MENU

今際の国のアリス(シーズン3)1話ネタバレ感想。あらすじ・考察とジョーカーゲームの衝撃(Netflixドラマ)

今際の国のアリスのシーズン3の1話ネタバレ感想。あらすじ・考察とジョーカーゲームの衝撃(Netflixドラマ)

『今際の国のアリス』は、麻生羽呂氏の漫画を原作にしたサバイバル・スリラーです。

これまでシーズン2まで配信され、世界190か国で視聴ランキング上位に入りました。シーズン3は2025年9月25日にNetflixで全6話が一挙配信され、トランプのジョーカーをめぐる完全オリジナルのストーリーが展開します。

前シーズンのクライマックスでアリス(山﨑賢人)とウサギ(土屋太鳳)はハートのゲームをクリアし、現実世界に戻りました。しかし隕石事故の後遺症でゲームの記憶は霧散し、彼らは新たな人生を歩み始めます。

ところが、隕石事故の真相を調べる助教授・松山龍司(まつやま りゅうじ)が二人の前に現れ、再び命懸けのゲームへと引きずり込んでいきます。

シーズン3第1話は、帰還後の平穏が崩れ、ジョーカーゲームと呼ばれる最初の「げぇむ」が幕を開ける重要な回です。本記事では見どころ、詳しいあらすじ、そして考察をお届けします。

目次

今際の国のアリス(シーズン3)1話の見どころ – 再び“今際の国”へ誘うジョーカーの誘惑

今際の国のアリス(シーズン3)1話の見どころ – 再び“今際の国”へ誘うジョーカーの誘惑

第3シーズン第1話の最大の見どころは、現実世界に戻ったアリスとウサギの結婚生活が突如終焉を迎え、ジョーカーカードを巡る新しいゲームが始まる点です。ここでは注目ポイントを五つ挙げます。

記憶喪失と平穏な日常の崩壊

シーズン2終了後、アリスとウサギは隕石爆発による昏睡から目を覚まし、ゲームの記憶を失っています。彼らは結婚し、普通の夫婦として生活しているものの、どこか満たされない感覚を抱えています。

ウサギは亡き父の悪夢にうなされ続け、アリスも心の底に奇妙な既視感を抱えている。この平穏がどのように揺らいでいくかが序盤のポイントです。

助教授・松山龍司の謎とジョーカーゲーム

新キャラクターの松山龍司は、大学助教授として隕石事故の生存者の“臨死体験”を研究しています。

彼が参加する“ジョーカーゲーム”は、大きな机の上に置かれたカードを順番に取っていき、ジョーカーを引き当てた者が勝者となるというシンプルながら残酷なゲームです。

カードを手放せば即死し、勝者以外は電撃で殺されるという設定が緊張感を生みます。龍司はこのゲームを生き残り、“今際の国”へ導かれる役目を帯びます。

バンダとジョーカーの出会い

ジョーカーゲームの主催者として登場する謎の男バンダは、ジョーカーのカードに異様な執着を見せる人物です。

龍司がゲームに勝利した後、バンダは「君は選ばれし者だ」と告げ、ジョーカーのカードを渡します。彼の目的は不明ながら、ジョーカーの正体と“今際の国”の新たな支配構造を示唆しており、シリーズのキーパーソンとして注目すべき存在です。またシーズン3は新キャラクターのバンダがゲームマスターとして登場することが予告されています。

アンの説明 – 2分間の命の境界線

元警察官の安(アン)は、アリスに“今際の国”の真相を語ります。隕石爆発で彼らの心臓は2分間停止し、その間にゲーム世界へ飛ばされたという説です。

今際の国の時間は現実の1分が2シーズンに相当し、ゲームの記憶が薄れるのはそのためだと説明されます。この科学的な解釈が物語にリアリティを与え、視聴者の考察欲を掻き立てます。

ウサギ誘拐と妊娠の謎

ジョーカーゲームが進む裏で、ウサギは自身の記憶を取り戻すためにシーズン1の舞台「シーサイドパラダイスホテル」を訪れます。

しかし彼女は龍司に誘われて行方不明となり、後に病院で昏睡状態で発見されます。しかもウサギは妊娠しており、彼女と龍司のポケットからはジョーカーカードが見つかるのです。この衝撃的な展開が第1話のクライマックスであり、アリスが再びゲームへ飛び込む動機となります。

