「キヨシって、結局どうなったの?」
『不適切にもほどがある!』を見終えたあと、そう感じた人は少なくないと思います。
令和から昭和へタイムスリップし、純子に一目惚れし、下ネタで場をかき回しながらも、どこか真っ直ぐだった中学2年生・向坂キヨシ。物語の中ではムードメーカーでありつつ、実は昭和と令和をつなぐ重要な役割を担っていました。
最終回でキヨシは昭和を離れ、令和へ戻ります。
しかし彼の物語は「帰って終わり」ではありません。佐高との再会、未来へ繋がる選択、そして小さくても確かな“改変”。
この記事では、キヨシの立ち位置から最終回での結末、その後に残した影響までを、ネタバレ前提で丁寧に整理していきます。
キヨシという人物を理解すると、このドラマの“優しさ”がよりはっきり見えてくるはずです。
キヨシ(向坂キヨシ)ってどんな人物?まずは立ち位置を整理

キヨシの正式名は向坂キヨシ。
設定上は「年頃の中学2年生」で、2024年から1986年へタイムスリップし、純子に一目惚れするというのが基本の立ち位置です。
ここが重要で、キヨシは「主役の市郎」と同じ“タイムスリップ側”ではありますが、役割は明確に異なります。
市郎は、昭和の価値観を令和にぶつけてしまう「衝突役」。
一方のキヨシは、令和の視点を昭和の地面にそのまま持ち込んでしまう「混入役」。
つまりキヨシは、“令和の空気”を昭和に落とすことで、純子やクラスメイト、そして視聴者の感情のスイッチを押す存在です。
下ネタ担当として笑いを引き受けつつ、物語の装置としては非常に優秀なポジションに置かれています。
キヨシのその後は?最終回で「最後にはどうなった」のか
結論から言うと、キヨシは最終回で――昭和(1986年)を離れ、令和(2024年)へ戻ります。
タイムマシンバスの運行が“残り1往復”となり、市郎が昭和へ戻る選択をする一方で、キヨシは令和に帰る。
この「別々の帰還」が、最終回の切なさと笑いを同時に成立させていました。
純子との別れは「感動」→最後の最後で“キヨシ節”
最終回、キヨシは見送りに来た純子たちへ向かって感謝を叫び、純子も走って追いかけて見送る――という、素直に泣ける別れの場面が描かれます。
ただし、ここで終わらないのがキヨシです。
感動の空気を一気に裏切る“まさかの一言”を放ち、場をかき回す。
このシーンが成立するのは、キヨシが最後まで「純度100%の中学生」であり続けたから。下ネタで笑わせに来ているのはもちろんですが、それ以上に、感動シーンに同じテンションのまま飛び込んでくる。その結果、視聴者は泣きながら笑うしかなくなる。
クドカン作品らしい、“感情の着地のさせ方”がよく表れた場面でした。
令和に戻ったキヨシは「佐高くんの未来」と再接続する

キヨシの“その後”で最も重要なのは、令和に戻ってからの展開です。
最終回、受験勉強中のキヨシの前に現れるのが、昭和で不登校だったクラスメイト・佐高。佐高は大人になり、オンラインゲーム会社「SAKO-GAMES」のCEOになっていました。
佐高は「恩返しがしたい」とキヨシに申し出ますが、キヨシはその申し出を自分のためには使いません。代わりに、井上のタイムマシン研究のスポンサーとして繋げる選択をします。
この一連が示しているのは、キヨシの昭和での言葉や振る舞いが、令和で大人になった佐高の人生を変え、さらに未来(2054年)のタイムトンネル発見へと連鎖していった、という構造です。
派手な歴史改変ではない。
でも、一人の不登校の未来が変わるだけで、世界線は確かに動く。
このスケール感こそが、「不適切にもほどがある!」という作品の良心だと思います。
僕が思う「キヨシのその後」の本質は、人生の“翻訳者”になったこと
キヨシの名場面は、下ネタや告白シーンだけではありません。
本質は、佐高にかけた言葉にあります。
学校って何のためにあるのか。
友達って何なのか。
それをキヨシは、中学生の言葉で、押し付けがましくなく再定義してみせる。
そして何より重要なのは、その言葉が「説教」になっていないことです。
キヨシは立派な正論を言わない。
少し投げやりで、でも現実的で、ちゃんと優しい。
だから佐高は救われ、救われた佐高が未来で「恩返し」を選ぶ。
キヨシは昭和と令和の価値観を「どちらが正しいか」で裁くのではなく、相手に伝わる形へ翻訳した。その結果が、あの再会だったのだと思います。
キヨシ役のキャストは誰?坂元愛登さんを紹介
向坂キヨシを演じたのは、坂元愛登(さかもと あいと)さんです。
当時15歳という年齢で、リアルな“中学生目線”を持ったまま作品に参加していたことも、この役に大きく効いています。
キヨシは「エロいことばかり考えている」設定でありながら、ふとした瞬間に目が澄んでいる。
その二面性を嘘っぽくせず成立させたのは、坂元さんの“子どもっぽさ”と“妙な大人っぽさ”が同居していたからだと思います。
あの不思議な説得力こそが、物語の心臓でした。
『不適切にもほどがある!』主要キャスト一覧
主要キャストは以下の通りです。
- 小川市郎:阿部サダヲ
- 犬島渚:仲里依紗
- 秋津睦実/秋津真彦:磯村勇斗
- 小川純子:河合優実
- 向坂キヨシ:坂元愛登
- 井上昌和(54):三宅弘城
- 安森:中島歩
- 栗田一也:山本耕史
- 犬島ゆずる:古田新太
- 向坂サカエ:吉田羊
(※同一人物の年齢違いなどもあるため、公式キャスト欄と併せて見ると整理しやすいです)
キヨシは今後どうなる?スペシャルドラマで“その後”が描かれる可能性
2026年1月4日放送予定のスペシャルドラマ
『新年早々 不適切にもほどがある!~真面目な話、しちゃダメですか?~』
では、連続ドラマの主要キャストが続投するとされています。
ポスタービジュアルの説明でも、令和側にキヨシ(坂元愛登)が描かれており、“その後”のキヨシがどう物語に関わるのかは注目ポイントです。
連ドラ最終回で、キヨシは「未来を変える側」ではなく、「未来を呼び込む側」に立ちました。
スペシャルドラマでそれがどう転ぶのか――ここは続編の大きな楽しみと言えるでしょう。
まとめ:キヨシの“その後”は、未来へ繋ぐ「小さな改変」だった
キヨシは、令和から昭和に来た中学2年生で、純子に一目惚れする設定。
最終回でキヨシは令和へ戻り、純子と別れます。
令和で大人になった佐高と再会し、井上の研究支援へと繋げる。キヨシ役を演じたのは坂元愛登さん。
さらに、2026年のスペシャルドラマでも続投が予定されており、“その後”の描写に期待が高まります。
キヨシの物語は、大きな歴史改変ではありません。
それでも確かに、未来を少しだけ良い方向へ動かした――
その「小さな改変」こそが、彼の残した一番の功績だったのだと思います。
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