韓国ドラマ『暴君のシェフ』10話の最後に王かプロポーズされるというとても大事な回でした。

第11話は、料理を通して王の心を溶かしてきたヨン・ジヨンが、王宮最大の陰謀に直面する緊迫の回です。
幼い頃に王の母が毒殺された真実が暴かれ、宮廷内では反乱が勃発。
愛と約束の狭間で揺れるジヨンの決断や、王を救うための料理がどのような役割を果たすのかを、あらすじから見どころ、感想まで詳しく解説します。
「暴君のシェフ」11話の見どころ…激動の宴と反乱、愛の誓い

第11話は、ジヨンとイホンの切ないロマンス、王宮に渦巻く権力闘争、そして料理が紡ぐ奇跡が交錯する、怒涛の展開が詰まった回でした。
約束と別れの序章
物語の冒頭、イホンはジヨンに指輪を差し出し、永遠の愛を誓います。
しかしジヨンは涙ながらに「自分は未来に帰らなければならない」と告げ、今は一緒にいることができないと拒みます。それでも彼女は「暴君にならないで」と懇願し、イホンは「必ずあなたを待つ」と誓い返します。
このやり取りは、二人の愛が揺るがぬものである一方で、別れの予感を漂わせ、視聴者の胸を締め付けました。
大妃の誕生日宴と豆肉料理
続いて、大妃インジュの誕生日を祝う盛大な宴が開かれます。肉を食べなくなった大妃のために、ジヨンは豆を肉のように加工した「豆肉九節板」とナスのパイを披露。独創的な料理は宮中の女性たちを驚かせ、宴は和やかな雰囲気に包まれました。
宴のクライマックスでは、王自らが仮面舞踊「処容舞」を舞い、観衆の喝采を浴びます。しかし、毒殺疑惑の残るカン側室の存在や、背後で進む反乱計画が不穏な影を落とします。
母の死の真実と王の怒り
宴の最中、王の母が大妃によって毒殺されたと記された記録と、血に染まった衣が突きつけられます。激昂したイホンは剣を手に大妃に迫りますが、ジヨンは必死に彼を止め、「このままでは暴君になる」と訴えます。
ジヨンはチョコレートを差し出し、大妃に記憶を呼び覚まさせました。大妃は娘が死の間際に「立派な王になってほしい」と託したことを語り、イホンは剣を収めます。料理と記憶が人を動かす瞬間であり、ジヨンの存在の意味が鮮明になりました。
ジェサン大君の反乱と森の罠
一方その裏で、ジェサン大君は反乱の準備を進めていました。臣下の家族を人質にし、宋宰の父を殺害、さらに宋宰とジヨンを誘拐してイホンをサルゴジの森へと誘い込みます。
森では罠が仕掛けられ、宋宰は王を庇って矢に倒れ、イホンも捕らえられます。宮廷ではジェサンが仮面を被って大妃を殺害、反乱軍が蜂起し王宮を制圧。血の粛清が始まり、宮廷は混乱の渦に飲み込まれました。
ジヨンの誘拐と希望の光
ジヨンは一度はギョンギルに救出されるも、再び捕らえられてしまいます。愛する者を救いたいと願うイホンの誓い、祖母の罪と赦し、反乱によって奪われる平和と命。すべてが交錯し、物語は最終話に向けて緊張感を高めていきました。
「暴君のシェフ」11話のあらすじ&ネタバレ

約束と別れの序章
第11話は、静かな夜の王宮から幕を開けます。幾多の試練を共に乗り越えたジヨンは、ついにイホンに対して「自分は未来へ帰らなければならない」という避けられぬ運命を打ち明けます。
イホンは彼女を引き留めようと、王としての威厳を捨てて指輪を差し出しますが、ジヨンは涙をこらえながら「必ず戻るから、私のことを忘れないで」と答えます。二人は互いに愛を確かめ合いながらも、すぐには一緒にいられない現実を受け入れざるを得ませんでした。
