2025年10月期フジテレビ月9ドラマとして放送される『絶対零度(シーズン5)~情報犯罪緊急捜査~』。
本作は、総理直属で設立された新組織「情報犯罪特命対策室(DICT)」を舞台に、サイバーテロや特殊詐欺といった“見えない敵”に挑む刑事たちの姿を描きます。
主演の沢口靖子さんが新ヒロイン・二宮奈美を演じ、横山裕さん、安田顕さんら豪華キャストが脇を固める点も大きな注目ポイント。
第1話ではDICT結成の経緯と、現代社会を映す情報犯罪事件が描かれると予想され、初回から社会派サスペンスと人間ドラマが交錯する濃密な内容が期待されます。
「絶対零度(シーズン5)~情報犯罪緊急捜査~」のキャスト一覧

主演は沢口靖子。新シリーズでは二宮奈美役を演じます。
二宮は長年生活安全課で地域事件を担当してきた刑事で、40歳で昇進後も地域密着型の捜査スタイルを貫いてきました。今作では情報犯罪特命対策室(DICT)に転属し、新たな挑戦に挑みます。
公式発表によれば、沢口を取り囲む豪華キャストも続々発表されています。内閣官房副長官・佐生新次郎役には安田顕、さらに前作まで「未然犯罪捜査班」に所属していた山内徹役の横山裕が続投。
DICTのメンバーには黒島結菜、一ノ瀬颯、馬場園梓、金田哲、松角洋平、白本彩奈、板谷由夏らが名を連ねています。
主なキャスト一覧
二宮奈美(にのみや なみ)…沢口靖子:
生活安全課からDICTへ転属したベテラン刑事。地域住民との「井戸端会議」を通じて情報を引き出すことが得意。温かな人柄と経験を武器に、情報犯罪という新たなフィールドに挑む。
佐生新次郎(さしょう しんじろう)…安田顕:
内閣官房副長官。DICT設立を主導したエリート官僚。クールかつ合理的な姿勢を見せる一方で、裏に秘密を抱えているような不穏さも漂わせる。
山内徹(やまうち とおる)…横山裕:
元・未然犯罪捜査班の刑事で、現在は捜査一課からDICTに参加する巡査部長。冷静沈着な判断力を武器に、経歴も年齢も異なる二宮と対立しながらも信頼を築いていく。
清水紗枝(しみず さえ)…黒島結菜:
DICTの調査官。専門学校を卒業後、SEとして活躍してきたネットワーク犯罪のスペシャリスト。若さと知識を兼ね備えた有望株。
南方睦郎(みなかた むつろう)…一ノ瀬颯:
DICTの巡査部長。元・捜査二課のエリート刑事で、データ分析力に長けるZ世代の知能派。冷静な頭脳でチームを支える。
田辺智代(たなべ ちよ)…馬場園梓:
DICTのメンバー。豊富な人脈を持つ情報通で、穏やかな雰囲気を纏いながらも確かな実力を発揮する。
掛川啓(かけがわ けい)…金田哲:
DICTの巡査部長。公安出身で「なりすまし捜査」の達人。お調子者の一面を持ちながらも、任務には冷静に対応する。
早見浩(はやみ ひろし)…松角洋平:
DICT室長。捜査一課出身のベテラン刑事。聞き出し力と観察眼に優れるが、部下との距離感に少し不器用さも見せる。
桐谷カナ(きりたに かな)…白本彩奈:
日本初の女性総理・桐谷杏子の一人娘で高校生。母への反発心を抱えており、その行動が物語に波乱を巻き起こす。
桐谷杏子(きりたに きょうこ)…板谷由夏:
日本初の女性総理大臣。改革派として“鉄の女”と称される一方、家庭では妻・母として悩みを抱える複雑な人物。
これら多彩なキャスト陣が、DICTという新たな舞台で情報犯罪を巡る難事件に挑んでいきます。ベテランと新鋭、官僚と刑事、さらには政界までを巻き込んだスリリングな展開に期待が高まります。
絶対零度(シーズン5)1話のあらすじ

