『今際の国のアリス』シーズン2第2話では、いよいよクラブのキング・京馬によるゲーム「すうとり」が本格的に始まる。
アリスたちはチームワークを武器に勝利を目指すが、平等と自由を掲げる京馬の哲学、そしてニラギの暴走によって戦況は一転。
仲間との絆と理性が極限まで試される中、アリスが下す決断とは――?
第2話は、頭脳戦と人間ドラマが緻密に交錯する濃密な一話だ。
今際の国のアリス(シーズン2)2話のあらすじ&ネタバレ

第2話は、クラブのキング・京馬が仕切るチーム戦「すうとり」が本格的に展開するエピソード。
序盤はアリス率いる挑戦者チームが優位に立つが、中盤以降は市民チームの反撃で形勢逆転。さらに終盤では仲間の暴走や信頼の崩壊が重なり、勝敗は予測不能のままタイムリミットを迎える。ここでは、戦況の変化を時系列で詳しく追っていく。
ゲーム「すうとり」のルールと舞台
「すうとり」はクラブのキングによる5対5のチーム戦。会場は荒れ果てた港のコンテナヤードで、制限時間は2時間。両チームに初期持ち点1万点が与えられ、各自に自由に分配できる。腕輪には持ち点が表示され、0点になると即死。持ち点の管理がそのまま生死を左右する。
得点方法は三種類。
①「バトル」:敵に触れると持ち点を比較し、上回った方が500点を奪う。複数人で手をつなげば合計点で勝負でき、チームワークが鍵となる。
②「アイテム」:コンテナの中に6個の得点アイテムがあり、使用すると500~3000点を獲得できる。
③「陣地」:敵チームの拠点ポールに触れると一気に1万点加算。ただし守備側は「無限状態」となり、触れた相手を電流で攻撃できる。
挑戦者チームは、アリス、ウサギ、クイナ、タッタ、ニラギの5人。アリスが全体を指揮し、ウサギとクイナは素早さを生かしてアイテム回収と攪乱役に。攻撃役はニラギ、守備は最小点でタッタが担当。序盤は役割分担がうまく機能し、チームは理想的なスタートを切る。
序盤:アイテム争奪と挑戦者チームのリード
ゲーム開始直後、アリスたちはペア行動で効率的にアイテムを確保。ニラギ&ウサギ組が2000点を得、アリス&クイナ組も順調にスコアを伸ばす。序盤でアリスチームは1万2000点、京馬チームは1万点とリードを広げ、さらにアリスが京馬との初対戦に勝利して500点を奪う。差は3000点。
京馬は「仲間は全員対等」と語り、チーム全員が均等な2000点から始めていると明かす。彼の理念はフェアプレイと自由を重んじたもので、後の心理戦の布石になる。だが、理想と現実の差は残酷に描かれていく。
その後もアリスチームは連勝。ウサギ&ニラギが500点を追加し、クイナがアイテムで1000点を得る。リードは最大6000点に到達。この時点では完全勝利に見えたが、キングチームはまだ本気を出していなかった。
中盤:京馬チームの反撃と点差逆転
アリスチームのリードに対し、京馬は大胆な戦術を決行。4人が一斉に挑戦者チームの陣地を攻め、守備役のタッタが孤立。タッタは必死に抵抗するが、3人がポールに触れて1万点ずつ獲得。合計3万点を得た京馬チームが一気に得点を跳ね上げ、形勢がひっくり返る。
さらに、守備中のタッタに触れたシタラが感電死。タッタの点は一時的に1万100点に増えるが、全体では京馬チームがリードを奪う。点差は4000点。
アリスたちは防戦一方に追い込まれ、残るアイテムもわずか。ウサギはゴーケンに敗北して持ち点を550から50に失い、続くクイナもマキとの勝負に敗北。リードは再び京馬側に傾く。ここでアリスは、アイテム頼みでは勝てないと悟り、リスク覚悟の「陣地攻撃」を決断する。
終盤:陣地攻撃と信頼の崩壊
残り時間10分。アリスは全員に再配置を指示し、ウサギが敵の注意を引いて京馬チームを分断。アリス・クイナ・ニラギの3人で拠点に突入する。しかし、京馬たちも自陣に戻り、全員が「無限状態」で迎撃。アリスは無効状態のため接触しても得点が動かず、ニラギは1万ゲットしたが、クイナも弾かれ、奇襲は失敗。
焦燥するアリスの前で、ニラギが突如暴走する。自らの死期を悟り、憎悪と快楽に呑まれた彼は同盟を裏切り、ウサギを襲おうとする。アリスは必死に止めに入り、彼を殴り飛ばしてウサギを守る。極限状況での人間の醜さと理性のせめぎ合いが、緊張感を頂点まで高める。
暴走によってチームは分裂しかけるが、アリスは「あと500点で逆転できる」と信じ、残り時間わずかの中で再び立ち上がる。混乱の中、仲間との絆をつなぎ止めながら勝機を探す姿は、リーダーとしての覚悟を示す。
クライマックス直前:勝敗は次回へ
第2話は、タイムリミット直前で幕を閉じる。得点差は500点。アリスは京馬との直接対決に挑み、握手による勝負で500点を奪う。逆転目前のスコアが表示された瞬間、画面が暗転――次回への引きへと繋がる。
序盤の快進撃、中盤の反転、終盤の混乱と希望の交錯。第2話は、ゲーム「すうとり」の複雑なルールと心理戦を通じて、戦略と人間性の両方を浮き彫りにした。アリスたちがどのように逆転するのか、タッタの犠牲がどう意味を持つのか――すべては次回への緊張を残したまま終幕する。
