『リブート』第1話は、主人公の人生が一気に反転する、非常に密度の高いスタートでした。
2年半にわたって「帰ってくる」と信じ続けていた妻の失踪は、白骨遺体の発見によって“死”に確定します。その直後から、パティシエ・早瀬陸は、妻殺しの容疑者として追い詰められていく。
警察内部の不穏な動き、巨大企業を巡る金の闇、そして提示される“他人になりかわる”という異常な選択肢。
第1話が描いたのは、復讐でも名誉回復でもなく、「父として生き残るために、自分を捨てる」という決断でした。ここから物語は、正義では戻れない場所へ踏み込んでいきます。
※ここから先は、ドラマ「リブート」第1話(第一話「至愛」)のネタバレを含みます。未視聴の方はご注意ください。
ドラマ「リブート」1話のあらすじ&ネタバレ

第1話の骨格は、めちゃくちゃシンプルで強烈です。
「妻殺しの罪を着せられたパティシエが、家族を守るために“他人になりかわる(リブート)”」。ここに“巨大企業の闇”と“警察内部の敵”が絡み、主人公の人生が丸ごと書き換えられていく――そんなスタート回でした。
序盤|「帰ってくる」を信じ続けた2年半が、いきなり終わる
東京の下町で洋菓子店を営むパティシエ・早瀬陸。
2年半前に妻・夏海が失踪して以来、息子・拓海と母・良子とともに、心のどこかで「帰ってくる」未来を信じて日々を回してきました。
失踪は、悲しいけど“未確定”で、だから希望も残る。陸の生活は、そのギリギリの綱渡りに支えられていたんです。
しかし、その希望を断ち切る連絡が来る。捜査一課の刑事・儀堂歩から「山中で白骨化遺体が見つかった」と知らされ、検視の結果、遺体は夏海だと断定される。
ここ、物語として残酷なのが、“失踪”が“死”に確定する瞬間って、喪失が二重に来るんですよね。期待して待ち続けた時間が、全部「もう戻らない」側に倒れる。第1話はその落差から始まります。
葬儀|弔いの場で投げ込まれる「違和感の種」——海江田の“質問”
葬儀の場に現れるのが、巨大企業側の人間。
顧問弁護士の海江田勇です。彼は遺族の陸に、弔意とは別の角度から“確認”を入れてくる。
「事務的」なんだけど、弔いの場でその質問をする理由が見えない。この“理由のなさ”が、のちの「夏海は何に巻き込まれていたのか?」へ直結する違和感になります。
この時点では、陸から見えるのは「妻の会社関係者が、なぜ今ここで?」という薄い疑問だけ。でもサスペンスって、この薄さが厄介で、薄い違和感ほど、後から“確信”に変わる。第1話はそこを丁寧に仕込んでいます。
家宅捜索|「証拠」が、陸の人格をひっくり返す
葬儀が終わっても、地獄は続く。
捜査一課の刑事・足立翼らによる家宅捜索が入り、状況は一気に“犯人確定ルート”へ引っ張られていきます。
決定打として効いてくるのが、夏海のパソコンなどから出てくる“記録”。そこに残されていたのは、陸にとって身に覚えのない形での「夫婦関係の暗部」を示す内容でした。陸は「そんなことはしていない」と言っても、データは無機質に存在し続ける。
そしてサスペンスの定石どおり、状況証拠は“固められていく”。
陸の言葉より、証拠のほうが強い世界へ。
ここで効くのは、「陸はいい人そう」という視聴者の直感です。直感があるからこそ、証拠が出るたびに心が揺れる。「もしかして?」が生まれる。主人公が主人公でいられなくなる圧力が、第1話の推進力になっています。
罠|儀堂の電話「手を組まないか」——そして約束の場所に転がる“現実”
追い詰められる陸に、儀堂から連絡が入ります。儀堂は「罠にかけられている」と告げ、さらに「手を組まないか」と持ちかけてくる。
ここ、陸にとっては光にも見える。警察側に“理解者”がいるかもしれない。自分の無実を信じる人がいるかもしれない。
ところが、約束の場所に行った陸が目にするのは、横たわった儀堂。刺され、息絶えかけている儀堂が、そこにいる。
