第3話は、「大金を隠す犯罪」ではなく、「制度の隙間に紛れ込む金の匂い」を嗅ぎ分ける回でした。
ブタレ(タレコミ)ファイルはどれも小粒。
派手に摘発できそうな案件はない。
それでも正子だけが立ち止まったのが、美容クリニック「Y2K」。
院内の神棚、医師たちの立場のズレ、占い番組に流れ続けるCM――一つひとつは弱い違和感なのに、重ねると確かに“糠の匂い”がする。
そして物語は、美容・占い・宗教という「信じたい気持ち」が集まる場所を横断しながら、非課税という仮面を被った現金の流れを浮かび上がらせていく。
同時に描かれるのは、チームから一歩距離を取っていた優香の過去と感情。
第3話は、ザッコクが“税の話”をしているようで、実は「人がどこで心を掴まれ、金を差し出してしまうのか」を描いた回でした。
※ここから先は、第3話の内容を最後まで書きます。未視聴の方はご注意ください。
ドラマ「おコメの女」3話のあらすじ&ネタバレ

ブタレ(タレコミ)ファイルは“小粒”ばかり…それでも正子だけが手を止めた
ザッコク(複雑国税事案処理室)に、上長・麦谷から「ブタレ(タレコミ情報)」のファイルが届く。
ページをめくっても、金額も規模も“地味”な案件が並ぶ。正直、派手に暴けるネタがない。メンバーのテンションが落ちるのも無理はない。
でも、正子だけはそこで終わらない。
彼女は「派手さ」じゃなく、「匂い」で嗅ぐ人だ。
ファイルの中にあったのは、全国に分院を展開する美容クリニック――「Y2K美容クリニック」。総院長・芦屋満信は自らCMにも出演していて、露出もやたら多い。
加えて、芦屋の妻のSNSから滲む“贅沢さ”。派手な成功アピールは、裏返せば「見せる必要がある金」の匂いでもある。
正子が口にする合図は今回も同じ。
「糠(ぬか)の匂いがする」。この一言で、ザッコクの空気が切り替わる。
先行調査へ…しかし優香が珍しくきっぱり拒否する
まずは先行調査。いきなり踏み込むのではなく、相手の“日常”に紛れて観察し、違和感を集める。
ザッコクが強制捜査(マルサ的な突入)ではなく、任意で追い詰める部署である以上、この段取りが生命線になる。
正子は、客としてクリニックに入る役を優香に振ろうとする。ところが、優香はこれをはっきり断る。
優香は税務署時代から結果を出し、若くして「コメ」へ抜擢された側の人間だ。それなのに、ワークライフバランスを理由に異動し、どこか距離を取ってきた。
ザッコクのチームが少しずつ固まり始める中で、優香だけが輪の外にいる――第3話は、その“ズレ”が物語の中心に来る。
優香が拒否した理由はシンプルで、別件を単独で当たりたいから。つまり彼女は「Y2K」とは別の入口から、この事案に触れようとしていた。
作久子が“客”として潜入、待合室の異様さと「神棚」に引っかかる
クリニック潜入役を担うのは飯島作久子。
彼女は“潜れる人”だ。敵が油断する空気を作り、目の前で情報を落とさせる。
作久子は客として待合室に入る。そこでまず目に入るのが、患者たちの様子。
美容クリニックらしい華やかさがある一方で、どこか「揃いすぎている」違和感が漂う。
そして決定的に引っかかったのが、院内の雰囲気にそぐわない「神棚」。
普通なら、単なる内装の好みで済ませてしまいそうな違和感だ。だが、正子のチームは違う。
“院内に宗教っぽいものがある”――それだけで、「金の逃げ道」の可能性が一気に立ち上がる。
この時点では、まだ証拠じゃない。
でも、こういう“違和感の芽”が、後半で一気に意味を持ってくる。
笹野&古町はサウナへ…医師たちの会話から見えてくる「金の匂い」
一方、笹野と古町はクリニックの医師たちが集うサウナに潜入する。
ここが面白いのは、「職場」では出ない本音が、汗と一緒に流れてくる場所だってこと。
医師たちの会話は、一見すると何気ない愚痴や自慢のようでいて、端々に“金の構造”が滲む。
雇われの院長と、独立した医師。肩書きは似ていても、立っている地面が違う。
華やかな美容医療の裏側で、医師たちは「自分がどういう立場で金を受け取っているか」に敏感だ。笹野と古町が拾ったのは、そんな会話の中の“引っかかる言葉”だった。
