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「暴君のシェフ」第3話あらすじ&感想【ネタバレ】鹿肉フルコース対決と暴君の涙

「暴君のシェフ」第3話あらすじ&感想【ネタバレ】鹿肉フルコース対決と暴君の涙

韓国ドラマ『暴君のシェフ』は、ミシュラン三つ星を夢見る現代のフレンチシェフ・ヨン・ジヨンが、韓国史上最悪と名高い暴君・燕山君(イ・ホン王)と時空を超えて出会い、料理と恋で王宮を揺るがすファンタジー時代劇。

第1話ではコチュジャンバター・ビビンバという斬新な一皿で命をつなぎ、第2話では真空低温調理の牛肉料理で王の舌を唸らせ、宮廷料理人としての地位を確立した。

続く第3話では、王宮内外の陰謀や文化の違いに翻弄されながらも、ジヨンが新たな料理に挑戦し、暴君イ・ホンとの関係にも小さな進展が訪れる。

この記事では、第3話の見どころや詳細なあらすじ、ネタバレ解説に加え、作中で登場する料理の魅力や時代背景、フェミニズム的視点を交えた感想と考察をたっぷりとお届けする。

目次

「暴君のシェフ」3話の見どころ…鹿肉フルコースと揺れる王の心

「暴君のシェフ」3話の見どころ…鹿肉フルコースと揺れる王の心

第3話は、ジヨンが宮廷料理人として本格的に動き出すターニングポイント。

命懸けのサバイバル要素に加え、王宮での日常や嫉妬心が絡み合い、登場人物たちの心情が一層掘り下げられる回となりました。注目すべきポイントを5つに整理して紹介します。

鹿肉フルコースの創作

宮廷最高の料理人を決める「大領熟手競技会」が開かれ、テーマ食材として鹿肉が与えられます。

ジヨンは現代フレンチの技法を応用し、前菜からメインまで一貫したコースを完成。特にメインの低温ロースト鹿肉には、ソース・ロベールをアレンジした甘酸っぱいソースを添え、王の舌を唸らせました。粗末な器具や火力を工夫して、素材の旨みを最大限に引き出すジヨンの技術は圧巻です。

王妃代行モクジュとの確執

王の寵愛を受けるモクジュは、ジヨンが王に近づくのを快く思わず、陰湿な嫌がらせを仕掛けます。

競技会では腐った食材を混ぜてジヨンを陥れようとしますが、ジヨンはその企みに気づき、正々堂々と挑む姿勢を見せました。女性同士の嫉妬や権力争いを通して、宮廷内の複雑な力関係が鮮やかに浮かび上がります。

イ・ホン王の心の揺らぎ

冷酷な暴君として描かれてきたホン王ですが、今回は彼の孤独と弱さが強調されます。

母を失った過去や謀反への恐れに苛まれる姿が描かれ、ジヨンの鹿肉料理に込められた「家族への思い」というメッセージを聞いた彼は、幼少期の記憶を重ねて静かに涙を流しました。料理を通じて変わりゆく王の心に、人間らしさがにじみ出ます。

時空を超えた恋の予感

立場は主従でありながら、料理を介して距離を縮めていく二人。

夜中に仕込みをしていたジヨンのもとにホンが現れ、共に味見をする場面では、思わず胸が高鳴ります。ホンの「お前の料理には心が温かくなる」という言葉と、ジヨンの「王様も寂しいんだね」という返答には、シリアスな中にも甘い余韻が漂い、ロマンスの芽生えを予感させました。

時代背景とフェミニズム

第3話では、儒教社会の抑圧と女性の苦難が色濃く描かれます。

採紅制度で集められた女性たちが王の意志で運命を左右される姿は胸を締め付けます。ジヨンは「こんな扱いは間違っている」と声を上げ、料理を通して女性の尊厳を取り戻そうとしました。この姿勢は物語にフェミニズム的な視点を与え、単なる宮廷ドラマを超えた深い余韻を残します。

「暴君のシェフ」3話のあらすじ&ネタバレ

「暴君のシェフ」3話のあらすじ&ネタバレ

ここからは第3話の出来事を時系列で整理して紹介します(ネタバレを含みます)。

ジヨンがどのように試練に立ち向かい、料理を通じて王と周囲の心を揺さぶっていくのかを追っていきましょう。

鹿肉料理対決の幕開け

王の母の命日に合わせ、大王大妃(国王の祖母)が主催する「大領熟手競技会」が開催されました。これは宮廷料理人の最高位を決める格式高い競技会で、王と大王大妃を満足させた料理人が料理長の称号を得る重要な儀式です。新人であるジヨンも、これまでの実績を評価され出場を命じられます。テーマ食材は鹿肉。独特の臭みと硬さをどう克服するかが鍵でした。

ジヨンは現代の知識を生かして鹿肉の血抜きや下処理を丁寧に行い、柔らかく仕上げるために低温調理を計画します。しかし、モクジュが鹿肉を傷ませたり調味料に泥を混ぜるなど妨害を仕掛けてきました。ジヨンは動揺しつつも嗅覚の優れた見習いの少女ギルグムの助けを借り、腐敗部分を取り除き危機を脱します。

