シーズン3の第4話は、「正しさ」を疑うことから始まるエピソードでした。
舞台は、どんな不正も許さず、温情も曖昧さも排除してきた“正しい裁判官”の家庭。法廷では揺るがなかったはずの信念が、家の中に持ち込まれた瞬間、静かに歪み始めます。
遅刻すればおかずが減らされ、言い訳は許されない。
その厳しさは正義の名を借りて、いつの間にか家族の呼吸を奪っていました。
第4話は、裁く側に立ち続けてきた男が、初めて「裁かれる側」へ引き戻される物語。
正しさを守るためについた嘘と、正しさのせいで壊れかけた家族――その両方を暴き切る、息の詰まる一話です。
※ここから先は、第4話の結末までを含むネタバレで進みます。未視聴の方はご注意ください。
家政夫のミタゾノ(シーズン3)4話のあらすじ&ネタバレ

ここからはシーズン3・第4話の内容を、最初から最後までしっかり追いながらまとめます。
今回の依頼先は、どんな不正も許さず、温情も曖昧さもゼロの“正しい裁判官”・玄角厳吾の家。家の空気も、食卓の空気も、息が詰まるほどに「正しさ」で固められていて…見ている私まで背筋が伸びました。
物語は法廷から始まる「黙りなさい!」の一喝
冒頭は裁判所。宝石店強盗事件の裁判が行われ、被害者が感情的に声を荒げる中、裁判長の玄角厳吾が鋭い一喝で場を制圧します。
法廷の空気が一瞬で凍るあの感じ、正直ちょっと怖い。でも同時に「この人は揺らがない人なんだ」とも思わせる。
ミタゾノはそこで、法の女神テミスの話を絡めつつ、「真実から目を逸らしてはいけない」という含みのある言葉を残す。今回のスクラップ&ビルドは、まさに“正しすぎる人”が抱える歪みを崩す回なんだ…と、ここで方向性が見えてきます。
家政婦を拒絶する裁判官、でも妻の事情が切実だった
むすび家政婦紹介所から玄角家へ向かうのは、ミタゾノ・光・萌。
ところが到着早々、玄角は激怒。家政婦を依頼した覚えがない、と追い返そうとします。依頼したのは妻・優美子。ぎっくり腰で家事ができず、家を回すために頼んだのでした。
この時点で、家の中の力関係が見えてしまって、私はもう切なくなる。
「助けが必要」なのに、「助けを借りたと知られるのが許せない」。
正しさって、時々こうやって、身近な人を追い詰めます。
庭に落ちていたシーツ「クソ裁判官一家」から始まる崩壊
追い返されそうになった、その矢先。庭で見つかるのが、シーツにクレヨンで書かれた「クソ裁判官一家」という落書き。
外聞を気にする玄角は慌てますが、ミタゾノは淡々とクレヨン汚れを落としてしまう。ここで家事テクが“事件の導火線”になるのが、ミタゾノらしい。
クレヨン汚れを落とすポイントは、布を裏返してアルコールを使い、汚れを浮かせてから落としていくやり方(※素材によっては色落ちリスクがあるので注意)。ドラマの爽快感はそのままに、現実でやるなら“目立たない場所で試す”が絶対です。
犯人は家の中にいた? 息子・公平の小さなSOS
萌は「宝石店強盗事件の関係者の嫌がらせでは?」と推理します。
でもミタゾノの視点は冷静で、「家の中のシーツが、どうして庭に?」と刺す。
結果、犯人は長男・公平。
姉のスマホを借りて、家に脅迫めいた電話をかけ、クレヨンで落書きもしていた。ミタゾノに現場を押さえられて、父に言わないでほしいと懇願する。
ここ、私が一番胸に残ったのは、公平の反抗が“悪意”というより「息苦しさ」から出ていること。
遅刻したらおかずが減らされる朝食。ルールが先で、気持ちは後。
子どもって、正論で殴られ続けると、どこかで爆発するんだな…と感じました。
妻・優美子の「病院通い」は嘘だった:派手な服、男、請求書
次に浮かび上がるのが、妻・優美子の秘密。
“病院へ行く”と言いながら、実は公園のトイレで派手な服に着替え、若い男性と会っている。しかも貢いでいるような雰囲気で、高額な請求書まで出てくる。
