「良いこと悪いこと」で大きな衝撃を与えたのが、元担任で現校長の大谷先生の存在です。
タイムカプセル企画を提案した張本人であり、いじめの現場を知りながら見過ごしてしまった彼女は、物語が進むほど不穏な気配をまとい、視聴者から“黒幕なのでは?”と疑われるほど重要な役割を担っています。
しかし、その実像は単なる犯人像とは大きく異なるもの。
本記事では、大谷先生の立場・過去・弱さ・黒幕との関係を丁寧にひも解き、なぜ彼女があのような結末を迎えたのかを考察していきます。
【最終回ネタバレ】大谷先生は宇都見啓に脅されて協力していた(家族を盾にされた)
第5話あたりから、大谷先生(大谷典代)が誰かと通話しながら「もうやめませんか」「言われた通り掘り起こしました」と弱音を吐く描写がありましたよね。
当時は“黒幕が誰なのか”が見えないぶん、「校長が怪しい」「いや、協力者側だ」と意見が割れていました。
しかし最終回で、ここが一気に繋がります。
大谷先生は、計画側の“相談役”ではなく、宇都見啓に脅されて動かされた協力者だった、と整理できる展開でした。
宇都見が欲しかったのは「DVD」と“標的の確定情報”
最終回で描かれたのは、宇都見が校長となった大谷に圧をかけ、タイムカプセル関連の決定的アイテムを押さえる流れです。具体的には、
- 宇都見が大谷を脅迫し、タイムカプセルに関わるDVDを持ち出させる※大谷
- 卒業アルバムの顔写真を黒塗りして“復讐の対象”を確定させていく
- 確定した「この6人」という情報を、東雲や今國にも共有する
という段取りでした。
ここで大谷先生は「計画を作った側」ではなく、「計画を進めるために利用された側」だと明確になります。
ポイントは、宇都見がやっていることが感情の暴走ではなく、完全に作業としての準備だった点です。
DVDは「紫苑の夢」「当時の空気」「誰が何をしたか」を固定する証拠になり、黒塗りのアルバムは「順番に消していく」ためのリストになる。つまり宇都見にとって大谷は、手を汚さずに学校側の情報へアクセスするための鍵でした。

大谷が逆らえなかった理由は「罪悪感」と「家族」
ここからは、ドラマの描写から読み取れる整理です。
大谷先生は、園子たちの当時の担任で、いじめを止められなかった負い目をずっと抱えている人物として描かれてきました。だから“過去の沈黙”そのものが弱点だった。
さらに第5話あたりで、校長机に「娘と孫と思しき家族写真」が置かれているカットが入り、電話をかける前に一度その写真を見て止まる、という演出がありました。
この家族写真は、最終回を踏まえると意味が変わります。
- 単なる生活感ではなく、「ここを突かれると大谷は動く」という伏線
- 宇都見の脅迫が、大谷本人だけでなく“家族にまで及ぶ”ことを匂わせる
- だから大谷は警察にも言えず、追い詰められていく
直接的な暴力ではなく、「娘と孫を盾に取られる」ような脅しが、この作品らしい静かな恐怖として効いていました。
協力した大谷は“仲間”ではなく、使い捨ての駒になった
そして何より残酷なのがここです。
脅されて協力した大谷先生は、その後、宇都見によって地下倉庫で凍死させられたと整理されており、最終的に計画側にとって「邪魔になれば消される存在」だったことが分かります。
大谷先生は“悪い大人”というより、“弱い大人”として描かれていました。
だからこそ、脅迫に屈した時点で詰んでいた。協力すれば共犯の鎖に繋がり、やめたいと言った瞬間に口封じされる。
あの電話の「もうやめませんか」という言葉が、最初から最期の言葉だったように響くのが、本当にしんどいところです。
大谷先生は高木達の担任の先生だった

大谷典代の立ち位置と物語における役割
まずは、大谷典代が物語の中でどんな立ち位置にいた人物なのかを整理します。
彼女は「いじめの現場にいた大人」として、物語のテーマのど真ん中に立たされているキャラクターです。
タイムカプセル企画の発案者としての顔
公式設定によると、大谷典代は2003年度・鷹里小学校六年一組の担任で、現在は同校の校長を務めています。定年を間近に控えたベテラン教師であり、二十二年前の「タイムカプセル」企画を提案した張本人です。
