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TRICK/トリック(シーズン1)1話のネタバレ&感想考察。母之泉編①透視は嘘か真実か?奈緒子と上田、最悪の出会い

TRICK/トリック(シーズン1)1話のネタバレ&感想考察。母之泉編①透視は嘘か真実か?奈緒子と上田、最悪の出会い

『トリック』シーズン1第1話は、名コンビ誕生の物語でありながら、いちばん互いを信用していない回です。

仕事を失い家賃に追われる売れない手品師・山田奈緒子と、霊能力を真っ向から否定する理屈の人間・上田次郎。
この二人が出会うきっかけは、運命でも友情でもなく、賞金と恐怖でした。

第1話「透視」は、超能力の正体を暴く話に見せかけて、
「人はなぜ信じてしまうのか」「なぜ怖いと理屈を忘れるのか」を突きつけてきます

ここから始まるのは、正義のバディものではありません。

疑い合い、利用し合い、逃げ場を失った二人が、厄介ごとに巻き込まれ続ける物語。『トリック』という世界の空気は、この第1話ですでに完成していました。

目次

トリック(シーズン1)1話のあらすじ&ネタバレ

トリック(シーズン1)1話のあらすじ&ネタバレ

第1話「透視」は、のちに“いつもの二人”として確立していく《山田奈緒子×上田次郎》が、まだ互いを信用していない段階から始まります

売れない手品師が“賞金”に釣られて研究室へ行き、理屈の人間が“霊能力”にビビっている現場へ連行される——このねじれた出会いが、TRICKのすべての入口です。

仕事を失った奈緒子、残るのは「家賃」とプライド

物語のスタート地点は、山田奈緒子の“生活のピンチ”です。奈緒子は自称「超売れっ子天才美人マジシャン」なのに、現実は見世物小屋で食いつなぐほどの不安定さで、その唯一の仕事すらクビになる。本人の自己申告と世間の評価のズレが、初回から容赦なく笑いにされるのがTRICKらしいところです。

ここで奈緒子の周囲の“生活感”が一気に立ち上がります。家賃滞納で大家に詰められ、隣人や周辺の人物もやたら濃い。

第1話は事件の謎解き以上に、「この世界にはこういう温度の人間が住んでいる」という提示が丁寧で、後のシリーズの“空気”がすでに出来上がっています。

「超能力者に賞金」——上田次郎の挑戦状が、シリーズの扉になる

奈緒子が偶然目にするのが、若手物理学者・上田次郎が出した“霊能力者たちへの挑戦状”。

「私の目の前で、超能力者であると証明できたら賞金を支払います」という文言が、金欠の奈緒子の目に刺さる。TRICKは初回から、超常現象よりも先に“賞金”を映すドラマです。現金は、動機として一番わかりやすくて、いちばん身も蓋もない。

この挑戦状は、単なる導入ではありません。以降のTRICKは毎回、「超常っぽい現象」→「信じる集団(権威)」→「検証(上田)」→「現場(奈緒子)」→「タネ明かし」→「後味」という型で回っていくのですが、その“始まりのスイッチ”が、まさにこの挑戦状です。第1話でいきなりシリーズの設計図を見せてくる。

研究室の面接:手品を「超能力」だと信じる上田の滑稽さ

奈緒子は賞金目当てで上田の研究室へ向かい、手品を“超能力のフリ”として見せる。ここが第1話のいちばん大事なポイントで、奈緒子は最初から「騙す側」だということ。善人でも正義の味方でもなく、まず自分が助かりたい人間として描かれます。

奈緒子が披露するのは、封筒に入れたコインを“封筒を破らず”取り出すようなマジック。上田は理屈の人間のはずなのに、これを見て「本物だ」と確信してしまう。TRICKの面白さは、科学(上田)がオカルトを解体する話……に見せかけて、「科学の人間ほど、怖いものの前で非科学的になる」瞬間を平気で描くところにあります。