彼女は「暴君にだけはならないでほしい」と懇願し、イホンは「必ずあなたを待つ」と誓います。この場面は、時代を超えた愛の儚さと力強さを象徴する重要なシーンとなりました。
大妃の誕生日宴と豆肉料理
翌日、大妃インジュの誕生日を祝うため、盛大な宴が催されます。
肉を食べれない大妃のために、ジヨンは豆を練り上げて肉のような食感を再現した「豆肉九節板」を用意。九つの小皿に彩り豊かな具材を盛り付け、中央に豆肉を置いた華やかな料理は、宮廷に新しい風を吹き込みました。さらに洋風の技法を取り入れた「ナスのパイ」も披露され、甘さと香ばしさで大妃を驚かせます。宴席は一時、穏やかな笑いに包まれました。
しかし、その舞台裏では暗い影が動いていました。毒殺の疑惑を抱えるカン側室が出席し、重苦しい空気を漂わせる中、ジェサン大君は反乱計画を着々と進めていたのです。
彼は臣下の家族を人質にとり、従わぬ者を粛清することで支持を集めていました。宴の最中、イホンは仮面をつけて滑稽な舞「処容舞」を披露し、最後に仮面を外して観衆を沸かせます。笑いと歓声に包まれた祝宴は、しかし恐るべき真実を突きつけられる前触れに過ぎませんでした。
母の毒殺の真実と王の怒り
祝宴の只中、王の母の死にまつわる記録と血染めの衣が持ち込まれます。それには、大妃インジュが若き王妃ユンを毒殺するよう先王に進言したこと、そして王の父がそれを受け入れたことが記されていました。
さらに大妃の母が、娘の血に染まった衣を人形に隠していたという事実も暴露され、イホンは激しい怒りに囚われます。
剣を手にしたイホンは、大妃を討ち母の仇を討とうとします。
彼の目には理性はなく、血の宿命に引きずられるまま暴君の道へと傾きかけていました。ジヨンは必死にその前に立ちふさがり、「このままでは暴君になってしまう」と叫びます。
しかし彼の怒りは容易に収まりません。そこでジヨンは、かつて王の母が愛情を込めて作った味を思い出させるため、自ら作ったチョコレートを大妃に食べさせます。その甘さは大妃の記憶を呼び起こし、死の間際に王妃ユンが「息子には立派な王(聖王)になってほしい」と言い残したことを語らせました。
イホンはようやく剣を下ろし、暴力ではなく王としての責務を思い出すのです。料理が人の心を動かす力を持つことを、再び強く示す場面でした。
ジェサン大君の反乱と森の罠
だが、嵐はまだ去りません。ジヨンは宴での一件が偶然ではなく仕組まれた罠だと感じ取り、イホンに大妃との和解を急ぐよう勧めます。
しかしその裏で、ジェサン大君はついに牙を剥きます。彼は密談を耳にした宋宰の父を容赦なく殺害し、さらに宋宰本人とジヨンを誘拐。イホンをサルゴジの森へと誘い込む罠を仕掛けます。
森に駆けつけたイホンは、杭に縛られた宋宰を救おうとしますが、その瞬間、反乱軍の矢が一斉に放たれます。宋宰は王を庇って矢を受け、その場で息絶えました。愛する友を失ったイホンの慟哭は森に響き渡り、彼の心をさらに引き裂きます。
その頃、王宮ではジェサンがイホンの舞に使った仮面を被り、大妃のもとへ押し入りました。人々が混乱する中で彼は大妃を刺殺し、花火の合図とともに反乱軍が蜂起。
赤い鉢巻きを巻いた兵たちが次々と宮中を占拠し、忠義を尽くす者たちは容赦なく斬り捨てられていきます。王宮は一瞬で血の海と化しました。
ジヨンの誘拐とコンギルの奮闘
混乱の最中、ジヨンは兵に襲われ気絶させられます。彼女を連れ去ろうとする敵兵の前に現れたのは、道化師のコンギルでした。
彼は必死にジヨンを抱えて逃走し、反乱軍をかく乱します。