この時点でザッコクは、「Y2Kは“客を騙す”より、“制度を使ってズラす”タイプかもしれない」と疑い始める。
悪徳の形はいつも、まっすぐじゃない。
優香は単独調査へ…占い番組と“やたら流れる”Y2KのCM
その頃、優香は別ルートで動いていた。
狙いは占いサロン。人気占い師・神無月シェイクが出演する番組を見ながら、優香は“占い”そのものを分析している。
優香は心理学に精通し、人の言葉・表情・反応のクセを読むのが得意だ。だからこそ、占いを「デタラメ」と切り捨てるのは簡単なはずだった。
なのに、優香が引っかかったのは別の部分。
番組中に、やたらと「Y2K美容クリニック」のCMが挟まること。
偶然のようで、偶然に見せかけた“導線”にも見える。占い番組の視聴層と、美容クリニックの顧客層は重なる。ここに広告が集中するのは自然でもある。
でも「頻度」が不自然だと、人は“意図”を感じる。優香の頭の中で、点と点が近づき始める。
さらに追い打ちをかけたのが、番組中に流れた動画に映り込んだ“ある女性”の姿。
優香は思わず息をのむ。
過去を閉じ込めてきたはずの彼女の記憶が、ここで突然揺らされる。
クリニック側の構造が見える:芦屋の「独立させる」スキーム
調査が進むにつれ、芦屋とシェイクのつながりが浮かび上がる。
芦屋がシェイクに「お布施」を渡している――この一点で、話が一気に“美容”から“信仰”へ接続する。
そして、サウナで見かけた医師たちの正体も整理される。彼らは「雇われ院長」と「独立した医師」。芦屋は若手の院長を独立させ、個人事業主(開業医)の形に仕立てていた。
ここが第3話のロジックの核だ。
個人事業主は、開業して一定期間、消費税が免税になる仕組みがある。
芦屋はそこを利用して、院長の給料を「業務委託の報酬」に見せ替え、不当に免税を受けていた。
つまりY2Kは、
「雇用」ではなく「委託」
「給与」ではなく「報酬」
という“言葉の置き換え”で、税の負担を軽くしていた。
こういうスキームの怖さは、派手な犯罪よりも「制度の隙間に見える顔」をしていることだ。
正子が言う“糠の匂い”は、ここに繋がっていく。
ルナティック・クリニックへ…優香の前に現れる「当ててくる」占い師
優香は正子たちと別行動で、ルナティック・クリニックへ潜入する。
心理学を学び、他人の感情に“振り回されないように”生きてきた優香にとって、占いは本来「型にはめる言葉」にすぎない。
ところが神無月シェイクは、優香の胸の内をあっさり言い当てる。
「あなた、心が壊れてます」。
この言葉は、当てるための言葉じゃない。
優香の“防具の継ぎ目”を狙って裂く言葉だ。
さらにシェイクは、優香がなぜ心理学へ傾倒したのか、なぜ他人に心を開かないのか、その根っこに触れていく。
大学時代、親友の坂之下美月に裏切られ、「信じなければ傷つかない」と決めたこと。
感情を整理して生きてきたこと。
優香は、合理的に割り切ってきたはずなのに、涙がこぼれる。
理屈で蓋をしても、痛みは“消えない”。この場面で優香が泣いたのは、負けたからじゃない。
自分の中に、まだ終わっていないものがあると認めさせられたからだ。
「過去と決別する方法」=手相を変える手術だった
シェイクが提示する「過去と決別する方法」。それは、まさかの“手相を変える手術”だった。
ここで、作久子が待合室で見た光景が意味を持つ。
手に包帯を巻いた患者たち。あれは手相手術の直後だったのだ。
この発想は荒唐無稽に見える。でも、占いの怖さって、当たるかどうかじゃない。
「当たったことにしたい心」を、相手が持っているかどうかなんだよな…と僕は思う。
過去を変えられない人ほど、“運命”を変えたくなる。
運命を変えられないなら、“線”だけでも変えたくなる。
そしてその欲望に、金が乗る。
シェイクは、手相手術を受ける患者をY2Kへ紹介し、見返りを得ていた。
美容×占い×宗教…「非課税の顔」をした現金が動く
ここから第3話は、三つ巴の構図になる。
