第6話「最終章…凶器のアリバイ」は、シリーズの中でも発想が一段ひねられた回でした。
今回、疑われるのは“人”ではありません。先に見つかった拳銃――つまり凶器そのものにアリバイが成立しているという、異様な状況から物語が始まります。
郵便ポストに投函された拳銃、発射痕と血痕、そして後から見つかる被害者の遺体。
時間の流れをそのまま信じれば、「この銃で、この時間に撃たれた」と思い込んでしまう。けれど、その前提こそが罠でした。
時を操作したのは犯人か、それとも“証拠の見え方”なのか。
第6話は、アリバイが人から凶器へとすり替わった瞬間に生まれる、冷たくて美しいロジックを描いた一編です。
ドラマ「アリバイ崩し承ります」6話のあらすじ&ネタバレ

第6話「最終章…凶器のアリバイ」は、タイトルからして勝ち確なんですが、実際に中身も「アリバイって“人”だけの話じゃないよね?」を真正面からやってくる回でした。
遺体より先に“凶器”が見つかるという珍しい導入に、組対(組織犯罪対策課)の真壁&“女帝”キャサリンまで合流。捜査の熱量が一段上がる一方で、渡海が察時と時乃の関係を疑い始める最終章の助走にもなっています。
遺体より先に“凶器”が出てくる違和感:郵便ポストの拳銃
事件の始まりは、ある郵便ポストから拳銃が見つかったこと。
しかもその拳銃には発射された形跡があり、血痕まで付着している。普通なら「凶器=犯人が捨てた証拠」なんだけど、この回が厄介なのは“先に拳銃が見つかっている”点なんですよね。察時と時乃がその状況を冷静に整理している場面があり、そこへ渡海が居合わせたことで、彼の疑念(=察時はなぜこんな情報を時乃に話すのか)がじわじわ強くなるのも、最終章らしい匂わせです。
さらに細部がいやらしい。ポストの集荷は午後3時、その前の集荷は午前10時。つまり拳銃が投函されたのは「午前10時〜午後3時」の間。弾は8発入るタイプで、残りは6発=2発撃たれている。指紋は残っていない。最初から“捜査側が信じたくなる筋道”が、きれいに置かれている。
被害者・布田真が発見される:音を閉じ込める「オーディオルーム」
拳銃発見の後日、被害者が見つかる。被害者は布田真(ヌノダマコト)。
自宅で拳銃で2発撃たれている。発見場所がまた象徴的で、防音がしっかりした“オーディオルーム”。銃声が外に漏れにくい環境は、ミステリー的には「犯行が成立しやすい箱」でもあるし、同時に「犯人が音の痕跡を消せる舞台」でもある。
そして、察時が早い段階で引っかかるのが「遺体が横を向いていた」こと。
銃で撃たれた遺体の姿勢って、地味だけどめちゃくちゃ情報量がある。撃たれた瞬間の反応、倒れ方、そして“後から動かされた可能性”。この回の真相を知ると、ここが最初の重要な違和感だったと分かります。
最終章のギアが上がる:組対の真壁剛士と“女帝”村木キャサリン
捜査会議に現れるのが、コワモテ刑事・真壁剛士。組対(組織犯罪対策課)の刑事で、渡海の幼なじみでもある。ここで事件が「家庭内や個人関係の殺人」から、「反社・抗争の匂いがする案件」へ一気にトーンチェンジする。
背景には白嵐会と小八木組の抗争がある。捜査側も警戒して人手が足りない、真壁は捜査一課に人員を借りたい──そういう現場のバタつきが描かれると、拳銃がポストに捨てられた“それっぽさ”が増すんですよね。「抗争のさなかなら、犯人も焦って捨てたんだろう」という空気が自然にできる。
そして“女帝”村木キャサリン。真壁の上司で、組対に君臨する存在として語られるだけで圧が強い。彼女の登場は、単にゲストが豪華という話じゃなく、捜査の論理を前進させる役割も担っている。
容疑者は被害者の上司・平根勝男:モルヒネ横流しの疑い
捜査線上に浮かぶのが、布田が勤める大谷製薬の上司・平根勝男。
真壁は「平根がモルヒネを横流ししている」という情報を持ち込み、平根を重点的に当たるよう促す。製薬会社の生産課長なら、確かにモルヒネに手が届く。しかもモルヒネは強力な麻薬で、精製すればヘロインにもなる──この説明が入ることで、事件の動機が一気に現実味を帯びます。
平根の動機は「横流しが布田にバレたため、口封じに殺害」という線で固まっていく。ここまでは分かりやすい。問題は、平根が“鉄壁のアリバイ”を持っていること。
