
主人公・南由夏は、第六感とも言える力を持つ人物として描かれています。耳鳴りを予兆に未来の惨事を感じ取るものの、郁美や三浦を救うことはできず、結果的に無力感に苛まれる姿が印象的でした。この「運命は変えられない」というホラーの定石が、彼女の苦悩を際立たせています。
それでも由夏は立ち止まらず、真相を突き止めようと行動する芯の強さを見せます。通夜で刑事に疑いをかけられても毅然と否定する場面からも、ただの“被害者”ではなく主体的に事件に向き合うヒロイン像が強調されました。普段はおとなしいが、いざという時に行動力を発揮するキャラクターであることが、この先の展開への期待を抱かせます。
主人公自身に迫る死幣の影
第1話では由夏自身は死幣を手にしていません。しかし周囲で次々と仲間が犠牲になる以上、彼女が巻き込まれるのも時間の問題だと感じさせます。若本刑事からの「次はお前だ」とも取れる挑発的な言葉や、妹が早い段階で死幣の噂を語ったことも、不吉な伏線に思えました。
視聴者からも「主人公まで死幣の標的になるのでは」との声が多く、緊張感を高めています。主人公だから安全圏ではない、というスリリングな不安が物語をさらに盛り上げています。
死幣の謎と今後への期待
死幣そのものの正体は依然として不明です。なぜ現れるのか、誰が仕組んでいるのか、第1話の時点では手掛かりはほとんどありません。
ただし財津ゼミの関係者が狙われている点から、人為的な関与や法則性を思わせます。特にゼミの教授・財津は掴みどころのない人物ながら、秘密を抱えている描写があり、今後の鍵を握っている可能性は高いでしょう。第1話終盤で由夏と若本刑事が「金に困った者の元に死幣が現れ、その金で得たものに殺される」という法則に気付き始めた様子もあり、推理的な面白さも増してきます。呪いを解く術は存在するのか、それとも完全に逃れられないのか――恐怖と謎解きの両方が期待されます。
松井珠理奈の初主演とキャストの熱演
主演の松井珠理奈は初の連ドラ主演ながら、由夏という役に自然に溶け込み、恐怖や悲嘆、理不尽に立ち向かう力強さを豊かに表現していました。ネット上でも「演技が想像以上に良い」「存在感がホラーに合っている」と高評価が寄せられています。
また若本刑事を演じる戸次重幸の強引さと熱さも物語を引き締め、ゼミ仲間たちもそれぞれ強い個性を発揮。深夜枠ながらキャスト陣の熱演が作品の完成度を押し上げていました。
総括
「死幣」第1話は、恐怖演出の強烈さとテーマ性の深さで強いインパクトを残しました。お金を強く求める人の願望を皮肉にも命取りに変える構図は、現実社会への風刺としても響きます。
ホラーとしての残虐さと、金銭欲の危うさを突きつける寓話性が巧みに融合していました。視聴者の間では「怖いけど面白い」という声が多数上がり、深夜ドラマならではのゾクッとする快感が話題に。次々とゼミ生に降りかかる死の連鎖を止められるのか、死幣の正体は何なのか。恐怖と謎解きの両面から、今後の展開が待ち遠しいスタートとなりました。
コメント