前回、“嘘の母性”がほころび始めた第4話。

そして迎えた第5話は、その嘘が現実に触れてしまう回でした。
薫と茉海恵、そしていろはをめぐる関係は、もう後戻りできないところまで来ています。
智也に明かされた真実、竜馬の迷い、慎吾の不穏な影――それぞれの思いが交差し、“家族”という言葉の輪郭が少しずつ歪んでいく。
この夜、母性の嘘が試される。
ここからドラマ『フェイクマミー』第5話のあらすじと感想・考察を紹介します。
フェイクマミー5話のあらすじ&ネタバレ

第5話では、前回ついにいろは(池村碧彩)の本当の母親が茉海恵(川栄李奈)であることが智也(中村蒼)に明かされました。
動揺する花村薫(波瑠)でしたが、教師である智也から「茉海恵といろは本人とも直接話がしたい」と提案され、4人での話し合いの場を持つことに。
こうして実母・茉海恵、ニセママの薫、担任の佐々木智也先生、そしていろはを交えた四者会談が行われます。
智也先生を交えた四者会談で明かされた真実
学校近くのカフェで、智也先生と薫、茉海恵、いろはの4人が初めて同席します。智也はまず、薫から打ち明けられた“ニセママ契約”の経緯を改めて確認しました。
最初は「子育てを人任せにするなんて信用できない」と厳しい姿勢だった智也ですが、茉海恵がシングルマザーとして背負う事情と、いろはへの真摯な愛情を知り、その胸中に変化が生まれます。
東大卒のエリートである薫も「自分の人生にあえて変数を与えてみたかったんです」と今回の契約を受け入れた理由を語り、本気でいろはの力になりたいと強調しました。
智也先生は二人の覚悟といろはの幸せを思う気持ちを理解し、秘密を守った上で協力することを約束します。
こうしてニセママ計画は担任公認のもと継続されることになり、薫と茉海恵は肩の荷が下りました。
一時は「バレた!」と心臓が凍る思いでしたが、智也という心強い味方を得て、3人(+1人の娘)で改めて頑張っていこうと決意を新たにします。
竜馬に届いたヘッドハンティングの誘い
一方、ベンチャー企業「RAINBOW LAB」では、新商品「ごほう美アイス」が爆発的ヒットを記録し、社長の茉海恵は仕事に邁進していました。その陰で副社長の黒木竜馬(向井康二)は、最近茉海恵から頼りにされなくなってきていることに寂しさを感じていました。
そんな折、竜馬のもとに大手企業からヘッドハンティングのメールが届きます。RAINBOW LABの急成長を支えてきた竜馬にとって、引く手数多の誘いが来るのは当然のこと。しかし彼は、茉海恵への忠義と自分の将来との間で心が揺れ動きました。
悩んだ末に竜馬が相談した相手は、なんと薫です。薫はRAINBOW LAB社内の人間ではありませんが、茉海恵と竜馬双方をよく知る立場。彼女は竜馬の本音を優しく受け止めます。
茉海恵から頼られないことへの不満、彼女を陰で支えてきた竜馬の秘めた想い…。薫は「茉海恵さんは竜馬さんに心から感謝しているはず。いろはのこともずっと見守ってきた竜馬さんが必要じゃないわけない」と真っ直ぐに伝え、竜馬の揺れる心に寄り添いました。
東大卒の才媛でありながらどこか不器用な薫の言葉は、竜馬の胸に静かに染み込んでいきます。
これを機に竜馬は腹を括った様子で、ヘッドハンティングの誘いを保留にしつつ茉海恵を支え続ける決意を新たにしたようでした。薫に弱音を見せる竜馬の表情は普段よりも柔らかく、長年“右腕”として尽くしてきた彼の人間味と男気が垣間見えたシーンでした。
慎吾の不穏な動きと迫る崩壊の危機
その頃、物語の裏側で暗躍し始めていたのが、老舗「三ツ橋商事」の本橋慎吾(笠松将)です。慎吾は茉海恵のRAINBOW LABに対して激しい敵対心を燃やしており、水面下で不穏な動きを見せていました。