平根の鉄壁アリバイ:従兄弟と食事→映画館、そして「午前中」を聞かれて動揺
平根のアリバイはこう。
- 正午〜午後3時:従兄弟たちと食事
- 午後3時〜5時:映画館で映画
食事の方は親戚に確認が取れ、ほぼ崩れない。映画は一人で行っていて“証人がいない”、つまり言い方は悪いけど「アリバイとしては薄い」。ただし死亡推定時刻が午後2時〜4時あたりに絞られている以上、そこを覆せないと平根には届かない。
ここで察時が“午前中のアリバイ”を聞くと、平根の表情が変わる。平根は「午前中は掃除や洗濯をしていた。布田が殺されたのは2時から3時のはずだろ?なぜ午前中を聞く?」と聞き返す。これ、ミステリーとしては分かりやすすぎるくらいの“動揺の提示”なんだけど、逆に言えば脚本がフェアなんですよね。視聴者に「この男、午前中に何かやってるぞ」と気づかせに来てる。
察時は「午前中に殺害し、犯行時刻を午後にずらしたのでは?」と推察する。しかし、司法解剖の結果や当日の状況から、その推察だけで押し切るのは難しい。ここで必要になるのが、いつもの“時乃の違和感回収”です。
時乃が銃口を向ける…が、あれは“時計”だった
この回は、時乃が察時に銃口を向ける(ように見える)場面が話題になる。
真剣な表情で「正体を知られたからには生かしてはおけません」と言い放つので、一瞬「え、時乃が闇堕ち!?」ってなるんですが、あの拳銃はアリバイ崩しの説明のために用意したレプリカで、しかも拳銃に“時計”が埋め込まれている。ネット上でも「急展開?」「それ時計なの!?」みたいな反応が出た、というのが面白いところ。
ここ、ただのギャグじゃないと思っていて。拳銃(=凶器)に時計(=時間)が埋め込まれている。第6話のテーマそのものじゃないですか。「凶器が時間を背負ってしまう」回の象徴的な小道具として、かなり上手い。
密売人逮捕と購入者リスト:この事件は「2丁」で動いている
捜査が進むと、拳銃の密売人が捕まり、キャサリンが販売者リストを持ってくる。
那野県内で購入したのは2名。そのうち“大腿部の銃”を購入していたのが遠山公司(偽名)。この時点で「2丁」という事実が出るのが重要で、視聴者は“もう1丁”の存在を意識せざるを得なくなる。
つまり、捜査側が握っている凶器(ポストの拳銃)だけで事件を語るのは危険かもしれない、という空気ができる。時乃がやるのは、そこに論理の楔を打ち込むこと。
時乃が拾う“現場の小さな違和感”:ラグマットの下の砂、椅子の移動痕、そして遺体の向き
時乃は現場に入り、ラグマットの下を確認する。すると床の弾痕がある場所のそばに“砂”が落ちている。さらに、ラグマットには物を動かしたような跡もある(椅子をどけた痕がある)。この砂と移動痕が、後で一気に意味を持つ。
加えて、遺体が横向きだったこと。これも「銃創と床の位置のズレを隠すため」という、かなり具体的な意図に回収されていく。横向きは“偶然の姿勢”じゃなく、“加工の結果”だった。
真相:午前中に仕込まれた“偽装”と、午後に実行された“本当の殺害”
時乃が時を戻して提示する真相は、「拳銃が2つあった」という一点から、全部がつながる構造です。
まず、捜査側の前提を整理するとこう。
- ポストで見つかった拳銃には血痕があり、発射された形跡もある
- 被害者の死体には銃創が2つ
- だから“この拳銃で2発撃たれた”と考えるのが自然
- そして拳銃が発見されたのが午後3時 → 犯行は午後2時〜3時前後、という推定が固まる
でも、ここに「別の拳銃」が入ると、時間の前提が崩れる。
つまり“凶器に見える拳銃”が犯行時間を縛っていただけで、実際の殺害はその外側でも可能になる。
午前中:平根がやったのは「殺害」ではなく、殺害を“午後に見せるための仕込み”
平根は犯行当日の午前中、布田宅を訪ねる。布田の後頭部を殴って倒し、大腿部にモルヒネを撃って眠らせる。鎮静と鎮痛効果で、普通なら暴れるような事態でも布田は反応しにくくなる。だから「太ももを撃たれたのに痕跡が薄い」という違和感が生まれる。
そして平根は、第一の拳銃で
1)大腿部を撃つ(注射痕をごまかす意図も絡む)
