2024年10月期のフジテレビ日曜劇場『新東京水上警察』がいよいよスタートします。
舞台は東京湾や隅田川などの水上エリア。犯罪の穴場と呼ばれる“海”を守るために再建された水上警察署で、ベテラン刑事・碇拓真(佐藤隆太)を中心に個性豊かなメンバーが奮闘します。
水上という特殊な舞台設定に加え、豪華キャストの共演や迫力ある海上アクションが大きな見どころ。第1話では、水上署の結成と最初の大事件が描かれ、チーム碇がどのように信頼を築いていくのかが注目されます。
「新東京水上警察」1話のあらすじ&ネタバレ

フジテレビ系火曜21時枠の新作『新東京水上警察』は、陸上とは異なり防犯カメラの普及が進んでいない海や河川を舞台にした日本初の“水上警察”ドラマで、吉川英梨のミステリー小説を原作とする。
東京オリンピック後の東京湾岸を舞台に、警視庁は水上対策のために「東京水上警察署」を復活させ、経験豊富な刑事・碇拓真(佐藤隆太)を中心に個性派メンバーを集めた。第1話では、この新組織が発足した直後に衝撃的な事件に直面し、チームの船出が描かれる。
水上署発足とチーム紹介
碇拓真は所轄刑事として20年以上現場に立ち続けたベテラン刑事。自己紹介ではバツ2で三人の子持ちであることをさらりと明かし、捜査本部を驚かせる。
一刻も早く本庁に戻ろうとするエリート刑事・日下部峻(加藤シゲアキ)、警察官ではないが船舶免許を持つ海技職員・有馬礼子(山下美月)など、バックグラウンドも性格もばらばらなメンバーが集まり、署長・玉虫肇(椎名桔平)が彼らを束ねる。碇は観察眼の鋭さと正義感の強さでチームを率いるが、水恐怖症という弱点も抱えている。
漂流する箱の謎
水上署が動き始めた矢先、海に浮かぶ発泡スチロール箱の中から人間の指と「次は」と書かれたメモが発見される。鑑識の結果、指は成人男性の右手の小指と判明。水上署は捜査一課と合同捜査班を立ち上げるが、「班割りがない」と言われ、碇たちは事実上捜査から外されてしまう。
それでも彼らは独自に手掛かりを追い、有馬の潮流分析で東京湾唯一の人工無人島「第六台場」に船を寄せる。そこで右脚のない白骨化した遺体を発見。箱に入っていた小指とは別の人物のものであることがわかる。
介護施設の闇と第六台場
箱のラベルから送り主を追跡した碇は、豊洲の介護施設「キズナオーシャン豊洲」を訪問。入居者・福留洋子(柴田理恵)は怯えながら「次は私が殺される」「みんな殺された」と訴え、施設内で殺人が行われていると語る。
実際に小指は、福留が助けを求めるために切断した入居男性・中川のものと判明。体内からは微量の毒物コノトキシンが検出された。さらに福留が唯一信用していた入居者・服部義光が車椅子の身で施設を抜け出し、第六台場で銃殺された白骨遺体が服部本人と判明。介護施設と島に隠された財産を巡る闇が浮かび上がる。
福留の証言によれば、施設では毎週水曜日に毒殺が行われており、服部は資産を守るために島へ向かった可能性があるという。
海上チェイスと事件の火種
現場の監視記録や数字の並びから、第六台場の緯度・経度が服部の隠し財産の位置を示していると見抜いた碇は、ケアスタッフ・三上慎吾(松本怜生)を容疑者として追う。三上は施設のIDカードを紛失しており、入居者を殴ったうえで無断欠勤していたことが発覚。
逃走用の船で海へ出た三上を、碇と日下部が警備艇で追い詰めるが、同乗していた強盗グループのリーダー・田淵響(山崎裕太)に銃撃され、三上は海に転落してしまう。
有馬は操船を止めて救助に向かおうとするが、海恐怖症を抱える碇は海を見つめたまま動けない。有馬の「碇さん!」という叫びが夜の海に響き、第1話は幕を閉じる。