実は慎吾は柳和学園に通う別の1年生・圭吾くんの父親であり、同時にいろはの実父でもある人物。茉海恵が未婚のまま極秘に出産した相手こそ慎吾だったのですが、彼自身は長らくその事実を知らずに過ごしてきました。
第5話では、慎吾が興信所の探偵を使って茉海恵母娘を調査し、薫と茉海恵の“ニセママ計画”の秘密に迫ります。保護者会で浮いた存在の薫に目をつけ、何か裏があると疑っていた慎吾にとって、その予感は的中した形。
智也という理解者を得て安心しかけた薫と茉海恵でしたが、その最悪のタイミングで慎吾の魔の手が迫っていたのです。
物語終盤、茉海恵は慎吾と二人きりで対峙することになります。
雨の降る夜、突然現れた慎吾は静かに、しかし鬼気迫る表情で問い詰めました。
「いろはは…俺の子供なんじゃないのか?」
茉海恵は息を呑みます。いろはの実父であり、圭吾くんの父でもある慎吾が、ついに真実に勘づき直接茉海恵に詰め寄ってきたのです。その瞬間、茉海恵の瞳に走る動揺――第5話はこの衝撃的な場面で幕を閉じました。
まさに「ニセママ計画、最大の危機」と言える終わり方。優しい佐々木先生の協力で一件落着…とはいかず、“父親”という新たな爆弾が炸裂しました。
果たして薫と茉海恵、そして小さないろはの運命はどうなってしまうのか――。この“地獄展開”に視聴者の不安と期待は最高潮に高まっています。
フェイクマミー5話の感想&考察

第5話は物語が大きく動き、息を呑むような展開の連続でした。
見終わった後、私は興奮と不安でしばらく心拍数が収まらないほど…。
ここからは一視聴者である筆者として、率直な感想と考察を綴っていきます。特に印象的だったポイントごとに振り返りながら、第5話で描かれた“嘘”と“真実”のドラマ、そして登場人物たちの心情に思いを巡らせてみたいと思います。
薫と智也の距離感に芽生える信頼と…恋?
まず注目したいのは、薫と智也先生の関係です。
今回、智也はニセママの秘密を知った上で薫たちに手を貸す決意をしました。正義感が強く真面目な彼が「母親になりすます」という禁断の嘘に理解を示すのは簡単ではなかったはず。それでも協力に踏み切った背景には、薫のひたむきさといろはへの愛情を感じ取ったからこそでしょう。二人が四者会談で見せた真剣なやり取りには、お互いへの信頼と尊敬が育まれ始めているように見えました。
薫にとって智也は、初めて自分たちの秘密を共有した心強い味方です。智也もまた、薫の勇気ある行動と思いやりに心を打たれた様子でした。ラストで茉海恵が危機に陥った際、智也がどんな行動を取るのかも含め、この先二人の距離がさらに縮まっていくのでは?と感じています。
私は個人的に、薫と智也が今後恋仲に発展する可能性も十分あるのではないかとドキドキしています。薫は恋愛には不器用そうですが、誠実な智也先生なら良いパートナーになりそうですよね。実際、SNS上でも「薫ちゃんと智也先生いい感じ!」「このまま付き合っちゃう?」といった声が見受けられました。お互いを支え合う二人の姿には胸が温かくなりましたし、ぜひ幸せになってほしいと願わずにいられません。
一方で、黒木竜馬の存在も忘れてはいけません。竜馬は茉海恵の右腕的存在でしたが、第5話では薫に弱音を吐く場面があり、人間味がぐっと増しました。常に茉海恵を支えてきた彼ですから、もしかすると茉海恵に特別な感情を抱いているのでは…?とも勘ぐってしまいます。しかし薫との相談シーンでは、竜馬は一人の男性として薫に心を開いたようにも見えました。
薫・智也・竜馬の関係性が今後どう深まっていくのか、大人の三角関係に発展するのかも含めて興味津々です。恋愛要素がメインのドラマではないにせよ、登場人物たちの感情の機微から目が離せません。
茉海恵が背負う“母性の嘘”と真実の愛情
第5話のキーワードの一つは「母性の嘘」だったように思います。