2)さらにラグマット(床)を撃ち、床に弾丸を“先に”めり込ませる
この「床の弾痕」は、後で“口腔内から撃たれた弾が床にめり込んだ”ように見せるための部品になります。つまり、午前中に“証拠”を作っている。
その上で、午前10時以降(次の集荷までの間)に第一の拳銃を郵便ポストへ投函。午後3時の集荷で発見される。ここが「凶器のアリバイ」の核心で、拳銃がポストに入っている時点では、まだ布田は本当には殺されていない。
正午〜午後3時:従兄弟と食事で“動けない時間”を作る
平根は正午から午後3時まで従兄弟と食事をする。ここは証言で固い。捜査側から見れば「じゃあ2時台に殺せないじゃん」となるし、本人もそこに自信を持つ。
午後:第二の拳銃で“本当の殺害”を実行し、午前中に作った痕跡と重ね合わせる
食事が終わった後、平根は第二の拳銃を持って布田宅へ戻る。
ここでようやく“本当の殺害”を行う。
ポイントは2つ。
- 口腔内の弾丸は貫通しているのに体内に残っていない
- なのに床には弾丸がめり込んでいる(=まるで口から撃った弾が床に刺さったよう)
平根はこのズレを、ラグマットの下に砂袋を置くことで処理する。砂袋で弾丸を受け止め、弾丸が床に残らないようにする。砂袋は回収。だが砂がこぼれ、それが現場に残る。
さらに、午前中に作っておいた“床の弾痕”と、ラグマットの穴の位置が重なるようにラグマットを微調整する。そのとき椅子が邪魔で、一度家具をどける必要が出て「椅子を動かした痕」が残った。時乃が拾った違和感は、全部ここに回収される。
そして最後に、布田の銃創と床の位置のズレを隠すため、遺体を横向きにして“ごまかす”。察時が最初に引っかかった「横向き」が、まさに犯人の加工の結果だったわけです。
2丁を使う意味:同じ32口径、でも銃種は変える
このトリックが成立するのは、2丁の拳銃が“同じ32口径”で、弾の識別が難しい前提があるから。
そして平根は、密売人が捕まった場合まで想定し、同じ銃を2丁買うのではなく、別の銃種(第一の銃と第二の銃)を用意している。ここが用意周到で、いかにも“社内で不正を回してきた人間の怖さ”が出るところ。
時乃が「ワルサーPPKは入手が大変で高額。だからまだ自宅にあるはず」と踏み、察時が家宅捜索をちらつかせると、平根は観念して自供する。詰め方が現実的で良かったです。
事件後:真壁は手柄、察時は5000円、渡海は“恋愛疑惑”に着地
平根の逮捕で白嵐会幹部も逮捕され、真壁は結果を出す。組対の現場で強がっていた真壁にとって、この「結果が出た」はかなり救いになるはず。
一方、察時は時乃に成功報酬の5000円を渡す。「もう逃がしませんよ」と言う察時のセリフは、事件の解決を超えて“最終章の気配”を漂わせる言い回しでもある。
そしてオチ。渡海がその現場を見てしまい、「本当のことを教えてください。管理官と時乃は付き合っているんですか?」と聞く。時乃は「死んでもありえない」と即答。渡海はなぜかホッとする。
……君、疑う方向そこじゃないだろ、ってツッコミたくなるんですが、だからこそこのドラマのバランスが崩れないんですよね。最終章のサスペンスを入れつつ、最後はちゃんとコメディで抜く。
ドラマ「アリバイ崩し承ります」6話の伏線

第6話は、犯人当てというより「捜査側の“時間の確信”が、どう作られ、どう崩れるか」の設計が丁寧でした。派手なトリックに見えて、伏線はほぼ全部“地味な観察”で構成されている。ここでは、回収された伏線を整理しておきます。
「午前10時〜午後3時」という時間枠:凶器が先に見つかる意味
ポストの集荷が午後3時、前の集荷が午前10時。これは単なる説明ではなく、犯人が“凶器の存在で時間枠を支配する”ための土台。捜査側は自然に「午後2〜3時に殺されたはず」と寄っていく。逆に言えば、ここを疑えるかどうかが勝負だった。
8発装填で6発残り:2発撃った=遺体の2発と結びつけたくなる
銃に6発残っている(=2発撃っている)という情報は、視聴者も捜査側も“気持ちよく”一本線で結びたくなる。遺体の銃創が2つなら、なおさら。ここがミスリードの芯。
遺体が横向きだった違和感:姿勢は「加工」される