さらに儀堂は、最期に陸へ「警察の中に敵がいる」ことを示す。
これで陸は詰みます。妻殺しの容疑だけでも逃げ場がないのに、ここで“刑事殺し”の影まで背負わされる構図になった。
第1話の凶悪さは、主人公の疑いが1本ではなく2本に増殖するところなんですよね。
儀堂の部屋|荒らされた室内と、現れた“鍵”=幸後一香
儀堂の指示で、陸は儀堂の家へ向かいます。
すると部屋は荒らされていて、何者かが“探し物”をした痕跡がある。儀堂が死ぬ前に守ろうとしたもの、あるいは奪われたくなかったものがある。そんな空気が漂う。
そこで現れるのが、幸後一香。
彼女は巨大企業「ゴーシックス」の財務・経理を担う側の人間であり、さらに儀堂の恋人でもある。第1話はこの人物配置が強い。警察と企業の闇、そして恋愛感情が、ここで一点に束ねられるからです。
一香は冷徹に現実を突きつけます。
このままでは陸は、妻殺害と儀堂殺害、2件の犯人として仕立て上げられる。つまり「正しく生きる」だけでは守れない局面に来ている。
重大告白|夏海が巻き込まれた“企業の裏側”と、消えた巨額
一香が語るのは、夏海の“表の顔”だけでは辿れない話です。夏海は単なる失踪者・被害者ではなく、企業の金の流れ(財務・経理)という危険な場所にいた。そこで起きていたのが、巨額の金をめぐる闇。
公式のあらすじでも「莫大なお金がどこに消えたのか」という軸が示され、物語の事件が「夫婦の悲劇」から「組織の犯罪」へ拡張されていくことがわかります。
ここで第1話が上手いのは、“妻が何をしていたのか”が夫婦関係の真相にも直結する構造。
つまり、夏海の死(あるいは失踪)を追うことは、犯人探しであり、同時に夫婦の“知らなかった部分”を暴くことになる。陸が真相に近づくほど、夏海の像が変わっていく恐さがあります。
リブート計画|「儀堂になりかわる」=正義を捨てて家族を守る選択
一香が提示する回避策は、倫理的には最悪に近い。でも合理性はある。
それが――「儀堂になりかわること(リブート)」。顔を変え、身分を乗っ取り、警察組織の中に“儀堂歩”として潜り込む。
ここで陸の動機は、復讐でも名誉でもなく、いちばんは息子です。
息子のために、生き残る。息子のために、妻を殺した犯人を追う。つまり第1話は、主人公が「正しく」より「生きる」を優先した瞬間を描いている。
“リブート”という言葉が良いのは、単に「変装」じゃない点です。
人生を再起動する。人格を再起動する。今の自分を一度落として、別の自分として立ち上げる。
そうしないと、家族も真相も救えない地獄がある――第1話の結論がそこにあります。
「やっておきたいこと」|陸が“父”として残す時間
リブートは、当然ながら“今の陸”を捨てる行為です。
だから陸は、決断の前に「やっておきたいこと」を果たそうとする。息子と会うこと、家族の生活を守る準備をすること。
この部分があるから、リブートが単なる設定ギミックじゃなくて、父親としての背中の物語に変わっていきます。
ここで胸に来るのは、陸の選択が「自分の未来」じゃなく「息子の明日」に向いている点。
“無実を証明したい”だけなら、ここまで自分を壊す必要はない。でも「父でいる」ためには、やるしかない。第1話はこの覚悟が丁寧に積まれます。
準備パート|整形・指紋・偽装…「儀堂歩」を作るための現実的な工作
第1話は、リブートを「思いつき」では終わらせません。
一香が用意するのは、かなり現実寄りの偽装です。顔を変えるだけでは足りない。指紋・身分・周囲の認識まで揃えないと、警察組織には戻れない。
作中では、儀堂の指紋を“使える形”にする工作や、陸自身が「精神的に追い詰められて消えた(死んだ)」と周囲に思わせるための材料まで整えていく。
これがあるから、後半の「儀堂として復帰」が成立する。視聴者にとっても「ご都合主義」ではなく「ここまでやるのか」に変わるわけです。
さらに、時間も飛びます。半年がかりで“顔を変える”。