今際の国のアリス(シーズン3)1話のあらすじ&ネタバレ

今際の国のアリス(シーズン3)1話のあらすじ&ネタバレ

“現実世界”でのインタビュー – ゲームの記憶は夢のように

第1話は、東京に落ちた隕石事故から数年後のテレビインタビューで幕を開けます。主人公・有栖良平(アリス)はリポーターの前で「皆さんはあの時、何を経験したのですか?」と問われます。アリスはゲームや死闘の記憶が曖昧で、夢のような断片しか思い出せません。

「仲間の顔は思い浮かぶけど、何をしたのかがわからない」と語る姿から、記憶喪失が深刻であることが示されます。

あの隕石事故では渋谷に巨大な流星が落下し、多くの人々が犠牲になりました。奇跡的に生き残った人々は心肺停止状態に陥り、数分間意識を失った後に目覚めました。

アリスたちはその“心停止中”に別の世界でゲームに参加していたのです。インタビューするマスコミはその裏側を知らず、興味本位で質問を投げかけます。アリスは答えられず、「夢と現実の境目が曖昧で…」と困惑するだけでした。彼の表情には、心のどこかにある強烈な既視感への戸惑いが滲んでいます。

2. 松山龍司の登場 – 生存者の臨死体験を追う

シーンは変わり、国立修士館大学の助教授・松山龍司の研究室へ。龍司は隕石事故の生存者から聞き取り調査を進めており、「臨死体験」を科学的に解明しようとしていました。生存者たちが“ゲーム”や“トランプ”といった奇妙な言葉を口にすることに興味を持ち、特にアリスの証言に注目します。龍司はアリスにアポイントを取り、「事故の詳細を教えてほしい」と研究協力を依頼しました。アリスは協力を約束しますが、ゲームの記憶が不確かであることに申し訳なさを感じます。

ウサギ(土屋太鳳)はアリスの妻となり、山奥の小さな家で二人暮らしをしています。彼女は幼い頃からクライマーとして父親と山に登っていた経験がトラウマになっており、夢の中で父親が崖から落ちる姿にうなされています。アリスはそんな彼女を支えながら、二人で過去の傷と向き合っていました。

3. ジョーカーゲーム – 謎の会議で始まる地獄のテーブルゲーム

龍司は「臨死体験に近づく研究をしている」と称する謎の講演会に招かれます。

会場の港区庁舎には、彼を含め男女数名の参加者がいました。司会者は突如電源を落とし、重い扉を閉めると「これよりゲームを開始します」と告げます。テーブルの中央には一組のカードが置かれ、その中から1枚だけジョーカーが混ざっています。

ルールは単純で、各自が順番にカードを取り、ジョーカーを持ったまま最後まで残った者が勝者となる。途中で手札からジョーカーがなくなるのと、席から離れようとすると椅子の電気装置が作動し、脱落者は即座に感電死する仕組みでした。

参加者がパニックに陥る中、龍司は冷静に周囲を観察します。彼は心理学を学んでおり、人間の嘘や焦りを読み取る力に長けていました。一巡目でジョーカーは別の男性に渡りますが、その男性はカードからジョーカーがなくなり、直ちに感電死。遺体は黒焦げとなり、他の参加者は震え上がります。

ゲームが進むにつれ参加者は次々と脱落し、最後は龍司と中年男の二人が残ります。ジョーカーを持ち続けたまま制限時間を迎えた彼は勝者となり、他の全員は電流により命を失います。

暗闇の中、拍手と共に謎の男・バンダが姿を現し、「ようこそ、今際の国へ」と囁きました。バンダは仮面をかぶり、ジョーカーを象徴するピエロのような衣装を纏っていました。彼は龍司に「君は選ばれた。ジョーカーの真実を知りたければ付いて来い」と告げ、ジョーカーのカードを手渡します。この瞬間、龍司は“今際の国”への招待状を受け取ったのです。

4. アリスとウサギ – 平穏な暮らしと新たな不安

ウサギは過去の記憶を頼りに、シーズン1で仲間たちと過ごした「シーサイドパラダイスホテル」を訪れます。そこにはかつてのカジノやプールがそのまま残っており、彼女は記憶の断片を掴みかけます。

その後、ウサギは失踪。アリスは帰らぬウサギを探すために警察に依頼します。

ウサギは警察協力のもと、監視カメラを見ると…ウサギがホテルで、車椅子の男、龍司と会っていることがわかりました。その後行方不明に。ウザギは龍司にインタビューをしており、そのデータをアリスが見ます。父が自殺する夢を何度もみることに悩んでいたことが後に判明。ここでアリスがウサギが父親について悩んでいることを始めて知りました。

アリスは警察や病院を駆け回り、数日後、病院のベッドで昏睡状態のウサギを発見します。さらには妊娠しており、ジャケットのポケットからジョーカーのカードが見つかります。その側には同じく昏睡状態の龍司も横たわっており、彼のポケットからもジョーカーが発見されました。