察時が抱いた「横向きだったのはおかしい」という違和感は、最終的に「銃創と床の位置のズレを隠すために横向きにした」という回収に繋がる。銃撃の事件で“遺体の姿勢”を雑にしない脚本は信用できます。
太ももを撃たれているのに暴れた痕跡が薄い:モルヒネの布石
「大腿部を撃たれたら痛くて暴れるはず」という常識に対して、時乃が提示するのがモルヒネ。鎮静・鎮痛効果があるから、反応が出ない。真壁が持ち込んだ“モルヒネ横流し疑惑”が、動機だけでなく手口の説明にも二重に効いてくる。
ラグマットの下の砂/椅子を動かした痕:砂袋と位置合わせの痕跡
現場の「砂」と「家具を動かした痕」は、第二の銃で撃った際に砂袋を仕込み、ラグマットの穴と床の弾痕を一致させようとした結果。犯人にとっては“作業の残りカス”で、時乃にとっては“真実の指紋”だった。
口腔内の弾丸がない/弾丸が床にある:一見矛盾、でも矛盾こそ答え
「弾丸が体内に残っていないのに、床に弾がある」という状況は、普通は“口から撃って床に刺さった”と考える。でもそれは“午前中に床へ撃ち込んだ弾”であり、午後の致命弾は砂袋で回収された。ここは矛盾を矛盾のまま放置しないことで、ミステリーとしてフェアに解けるようになっている。
渡海の疑いが濃くなる描写:最終回へ繋ぐ“別の伏線”
第6話は事件だけで完結しない。渡海が察時の解決力を不審に思い、時乃との関係まで疑い始める流れがはっきり描かれる。しかも最後に5000円の受け渡しを目撃する。渡海が“核心に近づいているのに、焦点がズレている”状態が、最終回前夜としてすごく良い。
「銃の形の時計」:凶器と時間が一体化する象徴
時乃が察時に銃口を向ける(ように見せる)シーンは、実はレプリカで、銃に時計が埋め込まれている。SNSでも「それ時計なの!?」と反響があったという話が出ている。小道具として笑えるのに、この回のテーマ(凶器=時間のアリバイ)を象徴しているのが巧い。
ドラマ「アリバイ崩し承ります」6話の感想&考察

最終章に入った第6話、僕はかなり好きです。理由は単純で、「アリバイ崩し」を最もストレートに楽しめる形でやってくれたから。奇をてらった人間ドラマではなく、事件の構造そのものが面白い。
そしてその面白さが、キャラの関係性(察時×時乃×渡海)にもちゃんと波及している。ここからは、少し深掘りしていきます。
「凶器のアリバイ」が怖いのは、人の記憶より“モノの時間”を信じてしまうから
今回の捜査がハマった罠って、犯人の演技に騙されたというより、「凶器のタイムスタンプ」に引きずられたことだと思うんですよね。
- 午後3時にポストから拳銃が見つかる
- その拳銃には血痕があり、発射されている
- 遺体にも2つの銃創
- だから“この拳銃が犯行に使われた”と考えるのが自然
この“自然さ”が怖い。人間のアリバイは嘘をつくけど、拳銃は嘘をつかない……そう思ってしまう。でも実際は、拳銃も「配置」される。犯人は銃を捨てたのではなく、銃で“時間”を捨てた。捜査側の時間推定を、ポストの中に入れてしまった。ここにこの回の発明がある。
そして時乃は、それを「人間の感覚」に引き戻す。砂、椅子の移動痕、遺体の向き。モノの時間より、現場の人間臭い“作業の跡”の方が嘘をつかない、という逆転が気持ちいい。
平根勝男という犯人像:社内犯罪が反社と地続きになるリアル
平根の動機が「モルヒネ横流しがバレたから口封じ」って、いかにもドラマ的に分かりやすいんだけど、同時に妙なリアルさもあります。製薬会社、在庫、管理職、横流し。そこに暴力団の抗争が重なると、“普段は見えない地下水脈”が見える感じがする。
個人的にゾッとしたのは、平根がこの計画を「密売人が捕まることまで想定して」設計している点。職場で不正を回す人間って、だいたい「一発で終わるギャンブル」じゃなく「バレない運用」を続けてきた人間なんですよ。そういう人間が殺人をすると、生活感のある“用意周到さ”が出る。第6話の平根は、まさにそれでした。
時乃の推理が冴える理由:違和感が“全部同じ方向”を向いている
第6話の気持ちよさは、ヒントが派手じゃないのに、全部が同じ結論を指していること。
- 太ももを撃たれているのに暴れた痕跡が薄い → 薬物?