茉海恵は実の娘・いろはを思うあまり、他人に“母親役”を頼むという嘘を重ねてきました。その決断自体は確かに非常識かもしれません。智也先生が最初「子育てを人任せにする人は信用できない」と言ったように、第三者から見れば茉海恵の行動は母親として失格にも映るでしょう。
仕事を言い訳にして子どもと向き合わない母親、なんて冷たい人だ…と。しかし物語を通じて明かされてきたのは、茉海恵の胸にある揺るぎない母性です。
たとえば、第3話では入学したてで周りに馴染めなかったいろはが初めて友だちに囲まれて楽しそうにする姿を見て、茉海恵が思わず涙を流すシーンがありました。人一倍強がりで“デキる女社長”を演じてきた茉海恵ですが、娘の成長を誰よりも喜び、陰ながら支えてきた優しい母親なのだと感じます。
嘘をついてでも娘に最善の未来を与えたい――それが彼女の本心なのでしょう。第5話でも、茉海恵はいろはの前では決して弱みを見せず明るく振る舞っていましたが、陰で薫に「娘のためとはいえ、私は最低な嘘つきかもしれない」と苦悩を漏らす場面が印象的でした。薫はそんな茉海恵に「いろはちゃんの笑顔が何よりの答えですよ」と励まし、彼女の罪悪感を少し和らげていたように思います。
茉海恵と薫は立場も性格も正反対ですが、いろはへの愛情という一点で強く結びついています。血の繋がりだけが母性ではないことを、薫の存在が証明しているとも言えます。
薫自身、当初は高額報酬に惹かれて引き受けた“代理母”役だったかもしれませんが、今ではいろはを本当の娘のように大切に想っています。
いろはも薫に心を開き、二人が本当の親子のように信頼し合う描写には胸が熱くなりました。嘘から始まった奇妙な母子関係が、いつしか本物の愛情で満たされていく――このドラマの根底には、そうした“偽りを超えた絆”が流れていると感じます。
もっとも、茉海恵にとって薫の存在はありがたい反面、自分の弱さを突きつけられる鏡でもあるでしょう。彼女は「母親失格」と他人から指弾されることを極度に恐れているように見えます。だからこそ敢えて嘘を貫き通し、仕事も育児も完璧にこなそうと必死なのかもしれません。
第5話で智也に正体を明かす際、茉海恵が悔しそうに唇を噛み締めていた姿が忘れられません。シングルマザーとしてのプライド、母親としての葛藤――川栄李奈さん演じる茉海恵の表情からそれらが痛いほど伝わってきて、思わずもらい泣きしそうになりました。
“家族の境界”を揺るがす慎吾という存在
そして何と言っても、第5話最大の衝撃は本橋慎吾がいろはの父親だったという真実です。
慎吾はこれまで物語の“黒幕”的存在として描かれてきましたが、その正体がこんな形で明かされるとは…!視聴後もしばらく「嘘でしょ…?」と呆然としてしまいました。
慎吾は現在、本橋さゆり(田中みな実)という妻と息子のいる家庭を築いています。つまり一人の父親が、二つの家族をまたいで存在している状況です。この事実は、いろは・圭吾という子どもたちにとっても、茉海恵・さゆりという二人の母親にとっても、残酷で複雑な運命をもたらすでしょう。
「家族の境界」が音を立てて崩れていくような不安感を、第5話のラストは突きつけました。血縁上は父娘である慎吾といろは。しかしいろはにとって“父親”とは、長年そばにいなかった存在です。一方、慎吾にとってもいろはは知らぬ間に生まれていた存在であり、愛情どころか何の思い出もない子どもでした。家族であるのに家族ではない、この奇妙な隔たりが今後どう埋められていくのか…考えるほどに胸がざわつきます。
さらに厄介なのは、慎吾の人物像です。彼は会社経営者として強烈な野心家であり、今回の接触シーンでも見せたように他者を威圧する迫力があります。そんな慎吾が自分の娘と知った途端、いろはを巡ってどんな行動に出るのか予測がつきません。