家での優美子は、質素で控えめで、夫の「正しさ」に合わせて生きているように見える。
でも外では、別の顔をして、別の自分を取り戻そうとしている。
それが不倫かどうか以前に、「そうしないと自分が壊れる」ギリギリ感が見えて、私は責める気持ちになれませんでした。
血のついた金属バットと、娘・正子のSNS「J正子」
さらに家の中から、事件の凶器と同じ“金属バット”が見つかり、しかも血が付いている。
玄角は動揺し、家族の中に犯人がいるのではと疑い始めます。
疑いが濃くなるのが娘・正子。
彼女のSNSのアカウント名が「J正子」で、背景に宝石店が写った写真があったり、事件当日と重なる投稿があったりして、玄角の疑心暗鬼が加速していく。
ここがこの回の核心で、裁判官として「公正」であるべき人が、家族が絡んだ瞬間に揺らぎ始める。
“疑い”って、一度芽生えると、証拠が後から後から“疑いを補強する形”で見えてしまう。
正子が真面目で優等生であるほど、「反動でやったのでは」と思ってしまうのも、リアルで苦しかったです。
針の筵の夕食、ミタゾノのオムレツが怖すぎる
夕食の席は、全員が何かを隠しているせいで、空気が針の筵。
そこでミタゾノが出してくるオムレツの表面に、ケチャップで書かれた文字が並ぶんです。「フリン」「J正子」「ラクガキ犯」…。
私はここ、笑っていいのに笑えない、独特の寒気がありました。
“家族の秘密”って、本人同士が黙っていても、空気が勝手に暴露してしまう。
しかもミタゾノは、それを料理でやる。優しい顔をした追い詰め方が、一番怖い。
判決の日、玄角が「家族を守るために裁く」側へ傾く
そして迎える判決の日。
玄角は娘が犯人だと疑うあまり、被告を有罪に導こうとしてしまう。法の番人であるはずの人が、家族を守るために“正しさを曲げる”瞬間です。
傍聴席には光がいて、さらに萌もなぜかいる。後から「傍聴マニア」だと明かされるのも、このドラマらしい小ネタ。真面目な場面でこそ、変なところで笑わせに来るのがズルいです。
ミタゾノが証言台へ:ゴルフバッグが開いた瞬間、全部が暴かれる
弁護側から緊急証人が申請され、呼ばれて出てくるのは…ミタゾノ。
しかも手には、玄角が隠していたゴルフバッグ。中には“凶器かもしれないバット”がある。玄角の顔が固まるのが、見ていて胃が痛い。
ところがミタゾノは、ただ凶器を突きつけるだけじゃなく、家族全員の秘密を法廷で次々に暴露していきます。
- 優美子の若い男との密会(そして貢いでいた現実)
- 公平の落書きと脅迫めいた電話
- 正子の“宝石店強盗”に見えた行動の真相
- さらに、玄角自身の“ある動画”まで…
加えて、玄角のPCに届いていた「有罪にしろ」という脅迫メールの送信者が検事だったことまで明らかになり、法廷は完全にカオス。
そして追い打ちのように暴かれるのが、玄角がストレス解消で通っていた“赤ちゃんパブ”の件。
ここはさすがに予想外すぎて、私は変な声が出ました…。真面目な顔で「正しさ」を語っていた人の裏側が、あまりにも人間臭すぎる。
真相:正子の「J」は宝石じゃなく、女子プロレスのJだった
ここがこの回の気持ちいいところ。
疑われ続けた正子の「J」は、宝石(ジュエリー)のJではなく、女子プロレスのJ。彼女は裁判官ではなく、プロレスラーを目指していた。
ゴルフバッグの中に入っていたのは凶器じゃなく、デビュー戦のチラシ。血のついた金属バットも、事件のものではなくプロレス用の道具だった。
あの“疑いの材料”が、全部別の意味にすり替わる瞬間、やられた…!って気持ちよく騙されました。
玄角の謝罪で、被告が泣いて自供する「閉廷」
家族の秘密が明らかになり、玄角自身も「正しさ」に縛られて家族を追い詰めてきたことを認め、心から頭を下げます。