事件は未解決のまま。介護施設に潜む真犯人、そして隠し財産を狙う暴走族「湾岸ウォリアーズ」の存在が、第2話以降への伏線として残された。
「新東京水上警察」1話の感想&考察

第1話は、水上警察署の発足と最初の事件を軸に、キャラクター紹介と今後のミステリーの布石を巧みに織り込んだ回だった。
以下では、筆者が感じた魅力と気になるポイントを論理的に整理する。
水上という舞台の魅力
陸上では防犯カメラが張り巡らされ、犯罪が可視化されつつある一方で、海や河川は監視が手薄で“死角”となる。その問題意識が本作の出発点となっている。船で移動する捜査は追跡ルートが読みにくく、潮流や風といった自然条件が推理の鍵になる。
第1話で有馬が「カラスの数が増えた」と海の異変を手がかりにした場面や、第六台場の緯度・経度から隠し財産の位置を割り出す展開などは、海を舞台にする必然性を感じさせた。迫力ある海上チェイスや夜の海の不気味さは、従来の刑事ドラマにはないスケール感を生み出し、映像面でも視聴者を引き込む力を持っている。
バディの相性と恋愛の火花
碇と日下部は性格も出自も正反対。直感で動く碇と、合理的に手柄を狙う日下部の対立がドラマの推進力になっている。一方で、有馬は専門職として二人を海上で支える第三の軸だ。
第1話では、日下部と有馬が恋人同士であり、同じ署内で夫婦になると異動が難しくなるため、日下部がプロポーズしていたことが明かされた。早くも恋愛要素を織り込んだ展開に賛否は分かれるが、本庁復帰を目指す日下部の下心を浮かび上がらせ、チームワークに火種を与える仕掛けとして機能している。
さらに、有馬が碇に見せる微妙な視線の揺れも印象的で、三角関係やバディの嫉妬が今後どのように展開するのか注目だ。
事件の背景にある社会問題
介護施設での連続殺人と資産家の遺体という題材は、高齢化社会の闇や富の搾取という社会問題を内包している。福留洋子が「次は私が殺される」と怯える姿は、声を上げられない高齢者の恐怖を象徴しており、彼女の証言が妄想か現実かをめぐって捜査が揺れる構図はサスペンスとしても秀逸だ。
また、服部義光がバブル期に稼いだ資産を隠していたという設定や、隠し財産を狙う若者たちの暴力は、現代日本における世代間格差や格差社会への皮肉としても機能している。ただのアクションではなく、社会性を絡めたテーマがシリーズ全体の背骨になりそうだ。
個性派チームの今後に期待
水上署には藤沢、遠藤、細野、高橋といった個性豊かなメンバーがいるが、第1話では紹介程度にとどまった。彼らの性格がチームにどう作用し、碇のリーダーシップがどう進化していくのかが今後の見どころだ。
特に、碇が抱える“水恐怖症”という弱点は海上捜査において致命的であり、彼がどのようにトラウマを克服していくのかが物語の焦点になるだろう。水に落ちる子どもの回想シーンからは、碇の過去に大きな事件があったことが示唆されており、彼の人間ドラマがシリーズを引っ張ると予想される。
ラストの伏線と今後の展開予想
第1話のラストでは、容疑者・三上が死亡し、事件の真相は闇の中に残された。介護施設にはまだ未解明の連続毒殺の疑惑が残り、服部の隠し財産を狙う暴走族「湾岸ウォリアーズ」や、湾岸署との縄張り争いも今後描かれることが示唆されている。
碇と日下部が追う事件は、水上と陸上の境界をまたぐスケールに発展し、単発の事件にとどまらず背後に大きな組織が潜んでいる可能性が高い。筆者としては、海上アクションの迫力だけでなく、水上署のメンバーが成長しながら“水上の正義”を模索する過程に注目したい。
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