当時、子どもたちは「みんなの夢」をテーマに色紙に将来の夢を描き、それをタイムカプセルとして校庭に埋めました。大人になった卒業生たちは、創立五十周年を機に集まり、そのカプセルを掘り起こすことになります。
ここまでは、一見すると「素敵な思い出を用意してくれた良い先生」のエピソードです。
しかし、印象がガラッと変わるのが「発掘当日の不在」。
タイムカプセルを掘り起こす場面で、大谷は「こういう時は教師がいない方がいい」と言い残し、その場に立ち会いません。
表向きは「子どもたちだけの時間を尊重する良い先生」のように聞こえますが、物語が進むにつれ、ここに大きな違和感と伏線があったことが分かっていきます。
いじめを見過ごした教師としての罪
後に判明するのが、大谷が「園子のいじめを知っていた」ことです。
- 園子からいじめについて相談を受けていた
- それでも「見て見ぬふり」を貫き、具体的な介入をしなかった
- その結果、園子からは加害者グループと同じくらい憎まれている
つまり大谷は、「いじめの当事者ではないが、知っていながら止めなかった大人」。
このドラマが問い続けている「良いこと」と「悪いこと」の境界線に立たされている人物です。
本人もそのことを悔いており、作中で園子に頭を下げる場面が描かれます。しかし、その悔いは「過去の償い」にはなっても、「現在進行形の連続殺人から子どもたちを守る力」にはなりません。ここが、大谷というキャラクターの最も苦しいところだと感じました。
タイムカプセルを提案し、クラスの思い出を形にした教師でありながら、実はその裏で「いじめを止められなかった」という負い目を抱え続けていた。この二重構造が、のちの「黒幕との繋がり」と「凍死」という極端な結末に直結していきます。
大谷先生は犯人…“黒幕”と繋がっている
視聴者が一度は疑った“黒幕像”
視聴者の多くが一度、「この人が黒幕では?」と疑ったのが大谷先生でした。
タイムカプセルの発案者であり、アルバムが黒塗りされていることにも、卒業生たちの事情にも詳しい立場。ミステリー的に言えば、格好の容疑者です。
しかし第5話・第6話で浮かび上がるのは、「黒幕そのもの」ではなく、「黒幕に利用された協力者」という立場でした。
タイムカプセルと卒業アルバムすり替えの真相
高木たちが母校を訪ねた際、大谷は「いじめなんてなかった」「みんないい子だった」と笑顔で答えます。
ところが校長室の棚を調べると、自分たち二〇〇三年度六年一組の卒業アルバムだけが抜けている。
この違和感は後に、
- タイムカプセルに入っていた「顔を黒く塗りつぶされた卒業アルバム」
- それを封入したのは大谷本人
- しかし大谷自身の意思ではなく、「黒幕の指示に従った」
という形で説明されます。
つまり、タイムカプセルは「子どもたちの夢をしまった箱」から、「恨みを刻んだ復讐装置」へとすり替えられていた。
その作業をしたのが大谷であり、その背後には「黒塗りの意味」や「替え歌の順番」を把握している第三者の存在があります。
この段階で、大谷は“犯人側”の人間に見えます。
しかし彼女の表情には、積極的な加害の意思はほとんど感じられず、むしろ「何かに追い詰められている人」の顔に見えます。
電話シーンが示す“共犯者としての悲しみ”
決定的なのが第5話終盤の電話シーンです。
- 大谷が「もうやめませんか」「言われた通り掘り起こしました」「もう耐えられません」と訴える
- その直後、地下駐車場に迎えに来たミニバンへ乗り込んでいく
ここから読み取れるのは、
- 大谷は黒幕と直接やり取りできる立場にいる
- 復讐計画に手を貸してはいるが、本心では「もうやめたい」
- 逃げるのではなく“迎えの車”に乗ってしまうほど、精神的に追い詰められている
という点です。
整理すると、大谷は「黒幕の指示で動かされていたが、元生徒を殺す計画までは望んでいなかった」。
いじめを止めなかった“弱み”を握られ、脅迫される形で協力させられていた人物です。
それでも大谷先生が“犯人”と言い切れない理由
では大谷は犯人なのか?
