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終幕のロンドの9話のネタバレ&感想考察。「離れない二人」と“御厨の闇”がついに直結。運命の輪が回り始める

終幕のロンドの9話のネタバレ&感想考察。「離れない二人」と“御厨の闇”がついに直結。運命の輪が回り始める

9話は、「家族」「企業」「恋愛」の三つの物語が、同じ一点へと収束し始めた回でした。

陸は企業PRの犠牲となって“加害者”として扱われ、静音はついに文哉の恋人としての素顔を明かし、海斗は気づかぬうちに御厨の“後始末部隊”へ組み込まれていく。

そして、真琴と鳥飼は離れるべきだと知りながら、互いを求めて境界線を越えてしまう──。

どのキャラクターも、もはや“元の場所”には戻れない。

犠牲の連鎖、企業の隠蔽、壊れゆく家族、そして切り離せない想い。9話は、最終章の幕が静かに、しかし確実に上がったことを示す、濃密で重たい一話だった。

目次

終幕のロンド9話のあらすじ&ネタバレ

終幕のロンド9話のあらすじ&ネタバレ

9話は、「離れたはずの二人」と「巨大企業の闇」が同時に収束し始める、物語がついに“戻れない地点”へ踏み込んでいく回でした。

鳥飼と真琴、陸、静音、海斗…それぞれが、自分で選んだ道の先にある現実と向き合わざるを得なくなっていきます。

真琴から別れを告げられた翌朝、海斗へ舞い込むヘッドハンティング

8話ラストで真琴から

「離婚しない。でもあなたとは会わない」

と告げられた鳥飼は、深い喪失感を抱えたまま朝を迎えます。眠れていない顔で『Heaven’s messenger』に出社する姿から9話が始まり、彼の中に渦巻く“無力さ”がそのまま画面に滲みます。

そんな凍った空気を一変させるように、海斗が「別会社から新店舗責任者として誘われた」と報告。長い間、暗い話題しかなかった鳥飼と磯部にとって久々の朗報で、二人は心から喜びます

送別会では、ゆずはを含む仲間たちが海斗の門出を祝福。海斗自身も条件に満足しており、彼を応援してきた視聴者にとっても“ひとつのハッピーエンド”のように見える時間が流れます。

陸が巻き込まれた“CSR動画”炎上—「加害者扱い」という新たな地獄

その頃、真琴は御厨家を離れ、鳥飼と過ごした公園へ。

新しい絵本に向き合っていたその時、ランドセル姿の陸が突然現れます。「学校をサボって来た」と告げた彼の表情には、不安と罪悪感が入り混じっていました

同じころ『Heaven’s messenger』では、清香が鳥飼に企業のCSR動画を見せています。

そこには、真琴が「どの子」絵本について語る映像。そして“顔はぼかされているが、誰が見ても陸”と分かる少年の姿

テロップの文脈は「いじめの首謀者だった少年が更生した」というイメージを想起させる内容で、ネットでは“陸=元加害者”として消費されてしまう。学校でもクラスや保護者から冷たい視線が向けられ、ついに陸は心が折れて授業を抜け出し、真琴のもとへ逃げてきます。

「そんなつもりじゃなかったのに」
「でも世界中から責められている気がする」

陸の言葉には、“社会に勝手に作られたストーリーの中で加害者とされてしまう痛み”が鮮烈に刻まれていました。

彩芽に直談判する真琴、露わになる御厨家の“支配の価値観”

陸を守るため、真琴は御厨グループ広報責任者・彩芽のもとへ乗り込みます。

動画削除と謝罪を求めますが、彩芽はCSR戦略と企業イメージしか口にしません。陸という一人の子どもが受けた傷には、まったく関心がない様子

さらに会話は御厨家の内側へ踏み込み、彩芽は真琴に冷静な声でこう告げます。

「兄(利人)の子どもを産みなさい」

それは御厨家に忠誠を尽くすためなら、人の心も倫理も切り捨てるという価値観の露呈でした。

この瞬間、真琴は理解します。

御厨家とは、
“罪を誰か一人に押し付け、他者は安全圏に立ち続ける”
という構造で成り立っている家だということ。

彩芽も、利人も、その価値観に染まりきっている。

真琴が守ろうとする陸の世界とは、根本から相容れない場所なのだと痛感します。

静音の正体判明 復讐のため御厨へ潜り込んだ“恋人”