この時間経過が、陸の決意の重さでもあり、同時に「戻れない一線」を越えた証明にもなっています。
反転|儀堂歩として警視庁へ…「自分の事件」を自分で追う矛盾
リブート後、陸は儀堂歩として警視庁に戻る。
ここから物語が反転します。今まで追われる側だったのに、追う側になる。でも追う対象は「早瀬陸を犯人に仕立てた者」で、つまり自分自身の冤罪を自分の立場で洗い直すことになる。
そして当然、周囲は簡単に受け入れてくれない。というより、受け入れられてはいけない。
ここで現れるのが監察官・真北正親。彼が執拗に儀堂(=陸)へ迫ってくることで、「嘘の人生」の綻びがいつでも裂ける緊張感が生まれます。
裏社会への入口|合六亘の店に漂う“異様”と、冬橋航の存在
一香は儀堂(=陸)を、ある店へ連れていきます。
店を経営するのは大企業の社長・合六亘。
しかしそこは、ただの会食の場じゃない。空気が“異様”。つまり、表の社会の言葉が通じない場所です。
さらに、そこにいるのが冬橋航。
第1話は、冬橋を「その場にいるだけ」で効かせてくる。まだ彼が何をするのかは見せきらない。でも、“同席している”こと自体が「この場の権力構造の一員」を示すから、視聴者は警戒する。
ここで陸は、妻の死が夫婦の問題ではなく、組織の利益と犯罪の匂いがする領域に繋がっていることを肌で理解していきます。
終盤|儀堂麻友との接触、そして“暴力の現実”が突きつけられる
第1話の後半では、儀堂の元妻(あるいは妻)である儀堂麻友との関係にも触れられます。
陸は儀堂として、儀堂の人生の後始末まで背負うことになる。ここがリブートの地獄で、他人の皮を被るって「他人の責任」まで背負うことなんですよね。
そして会食の場では、言葉ではなく暴力で支配が動く瞬間が描かれる。
誰かが震えている、殴られる、連れていかれる。陸が今いるのは、正義を掲げれば勝てる場所ではない。ここまで来てしまった時点で、もう“普通の人生”には戻れない。
ラスト|そして「儀堂歩」まで消える——第1話の引き
第1話の最後、決定的な引きが来ます。
会食中に大金が盗まれた犯人は儀堂と疑われており、儀堂は暴行を加われて別室に連れられてしまい、第1話は終わりです。
ここが巧いのは、視聴者がやっと「主人公は追う側になれた」と思った瞬間に、また主人公を“消す”点。
つまり第1話は、
- 妻を失い、
- 冤罪を着せられ、
- 味方の刑事を失い、
- 自分を捨てて別人になり、
- それでもなお「捕まる/消える」
という、地獄の更新で終わります。
第1話で押さえるべき「確定ポイント」整理
長い第1話ですが、最重要ポイントを整理すると、ここです。
- 夏海は白骨遺体で発見され、陸は妻殺害の容疑をかけられる。
- 儀堂は「警察内部に敵がいる」ことを示し、刺殺される。
- 幸後一香は「儀堂になりかわる(リブート)」という異常な回避策を提示する。
- 陸は息子のために儀堂になる決意をし、警察組織へ戻る。
- 監察官・真北が儀堂(=陸)に迫り、裏社会(合六・冬橋のいる場)へ導線が伸びる。
- ラストで儀堂(=陸)が襲われ、姿を消す。
ドラマ「リブート」1話の伏線

第1話は、「妻の遺体発見」→「夫が犯人にされる」→「助け舟に見えた刑事が死ぬ」→「顔を変える=リブート」までを一気に走り切る“導入回”でした。公式が掲げる「全員嘘つき」構造の通り、いま出ている情報の多くが“後でひっくり返る前提”で置かれているのがポイントです。
ここでは、第1話で撒かれた伏線を「何が提示されたか」→「何に繋がりそうか」の因果で整理します。
伏線①|「2年半前の失踪」が“事件の中心”なのに、情報が薄すぎる
早瀬陸(パティシエ)の妻・夏海は2年半前に失踪し、第1話で「遺体が見つかった」と知らされます。
ここ、事件物としては“説明が足りない”のが逆に伏線なんですよね。
- 失踪の理由(家出/事故/巻き込まれ)
- 失踪当日の足取り
- 夫婦関係の温度
