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TRICK/トリック(シーズン3)9話のネタバレ&感想考察。念で物を生み出す女は本物か?御獅舞村で始まる最終章の恐怖

TRICK/トリック(シーズン3)9話のネタバレ&感想考察。念で物を生み出す女は本物か?御獅舞村で始まる最終章の恐怖

シーズン3第9話は、TRICKという作品が最も“怖い顔”を見せる最終章の入口です。

舞台は茨城県・御獅舞村。ここに現れたのは、念によって物を体内に生み出し、人を殺すとされる女・長谷千賀子

討伐隊の失踪、予言どおりの死亡、そして密室で起きた不可解な死――視聴者の「どうせトリック」という足場を、意図的に崩しにきます。

ここから先、物語は“超常現象の否定”ではなく、“人間が信じてしまう恐怖”そのものへ踏み込んでいきます。

目次

トリック(シーズン3)9話のあらすじ&ネタバレ

トリック(シーズン3)9話のあらすじ&ネタバレ

シーズン3の第9話は、いわば“最終章の入口”。

タイトルも「〜最終章〜念で物を生み出す女」と銘打たれていて、ここまでのシリーズが積み上げてきた「オカルトっぽさ」と「科学っぽさ」の境界を、いったん“ぐにゃっ”と溶かしに来る回です。

舞台は茨城県の御獅舞村(おしまいむら)。名前からして、もう不吉で、もう不穏で、もうズルい。ここに「本物かもしれない」という空気が、じわじわ侵食していきます。

池田荘に“空気の違う人”が来る――日常パートの静かな異物感

事件が始まる前に、いつもの池田荘(奈緒子のアパート)側の“日常”が挟まります。ここで妙に印象的なのが、「あ、今回は空気が変わるぞ」と視聴者に気づかせるような“異物”の置き方。

第9話の冒頭には、池田荘の部屋事情に変化があり、そこへ“白髪で着物姿”の新住人が入ってくる――という小ネタが仕込まれています。

後から振り返ると、これはギャグというより「これから入る最終章は、いつもの日常の延長線上じゃない」という宣言みたいにも見えるんですよね

森に住み着いた女・長谷千賀子――「ニセモノ」と裁かれた過去

舞台の御獅舞村の森に、長谷千賀子という女性が住み着いた――ここから事件が動きます。

千賀子は25年前、霊能力者として村で話題になったものの、科学者に「ニセモノ」と糾弾され、村を追われた過去を持つ人物。そこから年月が経ち、彼女は“霊能力をパワーアップさせて”村に戻ってきた、と語られます

この時点で、TRICKを見慣れているほど「どうせトリックだろ」と構えるはずなんですが、千賀子が背負っている“屈辱の履歴”が、ただのインチキ師のそれじゃない。

追放された者の恨み、村の共同体が一度貼ったレッテルの残酷さ、そこから生まれる復讐の動機――この辺りが、序盤から妙にリアルで、笑いより先に“冷え”が来ます。

討伐隊が消える――村の「信じたい熱」が先に暴走する

村人たちは、森に住む千賀子を追い出そうとして「討伐隊」を作り、小屋へ向かわせます。ところが、討伐隊はそのまま行方不明に。ここでTRICKが上手いのは、“現象”より先に“空気”が膨らむことです。

誰かが消える。戻らない。

原因が分からないほど、村は「千賀子は本物だ」「霊能力でやられたんだ」と、早合点したくなる

しかも、村の権力者サイドが絡むことで、疑いが一気に“確信っぽく”変質する。御獅舞村は、怪異が起こる場所というより、怪異を“成立させる土壌”がある場所として描かれていきます。

上田を崇拝する教師・北見の来訪――「針が心臓に実体化する」恐怖

ここで依頼人として登場するのが、御獅舞村の教師・北見紀明。彼は上田次郎を訪ね、千賀子に“死を予言された”と助けを求めてきます

しかも北見、なぜか上田を敬愛しすぎている。話し方や態度まで上田に寄せてくる、あの“濃い”感じが最初は笑えるんですが、回を追うごとに、この「上田崇拝」が不気味に見えてくる。