一方、鳥飼は波多野から「磯部の息子・文哉の恋人だった女性から連絡が来た」と聞き、代わりにその人物と会うことになります。

現れたのは、これまで真琴の担当編集者として何度も登場してきた森山静音。彼女こそ文哉の元恋人であり、彼の遺品となったノートPCを保管し、自死へ追い込まれた過重労働の証拠を探るため長期間にわたり証拠を集め続けていた人物でした。

さらに静音は、衝撃的な真実を語ります。

真琴の夫・利人と関係を持った理由は「復讐」。

巨大企業・御厨ホームズの幹部に近づき、もっとも残酷な形で打撃を与えるため、あえて愛人という立場を選び、自らそのポジションに身を置いていたのです。冷笑にも似た表情の奥には、長年積み重なってきた疲労と悲しみが滲んでいました。

ただし、仕事に関しては一切線引きをしており、
「訴訟関連の情報は流していない」
と明確に否定します。

さらに鳥飼には「磯部に会いたい」と伝え、文哉の遺品PCから御厨ホームズの責任を追及する姿勢を共有していることも示しました。

海斗の転職先が御厨グループ子会社だった

新天地へ胸を躍らせて向かった海斗は、転職先「東京メモリー」に初出社します。

しかし到着してみると、その会社はすでに御厨ホールディングスに買収されたばかりの企業でした。歓迎ムードで連れていかれた先は、グループトップ・御厨剛太郎主催の豪華な食事会。

高級店の空気、強めの酒、剛太郎とのツーショット撮影。

剛太郎は笑顔のまま「遺品整理事業に本腰を入れる」と語りつつ、核心として「自社で死んだ社員の“後始末”を任せる」という意図をにじませます。

海斗は、尊敬する鳥飼の仕事と似たフィールドに立てた喜びと、
「この事業は社員の死を隠蔽するための装置なのでは?」
という違和感の両方を抱えたまま、握手を交わすことになります。

同じ頃、剛太郎は利人にも「遺品整理会社を買収した」と伝え、グループで社員死亡案件を“抱え込む体制”を整えたことを示唆

表向きには利人へ社長就任を打診しつつ、実は「人の手を汚せない利人より、汚れ役をいとわない彩芽こそ次期社長にふさわしい」と考えている本音も浮かび上がります。

鳥飼と真琴、御厨本社へ乗り込み 彩芽が動画削除へ踏み切る

陸が再び標的にされかねない状況を放置できない鳥飼は、真琴に連絡。

二人で御厨ホールディングス本社へ向かい、広報部で彩芽と対面します。問題の動画削除を求めますが、彩芽から返ってくるのは「社内稟議を通すと2週間かかる」という事務的で冷淡な返答。

堪えきれなくなった真琴は、
「鳥飼が訴えないなら、自分が肖像権侵害で訴える」
と強硬姿勢を見せます。

鳥飼は「そんなことをすれば、御厨内で真琴の立場がさらに悪化する」と必死に止めようとし、二人が互いを必死で守ろうとする姿がむき出しになります。

その様子を見ていた彩芽は、真琴への嫉妬、鳥飼への複雑な感情、御厨家への忠誠心が入り混じるなかで、ついに決断します。

「削除と謝罪文の掲載をする。だから帰って」

彩芽は動画の即時削除を指示。しかしその直後に
「真琴の立場までは保証できない」
と冷たく言い添え、会社側の価値観を優先する線引きをはっきり見せました。

彩芽へ告げられた「次期社長」指名

動画削除後、彩芽は剛太郎へ経緯を報告。

その際、利人の秘書から受け取った鳥飼と真琴の写真も提示し、「どんな処分でも受ける覚悟があります」と頭を下げます。

そんな彼女に、剛太郎は突然告げます。

「利人は手を汚せないが、お前は違う」
「次期社長は彩芽にする」

つまり彩芽は、御厨家にとって“汚れ仕事専門の番犬兼後継者”として、正式に位置付けられたということ。

真琴に対して嫉妬をぶつけながらも、最終的に“真琴と陸を踏みつけることでキャリアを掴む”という構図は、非常に苦く、痛々しい形で描かれています。

離れられない二人 抑え切れない抱擁

すべての騒動がひと段落したあと、真琴はあらためて鳥飼に対し、「もう会わない」と距離を取ろうとします。彼女自身が決めた“線引き”であり、これ以上家族も鳥飼も傷つけないための防御でもあります。