- 夏海が抱えていた秘密(借金、仕事、人間関係)
このあたりが、意図的に空白のまま置かれている。つまり「夏海が“被害者”のまま終わらない」構造がすでに仕込まれていると見ます。
第1話の時点で、夏海は「いない」ことで家族と陸の人生を再起動させる装置になっている。ここがまず大きい。
伏線②|白骨遺体の発見タイミングが“都合よすぎる”
夏海の遺体(白骨)が見つかることで、陸は一気に疑われます。
でも、2年半の空白の後に“今さら”遺体が出てくるのは、ドラマ的には匂いが強い。
ここで立つ疑いは3つ。
- 遺体は本当に夏海なのか(同一人物の確定が今後の核になる)
- 遺体が見つかるように「出された」可能性(誰かが掘り返した/運んだ)
- 見つかったことで得をする人物がいる(陸を落とせる、別件を動かせる)
第2話の予告でも、陸が「10億円強奪事件の犯人に仕立て上げられる」方向が示唆されていて、「遺体発見→夫を犯人にする」→「別件の罪も乗せる」という“冤罪の積み増し”が縦軸になりそうです。
伏線③|葬儀に現れる「合六亘・冬橋航・幸後一香」=“弔問客に見せかけた圧”
第1話で強烈なのが、葬儀の場にゴーシックスコーポレーションの冬橋航、そして公認会計士の幸後一香が現れる点。
葬儀って本来、被害者側の空間です。でもここでは逆で、「陸を包囲する側の人間」が入ってくる。
合六は“裏社会の顔”も持つと明言されているので、葬儀は弔いではなく、
- 陸の反応を見る
- 逃げ道を塞ぐ
- 次の取引(脅迫)に繋げる
ための“踏み込み”だった可能性が高い。
つまり、夏海の死は「家族の悲劇」だけじゃなく、金と権力の案件に接続している伏線です。
伏線④|弁護士・海江田勇の「不可解な質問」=保険・金・遺体のどれかに触れている
葬儀の場で弁護士・海江田勇が陸に「不可解な質問」を投げる描写が入ります。
ここ、質問の内容自体はまだ伏せられているのに、“不可解”というラベルだけが与えられているのがポイント。
質問が不可解になるパターンはだいたい3系統です。
- 保険(死亡保険金/受取人/失踪中の扱い)
- 金(口座/現金化/使途不明金)
- 遺体(本人確認/検視結果/死亡推定時刻)
海江田は「真相究明側」に見せつつ、実は“中立”じゃない可能性がある。
なぜなら、弁護士という職業は「誰の代理人か」で善悪が180度変わるから。ここが第1話の仕込みです。
伏線⑤|安藤佑基が連行される=“陸の周辺から崩す”やり方が見えている
第1話では刑事・真北正親が現れ、安藤佑基が連行される展開が描かれます。
これ、事件の圧が「陸本人」だけでなく、陸の周辺(店・仲間)へ波及しているサイン。
冤罪物で怖いのは、本人を追い詰めるより先に、
- 仲間が疑われる
- 仲間が裏切る
- 仲間が犠牲になる
で“社会的に孤立”させること。
安藤の連行は、そのプロセスが始まった合図です。
さらに真北は、後の展開で「監視者」ポジションに立つことがABOUTで示唆されています。
つまり彼は、ただの捜査官ではなく、“リブート後の儀堂”を見張る役として機能していくはず。
伏線⑥|夏海のPC押収=「状況証拠は作れる」世界観の宣言
警察は家宅捜索で夏海のPCなどを押収し、そこから陸が疑われていきます。
デジタルは証拠っぽく見える。でも同時に、
- 書き換え
- なりすまし
- 物理的な“置き証拠”
が成立する。
この作品が「全員嘘つき」を掲げる以上、PCから出てきたものは“真実”ではなく、誰かの作ったストーリーの可能性がある。第1話はその宣言回でもあります。
伏線⑦|店(ステーキハウス)の密室感+「使途不明の金」=事件の芯は“横領/強奪”側
第1話には、合六側の店(個室)での場面があり、そこで引き出された金の行方が争点になります。
そして、冬橋が安藤に暴力を振るい、銃声まで響く。
ここでの伏線は2段です。
- 金が消えている(誰かが持ち逃げ? それとも陸に被せる準備?)