北見が受けた脅迫(予言)は、かなり直球で怖いタイプ。

  • 「心臓の真ん中に針を物体化させる」
  • 「まもなく命を落とす」

つまり、“目に見えない力”で身体の内部に物質を出現させる、という宣言です。TRICK的には「そんなわけあるか」で済ませたいところなのに、ここは「もし本当なら?」の怖さを真正面から描いてきます。

上田&奈緒子、御獅舞村へ――最終章の現場が“笑えない”温度になっていく

上田は奈緒子を連れて御獅舞村を調査することに。ここからはおなじみの“学者の検証”と“手品師の現場感”が走り出す……はずなんですが、第9話は最初から現場の温度が違います。

村を仕切っているのは、地主であり実力者の金井源三。金井家は派手で圧が強く、村の空気を実質的に支配している存在です。

さらに金井家には使用人・岸本誠一がいて、彼が家の中で不当に扱われている様子が見える。TRICKではよくある“村の権力構造”の提示ですが、ここでは「恨みの行き先」が複数に枝分かれしているように見せてくるのがポイント。後で効いてきます。

予言の夜――「見張っていたのに」北見が倒れる

そして最大の山場が、夜。上田と奈緒子は北見と夜通し行動を共にし、外部の人間が針を刺し込む隙なんて作らない。つまり、“トリックの可能性”を先回りして潰したつもりの状況を作ります。

……なのに、予言どおりの時間に北見が突然倒れ、苦しみ出す。

ここがこの回の怖さの芯。

「見張っていた」「目を離していない」「外部の介入はない」――その条件を置いてなお、現象が起きる。TRICKという作品は、基本的に“種明かしで勝つ”ドラマなのに、第9話は一度、視聴者の「分かる」という足場を抜いてきます。

さらに語りとしては、北見は最終的に命を落とし、レントゲンに針が映っていた――という“説明不可能”な状態まで提示されます。ここまでやると、もはや「演出としてのホラー」ではなく「事件としての異常性」になってくる。

この一連の流れの中で、奈緒子が「自分には霊能力があるのでは」と気づく(あるいは、そう思わされる)のも重要です。奈緒子自身が一番“信じていない側”の人間なのに、彼女の内側に揺らぎが入った瞬間、視聴者は余計に揺さぶられます。

村の権力者にも“死の宣告”――疑いが確信に変わっていく

北見の件だけでも十分なのに、御獅舞村ではさらに“本物っぽい”事件が重なっていきます。

金井源三に対しても、千賀子が「毒水を体内に物体化させる」と宣言し、結果として源三は死亡してしまう……という形で、村はますます千賀子=本物の霊能力者、と結論づけていく流れになります。

TRICKの怖さは、ここでも“現象そのもの”より「人間が確信に堕ちていく速度」。

誰かが死ぬ。恐怖が増す。確信が固まる。次の行動が過激になる。この循環が回り始めた時点で、もはや村は「真相を知りたい」より「復讐したい」に傾いていきます。

行方不明の討伐隊が見つかる――「一人だけ違う死に方」が残酷すぎる

矢部(いつもの矢部警部補)も捜査に入っていく中で、行方不明になっていた討伐隊が発見される展開へ。ところが、源三の息子・金井省吾だけが“死体”で見つかる――しかも状況が明らかに異常、という形で事件はさらに暗くなります。

この「全員じゃない」「一人だけ違う」という残酷さが、視聴者に強烈な不穏を残します。

超常現象のようにも見えるし、むしろ“人間がやった”と考えると、より気味が悪い。どちらに転んでも救いがない作りが、この回の後味を決めている気がします。

“呪”の封筒――奈緒子に突きつけられる「殺したい人の名前」

そして、最終章の核心へ向かう装置が出てきます。それが“呪”の封筒。

千賀子は、奈緒子に対し「殺したいと思う人の名前を書いて、呪の封筒に入れなさい」と迫る。ここが、第9話の終盤で最もゾッとするところです。

なぜなら、この瞬間から話題が「霊能力の真偽」から「人は誰かを殺したいと思うのか」に移るから。

TRICKの“悪意”って、いつもここにある。超常現象は入口で、本題は人間の欲、恨み、弱さです。

さらに千賀子は、黒門島のことを知っているような言葉を漏らし、奈緒子に「自分と同じ力が流れている」と示唆する。これが、奈緒子という主人公の“縦糸”を一気に引っ張ってくる一言になります。

