第4話で里見とカラが病院で直接対峙した緊迫のラストを受け、物語はさらに加速していきます。

ドラマ『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』第5話では、橘カラ(菜々緒)の正体に迫る重要な手がかりがついに浮かび上がりました。
エレベーターで仕掛けられた巧妙な罠によって里見偲(松坂桃李)と猪熊夕貴(木村文乃)の関係が揺らぎ、二人の信頼は大きな試練に直面します。
一方で、里見は協力者を得てカラの“棲家”に潜入し、彼女の過去を示す証拠を発見。悪女の秘密と刑事カップルの絆、その両方が交錯する緊迫の回となりました。
サイレーン(ドラマ)5話の見どころ…暴かれるカラの過去と揺れる二人の絆

『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』第5話は、橘カラ(菜々緒)の過去が垣間見え、恋人刑事コンビ・里見偲(松坂桃李)と猪熊夕貴(木村文乃)の関係が大きな試練にさらされる重要回でした。
見どころの一つは、カラが仕掛ける緻密な心理戦。ホテルのエレベーターで里見と意図的に密着し、その姿を夕貴に見せつけることで二人の信頼に決定的な亀裂を生み出しました。さらに夕貴に捜査一課への昇進話が持ち上がり、かつての結婚の約束が現実味を帯びる一方で、疑念と葛藤が二人の心を揺らします。
また、里見が新たにクラブ関係者のアイ(佐野ひなこ)とレナ(入山杏奈)に協力を依頼する異色のタッグも注目です。コミカルさとスリルが交錯する潜入シーンを経て、ついにカラの自宅を突き止め、彼女の正体に迫る重要な証拠を発見します。
そして、渡公平(光石研)との妖艶な駆け引きも必見。プロポーズを受け入れる素振りを見せながらも、利用することしか考えていないカラの魔性ぶりが際立ちました。
第5話は、悪女の妖しい魅力と刑事たちの葛藤、そしてカラの正体に迫る緊迫感が凝縮された回であり、シリーズのターニングポイントにふさわしい内容となっています。
サイレーン(ドラマ)5話のあらすじ&ネタバレ

第5話は、カラの過去と現在の事件が一本の線で繋がり、物語が大きく進展する回でした。恋人刑事コンビの信頼が崩れかける中で、完全悪女カラの魔の手はさらに迫り、次回への緊張を高める展開となりました。
エレベーターの罠と二人の亀裂
月本クリニック事件で昏睡状態だった少女・麻弥が入院している病院に、橘カラ(菜々緒)の姿を見たことで、里見(松坂桃李)は彼女への疑いを強め密かに尾行を開始しました。
しかしカラはその動きを逆手に取り、罠を仕掛けます。夕貴(木村文乃)に偽のメールを送りホテルに誘導したうえで、エレベーター内で里見を挑発し、まるで親密に密会しているかのような姿を夕貴に目撃させました。愕然とする夕貴の前で、カラは唇を拭う仕草まで見せ、完全に誤解を植え付けます。
必死に「誤解だ!」と弁明する里見の声は届かず、二人の間には深い亀裂が生まれました。
夕貴への昇進話と疑念
翌朝、夕貴に捜査一課への昇進話が舞い込みます。
以前、里見と「どちらかが捜査一課に行けたら結婚しよう」と約束していたため本来なら喜ばしい話ですが、エレベーター事件の余韻で素直に受け止められません。
上司に「考えさせてください」と答える一方で、夕貴の胸中には里見への不信と不安が渦巻きます。同僚・千歳(山口紗弥加)から「あなたは里見のことを理解していないのでは」と諭された夕貴は、里見の過去を調べる決意を固めました。
里見の過去とカラの正体の手がかり
夕貴は調査の末、里見が新人時代に担当した未解決殺人事件の被害者・高槻とおるの存在にたどり着きます。