フレンチ仕込みのコース料理

ジヨンは鹿肉を使ったフルコースで挑みました。

前菜は鹿肉のタルタルを梨と薬味で和えた冷製、スープは鹿骨のブイヨンに山菜と椎茸を加えた滋味深い一杯、メインは低温ローストした鹿肉に梅の酸味を効かせた赤ワインソースを添えたもの。さらに根菜の味噌ピュレや山椒香る炙り寿司風の一皿も添えて、五感を刺激するコースを完成させます。

彼女は臭み消しに麹味噌を用い、肉を擦り込んでからじっくり火入れ。温度計のない時代に手で湯の温度を確かめ、時間を調整する描写は緊張感に溢れていました。仕上げは熱した鉄板で一気に焼き目をつけ、旨味を閉じ込めます。洋風の盛り付けに驚いた大王大妃は一口味わい、「母の料理のように温かい」と感嘆。食べた人の心に響く料理を作れるジヨンの力が証明されました。

モクジュとジヨンの激突

一方、モクジュは王の好みを狙い激辛ソースで炭火焼きを用意しましたが、外は焦げて中は生焼け。大王大妃は「心がこもっていない」と酷評し、王も「辛さで誤魔化すのは料理とは言えぬ」と一蹴。面目を潰されたモクジュは怒りに震え、ジヨンを必ず陥れると誓います。女性同士の嫉妬と対立が鮮烈に描かれ、宮廷の権力構造が浮き彫りになりました。

王の孤独と涙

競技会の夜、ジヨンが残りの鹿肉で作った煮込みを食べていると、イ・ホン王が現れます。王はジヨンの料理に「母への思いを感じた」と語り、ジヨンも父との思い出を込めたことを打ち明けました。家族を失った痛みを共有した二人。王は思わず涙をこぼし、ジヨンは静かに寄り添います。暴君と呼ばれる王が人前で涙を流す稀有な場面は、彼の孤独と弱さを鮮明に映し出しました。

王妃代行の策略と義理の兄弟

一方で、大王大妃は権力維持のため陰謀を巡らせます。異母兄弟のチェソン大君を王位に据えようと画策し、モクジュを利用してホン王の評判を落とそうとするのです。ジヨンは偶然その話を耳にし、王に知らせるべきか悩む姿が描かれました。

ジヨンとギルグムの友情

ジヨンと見習いのギルグムの友情も深まりました。抜群の嗅覚で支えてくれるギルグムに、ジヨンは「一緒に現代へ戻ろう」と約束

奴婢として苦しい過去を背負うギルグムの告白と、二人の連帯は女性同士が助け合う希望を象徴しています。

『望雲録』の行方

タイムスリップの秘密を握る古書『望雲録』も物語を動かします。

王はこの書を図書庫で読み、「未来人が運命を変える」という記述に動揺。ジヨンが未来から来たのではと半信半疑になります。一方モクジュもその存在を知り、奪おうと暗躍

終盤、ギルグムが『望雲録』を読んだ罪で捕らえられ、ジヨンが必死に王へ土下座するシーンで物語は幕を閉じ、次回への大きな伏線となりました。

「暴君のシェフ」3話の作った料理

「暴君のシェフ」3話の作った料理

第3話でジヨンが挑むのは、鹿肉を主役に据えたフルコース。以下では、各メニューと調理法を紹介します。

鹿肉のタルタルと梨のサラダ – 新鮮な鹿肉を細かく刻み、薬味・醤油・胡麻油で和えて梨と組み合わせた前菜。生姜やニンニクを多めに使い、臭みを抑えて爽やかに仕上げています。

鹿骨のブイヨンスープ – 鹿の骨と香味野菜を数時間かけて煮出したブイヨンに山菜や椎茸を加え、塩と少量の醤油で味を調えた滋味深い一杯。体を温める素朴さが魅力です。

低温調理の鹿肉ロースト – 厚みのある鹿肉を塩麹で下味を付け、油紙で包んで湯煎にかけ、最後に鉄板で香ばしく焼き上げました。梅と赤ワインのソースをかけたこの一皿は柔らかく上品で、王が絶賛。家族の記憶を呼び起こす味として描かれています。

味噌仕立ての根菜ピュレ – 味噌と豆乳を煮詰めたペーストに茹でた大根や蕪を加えて滑らかにすり潰し、鹿肉の付け合わせに。和と洋が融合した一品で、肉の旨みをより引き立てます。

炙り鹿肉の寿司風 – 薄切りの鹿肉を炭火で炙り、酢飯にのせて寿司仕立てに。山椒と甘草を効かせたタレを塗り、香りと甘辛さで後を引く味わいに仕上げました。

このように、フレンチの技法をベースにしながら韓国宮廷料理の要素も盛り込んだ鹿肉コースは、ジヨンの独創性が光るもの。鹿肉を柔らかくする低温調理や塩麹・味噌を活用した下処理など、現代でも通用する技法が多く用いられており、料理研究的にも見応えのある構成でした。

