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絶対零度(シーズン5)第5話ネタバレ&感想考察。奈美の拉致と“情報の武器化”…DICTに迫る見えない敵

絶対零度(シーズン5)第5話ネタバレ&感想考察。奈美の拉致と“情報の武器化”…DICTに迫る見えない敵

第4話でDICTが新たなサイバー犯罪を制した直後、第5話では組織そのものが標的に。

物語は、一斉停電と共に始まる“奈美の失踪”から幕を開ける。

現場から姿を消した二宮奈美(沢口靖子)は、謎の男に拉致され、暗い地下室で監禁される。

SNSには犯行声明が投稿され、「日没までに救出できなければ命はない」と挑発のカウントダウン。

山内(横山裕)と紗枝(黒島結菜)が奔走する中、奈美は自らの“観察力”と“洞察の武器”で、犯人の正体に迫っていく。

DICTの使命、そして「情報で命を守る」という信念が試される極限の一夜が描かれる。

ここからは5話のあらすじ&ネタバレについて紹介していく。

目次

絶対零度(シーズン5)5話のあらすじ&ネタバレ

絶対零度(シーズン5)5話のあらすじ&ネタバレ

第5話は、「情報犯罪×監禁テロ」の複合事件にDICT(情報犯罪特命対策室)が真正面から挑む回

物語は“11年前の一言”と“現在の一斉停電”をつなぎ、二宮奈美(沢口靖子)最大のピンチで一気に加速する。

まず、出来事の軸を時系列で整理しながら、事件の細部を追う。

11年前の“出会い”──奈美の一言が、政治家と刑事の運命を変えた

都議会議員だった桐谷杏子(板谷由夏)が街頭演説中に刃物男に襲われかける。

警備に入っていた奈美が即座に男を取り押さえて救出する礼を述べる杏子に対し、奈美は「市民を危険にさらした」とあえて厳しい言葉を返す。

この“まっすぐな一言”が、後に内閣官房副長官・佐生新次郎(安田顕)の目に留まり、二人の人生を別ルートへ押し出す起点となる。

短い回想だが、第5話全体の主題――“個人の信念が国家の事件を呼び込む”――を象徴している。

一斉停電→犯行声明──「サイバー×拉致」の二重犯罪

現在。早朝、都内で一斉停電が発生。

DICTの定例会議中に奈美の不在が発覚し、直後に拉致を告げる犯行声明がSNSに投稿される。

「日没までに救出できなければ命はない」という挑発的なカウントダウンが拡散され、添付された写真は加工痕だらけで手掛かりが乏しい。

防犯カメラ映像も停電で途切れ、DICTはサイバー攻撃と拉致を同一線上で捉える。

山内徹(横山裕)と南方睦郎(一ノ瀬颯)が現場へ向かい、清水紗枝(黒島結菜)が画面解析に取りかかるが、相手は“情報の武器化”に慣れた手練れだった。

監禁された奈美──「ずっと見ていた」男、飴玉、そして素顔

奈美が目を覚ますと、そこは窓のない地下室

現れた男(和田聰宏)は素顔を晒したまま名乗らず、「ずっと見ていた」と囁きながら飴を差し出す。

この不気味な距離感が、事件に“個人的執着”の匂いを加える。奈美は身動きの取れない状態で“観察と対話”だけを武器に、相手の心理と背景を少しずつ探り始める。

彼女が見せる冷静な洞察と抵抗の連続が、シリーズ屈指の緊迫感を生む。

山内&南方の捜索──練馬ルート、盗難車、そして誤誘導

奈美の行方は、ジョギング中に消えた足取りを追う形で調査が始まる。

停電直後、目撃証言が集中するのは練馬方面。

DICTは過去の類似事件から容疑者像を洗い出すが、仕組まれた誤誘導に翻弄される。

特定された車両は盗難車で、実行役と指示役が分業化された“匿名型犯罪”の構図が浮かぶ。

情報のプロであるDICTにも空白が生まれ、犯人側の一手が常に一枚上をいく――この押し引きが回の緊張を支配する。

奈美の反撃──“墓地へ連れ出す”ための虚を突くプロファイル

奈美は男の仕草や口調から介護経験を読み取り、さらに「妹を奈美に殺された」という歪んだ被害意識を逆手に取る。

相手が駒場宏伸という元介護職であることを見抜き、彼の心を縛る“妹の最期の言葉”を墓に残したと示唆する。

この心理誘導で、奈美は地下から地上へ――外気に触れる導線に自らを移動させる。墓地で駒場が逆上し奈美に襲いかかる寸前、山内たちが急行して救出。

「……遅い!」という奈美の一言が、極限下でも揺るがない芯の強さを際立たせた。

余韻──“監視部屋”と正体不明の組織/DICT崩壊を狙う外圧

駒場は取り調べで「知らない組織から計画を持ちかけられた」と供述。

自分は“妹の復讐”、組織は“DICTの排除”――目的の違う者同士の利害一致による共犯だったと語る。

現場に残された監視部屋には、DICTメンバーを個別に精査した痕跡が残され、“内部情報の漏洩”という新たな火種が浮上。

全治2週間の診断を受けた奈美は佐生に「近いうちに国家規模の大事件が来る」と警告する。

終盤では、宗教法人「ルミナス会」の資金流が国際犯罪ネットワークへ接続する兆候が示され、DICT包囲網の全体像がにわかに立ち上がっていく。

補足ライン──SNS詐欺の裏で動く“もう一つの犯罪”