しかしその言葉を聞いた鳥飼は、抑え切れずに真琴の腕を掴みます。
「大切な存在だ」
これまで理性で押し込めてきた感情が、勢いではなく“堰が切れるように”あふれ出てしまう。

真琴もまた、完全には振り切れません。
鳥飼を拒絶しようとする理性と、彼を求めてしまう心が衝突し、足が止まってしまう。
その瞬間、二人は静かに、しかし強く抱き合う形になります。

一度は
「離婚しない」
「この関係は終わらせる」
と決意した真琴。
けれど、陸を守りたい気持ち、御厨家の圧力による孤独、そして鳥飼への想い──それらが複雑に絡み、結果としてまた境界線を越えてしまう。

10話の予告では、公園でまるで家族のように過ごす三人──鳥飼・真琴・陸──を、利人が遠くから見つめる姿が映し出されています。

“嵐の前触れ”のような静けさと緊張がそこにあり、次回は関係性の崩壊か、真実の露呈か、いずれにしても大きな動きが避けられないことを予感させる締めくくりでした。

終幕のロンド9話の感想&考察

終幕のロンド9話の感想&考察

9話は、「企業ドラマ」「不倫ドラマ」「親子ドラマ」——作品がこれまで積み上げてきた複数の物語線が、一気に結びつき始めた回でした。

個人的に強く感じたポイントを掘り下げつつ、伏線と今後への影響を整理していきます。

陸が背負った“加害者ラベリング”は誰の罪か

最も胸に刺さったのは、陸に貼られた「いじめ加害者」ラベルでした。

真琴の絵本は本来、
「どの子にも物語がある」「誰かひとりに罪を押しつける世界を否定する」
という優しいメッセージを持つ作品だったはずです。

ところが、御厨広報が企業イメージのために“都合よく改変”した結果、陸は真逆の意味で消費され、傷つけられてしまう。

  • コメント欄では「加害者」と連呼
  • クラスメイトや保護者まで、企業のPR文言をそのまま信じてしまう
  • 本社は「許容範囲内」と切り捨てる

そこに描かれているのは、「責任を取らない大人」と「矢面に立たされる子ども」という、あまりにも現実的な構図です。

さらに陸は、鳥飼と真琴の空気の変化に最も敏感な世代でもある。

大人たちが抱える罪や嘘が、形を変えて“いじめやからかい”として再生産されているようにも見え、観ていて非常に苦しいラインでした。

静音の正体判明で浮かび上がった「御厨ホームズ事件」の輪郭

静音=文哉の恋人と判明した瞬間、「ついに一本線がつながった」という感覚がありました。

整理すると――

  • 文哉は御厨ホームズで過重労働に追い詰められ自死
  • 遺品のスマホやPCが“意図的に消えていた”ことは既に描写されている
  • そのPCを静音が保管し、波多野と一緒に復元作業をしていた
  • 静音が利人に近づいたのは「復讐」と「内部崩壊のため」

つまり静音は、
「復讐者」でもあり、「真相への鍵」でもあり、そして「限界まで疲弊した被害者」でもある。

利人との関係も、恋愛ではなく“目的のための配置”。

復讐だけを燃料に生き続けるにはあまりにも長い時間が流れていて、9話の静音の表情には、その疲れと痛みが濃く滲んでいました。

彼女は最終局面で
“真相暴露役”でありながら、暴走の“ブレーキ役”にもなる
そんなポジションに近いと感じます。

静音についてはこちら↓

海斗ラインが一気に“本筋”へ接続した意味

これまで海斗とゆずはは、心温まる“癒し枠”でした。遺品整理の現場で少しずつ成長していく若者たちとして描かれ、物語の重さをやわらげる存在でした。

しかし9話では、海斗の転職先「東京メモリー」が御厨ホールディングス傘下であることが判明。
しかもそこで任されるのは、社員の不審死を“後処理”するための遺品管理部門

これは事実上、“御厨が自社で起きた死を完全にコントロールする体制”へ海斗が組み込まれたことを意味します。

鳥飼と海斗の関係性が、ここで鮮やかに対比される形になりました。

  • 鳥飼 → 遺品から真実を掘り起こす側
  • 海斗 → 遺品を利用して真実を封じ込める側

このコントラストは非常に強烈です。

ゆずはの嗅覚障害エピソードも――
“匂いで違和感を察知する役割”が象徴的に置かれている。
後半、海斗が御厨の闇に呑まれそうになる場面で、
ゆずはが“救う側のキーパーソン”になる可能性が高い
と強く感じました。