- 美容クリニック(Y2K)
- 占いサロン(シェイク)
- 宗教(宗教法人)
シェイクが受け取っていた見返りは“現金”。ただし名目は「宗教法人へのお布施」。そう主張すれば非課税にできる。
つまり、この一件で起きていたのは、
「税金がかからない“顔”を被せて、実質的な紹介料を流す」
という金の変装だ。
ここがポイントで、視聴者側の感覚としても「美容」「占い」「宗教」は、どれも“信じたい気持ち”につけ込める市場なんだよね。信じたい→頼りたい→払いたい、という流れができてしまう。
そして、信じたい人ほど「これはお布施だから」「これは治療だから」と、自分の支出を正当化できる。
そこに“税の隙間”が生まれる。
第3話が上手いのは、この構造を「患者の包帯」「神棚」「CMの頻度」みたいな“視覚的な違和感”で先に見せてから、後でロジックに落とし込んでくるところだと思う。
明示の承諾を求める優香、崩れないシェイク…心理戦の始まり
優香は国税局だと名乗り、調査のために「明示の承諾」を求める。
(任意調査の世界では、この「承諾」を取れるかどうかが勝負になる。拒否されれば、踏み込めない。だから“言葉”が武器になる。)
だがシェイクは簡単には応じない。
押しても引いても崩れない相手に、優香も感情を表に出さず探り合う。
ここで面白いのは、優香が普段やっている“人心掌握”と、シェイクがやっている“人心掌握”が、似て非なるものとしてぶつかる点。
優香は、相手を読むけど騙すためじゃない。シェイクは、読んだ上で“操る”。
同じ「読む力」を持つ者同士の対峙だから、会話の温度が低いのに緊張が高い。
静かな殴り合いみたいな場面が続く。
鍵は美月…「罪を重ねるな」と「助ける」が同居した手の伸ばし方
決着へ向けて、鍵になるのが坂之下美月の存在。
シェイクが優香の過去を知っていたのは、美月が情報を渡していたから。
優香は美月に対して、二つの言葉を同時に投げる。
「これ以上、罪を重ねるのはやめて」
そして「助ける」。
この“矛盾して見える二択”が、優香の成長でもあると思う。
昔の優香なら、美月を切り捨てて終わりだったはずだ。
でも今の優香は、正しさだけで勝てないことを知っている。人は追い詰められると、さらに悪い選択をする。だから先に出口を示す。
その言葉が美月の背中を押し、結果的に「明示の承諾」へ繋がっていく。
ザッコクは、ここでようやく「中に入れる」。
入れさえすれば、彼らは早い。
証拠集めは手際よく進み、事件としてはきっちり片がつく。
決着の余韻は「ばぁーか!」――勝利の言葉じゃなく、我慢の言葉
第3話の余韻として残るのは、優香が美月に向かって放った「ばぁーか!」という一言。
これ、ただの罵倒じゃない。
勝ち誇るための言葉でもない。
ずっと我慢してきた悔しさとか、寂しさとか、言えなかった“本音”が、やっと口からこぼれただけの一言だ。
優香の過去が消えたわけじゃない。
でも抱え込まず、言葉にして相手と向き合えるようになった。
それが、優香をもう一度ザッコクのチームへ引き戻していく。
ラスト:鷹羽の演説と田次の姿…手相が次の“巨大案件”へ繋がる匂い
さらにこの回の最後、鷹羽宗一郎が新潟で演説に立つ場面に、米田田次の姿が重なる。
二人の関係を匂わせるカットは、明らかに“次の縦軸”の提示だ。
そして鷹羽は、手相を誇示していた人物でもある。
今回の「手相手術」というモチーフが、単発ネタで終わらない可能性がここで出てくる。
ザッコクの嗅覚が、もっと大きな相手へ向かい始めている。
第3話は、事件解決のスッキリ感と同時に、「このドラマ、これから政治(権力)の匂いも嗅ぎに行くぞ」という宣言でもあった。
ドラマ「おコメの女」3話の伏線

第3話は“単発案件の解決”としても気持ちよく終わる一方で、細部に「次の火種」がかなり仕込まれていました。ここでは、回収済みと未回収を分けつつ、どこが次に伸びそうかを整理します。
「手相」モチーフは“偶然の小道具”じゃない
今回の事件のキーになったのは、手相を変える手術。