公式情報によれば、本作の舞台は総理直属で新設された「情報犯罪特命対策室(DICT)」。沢口靖子演じる刑事・二宮奈美が、特殊詐欺やサイバーテロといった“顔の見えない敵”=情報犯罪に立ち向かう物語です。第1話では、まずDICTの新体制メンバーが紹介され、二宮はこれまで生活安全課で培った地域密着型の捜査スタイルを武器に事件へ挑むことになります。
具体的なストーリーは未公開ですが、沢口靖子はインタビューで「情報犯罪のきっかけは若者がお小遣い稼ぎの感覚で始めてしまうケースもあり、一度ハマると家族を人質に取られ抜け出せなくなることもある」と語っています。これを踏まえると、第1話では家庭の事情を狙ったネット詐欺や、スマホを介して若者が騙される事件が描かれる可能性が高いでしょう。
たとえば裏アカウントを使った闇バイトに巻き込まれた若者のケースなど、現実に急増する「匿名・流動型犯罪(トクリュウ)」をDICTが捜査する展開が考えられます。こうした事例を通じて「情報犯罪の恐ろしさ」が浮き彫りになると同時に、二宮が新たな仲間とともにどのような活躍を見せるのかが初回の大きな見どころとなりそうです。
絶対零度(シーズン5)1話のネタバレ

10月期“月9”『絶対零度~情報犯罪緊急捜査~』(以下、シーズン5)が開幕。
第1話(10月6日放送)は、総理・桐谷杏子(板谷由夏)と内閣官房副長官・佐生新次郎(安田顕)直轄の新組織「情報犯罪特命対策室」=DICT(ディクト)が、匿名・流動型犯罪グループ“トクリュウ”に挑む導入編だ。
主人公は、生活安全課上がりの最年長刑事・二宮奈美(沢口靖子)。“顔の見えない敵=情報犯罪”にどう向き合うのかが提示される。第1話は、DICTの誕生背景と事件の骨子を簡潔に描く構成となっている。
DICT発足と苦戦の現状
DICTは半年前に発足したばかり。高度化する情報犯罪に成果が出せず、総理・桐谷と佐生はマスコミ対応に追われている。
DICTは警視庁各部門のスペシャリストを寄せ集めた組織だが、犯人像が匿名化し、実行役が流動化する犯罪構造の前に決定打を欠く。これが第1話の“現在地”であり、シリーズのこれまで(S1-2=上戸彩、S3-4=沢村一樹)から主役・舞台が大きくリニューアルされたことも示される。
“情報”を悪用した連続強盗と“トクリュウ”
都内で“情報”を駆使した強盗が連続発生。
DICTの田辺智代(馬場園梓)が、複数事件の共通点からSNS闇バイトで実行役を集める匿名・流動型犯罪グループ“トクリュウ”の関与を示唆する。清水紗枝(黒島結菜)がデータから実行役を特定し、南方睦郎(一ノ瀬颯)と掛川啓(金田哲)が逮捕に至るが、末端の“受け子・かけ子”までで核心には届かない。ここでDICTの“苦い常態”が浮き彫りになる。
※“トクリュウ”とは、警察庁が定義する実在の犯罪類型であり、中核が匿名化され、実行役が流動化するのが特徴。特殊詐欺から強盗まで多様な犯罪形態に波及し、ドラマはこの社会的リアリティを土台にしている。
現場主義の二宮、山内と“足で稼ぐ”捜査へ
机上のデータが“上”に繋がらない現状に、奈美は室長・早見(松角洋平)へ「現場を見たい」と直訴。
同行するのは、ミハン(未然犯罪捜査班)上がりで今作に“越境帰還”した山内徹(横山裕)。2人は強盗現場の周辺を歩き、近所の老婦人・真田富貴子(梅沢昌代)と世間話を交わす。語られたのは“息子”を名乗る不審電話の記憶。
奈美は「次が来たら警察へ」と促す。――“人と向き合う聞き込み”は生活安全課仕込みの奈美の武器であり、DICTの“サイバー主義”を補完する存在として描かれる。
おとりの電話、そして“少年”が近づく
後日、富貴子に再び電話がかかる。
“警察”を名乗る相手は「口座情報が漏えいしている。現金を預かる」と誘導。待ち合わせ場所に現れたのは一人の少年だった。ここでDICTは“末端の受け子”に辿り着くが、その背後にいる“指示役”“主犯”にはなお距離がある。物語は“見えない真犯人”を追うシリーズ全体の構図へと視線を伸ばす。