その姿に、まさかの被告が感動してしまい…否認を翻し、犯行を自供。凶器を川に捨てたことまで話し、事件はようやく“正しい形”で終わります。
罪を裁く場所で、裁く側が先に“自分の罪”を認める。
その順番が、この回の救いだった気がします。正しさは、隠し事と一緒に握りしめると、必ずどこかで歪む。玄角はそれを痛いほど学んで、ようやく家族と同じ目線に降りてきたんだと思いました。
エピローグ:壊れたファスナーみたいに、関係も直せる
後日、正子は女子プロレスラーとしてデビュー。家族で撮った写真が、ちゃんと笑顔になっているのがじんわり嬉しい。
そしてこの回、壊れたファスナーを直す家事テク(鉛筆の芯=黒鉛で滑りをよくする、必要なら歪みを整える)が、物語のメタファーとして効いているのも印象的でした。
“壊れたら終わり”じゃなくて、
“壊れたところを直して、また使う”。
ミタゾノが毎回やっているのって、結局これなんですよね。秘密を暴くのは残酷だけど、暴いた先に「戻れる場所」を用意してくれる。その優しさが、私はこのシリーズを追ってしまう理由かもしれません。
家政夫のミタゾノ(シーズン3)4話の豆知識・家事情報
第4話は“リーガル編”らしく、家の中でも法廷でも、いろんな「汚れ」が一気にあぶり出された回でした。でもミタゾノさんの手はいつだって正確で、シーツの落書きからファスナーの不調まで、生活に役立つ小ワザがぎゅっと詰まっていました。私が「これは覚えておきたい…!」と思った家事ネタを、使う場面が想像できるようにまとめます。
シーツについたクレヨン汚れを落とすコツ
子どもの落書きって、可愛い反面、布に入った瞬間だけは笑えない(笑)。クレヨンはロウ分があるので、水だけだと伸びやすいのが厄介です。だからこそ、まずは“溶かして移す”方向で攻めるのがポイント。
やり方は「裏から溶かして、表に移す」イメージです。
- 汚れている面に、乾いたタオルを当てる(吸い取る“受け皿”を作る)
- 裏側からアルコールスプレーを吹きかける
- 歯ブラシで“こする”より“トントン叩く”ようにして、タオル側へ汚れを移す
- ある程度薄くなったら、食器用洗剤でなじませて洗い流す
- 仕上げに50℃くらいのお湯ですすぐとスッキリしやすい
私が大事だと思ったのは、最初からゴシゴシ擦らないこと。擦るほど繊維の奥に押し込んで、広がった輪郭だけが残りがちなんですよね。
あとアルコールは色落ちする素材もあるので、目立たない場所で試してからが安心。換気も忘れずに。タオルは汚れ移りするので、使い捨てでもいいものを選ぶと気がラクです。
クレヨンは乾く(固まる)前が勝負なので、「気づいたらすぐ」がいちばんの時短です。洗濯表示で水洗いOKかを確認して、落とせる素材かどうかだけ先にチェックしておくと焦らずに済みます。
血液汚れは「オキシドール」で泡の力を借りる
血の汚れって、時間が経つほど落ちにくくなるし、見た目のストレスも大きい…。第4話では、血液汚れの対処として消毒用オキシドール(過酸化水素)を使う方法が出てきました。
- まずは水(できればぬるま湯より“水”)で軽く流す
- オキシドールを汚れ部分に少量つける
- 泡が出てきたら、清潔な布や綿棒で“押さえて取る”
- 仕上げに通常洗濯(または水洗い)で落とす
血はタンパク質汚れなので、熱いお湯を当てると固まりやすいのが落とし穴。だから最初は「水でサッと」が合言葉です。泡がシュワっと出るのが気持ちいい反面、漂白っぽく作用する場合もあるので、色柄物はテスト推奨。手荒れしやすい人は手袋があると安心です。
お風呂のカビは「50℃のお湯を至近距離で10秒」
カビ取り剤を使うのもいいけど、臭いが苦手だったり、小さい子がいる家庭だと躊躇することもありますよね。第4話で紹介されたのは、熱でカビを弱らせるやり方。