- 暴力と銃が出る(この世界では「口封じ」が現実に起こる)
つまり、夏海の死は“家庭内の事件”ではなく、金の事件に連動している。
公式予告の「10億円強奪」が、急に生えてきた話じゃなく、第1話で下地が出来ているんです。
伏線⑧|儀堂歩が“味方に見えて死ぬ”=「正義の導線」を壊してくる
第1話の転換点は、陸が相談に行く“悪徳刑事”儀堂歩。
彼は陸に手を貸すようなムーブを見せる一方で、合六とも繋がっている。
そして決定的なのが、儀堂が死亡している展開。
ここが巧いのは、視聴者の頭に「儀堂=怖いけど頼れるかも」という梯子をかけてから、梯子ごと落とす点。
この死は、犯人探しとしては当然「誰が殺した?」に繋がる。
でももっと重要なのは、「陸は自分の意思で悪に入るしかない」状況が作られたことです。
つまり儀堂の死は、ミステリーの伏線であり、主人公の倫理を揺らす“装置”でもある。
伏線⑨|幸後一香の「リブート提案」=救済ではなく“選別”かもしれない
儀堂の指示で儀堂の家に向かった陸の前に現れたのが一香で、彼女は「陸は二つの殺人の犯人にされる」と告げ、回避策として儀堂になる=リブートを提示します。
ここ、一香が“味方”に見えるのは当然。でも伏線として怖いのは、彼女が
- なぜ状況をそこまで把握しているのか
- なぜ儀堂の家にいるのか
- なぜ顔を変える手段を用意できるのか
が、まだ説明されていない点。
「真意は読み取れない」「味方か敵か」と明記されているので、彼女は最初から二重底のキャラです。
伏線の本丸は「リブート」そのものより、“誰がスイッチを握っているのか”にあります。
伏線⑩|真北正親=“監視者”の存在が、リブート後の自由を奪う
陸が儀堂の顔になる展開の先で、真北が疑いの目を向ける描写が示されています。
これ、主人公にとっては最悪で、リブートした瞬間から
- 捜査一課に追われる
- 裏社会にも追われる
- さらに“正体を疑う監視者”が常にそばにいる
という三重苦になる。
「顔を変えれば逃げ切れる」ではなく、「顔を変えたところから地獄が始まる」。
第1話は、その前提を伏線として丁寧に敷いています。
伏線まとめ|第1話で立った“縦軸3本”
最後に、僕が第1話の伏線を「縦軸」で3本にまとめるならこう。
- 縦軸①:夏海はなぜ消え、なぜ今“遺体”として戻ったのか
- 縦軸②:合六(ゴーシックス)と金(強奪/使途不明金)はどう繋がるのか
- 縦軸③:一香が握る“リブート”は救いか、別の罠か
第1話の時点では、答えはまだ出ていません。
でも、伏線の撒き方だけははっきりしている。「家族の悲劇」を入り口に、「金と権力の事件」へ連れていく――この設計です。
ドラマ「リブート」1話の感想&考察

第1話を見終わって一番残ったのは、「ジャンルの再起動」そのものでした。家族ドラマで始めて、冤罪サスペンスに振って、最後は“顔を変える”というSF寄りの禁じ手へ。しかも全部、「家族を守るため」という一点に集約していく。
ABOUTが言う「エクストリームファミリーサスペンス」って、誇張じゃなく設計思想なんだと思います。
ここからは、感想と考察を分けすぎず、「面白かった理由=次に効くポイント」として書きます。
感想①|第1話の勝ち筋は「主人公を一度、社会的に殺す」スピード感
この手の作品って、冤罪が固まるまでに数話かけがちです。
でも『リブート』は第1話で、妻の死→夫への疑い→状況証拠→追い込みまで、かなり早い。
このスピード感のメリットは、視聴者が「犯人当て」より先に、
- 主人公がどこまで墜ちるか
- どこで踏ん張るか
- どんな手段に手を出すか
を見たくなる点にあります。
第1話のラスト付近で「儀堂の死体」「リブート提案」が畳みかけてくるので、“次回が待てない”構造が綺麗に完成している。
感想②|早瀬陸は「善良」だからこそ怖い(愛が正義を壊す)
陸を「穏やかでお人好しなパティシエ」と説明し、彼が“愛する家族のために”顔を変える決意をすると語っています。
ここが、このドラマの怖さであり面白さ。
悪徳刑事みたいな人間が違法に走るのは予想できる。
でも善良な男が違法に走る時、そこには必ず「正当化」が生まれるんですよね。
- 家族のためだから
- 自分は悪くないから
- 真犯人を捕まえるためだから
そしてこの“正当化”が、いちばん簡単に人を壊す。