5. アンの再登場 – 時間と死の理論

アリスが途方に暮れる中、元警察官の安(アン)が姿を現します。アンはシーズン2の生存者で現実に戻っており、アリスとウサギの結婚を祝福します。

しかし彼女は、二人の記憶喪失が単なる後遺症ではないと察していました。アンは「あなたたちがあの世界にいた時間は現実ではわずか数分だった」と語り、隕石落下時に心肺停止に陥った人々が2分以内に蘇生された事実を説明します。その間に脳は異常な活動状態に入り、時間が極度に遅く感じられる世界を体験した――それが“今際の国”であり、そこでの1シーズンは現実のわずか30秒ほどに相当するのだと。

さらにアンは「ジョーカーのカードはあなたたちを再び境界線へ誘う鍵だ」と言い、アリスに覚悟を促します。現実世界ではいまだに謎の死者が出ており、龍司がバンダと接触した可能性があると警告しました。アリスは大切な妻と友人を救うためには再びあの世界へ戻るしかないと考えます。

6. 再び“今際の国”へ – 薬物による死の疑似体験

アリスはウサギを救うため、アンに相談します。アンは「心停止に近い状態を作り出す薬剤がある。安全だが一定時間で蘇生しなければ死ぬ」と告げました。アリスはリスクを承知で薬を入手し、自宅でウサギの寝顔を見つめながら決断します。夕暮れの川辺、アリスは薬を注射し、自らの心臓を止めることで再び“今際の国”へ飛び込もうとしました。

意識を失う直前、かつての仲間カルベやチョータの面影がフラッシュバックします。「みんなの想いを無駄にしない」と誓ったアリスの瞳には決意が宿り、静かに倒れ込みました。その時、遠くの空に“げぇむ”の案内ビームが立ち上り、氷川神社の方向を示します。現実ではわずか1〜2秒の出来事ですが、アリスにとっては新たな試練へ続く無限の物語の始まりでした。

今際の国のアリス(シーズン3)1話の感想&考察

今際の国のアリス(シーズン3)1話の感想&考察

1. 記憶喪失と結婚生活 – 幸せの裏に潜む違和感

シーズン3の幕開けで意外だったのは、アリスとウサギが結婚して平穏に暮らしていることでした。シーズン2までの苛酷なゲームを経た二人にとって、普通の生活を取り戻すこと自体が大きな救いです。

しかしこの平穏は脆く、彼らは常に「何か大切なものを忘れている」という不安に苛まれています。二人が幸せそうに微笑み合うシーンに安堵しつつも、その裏に広がる暗い影が気になって仕方ありませんでした。

物語はこの「幸福と違和感の同居」という微妙なバランスを巧みに描いています。ウサギが父の死に関する悪夢から逃れられない様子や、アリスがニュースの映像に目を奪われる瞬間など、日常の中に不穏な伏線が散りばめられていました。

また、記憶を失ったまま結婚生活を送るという設定は、トラウマの記憶と真の自分を問い直す物語としても受け取れます。過去の出来事を覚えていなくても、体の奥深くには仲間と過ごした時間が刻まれている。

アリスとウサギが互いに惹かれ合い結婚に至ったこと自体が、忘れられない絆の証であり、今際の国での体験が二人を根底で結び付けていることを示しています。記憶喪失をドラマチックに描くだけでなく、登場人物の人間性や絆を再確認させる要素になっている点が秀逸でした。

2. 松山龍司とジョーカーゲームの残酷さ – 研究者の倫理と狂気の狭間

助教授・松山龍司はシリーズを通して初めて登場する主要キャラクターです。彼は冷静で知的な人物に見えますが、臨死体験に異常な執着を示し、そのためなら倫理を踏み越える危険な側面も持っています。

彼がジョーカーゲームへ参加する経緯は偶然に見えて、実際には今際の国の黒幕によって仕組まれていた可能性が高いです。ゲームの勝者となった龍司は、バンダから「君は研究のためにこの国に来るべきだ」と誘われますが、その笑みには背筋の凍る不気味さがありました。

ジョーカーゲーム自体は、これまでの“げぇむ”と比べると単純なカード遊びです。

しかしルールの残酷さは群を抜いており、「ジョーカーを持ち続けた者だけが生き残り、途中で手放せば即死」というシステムは、人間の本能を試すデザインになっています。龍司は心理学者らしく相手の心の動きを読み取り、勝負を制します。ここでは観察力と分析力が生死を分けることが強調されており、知性を武器に生き残るキャラクターの存在感が光ります。