- シャワーの温度を50℃に設定
- カビの部分に、できるだけ近い距離から10秒ほど当てる
- そのあと軽くこすって流す(できれば換気もセットで)
熱で表面のカビを弱らせて、予防にもつながるという考え方。私は「今日は洗剤を使いたくない日」のお守りにしたいと思いました。
ただし火傷には本当に注意。手をかざして「熱っ!」となる温度なので、ゴム手袋・スリッパ・長袖などでガードするのが現実的です。無理はしないで、できる範囲で。
動かないファスナーは「鉛筆の芯」で滑りをよくする
あの“あと少しで閉まるのに、そこで止まる”感じ。ファスナーって、止まった瞬間に心まで止まる(笑)。そんなときは、潤滑を足してあげる。
- ファスナーのレール部分を、鉛筆でなぞる
- 黒鉛が潤滑剤代わりになって、動きがスムーズになりやすい
もしレールの金具が曲がって噛み合わせが悪い場合は、ペンチでそっと形を整えると復活することも。力任せに引っ張るより、原因をほどいてから動かすのが近道です。
私がメモした「失敗しない」ための注意点
- アルコールやオキシドールは、まず目立たない場所で色落ちチェック
- 換気はセット(特にアルコール)
- “こする”より“叩く・押さえる”が基本
- 熱湯レベルは危険なので、50℃でも肌に触れないように徹底
- 掃除って、勢いでやると失敗する。落ち着いて手順を踏むほうが結局早い
もし家に専用アイテムがないときは、無理に買いに走らず“家にあるもので代用”もアリ。アルコールは除菌用でもOKだし、ファスナー用の鉛筆は濃いめ(B以上)だと滑りが出やすい印象。完璧じゃなくても、まず動かしてみるのが大事です。
第4話は、家族の秘密が次々“こじれて詰まっていく”展開だったけれど、ファスナーの直し方を見ていると、日常の不具合って案外「ちゃんと手をかければ戻る」んだなって、少しだけ救われました。
家政夫のミタゾノ(シーズン3)4話の感想&考察

第4話は、タイトル通りの“家政夫ドラマ”なのに、見終わったあと妙に胸がざわざわしました。笑える小ネタが多いのに、根っこにあるのは「正しさ」と「息苦しさ」の話で。裁く側の家が、実は一番“裁かれるのが怖い”家だった、という皮肉が刺さります。
玄角家に派遣された三田園さん・光くん・萌ちゃんは、到着早々「勝手に家政婦を雇うな!」と追い返されそうになるんですよね。でも庭で見つかる“あのシーツ”が流れを変える。クレヨンで書かれた「クソ裁判官一家」という落書きが、玄角家にとっての最初の“証拠品”になっていくのが上手すぎました。
「裁判官一家」なのに家庭内がいちばんグレー
玄角家の朝食シーン、あの窮屈さがすごい。少しでも遅れたらおかずが一品減るとか、カーテンを変えるだけで“贅沢”だと叱られるとか、家のルールが法律みたいに厳しいんですよね。
ルールがある家は安心のはずなのに、ここではルールが“息を奪うもの”になっていて、見ている私は息継ぎのタイミングを失いそうでした。
そして皮肉なのが、その息苦しさがそのまま「家族の秘密」を生むところ。
息子は反抗の出口を“悪口の落書き”に向け、妻は外で別人格みたいに派手になり、娘は父の望む“正しい進路”とは別の夢を抱える。みんな、家庭内で本音が言えないから、家の外に逃げ場を作るんです。
だって人って、悪い人だから嘘をつくんじゃなくて、言えない環境があるから嘘になる。第4話はその積み重ねが丁寧に描かれていて、笑いながらも胸がチクチクしました。
ミタゾノの“取り調べ”が容赦なくて、でも妙に的確
第4話はリーガル編だけあって、ミタゾノさんの動きが完全に捜査官。トイレにこもった公平くんがイタズラ電話をかけようとした瞬間、鍵が開いてヌッと入ってくるあの怖さ…!