第1話のタイトルが「至愛」であることを考えると、今後この作品は、愛を綺麗なものとして描くより、愛を“凶器”として描く方向に行く気がします。
考察①|「儀堂歩の死」は“犯人当て”より「役割の受け渡し」が本質
儀堂は裏社会と繋がる悪徳刑事。
そんな男が死ぬのは、当然「誰がやった?」に繋がります。でも第1話での本質は、そこじゃない。
儀堂というキャラは、陸にとって
- 正義の外側へ連れ出す案内人
- 裏社会へのパスポート
- 同時に、陸を追い詰める“悪の顔”
という矛盾を抱えた存在でした。
その儀堂が死んで、陸がその顔になる。
つまりこれは、「悪が退場した」のではなく、「悪が主人公の中に移植された」展開です。
この構造にした時点で、作品のテーマは単純な犯人当てから、
“人は、愛のためにどこまで別人になれるか”
にシフトしていく。
考察②|幸後一香は「味方/敵」ではなく、“条件を提示する側”
一香は「真意が読み取れない」と明言されています。
第1話の時点で彼女がやっているのは、助けることというより、選択肢を差し出すことなんですよね。
- このまま捕まる(=社会的死)
- 顔を変える(=人生の死)
どちらも“死”で、ただ種類が違うだけ。
一香は救済者の顔で、陸に「死の選別」をさせている。
ここが怖いのは、彼女が陸を救ったように見える瞬間に、もう陸は“戻れない”地点に踏み込んでいること。
しかも彼女は公認会計士。金と帳簿と裏の流れに強い職業です。
第2話予告の「10億円強奪」に一香が絡まない方が不自然、くらいに思っています。
感想③|「金の匂い」を第1話から強く出したのが上手い
ステーキハウスの個室、ガーリックライス、引き出された金、暴力、銃声。
ここ、家庭ドラマの温度から一気に“裏社会”へ引きずり込む演出として効いてました。
サスペンスって、愛憎だけで引っ張ると途中で飽きられる。
金が絡むと、「規模」と「手段」が広がるので、
- 警察
- 会社
- 裏社会
- 家族
が全部つながっていく。
第1話で合六が“裏社会の顔”を持つと示したのも、以降のスケールアップの布石として素直に巧い。
考察③|第2話以降は「冤罪の積み増し(妻殺し+強奪)」で時間制限サスペンスへ
公式サイトの第2話あらすじでは、陸(=儀堂の顔)が10億円強奪事件の犯人に仕立て上げられ、24時間以内に真犯人を見つけないと殺されるという、タイムリミット型の圧が提示されています。
第1話が“社会的に詰ませる回”だとしたら、第2話以降は“物理的に詰ませる回”。
この切り替えが、作品の「怒涛のスピード感」に繋がるはずです。
ここで気になるのは、
- 真犯人は「妻殺し」と「強奪」で同一なのか(一本化か、二段構えか)
- 合六が“裁判官”みたいに陸を裁く立ち位置にいる理由
- 真北がどこまで真相に近いのか(監視者なのか、黒幕側なのか)
第1話の段階では、まだ断定できない。
でも作品が狙っているのは、「誰が犯人か」以上に、“誰が嘘をついているか”を当てさせるゲームだと思います。
感想④|「俳優=別人になる仕事」と「顔を変える」が重なるメタ構造が気持ちいい
「演技とは何か」という話が出ていて、作品の中に“演技あるある”が散りばめられていると語られています。
このドラマ、設定そのものが俳優の仕事のメタファーなんですよね。
- 顔を変える(別人になる)
- バレたら破滅(嘘が露呈したら終わり)
- でも家族のために演じ続ける
第1話で“儀堂の顔になる”というラインを引いた時点で、以降はずっと
「この人は何者として生きているのか」が問われ続けるはず。
犯人探しより、ここが刺さる人が多いと思います。
まとめ|第1話は「リブート」ではなく「逃げられない再起動」の宣言回
最後に、第1話の感想を一文でまとめるならこう。
『リブート』第1話は、“人生をやり直す物語”ではなく、“やり直した瞬間からもっと酷くなる物語”の宣言だった。
次回以降、伏線の回収ポイントはシンプルで、
- 夏海の死の真相
- 合六と金の事件
- 一香の正体
- 真北の監視の目的
この4点が噛み合った瞬間に、たぶん第1話の見え方が反転します。
必要なら、このまま続きとして「第1話の伏線“回収候補”チェックリスト(表形式)」も作れます。
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