やがて彼が橘カラ=十和田幸の元恋人であり、8年前に殺害されていた事実が浮上しました。高槻の遺族から見せられた写真には、整形前と思しきカラの姿が写っており、夕貴は衝撃を受けます。
公式記録には残っていなかった“恋人”の存在、そして高槻とカラをつなぐ謎。この発見が里見と夕貴を再び結びつけ、カラの過去に迫る糸口となりました。
速水の暗躍とカラとの接触
一方、速水刑事(北山宏光)は夕貴の活躍の裏にカラが必ず関与していると気付きます。
「彼女は単なる事件関係者ではなく黒幕ではないか」と考えた速水は、クラブに出向きカラ本人へ接触。「自分にも美味しい思いをさせろ」と挑発しますが、カラは不快感を隠さず退席。
速水の行動は思わぬ乱入であり、カラにとって計算外の存在が現れた瞬間でした。
里見と“ダブル”による潜入捜査
夕貴と距離を置かれ孤立した里見は、新たにクラブ関係者のアイ(佐野ひなこ)とレナ(入山杏奈)の協力を得ます。
“ダブル”と呼ばれる二人と共に計画を立て、レナがクラブに潜入しカラの注意を引く間に、里見とアイがカラの留守宅へ侵入する作戦を決行。
そこで目にした部屋は不気味なほど生活感がなく、薬瓶や専門書が並ぶ異様な空間でした。さらに里見は、カラ=十和田幸の素性を裏付ける証拠を発見。高槻との関係を示す手がかりにより、里見は「カラは恋人を殺された被害者かもしれない」と推測し始めます。
カラの逆襲と盗聴
辛くもカラの帰宅直前に部屋を抜け出した里見ですが、カラは部屋のカーテンの開閉幅が違うことに気付き、侵入者の存在を即座に察知。
激怒したカラはそのまま里見の部屋に侵入し、盗聴器を仕掛けるという報復に出ました。これにより里見の自宅は完全に監視下に置かれ、彼の行動はすべてカラに筒抜けとなってしまいます。
浮かび上がる高槻事件とすれ違う二人
里見は8年前の高槻事件とカラの過去が繋がると確信するものの、夕貴はまだカラを信じ切っており、恋人と親友を同時に疑えない葛藤に苦しみます。
里見は真実を打ち明けたい一方で盗聴器の存在に気づかず、軽率な行動も取れない状況。愛と職務の板挟みに悩む彼と、疑念に揺れる夕貴。二人のすれ違いが深まる中、カラは次の一手を狙い澄ましていました。
サイレーン(ドラマ)5話の感想&考察

第5話は物語の折り返し地点らしく、伏線の再提示と新事実の開示、そして人物関係の臨界点が同時進行で押し寄せる濃密回でした。
橘カラの“設計する悪”が一段深く示され、里見・夕貴カップルは最大級の試練に直面。ここからは、視聴後に残った主要論点を整理しつつ、次話以降の読み筋まで論理的に掘り下げます。
カラの心理描写と行動の変化 ― 用意周到な完全悪女
回を追うごとに、カラの“状況を支配する”志向が鮮明になりました。
自宅カーテンの開き幅をミリ単位で記憶して侵入を察知する几帳面さは、日常動作すら“侵入検知装置”に変える発想の異常性を物語ります。里見侵入を看破した直後、彼の部屋へ盗聴器を仕込む“倍返し”も、受動的防御ではなく能動的掌握を選ぶ性格の強度を示す一手でした。
興味深いのは、完璧な操縦者に見えるカラにも微細な“乱れ”が覗いたこと。速水の唐突な接触に露わになったあからさまな嫌悪、クラブを早退する拙速さは、彼女が“掌で転がせない相手”に対して苛立ちと焦りを隠しきれない瞬間とも読めます。完璧の仮面と人間的感情の継ぎ目が浮き出たことで、キャラクターの奥行きは一段増しました。