しかも指先(爪のあたり)に残ったクレヨンで犯行を見抜くのが、証拠の取り方までプロすぎます。
個人的に忘れられないのが、公平くんが反抗して「ブス!」って言った瞬間の、ミタゾノさんの空気の変わり方。
そして弱みを握ったあと、誓約書みたいにタオルへ「もう二度と…」と書かせて家事をやらせる流れも、ミタゾノらしいブラックさ全開でした。自分はクリームソーダを飲みながら見守るのがまたズルい。
物置部屋が“証拠保管庫”になっていく怖さ
萌ちゃんが見つける過去の裁判資料の山とか、血のついた金属バットとか、あの物置部屋の不穏さはホラー寄りでした。
「正しさ」を守る人の家ほど、過去の“重さ”が積もっている。
そこにミタゾノさんが血液汚れの落とし方(オキシドール)をさらっと置いていくのも、完全に伏線の張り方が刑事ドラマ。
掃除のアドバイスなのに、「それ、今の状況だと“隠蔽のヒント”にもなるよね?」ってゾワっとしました。ミタゾノって、いつも生活の知恵をくれるのに、同時に“人間の弱さ”も利用するから怖い。
娘・正子の秘密が「犯罪」じゃなく「夢」だった救い
血のついたバット、宝石店前でピースしている待ち受け、SNSの意味深な投稿…。状況だけ並べたら、完全に犯人ルート。
父としては疑いたくないのに疑ってしまう、でも裁判官としては見逃せない。あの葛藤、見ていて苦しかったです。
それだけに、真相が“宝石強盗”じゃなくて、娘の夢が女子プロレスラーだった展開は、救いでもあり、同時に切なかった。
救いなのは、誰も傷つける犯罪ではなかったこと。
切ないのは、娘が夢を語れる空気が家の中になかったこと。
正子の「本当は裁判官じゃなくて…」を聞いた瞬間の、父の顔。怒りより先に、ショックと困惑が出てしまう。あれって「裏切られた」じゃなくて、「知らなかった」なんですよね。
家族なのに、知らない。そこが一番つらい。
しかも正子は“真面目だからこそ”悩んでいて、真面目だからこそ、言い出せなかった。真面目な子ほど、親の期待に応えたくて自分を押しつぶしがちで…見ている私のほうが先に苦しくなりました。
優美子の“派手変身”が、私はいちばん苦しかった
私は、奥さんの優美子が外で派手になるくだりが一番苦しかったです。笑えるはずなのに、笑えない。
家で「慎ましく」を強制されるほど、人って外で反動が出る。きっと彼女は贅沢がしたいんじゃなくて、“自分で選びたい”だけだったんじゃないかな。
しかも相手が若い弁護士で、恋というより“逃げ場”みたいに見えたのも痛い。
恋愛って、幸せを運ぶもののはずなのに、追い詰められた人が「息をするため」に選ぶ恋は、どうしても歪みやすい。相手に依存しやすいし、相手からも利用されやすい。第4話の優美子はまさにそれで、見ていて胸が締めつけられました。
法廷シーンは「事件」じゃなく「家庭裁判」だった
裁判当日、三田園さんが証人として現れて、ゴルフバッグ(という名の爆弾)を持ってくるあの展開、最高にミタゾノ。
あの法廷って、宝石強盗事件を裁く場のはずなのに、実際には玄角家の“秘密”が順番に裁かれていく場所になっていましたよね。
- 妻の外での散財と、弁護士との関係
- 息子の落書きとイタズラ電話
- 娘の「J正子」の正体と、バットの理由
- そして、脅迫メールの送り主の正体
ひとつ暴かれるたびに、玄角の“正しさ”が剥がれていく。あれは公開処刑みたいで残酷だけど、同時に「本音を言えない家」には、いつか必ず爆発が来るんだとも思いました。
いちばん闇が深いのは「脅迫メールの犯人が検事」なところ
個人的にゾッとしたのは、家族の秘密よりも、脅迫メールの送り主のオチです。