ラストに向けて村の暴走は止まらず、討伐隊が千賀子の小屋へ押しかける。

そこで次回へ続く形で「奈緒子が討伐隊と共に消える」という不穏な状況が提示され、上田は呪いの封筒(奈緒子の筆跡)を手掛かりに追うことになる――という、嫌な引きで第9話は幕を閉じます。

トリック(シーズン3)9話の伏線

トリック(シーズン3)9話の伏線

第9話は“最終章の前編”として、事件の謎を積み上げるだけじゃなく、奈緒子の縦糸(黒門島)をもう一度浮かび上がらせる伏線を散りばめています。

ここでは「この回を見返すと刺さるポイント」を、できるだけ整理しておきます。

伏線1:御獅舞村(おしまいむら)という地名の“終わり感”

ギャグっぽいのに、最終章に置くには意味深すぎる地名。
視聴者に「これは終盤の話だ」と無意識に刷り込む装置になっています。地名の時点で空気が怖いのは、TRICKの“前振りの強さ”そのもの。

伏線2:千賀子の過去「ニセモノ」の烙印=真相が“単純じゃない”予告

千賀子は、科学者にインチキ扱いされ追放された過去を持つ。ここで提示されるのは単なる経歴じゃなく、「真偽の裁定者は誰か」というテーマ。

後半で“トリックの構造”が明らかになったとき、この過去が「加害者/被害者」の境界を曖昧にしてきます。

伏線3:「討伐隊が消える」=女一人では無理なスケール感

村人が集団で消える(あるいは見つかっても一人だけ死体)。これは、千賀子単独の超能力で片づけるにはスケールが大きすぎる。

つまり第9話の時点で「この現象は“誰かの手順”で作られている」と疑う余地が残る。これが後半の“解体”へ繋がっていきます。

伏線4:北見の異様な上田崇拝=ただのギャグでは終わらない違和感

上田の口調を真似る北見は、確かに笑える。けれど最終章で“ここまで濃く”描くのは、視聴者の印象に北見を刻むため。

「依頼人=善」と思い込んだまま見ていると、後半の情報が入った瞬間に体温が下がります。

伏線5:予言の時刻に倒れる/針が映る=“本物っぽさ”を最大化する演出

夜通し一緒にいても倒れる、しかも針がある――という提示は、視聴者に「ここまでやってもトリックで説明できるのか?」と疑問を残すための設計。

TRICKはいつも「理屈で勝つ」物語なのに、第9話は一旦“理屈が負ける”形を作って次回へ引っ張ります。

伏線6:金井家と岸本誠一=権力・虐待・恨みの貯金

金井家の派手さ、源三の横暴、そして使用人・岸本が抑えつけられている構図。

TRICKで「家」「村」「共同体」の話が出たとき、それはだいたい“恨みの貯金箱”です。誰が何を恨み、どう使うのか。ここを置いておくのが伏線になっています。

伏線7:“呪”の封筒=テーマを「超常」から「殺意」へスライドさせる装置

「殺したい人の名前を書け」という提案は、霊能力の証明ではなく、奈緒子の内側を抉る質問。
ここで提示された封筒は、次回以降「誰が何を書いたか」「書かせる構造は何か」という、心理トリックの本丸になります。