この時点で奈緒子は“勝った”はずなのに、TRICKは勝たせてくれません。上田は奈緒子を賞金で釣ったまま、別の依頼を突きつけます。「超能力で儲けようとした女が、もっと大きな“超能力騒動”に引きずり込まれる」——第1話は、そういう皮肉で動いていきます。

依頼:事務長の娘・美和子を“母之泉”から連れ戻せ

上田が奈緒子に持ちかけるのは、日本科学技術大学の事務長の娘・大森美和子を、新興宗教団体「母之泉」から連れ戻してほしいという依頼です。

上田は、霊能力者の存在を否定する立場でありながら、母之泉の教祖・霧島澄子(通称ビッグマザー)の“力”を前にして怯えている。だからこそ、自分の代わりに“本物っぽい人材”として奈緒子を必要としてしまう。

そしてここで上田は、かなりえげつない手を使う。奈緒子の家賃滞納という弱みを突いて、金を返す当てがない状況に追い込み、結局「同行するしかない」形を作る。初回から上田は紳士ではなく、奈緒子もヒロインらしい清潔さはない。二人の関係が“信用”ではなく“利害”で結ばれるのが、このドラマの強さです。

別軸で進む公安の捜査:矢部謙三登場で世界が歪む

一方で、事件の匂いを濃くするのが警視庁公安部の矢部謙三。矢部は、母之泉から逃げ出した元信者たちが不審死する事件を追っている。ここでTRICKははっきり「これは詐欺集団の話で終わらないぞ」と宣言します。笑えるテンポで進むのに、背後に“死”の線が通っている。

矢部はやる気がない刑事として描かれつつ、公安という部署設定が地味に効いています。宗教団体、集団心理、脅し、そして“消される元信者”——こういう案件が「捜査一課」ではなく「公安」で動いている時点で、空気がすでに不穏なんです。

母之泉へ:共同生活の圧と、「信じる」ことの居心地よさ

奈緒子と上田は、信者が集団生活を送る母之泉の集落へ乗り込みます。そこには「宗教団体らしい共同体の空気」が満ちていて、外から来た人間が一瞬で“部外者”だと分かる。奈緒子のような手品師の感覚は、こういう場ではむしろ鋭く働きます。だってマジックの客席でも、空気が一番怖いから。

教団の幹部・津村俊介は、信者に水を汲ませ、法外な値段で売りつける存在として描かれる。つまり母之泉の“奇跡”は、信仰だけでなくビジネスとして成立している。ここがTRICKの嫌なリアルで、「救われたい人間の財布」は、いちばん軽いんです。

また、信者の木田知世が奈緒子と上田に水汲みを強要し、二人の行動を監視する。宗教団体の怖さは、教祖より先に“信者”が作る。善意で監視し、正義で縛り、温かさで逃げ道を塞ぐ——第1話の時点で、その構造がすでに見えています。

ビッグマザー霧島澄子:不気味さの中心にいる「老婆」

そして教祖・霧島澄子(ビッグマザー)。彼女は相手の心を読み取ったり、空中浮遊が可能だとされる“超能力者”として君臨する存在です。ここでTRICKが上手いのは、ビッグマザーを単なる詐欺師として雑に描かないこと。言葉の選び方、間の取り方、信者の反応——「この人が本物かもしれない」と思わせる演出がちゃんとある。

上田は霧島澄子を「詐欺だ」と貶めたことで、本人に研究室へ乗り込まれ、「あと10日で死ぬ」と宣告される。理屈の男が、たった一言で顔色を変える。ここが第1話のタイトル「透視」の核心で、実際に“透視”されているのは、上田の虚勢と恐怖です。

霊能力を否定しながら、霊能力者の一言にビビる。

TRICKは「科学vsオカルト」の勝負に見せかけて、いつも「人間の弱さ」の話に着地します。だから初回の敵役が、怪力でも天才でもなく、“老婆”なのが最高に意地悪です。