彩芽は“悪女”か、“システムに飼われた被害者”か

9話の彩芽は、物語の中で一段階ギアが上がった回でした。

真琴に対して「兄の子どもを産め」と迫る冷酷さ、陸への過剰な露出や扱いにも一切の罪悪感を見せない無慈悲さ、その一方で、鳥飼と真琴が互いを守ろうとする姿に揺さぶられ、嫉妬や執着が混ざったような感情を露呈し、最終的には自ら動画削除へ踏み切る――。

この矛盾の多い動きこそが、彩芽という人物の“哀しさ”を浮き彫りにしています。

彩芽は、御厨家という巨大な家族企業の中で、「末娘として認められたい」という承認欲求にずっと振り回されてきた存在です。

剛太郎から
「利人は手を汚せない、お前は違う」
「次期社長は彩芽だ」
と告げられた瞬間、
彩芽の胸に灯ったのは“選ばれた”という肯定感でしょう。

しかし実際は、陸と真琴を犠牲にした対価として差し出された椅子にすぎない。その残酷さを、彩芽自身はまだ十分に理解していません。

ここで浮かび上がるのは、御厨という企業がもつ構造そのものです。

  • 個人の承認欲求を利用し
  • 罪悪感を麻痺させ
  • “汚れ役”を自発的に担わせるよう誘導する

組織が人を“飼いならす”仕組みとして描かれているのです。

彩芽が悪女なのか、それともその仕組みの被害者なのか――。

彼女の立ち位置は、視聴者にとっても判断が割れるところだと思います。

最終的に彩芽が、自分の選択と罪に向き合えるのかどうか。その行方は、このドラマ全体のテーマ
「何を失ってはいけないのか」という問いにも確実に直結してきそうです。

鳥飼と真琴の抱擁は“ハッピーエンドから一番遠い選択”

ラストの抱擁シーンは、一見するとロマンチックで胸に迫る瞬間でした。

しかし物語構造として見た場合、あれは「最も危うい踏み込み」でもあります。

  • 真琴は一度「離婚しない」「関係を終わらせる」と決めている
  • 利人はすでに二人の関係を疑っており、陰湿な圧をかけ始めている
  • 陸は親たちの空気の変化を敏感に察知し、不安定になっている

この状況下で、外から見れば完全に“不倫”と判断される抱擁。

10話予告で利人が、公園で三人を“家族のように”過ごす姿を見つめる映像が示されていたことからも、ここから物語は「救済」と「破滅」が紙一重のラインに突入するのが確実です。

鳥飼が真琴に手を伸ばしたのは、彼女を救おうとしたのか、それとも自分自身の弱さに負けたのか――。

個人的には後者の色が濃いと感じました。

鳥飼は、真琴への想いと、自分の無力感、そして陸を守りたい気持ちが絡み合い、“正しい選択”とは言えない方向へ一歩踏み出してしまっている。

このアンビバレントな描写こそ、タイトルの「ロンド(輪舞曲)」が示す“幸福と罪が同時に巡り続ける”物語性そのものだと感じました。

10話以降へ向けた伏線整理

9話までで、主要ラインがすべて“終幕”へ向けて動き出しています。
整理すると、こんな構造が見えてきます。

■ 御厨ホームズ集団訴訟ライン

  • 文哉のPC復元
  • 陽翔と藤崎の証言
  • 静音の復讐動機と、内部告発の可能性

■ 御厨ホールディングス(親会社)ライン

  • 遺品整理会社の買収
  • グループ内で死を“管理”する体制の強化
  • 利人の暴走フラグ
  • 彩芽が“汚れ役社長”として指名される運命

■ 鳥飼&真琴ライン

  • 陸へ貼られた「加害者ラベル」
  • 二人が抱えた罪悪感と、離れられない感情
  • 公園シーンで利人が“何を見るか”という爆弾

■ 海斗&ゆずはライン

  • 海斗が御厨側の“後始末部隊”に取り込まれる
  • ゆずはがその闇に気づき、どちら側に立つのか

それぞれのラインが「もう引き返せない地点」へ入った状態で、9話は最終章の座標軸を整える回だったと言えます。

ここから先は、遺品整理というドラマの原点へ戻りながら、“誰が何を守るために、何を失ってしまうのか”という問いが、一気に物語を飲み込んでいくはずです。

10話以降の展開は、伏線の回収ラッシュと同時に、登場人物それぞれの“倫理の選択”が試されるターンに入っていきます。

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