シーズン2第2話は、アクションの迫力だけでなく、「生き延びるとは何か」「チームとは何か」を問う哲学的な一話として強い印象を残した。
今際の国のアリス(シーズン2)2話の感想&考察

ここからは男性ライターYUKIとして、第2話を視聴した感想と考察を論理的にまとめる。ゲーム構造やキャラクター心理、そして作品が投げかける哲学的テーマを軸に掘り下げていく。
「すうとり」の構造と“見せかけの公平”
「すうとり」は、単純なポイント奪取ゲームのように見えて、非常に精密に設計された心理戦だ。バトル・アイテム・陣地という三つの得点手段、持ち点の自由分配、さらに無限/無効状態などの特殊ルールがプレイヤーの判断を極限まで追い詰める。
京馬はこのゲームを「仲間が対等であるからこそ楽しい」と語るが、その発言こそ欺瞞的だ。全員に平等にチャンスを与えるように見えて、実際には行動力とリスクを取れる者が圧倒的に有利。安全圏にいる者ほど“平等”の恩恵を享受する。つまり、彼の哲学は「公平を掲げた不公平」であり、現代社会における“努力と成果の格差”を投影しているようでもある。
京馬という“理想主義と狂気”の象徴
京馬率いる市民チームは、この世界の「定住者=ボーダーランドの市民」として生きる覚悟を持つ。彼の「皆が同じ点数を持っている」という思想は、自由と平等を謳いながらも結果的に個の意思を消していく危うさを孕む。彼の行動には“秩序を作る者”としての支配欲と、“仲間と共にある”理想主義が同居しており、視聴者を惑わせる。
また、京馬は理想を掲げながらも殺戮をためらわない。仲間が死んでも「それもこの世界のルール」と割り切る彼の姿勢には、倫理を超えた清々しさと狂気が共存している。だからこそ、彼の存在はアリスの「人間らしさ」や「正義感」と鮮烈に対比される。
アリスのリーダーシップとチームの絆
第2話では、アリスがチームの司令塔として成長した姿が際立つ。序盤の持ち点分配や戦術の立案、そして中盤以降の混乱を収める判断力。彼は単なる“頭脳”ではなく、仲間の感情を理解しながら最適解を導き出すリーダーに変わった。
タッタが命懸けで拠点を守り、クイナやウサギが機動力でチームを支える描写も印象的だ。それぞれが自分の役割を理解し、犠牲を恐れず行動する姿は、チーム戦の本質を体現している。アリスの指揮によってバラバラなメンバーがひとつにまとまり、ゲームの緊張感をより立体的にしている。
ニラギの暴走と人間の本能
ニラギは第2話の中で最も危うい存在だ。彼の暴走は「破壊衝動」「欲望」「孤独」の集合体であり、人間の根源的な本能を剥き出しにしている。火傷の痛みと屈辱、そして死への恐怖が、暴力という最も単純な形で表面化する。
彼の行動はチームを崩壊させるが、同時に極限下での人間性の脆さを示すメタファーでもある。アリスが彼を止め、「人間としての線」を守る行動は、単なるチーム維持ではなく、この世界における“理性の最後の砦”を象徴している。
女性キャラクターの躍動――クイナとウサギ
クイナとウサギは今話でそれぞれ異なる形の“強さ”を見せる。クイナは冷静沈着な判断で仲間をサポートし、戦闘でも非凡な身体能力を発揮。彼女の安定感がアリスチームの支柱となる。
一方、ウサギは低得点ながらもスピードと判断力で敵を翻弄し、最終盤では決死の囮役を引き受ける。彼女の勇気はチーム全体の士気を支えると同時に、アリスとの信頼関係をより強固にしていく。
ウサギがニラギに襲われる場面では、恐怖と対峙する彼女の強さが描かれ、単なるヒロインではなく“生き抜く意思を持った戦士”としての存在感を放つ。
タッタという静かな英雄
タッタの役割は目立たないが、ゲームを根底から支える。彼は最小の持ち点100で守備を担当し、無限状態を活かして敵を討つ。仲間の盾となりながらも、仲間を信じて最後まで立ち続ける姿には、静かな感動がある。
彼の奮闘は次話への伏線となり、彼の信念がチームの命運を握ることになる。
未完の勝負がもたらす緊張と期待
第2話が決着を描かない構成は、“焦燥と期待”を最大化するための演出だ。
得点差がわずか500点、残り時間9分という状況で幕を下ろすことで、次回への引きを完璧に作り出した。アリスと京馬の思想的対立が最終局面でどう決着するのか、タッタがどのような運命を迎えるのか――そのすべてが未解決のまま緊張を保ち続ける。
総評
論理的に見て、第2話は「戦略と心理」「理念と本能」がぶつかり合う秀逸なエピソードだった。ゲームの構造が高度であるほど、キャラクターの選択が浮き彫りになる。京馬は理想と狂気の境界に立ち、アリスは人間性と勝利の間で揺れる。
また、“チーム戦”という枠組みを通じて、シリーズ全体のテーマである「生きる意味」「他者との共存」を深化させている点も見逃せない。戦略ゲームの緻密さとドラマの情感が見事に融合し、サスペンスとヒューマニズムが同居する回として完成度が高い。
結末はまだ見えない。だが第2話は、アリスたちが“生き残るだけの人間”から“誰かと生きる人間”へ変わる過程を描き出し、次回への期待を限界まで高めた。
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