さらに、8年前の高槻とおる事件がカラ=十和田幸に直結したことで、彼女の動機解釈は二分されます。①恋人を奪われた歪んだ喪失が“完全悪女”を形成したという悲劇の連鎖、②そもそも殺人衝動を内包しており、恋人殺しすら辞さない純然たるサイコパス。どちらに振れても、現在の“用意周到さ”に至る心理の高さは説明可能で、視聴者に解釈の余白を残す設計が巧みです。
里見と夕貴の関係性の進展 ― 信頼の崩壊と再生はあるのか
カラのホテル罠は、理性より先に感情を撃ち抜く映像演出で信頼を寸断しました。里見は“守るための秘匿”が仇となり、夕貴は“友を信じる善性”が弱点へ転化する。どちらも彼らの長所の裏返しであり、破綻の因子は初回から内在していた――と読み直せるのが第5話の苦味です。
ただし、決裂へ一直線ではありません。高槻事件を手掛かりに、夕貴が里見の“隠していた理由”に歩み寄った一幕は、壊れた回線が一瞬つながる手応えを与えました。千歳の「あなたはまだ里見を分かっていない」という指摘は、夕貴の“再理解”への起点。
ここから必要なのは、里見が推理の点を“共有可能な言葉”に翻訳すること、そして夕貴が映像(罠)ではなく導線(行動)を再検証することです。職場恋愛という制約の中で、情報共有と心理の再接続が成立した瞬間、二人は以前より強固な“恋人バディ”へ回復しうると見ます。
事件のトリックや伏線 ― 巧妙な罠と今後の展開予想
トリックの核は、カラの“先回り”に尽きます。
偽メール → 同場所誘導 → エレベーター内挑発 → 扉オープンの決定的カット、という“感情設計”は、証拠より先に判断を誤らせる手順設計。並行して、カーテン・香り・薬瓶といった“微細な不自然”が里見側に回収され、反撃の布石として積み上がりました。
伏線は三層で整理できます。
- 過去線:高槻事件=カラの原点。被害者写真の“整形前の面影”は身元偽装を裏付け、カラの本名・年齢・経歴の再特定へ。
- 現在線:盗聴器で里見宅が筒抜けという致命的リスク。里見の不用意な共有が“敵に手の内を晒す”事態を招き得るため、情報伝達は再設計が必須。
- 周辺線:速水の独自行動。彼は敵か味方か未確定の“ノイズ”であり、カラのプラン外の撹乱要因。彼の利己性が偶然にもカラの死角を突く可能性も、逆に混乱を増幅する可能性もあり、物語の不確定性を担保します。
動機仮説としては、警察(組織)への復讐線が濃度を増しています。夕貴が“個人”ではなく“警察官という記号”だからこそ標的にされたのだとすれば、被害者選定と警察ネットワークの交差点に“意図”が潜むはず。高槻事件の捜査過程と現在の被害者群に共通項(当時の担当者・協力者・関係機関)があれば、一本の線が鮮明になるでしょう。
総括 ― “設計された自然さ”にどう抗うか
第5話は、カラが映像・言葉・役割を組み合わせて感情を先回りし、真実から視線をそらす達人であることを決定づけました。対する里見の勝機は、観察の精度と論理の持続、そしてそれを安全に共有し同盟を作る力。夕貴の勝機は、揺らいでも戻れる“芯”の強さです。
カラの過去と現在が一本の線で結ばれ、物語は“犯人当て”から“心理戦の臨界”へ。残る謎――高槻の真犯人、カラの本名と身体的秘密(薬瓶の意味)、夕貴が狙われる理由――は、終盤の反撃で一気に回収されるはず。里見が見つけた点(香り・カルテ欠落・居住痕の薄さ)を線へ、線を面へ拡張できるか。
“完全悪女”の設計に対し、刑事はどんな再設計で応じるのか。次回、副題どおり“計画実行/破滅の危機”が訪れるなら、ここでの選択が勝敗を決める。もどかしさの熱が冷めないうちに、反撃の号砲を。二人の絆と推理の再起動に期待します。
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