これ自体は一件落着のためのギミックにも見えますが、ラストで鷹羽と絡めて“手相”を残した時点で、モチーフとして継続させる意志を感じます。
手相って、ドラマ的には便利なんですよね。
- 目に見える(映像で語れる)
- 「運命」という言い訳を引きずり出せる
- 過去・未来・自己肯定感の話に繋がる
だからこそ「手相=運命の改ざん」は、今後の“権力と金”の物語にも刺さりやすい。
伏線チェック(手相)
- 手に包帯を巻いた患者のビジュアルが早い段階で提示された(後半で回収)。
- 鷹羽が“手相を誇示していた”という情報が、事件の余韻として残された。
- 「運命を変える」という発想が、政治家の自己演出と相性が良すぎる(ここは考察)。
鷹羽宗一郎×米田田次の関係は、縦軸の本命
第3話の終盤に入った「新潟で演説する鷹羽」と「そこに重なる田次」。
これ、ただの顔見せじゃない。わざわざ“同じ画”に置くことで、関係性を疑わせる配置になっている。
田次は、正子にとっても“背骨”のような存在に見える人物。
その田次が鷹羽の場にいる。
つまり今後は「個人の脱税」から「権力の金」へスケールアップする可能性が濃い。
伏線チェック(鷹羽・田次)
- 鷹羽が演説という“公の場”にいる=次の敵は表社会の人間。
- 田次がそこにいる=ザッコクの動きと政治側がどこかで繋がる。
- 手相モチーフが鷹羽にリンクする=今回の事件は“入口”だった可能性。
優香の「距離」が縮んだ…でも“完全合流”はまだ先
第3話の中心は、優香がなぜ心を閉ざすのか、そしてそれがどう変化するのか。美月との因縁を言葉にしてぶつけたことで、優香は一歩進んだ。
ただし、これで全部終わったわけじゃない。
「助ける」と言った以上、その後どうするのかが残る。
- 美月は更生するのか
- 優香は“許す”のか、それとも“距離を置いたまま助ける”のか
- ザッコクという仕事が、優香の人生の再設計になっていくのか
このあたりは、今後の人間ドラマとして効いてきそうです。
伏線チェック(優香・美月)
- 優香は「助ける」と手を伸ばした(関係が継続する余地)。
- 「信じなければ傷つかない」という優香のロジックが提示された(今後の変化の軸)。
- 美月が優香の過去情報を渡していた=情報網(弱みの収集)がまだ残っている可能性。
“宗教法人”は一回きりで終わらない香りがある
第3話は、美容クリニックと占いサロンに「宗教法人」が絡んで、非課税の形で金が動く構図が描かれました。
このドラマの世界観として、ここが大事。
「税の逃げ道」は、単独犯より“組み合わせ”で強くなる。
美容・占い・宗教は、その組み合わせが最強クラスに成立しやすい。
つまり今後も、
「別業態を噛ませて金を変装させる」
というタイプの案件が出てきても不思議じゃない。
伏線チェック(宗教)
- 待合室に神棚という“ノイズ”が置かれていた(早い段階での布石)。
- 「お布施」名目で現金が動く構図が提示された(再利用可能なテンプレ)。
芦屋満信は“ラスボス”なのか、それとも「派手な盾」なのか
芦屋はCMにも出るし、見せ方も派手。
このドラマ的には分かりやすい“悪”として置かれている。
ただ、派手な悪って、物語の構造上「わざと目立たされている」ことも多い。
今回の事件が“組み合わせ型”だった以上、芦屋は「氷山の上の派手な部分」で、もっと大きい金の流れの入口役という可能性も残ります(ここは考察)。
伏線チェック(芦屋)
- 妻のSNSの贅沢描写が「匂い」として提示された(見せ金の意味)。
- 単発案件で終わったように見せつつ、ラストで政治側へ繋げた(矛先が変わる)。
ザッコクの“勝ち筋”が固まってきたこと自体が伏線
第3話で見えた勝ち筋はかなり明快です。
- 違和感(神棚、包帯、CMの頻度)を拾う
- 潜入で“言葉の端”を拾う(サウナ)
- 任意調査の決め手=明示の承諾を取る
- 最後は金の流れを一本に束ねる
このテンプレが固まったということは、次から敵も“それを潰す手”を打ってくる。
つまり「明示の承諾を取れない状況」や「潜入が通じない相手」が出てきた時、ザッコクの脆さも露出しそうです(考察)。