1話の終わり:コンビ誕生は「勝利」ではなく「厄介ごと」で始まる

第1話の終盤で決まるのは、事件の解決ではなく“組み合わせ”です。奈緒子は賞金を得るために動き、上田は自分の恐怖(そして体面)を守るために動く。その利害が一致してしまった結果、二人は母之泉とビッグマザーという「ヤバい相手」に正面から向き合う羽目になる。

ここまでで第1話は終わり、母之泉編は次回へ続く。

第2話では、母之泉“2度目の儀式”で封筒を使った読心が行われ、奈緒子がそのカラクリに迫っていく流れになる(いわゆる“貧乳”を言い当てられる件はここ)。第1話は、その地獄の入口までを丁寧に描いた回です。

トリック(シーズン1)1話の伏線

トリック(シーズン1)1話の伏線

第1話は“導入回”でありながら、シリーズ全体に効いてくる情報を、さらっと混ぜています。しかもTRICKの伏線は、ミステリー的な「手がかり」だけじゃなく、「この作品はこういう後味にする」という宣言まで含めて伏線になっているのが特徴です。

「挑戦状」と「賞金」=事件が始まる装置

上田が雑誌に載せた挑戦状は、単発のネタではなく“シリーズの型”そのもの。今後も「超能力っぽい人が現れる→上田が関わる→奈緒子が巻き込まれる」という流れが繰り返される土台が、この1話で完成します。

同時に「賞金」という餌が、奈緒子を動かし続ける。正義感より生活、使命感より家賃。この動機の軽さが、TRICKが“説教ドラマ”に堕ちないための重要な仕掛けです。

奈緒子の手品=“霊能力を暴く側”の武器

奈緒子は、最初は詐欺(超能力のフリ)をやる側です。

でも、封筒とコインのマジックのように「人が信じる瞬間」を知っているからこそ、後に“霊能力っぽい現象”を解体する側に回れる。第1話の手品シーンは、シリーズ全体の伏線でもあります。

「マジックは、種があるから面白い。霊能力は、種がない顔をして逃げる」——この価値観が、のちの奈緒子の“異常なまでの否定”に繋がっていく下地になります。

上田の弱点:理屈より先に「怖い」が来る

上田は物理学者で、口では超能力を否定します。でも第1話の時点で、彼が霊能力者を恐れているのははっきりしている。ビッグマザーに研究室まで来られ、「あと10日で死ぬ」と宣告された瞬間、彼の“理屈の鎧”が剥がれる。上田の弱さは、今後も事件の入口になります。

この弱さがあるから、上田は奈緒子を利用する。利用するから、二人は切れない。恋愛でも友情でもなく、厄介ごとの共有で繋がる——その関係性自体が伏線です。

母之泉の“不審死”設定が示す、TRICKの後味

公安の矢部が追っているのは、母之泉を抜けた元信者たちの不審死。

つまり第1話の時点で、「種明かしすれば終わり」ではないと宣言している。トリックは解けても、人は簡単に救われない。これがTRICKの基本姿勢です。

この“不審死”の線があるから、母之泉編は単なるインチキ暴きでは終わらず、次回以降の展開にもずっしり影を落とします。

里見(母)と父・剛三の存在が、奈緒子の縦糸を匂わせる

第1話の段階で、奈緒子には母・里見がいて、父・剛三(有名な天才マジシャン/故人)がいることが提示されます。ギャグとして処理されがちな家族描写ですが、TRICKは後半で“奈緒子の出自”に触れていく作品なので、初回の家族の匂いは軽く見ない方がいい。

特に「霊能力」という言葉が、奈緒子の家族史とどこかで接続しそうな気配が、初回から薄く漂っている。ここが後の縦糸の“下書き”になります。

トリック(シーズン1)1話の感想&考察

トリック(シーズン1)1話の感想&考察

第1話を見終えて強く残るのは、「面白い」の前に「変な空気がクセになる」という感覚です

映像は軽い、会話はくだらない、でも題材は新興宗教で不審死もある。笑っていいのに、どこか落ち着かない。この“笑い×不穏”の混ぜ方が、TRICKをただのコメディにしない理由だと思います。