裁判官を脅して有罪を取ろうとするって、正義を掲げる側がいちばんズルいことをしてるじゃん…って、冷めた怖さがありました。
この回って、家族を「クソ」と笑うための回じゃなくて、制度とか肩書きとか、“正しさっぽいもの”の裏にある欲や不安を笑ってる気がします。
誰だって、負けたくないし、成果が欲しいし、評価されたい。だからこそ、正義の顔で不正が起きる。ミタゾノはそこを容赦なく突くから、見ていて気持ちいいのに、同時に背筋が寒いんですよね。
玄角の「赤ちゃんパブ」…笑っていいのか迷うけど、私は理解もしてしまう
最後に出てくる玄角の秘密、衝撃すぎて思考が止まりました。
でも、笑い飛ばして終わりにしないのがこの回のすごさだと思っていて。
あれって結局、「強くあれ」「正しくあれ」って常に求められてきた人が、どこかで“甘えたかった”ってことじゃないのかな。
家庭でも職場でも、弱音を吐けない人ほど、極端な形でバランスを取ろうとする。私自身、頑張りすぎた日に限って変な買い物をしてしまったり、突然どうでもいいことで泣きたくなったりするから、あの極端さが他人事に見えませんでした。
最後の一撃は、息子の「お黙りなさい!」だったと思う
終盤、公平くんが父の口調を真似して「お黙りなさい!」と言う瞬間があるじゃないですか。あそこ、ギャグみたいで、実は一番刺さりました。
子どもって、嫌いな親の言葉ほど真似できてしまう。毎日浴びているから。だからこそ、真似できてしまう自分が悲しくなる。
公平くんの本音って、「本当はお父さんみたいになりたかった」なんですよね。でも同時に「正しいことばかり押し付けるお父さんが嫌だった」。
この矛盾、たぶん子どもだけじゃなく、大人の恋愛でも同じで。好きなのに苦しい、尊敬しているのに息ができない。距離を取りたいのに、見てほしい。そういう感情の渦が、落書きになって出ただけだったのかなと思いました。
ファスナーの家事情報が、物語の“答え”になっていた
法廷がぐちゃぐちゃになって、家庭の秘密も全部さらけ出されて、もう修復不能に見える。そのタイミングで、ミタゾノさんがファスナーの直し方を語るのが、私はすごく好きでした。
ファスナーって、噛み合わせがズレたり、ちょっと曲がったりすると動かなくなる。でも、鉛筆で滑りを良くしたり、ペンチで形を整えたりすれば、また閉まる。
この「一度壊れたら終わりじゃない」というメッセージが、玄角家の“正しさ”に対する答えになっている気がしました。
正しい方向に曲げ直せるものもあるし、間違って曲がったままでも、手をかければ戻せる。
家族もそうで、完璧じゃなくていいし、間違えたら直せばいい。第4話は、そこに着地するから救われます。
私なりの考察:この回が言いたかったのは「裁く前に、まず聞け」かもしれない
玄角は、家族を“正しく”育てたかった。だから押し付けた。
でも本当は、裁く前に、聞けばよかった。娘の夢も、妻のしんどさも、息子の寂しさも、聞けばよかった。
聞くって、簡単そうで難しいんですよね。
相手の答えが、自分の期待と違うかもしれないから。
でも違う答えが出たときに、初めて関係って動き出す。
第4話を見終わった私は、「正しさ」って、ときどき暴力になるんだなって思いました。
そして、正しさを手放すって“甘やかす”ことじゃなくて、“信じて任せる”ことなんだなって。
笑って、引いて、ちょっと泣きそうになって、最後は少しだけ温かい。第4話はそんな感情のジェットコースターでした。
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