しかし追っ手は執拗で、ジヨンは再び捕らわれてしまいます。必死で抗うコンギルの姿は悲壮そのものでしたが、彼の奮闘はジヨンにわずかな希望を与えました。
一方、イホンは友を失い、愛する女性を奪われた絶望の淵で涙を流しながらも、王として最後の戦いに臨む覚悟を固めます。反乱軍の火の手が宮廷を覆い尽くす中、彼は「暴君」としてではなく「真の王」として立ち上がろうとするのです。
まとめ
第11話は、愛と別れの誓いから始まり、祝宴での華やかさと血塗られた真実が交錯し、さらにジェサン大君の反乱が爆発するという、激動のエピソードでした。ジヨンの料理が記憶を呼び覚まし、王の暴走を食い止める一方で、忠臣の犠牲や大妃の死は避けられず、宮廷は血と裏切りに染まります。
ラストでジヨンが再び捕らわれ、イホンが最後の決戦を誓う姿は、最終話への期待を大きく高めました。料理が人を救い、愛が暴力を超えることを示しながらも、王とジヨンの運命は予断を許さない。第11話は、シリーズ全体のクライマックスへの道を切り開く濃密な一話となりました。
「暴君のシェフ」11話の作った料理

第11話では、料理が物語の核心に関わるシーンが多く描かれました。ジヨンの作った料理は、単なる食事を超え、人の心や記憶を揺さぶる象徴的な存在として登場します。
豆肉九節板(トンゴプクジョルパン)
本来の九節板は肉や魚、野菜を彩り豊かに盛り付ける宮廷料理ですが、大妃が肉を口にできない状況を考慮し、ジヨンは大豆を刻んで旨味を凝縮した豆肉を主役に据えました。
豆肉は本物の肉のような食感と風味を再現し、見た目も華やか。大妃が感嘆するほどの完成度で、健康と満足感を両立させた工夫が光りました。
ナスのパイ
西洋料理の技術を活かしたデザートも披露されます。柔らかく焼いたナスに甘いフィリングを重ね、サクサクのパイ生地で包んだ一品は、宴の最後を締めくくる軽やかな味わいとして好評を得ました。重たい料理が続く中で、口直しにぴったりの新鮮なデザートでした。
手作りチョコレート
イホンのために用意されたチョコレート菓子は、物語の重要な鍵となります。祖母に食べさせることで記憶を呼び覚まし、長く封じられていた真実を語らせるきっかけとなりました。
料理の力が人の心を解きほぐし、憎しみや怒りを鎮める様子は、このドラマが一貫して描いてきた「食が持つ力」を象徴しています。
「暴君のシェフ」11話の感想&考察

深まるロマンスと残酷な運命
第11話の冒頭で描かれた、ジヨンとイホンの約束の場面はシリーズ全体でも屈指の名シーンといえるでしょう。
ジヨンは未来に帰らなければならないという宿命を抱えながらも、イホンへの想いを断ち切れずにいます。「必ず戻る」と涙ながらに伝える彼女に、イホンは指輪を差し出し「暴君にはならない」と誓う。この場面は、彼女の未来的な価値観がイホンを成長させ、暴君ではなく王としての姿を選ばせようとする契機になっていました。
このやり取りが後半でイホンが剣を振るう瞬間に影響を与え、ジヨンの存在が彼の暴走を抑える要となります。単なるラブロマンスに留まらず、恋愛が政治と歴史の方向性を変える力を持つことが強調され、視聴者に強烈な印象を残しました。
料理の力と記憶の再生
第11話でも、料理は人間の心を動かす重要な役割を果たしました。
ジヨンが考案した「豆肉九節板」は、大妃の健康を考え、肉を避けながらも食べ応えを感じさせる斬新な料理です。大豆を肉に見立てるアイデアは創意工夫そのものであり、格式を守りつつ新しさを打ち出す姿は、宮廷料理人としての彼女の誇りを感じさせます。