初回から完成している「バディ未満」の距離感

第1話の奈緒子と上田は、バディでも相棒でもなく、ほぼ「利用し合う他人」です。奈緒子は金がほしい、上田は怖い相手の正体を暴きたい。その一致点だけで動くから、会話がいちいち噛み合わない。噛み合わないのに、どっちも引かない。ここが見ていて気持ちいいんですよね。

S視聴者の反応でも、「物理学者だから阿部寛が解決すると思っていたら、へっぽこでびっくりした」という声がある。初見の視聴者ほど、上田の“頼りなさ”に笑ってしまうはず。TRICKは天才が無双する話ではなく、ダサい大人が必死に見栄を張り続ける話です。

「霊能力を否定する人間」が、霊能力者に一番ビビる面白さ

上田次郎というキャラクターの面白さは、科学者の顔で「超能力はない」と言い切るくせに、いざ霊能力者が目の前に来ると、誰よりもビビるところ。ビッグマザーが研究室に現れて「あと10日で死ぬ」と言うだけで、上田の世界がひっくり返る。

この“否定しているのに怖い”という矛盾が、TRICKのテーマそのものだと思います。人は理屈では生きられない。理屈で生きたい人ほど、理屈では処理できないものに弱い。だから上田は霊能力者を倒したいのではなく、「怖くなくなりたい」んです。

母之泉の描写が刺さるのは「悪役が強い」からじゃない

第1話の母之泉は、教祖の霊能力よりも、共同体の空気が怖い。信者に囲まれ、監視され、水を汲まされ、言葉づかいまで矯正される。“異物”を取り込んで均す圧がある。

そして幹部の津村が、水を汲ませて法外な値段で売りつける。ここが現実的で、宗教を“金の匂い”に繋げた瞬間、一気に背筋が冷える。救いを売る商売は、成立してしまうから怖い。TRICKはそこを誇張ではなく、さらっと描くのが嫌らしい(褒めています)。

初回の映像とテンポが「TRICKの様式美」を決めている

第1話の時点で、編集の間合い、BGMの差し込み、変な静寂、やたら決まるカメラワークがすでに“TRICKの味”として立っている。だから今から見返しても古びにくい。

「堤幸彦演出が冴え渡ってる」「山田奈緒子が美人すぎる」といった反応が出るのも分かる。初期の奈緒子の“尖った美しさ”は、シリーズの記憶そのものです。

そして主題歌「月光」。初回の段階で、軽い笑いの直後にあの曲が来ることで、視聴者の気持ちが強制的に“夜の方”へ持っていかれる。TRICKは、最後に必ずちょっとだけ胸を冷やす作品で、その予告が主題歌です。

考察:第1話は「トリックを暴く話」ではなく「信じたい話」への入口

第1話を見て思うのは、TRICKの中心は“超能力があるかないか”より、「人がなぜ信じるのか」にあるということです。奈緒子は手品師として“信じさせる技術”を知っている。上田は科学者として“信じない理屈”を持っている。でも母之泉は、そのどちらでもない「救われたい気持ち」を握ってくる。

だから次回以降、もしトリックが暴けたとしても、全員が救われるとは限らない。むしろ“救いが壊れる”瞬間が描かれる可能性がある。初回の不穏さは、その予感をきっちり置いていくための味付けだったんじゃないかと思います。

次回(第2話)では、母之泉の儀式がもう一段濃くなり、奈緒子が具体的に“仕掛け”へ踏み込んでいく流れになります。第1話で気持ちよく笑えた人ほど、第2話で「あ、これ…思ったより嫌な話かも」と気づくはず。その落差こそTRICKの快感です。

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