- ラグマット下の砂 → 何か受け止めた?
- 椅子の移動痕 → 位置合わせの作業?
- 遺体が横向き → 銃創と床の関係が怪しい?
この4つって、単体だと「変だな」で終わる。でも並べると、“犯行が一度ではなく二段階で行われた”方向へきれいに収束する。だから時乃の推理は強く見える。天才だから当てたのではなく、違和感の矢印が揃っていた。
真壁&キャサリンの投入がもたらした「捜査の厚み」
真壁とキャサリンが出ることで、捜査が「捜査一課だけの世界」から広がる。組対の視点が入ると、事件が社会と繋がるんですよね。拳銃、薬物、抗争。これらは個人の恨みだけでは生まれにくい。
最終章に入ったタイミングで、世界観を一段スケールアップさせる演出としても効いてました。
真壁が強面なのに実は気が弱い、みたいなギャップも、渡海との幼なじみ関係と相まって“硬派になりすぎない保温材”になっている。最終章って、暗く重くしようと思えばできる。でもこのドラマは、暗くしない代わりに“論理の密度”で引っ張る。その方向性が第6話で固まった気がします。
渡海は核心に近いのに、着地がズレる:だから面白い
渡海が察時と時乃の関係を疑い始めるのは、実はかなり鋭い。察時の解決力が“不自然”なのは事実だから。
ただ、渡海が最終的に辿り着くのが「付き合ってるんですか?」なのが最高に彼らしい。疑いの矢印は当たってるのに、焦点が恋愛にズレる。だから視聴者はヒヤッとせずに笑える。
で、時乃が「死んでもありえない」と即答することで、渡海は安堵する。ここ、渡海のキャラ(ボンボンだけど憎めない)を守りつつ、最終章の不穏さも残す、かなり器用な落とし方だと思いました。
SNSの反応が象徴してた「第6話の二面性」
第6話って、ミステリーとしては硬派なのに、話題になるのは「時乃が拳銃を構える表情がいい」とか「それ時計なの!?」みたいな部分だったりする。実際ネット上でもそういう反応が出たと報じられていて、僕はそれがこの作品の正しい楽しみ方だと思うんですよね。
本格ミステリーを“正面から”やるほど、間に挟まるギャグや生活描写が効く。毎回恒例の入浴シーンも、次回最終回を前に「見納めか…」みたいな声が出たという話があるけど、これも作品のテンションを象徴してる。殺人事件を扱いながら、どこか日常の延長として見られる。だからこそ、ラストで急に真面目な寂しさが来た時に刺さるんですよ。
次回に向けて:最終章は「アリバイ」の定義が広がる予感
第6話でやったのは、“凶器のアリバイ”。つまり「人間を縛る時間」ではなく、「証拠が縛る時間」を逆利用する話でした。
ここまで来ると、次回(最終回)はもっと広い意味でアリバイを扱うはずで、渡海の家族や立場も絡めて「証言」「立場」「見栄」みたいな社会的なアリバイに踏み込む予感がする。
第6話は、そのための“論理の地ならし”としても、すごく気持ちいい一話でした。
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