伏線8:千賀子が黒門島を知っている示唆=縦軸再起動の合図

千賀子が奈緒子に「同じ力が流れている」と示唆するのは、単に“霊能力があるかも”という話ではなく、奈緒子の出生と黒門島に物語が触れていく予告。

最終章の前編でこの言葉を置くことで、事件が「村の怪異」から「奈緒子の物語」へ変わっていきます。

伏線9:奈緒子が消える=“村の事件”では終わらない宣言

第9話の終盤で提示される「討伐隊と共に奈緒子が消える」という状況は、次回の舞台が変わることを匂わせる大きなフック。

事件はまだ村にあるのに、主人公が村から消える――このズレが「縦軸」の爆発を予告します。

トリック(シーズン3)9話の感想&考察

トリック(シーズン3)9話の感想&考察

第9話を見終えたとき、まず残るのは“怖さ”です。TRICKって基本は笑えるのに、この回は笑いが効きにくい。いや、笑える場面はある

でも笑った直後に、背中が寒くなる。最終章前編として、空気を変えることに全力を振っている回だと思います。

「本物かもしれない」を一度成立させる回

TRICKは毎回、超常現象を“解体”していく物語です。なのに第9話は、あえて一度「本物かもしれない」を成立させる。

  • 見張っていたのに倒れる
  • 身体の内部に針
  • 予言どおりの時間

これ、ミステリーとしてもかなり強い“詰み”の作りです。

視聴者が納得してしまった瞬間に、次回の種明かしがより痛くなる。つまり第9話は、次回の快感のために、視聴者の心をわざと“信じさせる側”へ寄せている。ここが作劇としてうまい

御獅舞村は「怪異が起きる村」ではなく「怪異を望む村」

今回の恐怖は、千賀子個人より、村の空気が生む恐怖でした。

村って、外の人間が入った瞬間に、ルールが変わることがある。
「原因を探す」より「犯人を決める」方が速い。
「真相」より「落とし前」の方が分かりやすい。

御獅舞村の描かれ方って、こういう“共同体の危うさ”が前面に出ていて、TRICKの中でもかなり不穏寄りだと思います。だからこそ、奈緒子が巻き込まれたときの危険度が跳ね上がる。

千賀子は悪役というより「裁かれた人」だった

千賀子の立ち位置がややこしいのが、この回の面白さでもあります。

彼女は復讐者として戻ってきた。
でも、そもそも彼女が過去に受けた“糾弾”もまた暴力だった。

この二重構造があるから、視聴者は「どうせインチキ師だろ」と割り切れない。たとえ後半で“トリック”が提示されたとしても、「じゃあ千賀子は何だったの?」という感情の引っかかりが残る。TRICKが得意な、タネが分かっても救われない余韻が、この回でもう始まっている気がします。

北見の“上田愛”が、笑いから不穏へ変わる瞬間

北見先生、最初は完全にギャグ枠です。
「上田先生ッ…!」みたいなテンションで迫ってくる“濃いファン”。

SNSでもたぶんここ、かなり言われがちなところで、たとえば
「北見先生の上田オマージュがうるさいw」
「上田のコピーみたいで逆に怖い」
みたいな受け止め方が出そうなタイプのキャラなんですよね(体感ですが)。

でも第9話は、その笑いを“最後まで笑わせない”。
予言の夜、見張っていても倒れる瞬間、北見というキャラが「面白い人」から「事件の中心」へスッと移行する。この切り替えの速さが、最終章のギアチェンジ感を強めています。

奈緒子の揺らぎが、シリーズの縦軸を呼び起こす

個人的に、第9話の一番の“怖さ”は奈緒子の顔です。
奈緒子って、基本は「え?なにそれ?」って鼻で笑う側の人間。霊能力を売りにする人間のトリックを暴く側。なのに、この回の奈緒子は、確実に“揺れてる”。

そして千賀子が黒門島のことを知っているかのような言葉を吐き、「同じ力が流れている」と示唆する。ここで奈緒子は、事件の当事者である以上に「物語の鍵」にされてしまう。

この“主人公が鍵にされる感覚”って、視聴者にとっても嫌なんですよ。

奈緒子は奈緒子であってほしいのに、奈緒子の背景に「説明しきれない何か」があるかもしれない……と示される。ここが「トリック 本物の霊能力者」みたいな検索に繋がっていく種でもあると思います。

第9話は「次回のための地獄」を丁寧に作った回

最終章の前編って、いわば“地獄の土台作り”です。

  • 村の空気を煮詰める
  • 霊能力が本物に見える証拠を積む
  • 奈緒子を揺らがせる
  • そして消える

ここまでやって、次回(第10話)で一気に回収へ突っ込むための助走になっている。第9話単体でも十分怖いのに、「ここからもっと嫌な方向に行くんだろうな」と分かるのが、最終章前編としていちばん上手いところでした。

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