結論としては、
- タイムカプセルのすり替えに協力した → 共犯
- しかし殺害そのものを実行した描写はない
- 途中から「やめたい」と訴えていた
- 黒幕との関係は加害ではなく“支配される側”
という点から、連続殺人の「主犯」とは言えません。
大谷は、
・過去の“見て見ぬふり”が現在の脅迫のタネになっている
・弱さと罪悪感を利用され、黒幕側に引きずり込まれてしまった大人
というポジションにいます。
ミステリーではあるものの、“弱い大人像”として非常にリアルに造形されているのが特徴です。
大谷先生の死因は?凍死だったのか
地下倉庫で見つかった“凍った遺体”
第6話では、大谷が第四の犠牲者として発見されます。
「地下の冷たい空間で凍りついた遺体」という衝撃的なビジュアル。
事実レベルでは、
・第5話電話後に失踪
・学校を欠勤し連絡も取れない
・地下倉庫のような場所で凍結した状態で発見
映像描写からも、死因は凍死または低体温症が妥当です。
“Freeze説”──業務用冷凍施設での殺害?
一部考察では、「大谷は業務用冷凍施設で凍結された」という説もあります。
- 殺害方法が Fire(火)、Flash(ガラス)、Freeze(凍結)で F が揃う
- 各犠牲者の死が「絵」や「替え歌」とリンクしている
こうした点から、大谷の死も「凍る」というモチーフ性に沿ってデザインされた可能性は高い。
公式明言はなくても、演出の方向性としては納得できます。
なぜ死因が凍死だったのか──犯人の狙い
視点1:確実な“口封じ”
- 大谷は黒幕の正体を知っていた
- 「やめたい」と訴えた
- 真相を話されるリスクがあった
ゆえに黒幕は「確実に殺せる手段」を選んだと考えられます。密閉空間+低温環境は、失敗しにくい方法です。
視点2:ドラマテーマとの連動(“倫理の凍結”)
大谷は、
- いじめを止めず
- 罪悪感を抱え
- 心が“凍ってしまった大人”
として描かれてきました。
その彼女が物理的に「凍死」するのは、心の凍結が現実の凍死として回収されるという、ドラマの皮肉とテーマ性が凝縮された演出です。
大谷先生という人物まとめ
ここまでの情報を、最終回までの確定事項ベースで整理します。
この記事の結論としては、大谷先生は主犯ではない。ただし被害者であり、同時に加担者でもあるという、一番苦いポジションに置かれた人物でした。
- 大谷典代は、2003年度の担任で、現在は小学校の校長という立場
- 過去に起きていたいじめを止められなかった“事なかれ主義”が、のちの事件の火種になる
- 最終回で、宇都見啓が大谷を脅迫し、DVD回収や卒業アルバムの黒塗りなど、計画の準備が進められたことが描かれる
(大谷は自発的な共犯ではなく、強制的に巻き込まれた側だった) - 校長机に置かれていた家族写真(娘・孫)は、「家族を盾にされた脅迫」を示す伏線として機能していたと読める
- そして大谷は最終的に宇都見によって凍死させられ、秘密を抱えたまま消される
大谷先生は、犯人当ての文脈で見ると“怪しく見える役割”を担っていました。
けれど最終回まで見終えると、最後に残るのは「沈黙した大人が、最終的に誰にも救われない」という後味です。
いじめの現場で見て見ぬふりをしたこと。
その選択が、22年後に「脅迫される弱み」として返ってくる。
大谷先生は悪人として裁かれたわけでも、救済されたわけでもありません。ただ、過去の沈黙を抱えたまま、利用され、切り捨てられた。
その立ち位置こそが、このドラマが描いた“いじめに関わった大人の末路”として、最も静かで、最も残酷だったと思います。
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