大妃が笑顔でそれを口にする姿は、料理がただの食事ではなく、人を慰め、心を和らげる力を持つことを強く印象づけました。
さらに、チョコレートを用いた場面は象徴的です。甘い味わいが大妃の記憶を呼び覚まし、過去に亡くなった王妃ユンの言葉を思い出させる。料理と記憶の結びつきが、イホンの復讐心を鎮め、暴君への道を踏み外させない力となりました。食べ物が人の心を動かすというテーマが、最も鮮やかに表現された瞬間でした。
母の毒殺を巡る倫理と復讐
母の死の真相を知ったイホンが怒りに任せて剣を抜き、大妃に迫るシーンは、彼の人間的な弱さと正義感の激しさを同時に浮かび上がらせました。
母を奪われた悲しみは当然ですが、復讐のために血を流すことは「暴君」への道に直結するものです。ここでジヨンが止めなければ、イホンは破滅への一歩を踏み出していたでしょう。
最終的に大妃が「娘はあなたに立派な王になってほしいと願っていた」と語り、イホンが剣を収める流れは、血の連鎖を断ち切る象徴的な瞬間でした。しかし一方で、毒殺に関わった大妃がほとんど罪を問われず、うやむやにされてしまう展開には疑問が残ります。
視聴者の多くも「赦し」と「償い」のバランスに複雑な思いを抱いたのではないでしょうか。これは現実の権力闘争の理不尽さを映し出しているとも解釈できます。
ジェサン大君の反乱とスリリングな演出
物語の後半を大きく揺さぶったのが、ジェサン大君の反乱でした。彼は王の舞で用いた仮面を利用して王に成りすまし、大妃を刺殺。
花火を合図に反乱軍が一斉に蜂起し、宮廷を血で染め上げます。忠臣たちが次々と斬られる映像は圧倒的な迫力を持ち、視聴者を息もつかせぬ緊張感に引き込みました。
同時に、イホンは森におびき寄せられ、宋宰とともに命を狙われます。
宋宰が王を庇って矢に倒れる場面は、友情と忠義の極致を描いた悲劇的な瞬間であり、王が失ったものの大きさを際立たせます。反乱の中で王が「暴君」と誤解されかねない状況に陥る構図は、政治劇としても強烈な皮肉が込められていました。
コンギルの活躍と次回への期待
混乱の最中、ジヨンを救おうと奮闘したのが道化師のコンギルでした。
彼は道化という立場でありながら、最も忠義を示す存在として描かれています。ジヨンを抱えて必死に逃げる姿、反乱軍に追われながらも決して諦めない姿は、彼の人間的な魅力を際立たせました。
最終的にジヨンは再び捕らえられてしまいますが、彼女の存在がイホンにとってどれほど大切かを改めて示す結果となります。
王としての責務と一人の男性としての愛情、その狭間で揺れるイホンがどのような決断を下すのか。第11話の終盤は、最終回への期待を最大限に高める構成となっていました。
まとめ
第11話は、ロマンチックな愛の約束に始まり、母の死の真相暴露、そして血なまぐさい反乱へと一気に流れ込む怒涛の展開が描かれました。料理は人の心を癒やし、記憶を呼び起こし、権力闘争に巻き込まれる人々の運命を変える象徴として機能しています。恋愛、料理、政治劇という異なる要素が高次元で絡み合い、視聴者に深い余韻を残しました。
最終話では、ジヨンが現代に帰れるのか、イホンは暴君として記録される運命を回避できるのか、そして犠牲となった人々の死がどのように報われるのか。数々の伏線が張り巡らされた中、物語は最終的なクライマックスへと突き進みます。
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