最悪のシナリオでは、茉海恵からいろはの親権を奪おうと画策する可能性もあるのではと私は危惧しています。茉海恵にとって、いろはは人生の全て。その娘を奪われることだけは何としても避けたいはずです。薫もまた、いろはを守るために立ち上がるでしょう。血の繋がりか、共に過ごした愛情か――いろはの“本当の家族”とは何なのか、問われる展開になっていきそうです。
また、慎吾の妻であるさゆりの心情も気がかりです。さゆりは茉海恵ともママ友付き合いがありますが、夫が茉海恵と過去に関係があったとは夢にも思っていないでしょう。
仮に真実を知れば、大きなショックを受けるのは必至です。第6話の予告では、さゆりが慎吾の独断専行に悩む姿が映っていました。夫婦仲も決して順風満帆ではない様子だけに、慎吾の秘密が明るみに出れば本橋家も崩壊の危機に瀕するかもしれません。一人の男性の嘘と過ちが、二つの家族の運命を大きく揺るがそうとしている――第5話を経て、ドラマはまさに後半戦のクライマックスへ突入したと感じます。
急展開の連続!今後の展開に高まる期待
ここまで第5話の見どころとテーマについて語ってきましたが、最後に今後の展開予想にも触れておきたいと思います。正直、第5話を見終わった時点で「もう次回が待ちきれない!」というのが本音です。ニセママ計画がバレるのが意外と早かった分、その先に何が起こるのか全く読めなくなりました。
まず気になるのは、茉海恵と慎吾の直接対決の行方です。茉海恵は慎吾の追及にどう答えるのでしょうか?いろはのためにも、簡単には真実を認めないかもしれません。しかし慎吾も引き下がるとは思えず、強引な手段に出る可能性があります。薫や竜馬、そして智也先生が茉海恵といろはを守るためにどんな奮闘をするのか、胸が熱くなります。特に智也は教育者として、いろはの心を第一に考えてくれそうですし、彼の活躍に期待したいです。
また、竜馬の今後も注目です。ヘッドハンティングの話は一旦保留となりましたが、RAINBOW LABを巡るビジネス上の戦いも激化していくでしょう。慎吾が企業間競争の面から茉海恵を追い詰める展開も考えられます。その時、竜馬がどんな決断を下すのか…。茉海恵への想いを胸に残り続けるのか、それとも自分の道を歩み出すのか。竜馬の選択が彼自身の幸せにも繋がってほしいと願っています。
個人的には、竜馬にも報われてほしいんです。常に“縁の下の力持ち”でいる彼が笑顔になれる結末であってほしいなと、女性目線ではつい感情移入してしまいます。
そして何より、薫と茉海恵、いろはの疑似家族トリオが最後に迎える運命が気になります。タイトルが示す通り“フェイク”な関係から始まった3人ですが、このドラマは最終的に“本当の家族とは何か”を描いてくれるのではないでしょうか。血縁や肩書きにとらわれず、互いを思いやる心があるところに家族の形が生まれる――私はそう信じています。
薫がいろはに注ぐ愛情、茉海恵が二人に見せる信頼、それらはもう嘘ではありません。第5話で一層固く結ばれた彼女たちの絆が、困難を乗り越えて本物の家族へと昇華していくことを期待せずにはいられません。
以上、興奮冷めやらぬまま長々と綴ってしまいましたが、それだけ「フェイクマミー」第5話は濃密でエモーショナルな回でした。嘘から始まった物語が、愛と絆の物語へとどう変わっていくのか。次回以降も目が離せませんし、女性として母としての視点からも色々と考えさせられるドラマだと改めて感じました。
第6話以降もハラハラドキドキの展開が待っているでしょうが、薫たち“Wママ”がいろはちゃんを守り抜いてくれると信じています。今後の展開への期待と不安を胸に、引き続き応援していきたいと思います。
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