「暴君のシェフ」3話の感想&考察

「暴君のシェフ」3話の感想&考察

フェミニズムと女性の連帯

第3話は、ジヨンが宮廷料理人として自らの実力と尊厳を示す回であると同時に、女性同士の連帯を強く感じさせる回でした。モクジュは王に寵愛される側室という立場にありながら、男性中心社会における生存戦略として権力を握っています。

ジヨンを敵視するのは嫉妬心だけでなく、自らの地位を守るための必死さの表れとも言えます。ジヨンはその事情を理解しつつも、敵意に真正面からぶつかるのではなく、料理を通じて誠意を示そうとします。対立だけではなく、やがて理解が芽生える兆しも見え始め、二人の関係は単純な善悪を超えて描かれていました。

また、ジヨンと見習いの少女ギルグムの友情も象徴的でした。奴婢として苦労してきたギルグムはジヨンの自由さに憧れ、自分の運命を変えたいと願います。ジヨンはギルグムに「いつか一緒に現代に帰ろう」と約束し、支え合う絆を築きました。この約束は「誰一人取り残さない」というフェミニズムの精神を体現し、観る者に希望を与えます。

王の孤独と暴君の二面性

史実で燕山君は残酷な暴君として知られていますが、ドラマはイ・ホン王の内面を丁寧に描き、彼を単なる悪役として扱っていません。幼い頃に母を毒殺で失い、その真相を突き止められぬまま孤独と疑念に苛まれてきた彼は、猜疑心と暴力性を鎧のようにまとっていました。

しかし第3話では、彼が本当に求めているのは「信じられる人」と「安らぎの食卓」であることが明らかになります。

ジヨンの料理はただ美味しいだけでなく、食べる者の心を温める力を持っています。第2話で「悪くない」と認めた時点で、王は初めて自分の心が動いたことを自覚していました。第3話ではさらに進み、母を想起させる鹿肉料理に触れて涙を流す場面も。暴君が人前で涙を流す姿は、彼の人間性と痛みを浮き彫りにする印象的な瞬間でした。

イ・チェミンの演技も圧巻で、冷酷な眼差しから柔らかな瞳に変わる表情の移ろいが彼の二面性を鮮やかに表現していました。

時代背景のリアリティ

第3話では宮廷文化のリアリティも大きな魅力となりました。王室の料理大会「大領熟手競技会」では、膳の出し方や礼法、王と大王大妃が口にする瞬間の緊張感など、儀礼の厳格さが丁寧に再現されていました。料理は単なる食事ではなく、政治と権力の象徴であることが強調されています。

また、全国から美女を集めて後宮を選ぶ採紅制度が登場し、儒教社会における女性の地位の低さが浮き彫りになりました。

現代の価値観を持つジヨンはその理不尽さを指摘し、女性が自らの人生を選べる社会の必要性を訴えかけます。歴史的に燕山君の時代は王権の暴走による暗黒期とされますが、ドラマはその背景を踏まえつつ、料理と愛によって希望を見いだす物語を描いています。

恋愛描写の魅力

第3話では、ジヨンとホンのロマンスが一層強調されました。夜の厨房で二人が並んで味見をする場面は、西洋のロマンチック・コメディのような雰囲気を漂わせ、思わず笑みがこぼれるほど甘いシーンでした。禁断の関係だからこそ、一歩ずつ近づいていくもどかしさが視聴者の心を掴みます。王と臣下という掟に縛られながらも、互いに惹かれ合う二人の姿は、今後の展開への期待を高めました。

現代要素と時代劇の融合

本作の特色は、現代料理と時代劇の融合にあります。第3話の鹿肉コースでは、フレンチの火入れ法やソースが500年前の厨房で再現されました。衛生管理や温度計のない環境で五感を駆使し料理を仕上げるジヨンの姿はプロフェッショナルそのもの。前菜・スープ・メイン・デザートという洋式コースを取り入れた膳は新鮮で、王や大王大妃が驚きながら感動する反応も見どころでした。

現代の要素があることで視聴者はジヨンに共感しやすくなり、カルチャーショックやユーモアが物語に緩急を与えています。料理は時代を超えて人を繋ぐ媒体として描かれ、食べるという行為を通して異なる価値観が交わる様子が丁寧に表現されています。

次回への期待

ラストでは、ギルグムが『望雲録』を読んだ罪で捕らえられるという衝撃的な展開が待ち受けていました。ジヨンは必死に王へ土下座し、友情と信念を示しますが、王は「法は平等だ」と冷たく告げます。この緊張感あふれる幕引きは、第4話でジヨンがどう行動し、王の心を動かすのかへの大きな期待を抱かせました。

さらに、チェソン大君を擁立する陰謀も水面下で進行中。料理、恋愛、政治サスペンス、そしてフェミニズムが複雑に絡み合う物語は、今後も目が離せません。

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