高山蓮の逮捕――若者が“抜けられない沼”にはまる構図
第1話の実行役としてDICTに追われるのが高山蓮(奥智哉)。
「楽して稼げる」勧誘から始まり、家族情報を握られ、脅しで抜けられなくなる――近年の闇バイト構造を体現する人物だ。蓮は奈美たちに確保されるが、彼の“被害者性”と“加害者性”が交錯する取調べの緊張が描かれる。奥智哉の起用は、若年層犯罪のリアリティを象徴する配役として印象的だ。
奈美の“走力”と“拳”――現場での躍動
放送当日の視聴者間でも、奈美のフィジカルと瞬発力が大きな話題に。
街中も階段も全力疾走し、取り押さえでは“ワンパン”で制圧するシーンも見せた。病院では快復した富貴子を見舞い、『怪獣の花唄』を歌う“意外な一面”が、硬質な犯罪捜査との落差で印象を残す。
第1話の“視覚的フック”として十分な手応えを残した印象だ。
シリーズ連続性の仕掛け①――深沢ユウキが14年ぶりに登場
旧シリーズ(S1-2)で“頭脳派”として人気を博した深沢ユウキ(丸山智己)が、捜査一課の管理官として第1話にカムバック。被害者がSEだと知るとDICTの山内を呼び出す――という形で、初期シリーズの記憶と新章が“現在形”で接続される。
ファンにとっては、“世界は続いている”という感覚を呼び起こす仕掛けとなっている。
シリーズ連続性の仕掛け②――“桜木泉”の名前が鳴る
終盤、別件を追う山内のスマホに“桜木泉(上戸彩)”からの着信が入るという“音”のサプライズ。
山内は気づかないが、S1-2の主人公の名を画面に浮かべるだけで、旧作との物語的連続性を強く印象づけた。SNS上では、この仕掛けに多くのファンが沸いた。
音楽と言葉――主題歌「GRAY」と劇伴の役割
主題歌は十明による「GRAY」。本作が十明のドラマ主題歌初挑戦であり、情報過多社会における“つながりの危うさ”をテーマに書き下ろされたという。劇伴は『進撃の巨人 The Final Season』などで知られるKOHTA YAMAMOTOが担当。音の輪郭が、DICTの緊迫したオペレーションと“人に寄り添う奈美”の柔らかさ、両方を支える構成となっている。
絶対零度(シーズン5)1話の感想&考察

第1話は「こうだからこう面白い」を積み上げる設計が巧い。
社会実在の“トクリュウ”を核に据え、匿名化(真犯人の不在)×流動化(末端の使い捨て)という構造を、DICTの“届かない手”として可視化したからだ。DICTが末端を逮捕しても“上”に触れられない――この“解けない方程式”が、シリーズの推進力になる。
主役交代のロジック――“人に向き合う刑事”で情報犯罪に挑む理由
奈美は生活安全課畑。
データ→現場ではなく、現場→人→データの順で組み立てるタイプだ。だから世間話から本質に接近し、富貴子の口から“詐欺の端緒”をすくい上げる。情報犯罪は“人の弱さ”を入り口にする。
ゆえに“人間観察×記憶力”というアナログの強みを持つ奈美が、中枢直轄のハイテク組織に置かれる説得力がある。イントロの「真犯人の正体が見えない」時代に、人間の温度で輪郭を出していく戦い方――ここが新章の肝だ。
山内徹の“越境復帰”が作るシリーズ文法
山内はミハン時代(S3-4)の文法=「未来の犯罪を予測し先手を打つ」を背負ってDICTに入った男。
“先読み(ミハン)”ד現地感(奈美)”ד解析(清水)*がトライアングルになるとき、初めて“上”に近づける。
その導線を第1話で固め、なおかつ終盤“桜木泉の着信”でS1-2とも接続。シリーズ15年の歴史を“縦”に通すことで、単発のサイバー捜査劇ではなく、絶対零度ユニバースとしての期待値を上げてきた。