ドラマ「おコメの女」3話の感想&考察

第3話、事件の作りとしては“気持ちよく終わる回”なんだけど、僕はそれ以上に「優香というキャラの解像度が一気に上がった回」だったと感じました。
事件のテーマは「脱税」だけど、芯は“人生の改ざん”だった
今回の敵は、悪徳美容クリニックと占い師。
やっていることは脱税なのに、描かれていたのは「人生を変えたい」という欲望だったと思う。
- 自分の過去を消したい
- 傷つかない自分になりたい
- 運命を変えたことにしたい
その願いが、手相手術という極端な形で出てくる。
正直、リアルかどうかで言えばツッコミどころはある。でもドラマの勝ち方って、そこじゃない。
“信じたい心”を利用するという点で、すごく筋が通っていた。
そして何より、その「変えたい」の感情が、優香自身にも刺さっている。
だから第3話は、事件とキャラのテーマがきれいに噛み合っていた。
「占い vs 心理学」じゃなくて「操る力 vs 見抜く力」だった
優香は心理学で人を読む。
シェイクも人を読む。
でも目的が違う。
優香の読む力は、相手のためにも使える。
シェイクの読む力は、相手を“導線”に乗せるために使われる。
だから会話が面白い。
声を荒げないのに、ひりつく。
相手の言葉を「意味」じゃなく「狙い」として見ているから、会話が戦闘になる。
そして優香が泣く瞬間、あれは“論破されたから”じゃない。
論理で蓋をしてきた過去が、言葉で剥がされたから。
この瞬間に、優香が「自分にも感情が残ってる」と認めるのが切ないし、同時に救いでもあった。
「明示の承諾」は、このドラマの必殺技になり得る
税務ドラマって、最終的に“証拠を押さえる”瞬間がカタルシスになる。
でも強制捜査ができない世界だと、物語が地味になりがち。
そこで出てくるのが「明示の承諾」。
つまり「入っていいですか?」を、言葉と空気と理屈で勝ち取る。
第3話の凄さは、ここが単なる制度説明じゃなく、キャラドラマと接続していた点だと思う。
美月の承諾は、制度の話であると同時に、優香が“過去と向き合う”選択の結果でもある。
だから承諾が取れた瞬間、事件の勝利と優香の勝利が同時に来る。
この二重構造は、今後の回でもかなり強い武器になるはず。
優香の「ばぁーか!」は、勝ち台詞じゃなく“生存報告”に聞こえた
第3話で一番刺さったのは、僕はここ。
優香の「ばぁーか!」。
あれ、勝者が弱者に浴びせる言葉じゃない。
むしろ逆で、ずっと弱かった自分が、やっと声を出せた瞬間の言葉に近い。
「忘れてなかった」
「許せなかった」
「でも、ここで終わりにする」
そういう感情の塊が、短い罵倒に押し込まれていた。
言葉が乱暴だからこそ、逆に本音っぽい。
そしてこの一言で、優香は“孤立している天才”から、“チームの一員になれる天才”に変わった気がする。
サウナ潜入の軽さが、逆にドラマのバランスを整えていた
重い心理戦が続く回だからこそ、笹野&古町の潜入パートが効いていた。
汗だくの場所で、社会の本音(=金の話)を拾う。やってることは真面目なのに、絵面がちょっと可笑しい。
こういう“笑える現場”があると、ドラマ全体の呼吸が整う。
そして軽いだけじゃなく、ちゃんと事件の核心(雇われ院長/独立医師、金の流れ)に繋がっているのが上手い。
ラストの鷹羽・田次で、物語が「社会の上の方」へ登り始めた
最後に鷹羽の演説、そこに重なる田次。
ここで僕が感じたのは、「このドラマ、週替わりの脱税成敗で終わらせる気がないな」ということ。
税って、結局は“権力”と相性がいい。
ルールを作る側が、そのルールの抜け道を知っている。
そこに金が絡むと、匂いはさらに濃くなる。
第3話は、美容×占い×宗教という分かりやすい悪を成敗しつつ、ラストで“もっと厄介な相手”の気配を置いた。
ザッコクの嗅覚が、どこまで上を嗅ぎに行くのか。次回以降、かなり期待してます。
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