並行して描かれるサブストーリーでは、桐谷カナ(白本彩奈)がSNSで知り合った“スコット”に誘われ、
特殊詐欺グループの“かけ子”拠点に連れ込まれる。

若者をターゲットにした情報搾取が、国家レベルのサイバー犯罪と同時進行で描かれ、DICTの理念「情報で命を守る」が、再び現実の矢面に立たされる。

総括──第5話が示した「情報犯罪の現在地」

第5話は、“個人の執着”と“国家の闇”を一本の線で結んだ回だった。

拉致という物理的暴力と、SNSという情報空間の暴力が同時に進行する。

奈美が最後まで「観察と言葉」で闘ったように、DICTの戦いは肉体ではなく“知の持久戦”だ。

信念を貫く刑事の姿が、サイバー時代のヒーロー像として鮮烈に浮かび上がった。

絶対零度(シーズン5)5話の感想&考察

絶対零度(シーズン5)5話の感想&考察

第5話は、「情報の武器化」と「人を見る力」のせめぎ合いを、体感型スリラーとして描き切った回だった。

ここでは、物語の中核にあった3つの魅力――(1)“顔の見えない敵”の描き方、(2)主人公・奈美の設計、(3)DICTという装置の拡張性――を軸に整理していく。

“顔の見えない敵”をどう撮るか──停電×SNS×加工画像

冒頭の一斉停電が物理的な監視(防犯カメラ)を遮断し、続くSNSの犯行声明が世論を巻き込み、加工写真が解析を狂わせる。

つまり、犯人は「情報レイヤー」を順に落としていくことで、DICTの追跡を撹乱していた。

インフラを落として“目”を潰し、SNSで世論を煽り、加工で追跡を攪乱する。この連鎖が成り立つのは、“情報犯罪”を主題に据えたDICTという舞台設定ならでは。

サイバーと実行犯の複合構造として、非常に説得力のある仕上がりだった。

奈美の設計──「生活安全課の眼」が“監禁下”で武器になる

監禁パートの肝は、奈美がわずかな状況観察(会話・所作・小物)から犯人像を立ち上げるプロセスにある。

飴を差し出す距離感、手当ての手順、語彙の端々から介護経験を拾い、さらに“妹の最期”という弱点を突く

ラベリングではなく行動情報から相手をプロファイルし、意思決定を外に向けさせ、地下から地上(墓地)へ自ら導線を作る。

これは「生活安全課で培った“人の現場”を見る力」の真価であり、DICTという“頭脳組織”の中で、奈美が身体性を伴う知性として機能している証拠だ。

また、監禁・暴行のシーンを吹き替えなしで演じ切った沢口靖子の芝居が、人物像の“根の強さ”を鮮やかに補強した。

DICTという装置の広がり──個人救出から国家案件へ

救出後に見つかる監視部屋と、犯人・駒場の口から語られる「知らない組織」。

ここで事件の重心は、“個人の復讐”から“組織の意志”へとシフトする。DICTの定義が「個別事件の解析」から「国家レベルの兆候監視」へ広がる瞬間だ。

次回予告で登場する宗教法人「ルミナス会」と国際犯罪の資金流が示すように、資金・人材・思想という三層でDICTを試す構造が立ち上がりつつある。

個人の恨みを媒介にDICTを試し、そこから国家規模の危機管理ドラマへ拡張する設計は、シリーズの文法として非常に理にかなっていた。

山内「……遅い!」の設計──バディの温度差が効く

救出直後、奈美が「……遅い!」と小さく毒づく。

この一言に、奈美の自己効力感と山内の焦燥感、二人の温度差が凝縮されている。

ヒロインを“救われる対象”に留めず、「自ら勝ち筋を作り、最後に仲間と合流する」という構図に置くことで、能動的でスリリングなヒューマン・サスペンスに仕上げている。

佐生=政治の窓口、杏子=リスクの中心──人物線の再配線

佐生新次郎(内閣官房副長官)は現職総理・桐谷杏子(板谷由夏)の危機管理ラインを担う立場。

杏子自身は「政治家としての発言がリスクを呼ぶ」存在として描かれる。

第1話から続く“政治の線”が、ここで奈美の拉致事件と直接つながり、DICTという組織が「現場(山内・紗枝)×政治(佐生・杏子)」の二重構造で稼働し始めた。

政治と現場、国家と個人――その接続が今シリーズのダイナミクスを支えている。

サブライン:桐谷カナの“若者×搾取”が映す、もう一つの戦場

SNSで知り合った“スコット”に誘われた桐谷カナ(白本彩奈)が、特殊詐欺の“かけ子”部屋に連れ込まれる。

国家レベルの陰謀線と並行して、匿名・流動型犯罪(トクリュウ)の現場実態――つまり若者搾取の構造――が描かれる。

甘い言葉とDMで勧誘し、携帯を奪い、監禁・強制労働へと至る。

“顔の見えない敵”の実体が、日常の隙間に潜むことを可視化するエピソードだった。DICTの理念「情報犯罪の本質に迫る」は、政治と社会の両面で試されている。

ロジックで総括──“こうだからこう、だから面白い”

停電で視覚を潰し、SNSで時間を奪い、加工で解析を鈍らせる――この三段構成が緻密に機能する。

DICTは情報の舞台で戦い、奈美は“人を見る眼”で地下から地上へ導線を切り開く。

個人の救出劇が組織の影へとつながり、監視部屋と無名の組織という手がかりが国家規模の連作プロットを射程に入れた。

キャラクターの力学(奈美の主体/山内の推進/紗枝の解析)と、シリーズの拡張(政治・宗教・資金)が一本のロープで結ばれている。

第5話は、“月9の温度”と“国家スリラーの緊張”を同時に成立させた、構成美の際立つ一篇だった。

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