“トクリュウ”の写し鏡としての高山蓮
蓮(奥智哉)の造形が秀逸だ。貧困・介護・将来不安といった生身の事情から「簡単に稼げる」に手を出し、身元情報の提供→脱退困難の“沼”に沈む。
彼は“被害者性”を抱えるが、同時に拳を振るった“加害者”でもある。奈美はそこを見逃さない――第1話は被害者救済やモラルだけでなく、社会病理と刑事責任の狭間に視線を置く。
DICTが末端にしか触れない限界も同時に残すことで、シリーズの宿題が明確になった。
“走る奈美”、そして“歌う奈美”というキャラクター拡張
奈美は走る、戦う、歌う。フィジカルと人懐っこさの“両輪”が初回から提示され、視聴者の受け止めは「最初からずっと走ってる」「激つよ」など、驚きと快哉で満ちた。
シリアスな主題に対し、行動力(スピード)×人間味(ユーモア)でバランスをとるキャラクターデザイン。長寿シリーズに新鮮な空気を入れる意味でも正解だ。
音楽の設計――「GRAY」が“迷走する接続”を歌う
十明の「GRAY」は、過剰な接続が人を惑わせる情報時代の感情を歌う。
DICTのオペ室カットに重なるKOHTA YAMAMOTOの劇伴は、冷たいビートと有機的なメロの往復で、“無機質なデータ”と“温かい会話”の行き来を支える。音が示すテーマ性が画に“第5シリーズの輪郭”を与えていた。
佐生新次郎という“官邸の黒子”の不穏
佐生(安田顕)は官邸を仕切る切れ者。
DICTの立ち上げにも深く関与したが、忠誠か、別意図か――言動の端々に“何かを隠している”気配がある。国家規模の情報犯罪へ物語が拡張していくとき、彼は“行政の合理”で人間を切り捨てるのか、それとも……。この“不穏の設置”がシリーズ全体のミステリー核になるだろう。
連続性のダブル・ギミックの意味――深沢×桜木
深沢の再登場は“シリーズは続いている”という世界観の連続性の保証。
対して“桜木泉の着信”は視聴者の記憶を能動的に呼び起こす参照の仕方で、今後の“旧主役の関与”を仄めかす。ここまで“出過ぎない”のが上手い。懐古ではなく、過去が現在を押し広げる仕掛けになっている。
社会派としての射程――“匿名化×流動化”への応答
実在の“トクリュウ”問題は、都市のセーフティネットの脆弱さ、プラットフォーム経済の影、コミュニティ希薄化など多層の社会課題を映す。第1話はそこに“人に寄り添う刑事”を置き、データでは取りこぼす気配をすくう物語にした。DICTの成果主義を煽る政治(総理・官邸)を背に、拙速なKPIと現場の血のズレもチクリと描く。ドラマの“火種”が現実と共鳴している。
物語上の“解くべき方程式”予想
誰が“上”なのか:末端→指示役→資金洗浄→政治・行政・企業のどこまで繋がるのか。佐生の“影”はどちら側なのか――公式イントロの「やがて国家存亡の危機へ」という文言が示唆的である。
奈美×山内×紗枝の最適解:アナログ/現場、刑事勘、サイバー解析の“かけ算”が、どこで“真犯人の匿名性”を破るか。
“旧シリーズ”の遺伝子:深沢の頭脳、桜木の名――絶対零度ユニバースの資産を、どう新章の“情報犯罪”に適応させるか。
ラスト一言(筆者)
第1話は、「情報が凶器化する時代」に、“人に寄り添う捜査”をぶつける宣言回だった。走る、聞く、覚える、そして手を伸ばす――奈美の方法は古く見えて、実は最先端の“人間のアルゴリズム”だ。DICTが“上”に触れる瞬間、その中心に人間の手触りがある。シリーズの先にあるのは、おそらく匿名を名指すこと。ここからが本当の勝負だと思う。
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