このゲームが象徴するのは、「ジョーカー=万能のトランプ」であり、従来のゲームを超える新たなルールと恐怖が待ち受けていることの示唆だと感じました。

3. バンダという新たなゲームマスター – ジョーカーの“顔”

シーズン3のトレーラーでも強調されていたとおり、今回からバンダという謎の人物が登場します。彼はジョーカーゲームの主催者であり、ジョーカーのカードを「答えへの鍵」として龍司に与えました。

バンダの正体は明かされていませんが、シーズン2で暗示されたジョーカーのカードと密接に関係しているのは確かです。バンダの登場によって今際の国の支配構造が大きく変わるのではないかと考えています。これまでのゲームではクラブ(チーム戦)、ダイヤ(知能戦)、ハート(心理戦)、スペード(肉体戦)などのカードが使われてきましたが、ジョーカーはその全てを超越する“ワイルドカード”です。バンダが持つこの力は、今後ゲームのルールや世界観そのものを揺るがす可能性があります。

今際の国は、単なる殺し合いの場ではなく、人間の生死や意識を操作する巨大な実験場でもあることが示唆されています。シーズン3が完全オリジナルストーリーであるという点と合わせると、バンダを中心に新しい哲学的・科学的なテーマが展開される予感がします。彼がなぜジョーカーのカードを操れるのか、なぜ龍司やウサギを引き込んだのか、背後にはどのような組織がいるのか。謎が深まるばかりで、先を読むのが楽しみです。

4. アンの説明と境界線 – 2分間の死に関する科学的考察

第1話終盤でアンが語った「2分間の心停止がゲーム世界への入り口である」という説明は、シリーズ全体の謎を整理する重要な鍵でした。筆者としても、この説明を聞いて腑に落ちる部分が多くありました。

例えば、シーズン1でアリスたちが渋谷で一瞬にして人が消える体験をしたのは、彼らの心臓が停止して意識が内側に閉じ込められた瞬間だったと考えれば説明がつきます。また、ゲームの期間が現実世界のわずかな時間に相当するため、シーズン1と2を合わせても現実では1分ほどしか経っていないという理屈も合理的です。

この理論によって、「なぜ生存者が現実世界に戻ってからゲームの記憶が曖昧なのか」という疑問が解消されます。脳が極度の酸欠状態に陥った後、酸素供給が再開されると記憶が断片化し、臨死体験を夢として処理してしまうのです。

アンはこれを医学的に説明しつつ、「ジョーカーのカードはその境界を人為的に操作する仕組みだ」と示唆しました。つまり今際の国への再出発は、偶然ではなく誰かの意思でコントロールされている可能性があります。この“死と生のグレーゾーン”を科学的視点で描くことで、作品に深みが加わり、単なるサバイバルドラマから哲学的なサスペンスへと昇華させています。

5. ウサギ誘拐と妊娠の意味 – 希望と絶望の象徴

第1話のクライマックスで、ウサギが昏睡状態のまま妊娠していたことが明らかになりました。この展開は多くの視聴者を驚かせただけでなく、物語に大きな謎を投げかけています。誰の子供なのか、なぜジョーカーのカードが彼女と龍司のポケットにあったのか。これは単にショッキングな展開というだけでなく、今際の国と現実世界の境界が孕む危険性を示す伏線だと感じます。

子供は希望の象徴でもあり、死の世界で芽生えた命という矛盾が物語の核心に関わる可能性があります。筆者は、ウサギの妊娠が「世界の再生」と「ゲームの終着点」を暗示しているのではないかと考えています。

ジョーカーがワイルドカードであるなら、命の誕生もまた予測不能なワイルドカードですジョーカーのカードが2枚存在したことや、龍司が昏睡状態で同じカードを持っていたことから、今後のゲームではペアやチームという概念が重要になるかもしれません。さらに、ウサギの生命が危機にさらされることで、アリスの闘志が再び燃え上がり、彼の成長物語に厚みを持たせています。

6. アリスの再決意 – “みんなの想い”を背負って

シーズン2までのアリスは、仲間を失うたびに自責の念に駆られながらも、諦めずに生き抜いてきました。第3シーズンの第1話では、彼が再びその覚悟を試されます。ウサギと龍司が昏睡状態に陥ったことで、アリスは二人を助けるには自ら心停止状態に入りゲームの世界へ戻るしかないと悟ります。これは命がけの選択であり、かつて仲間を救えなかった自分への償いでもあります。

アリスが薬を打つ場面では、カルベやチョータなど過去に失った仲間たちの顔が走馬灯のように浮かびます。彼は「俺はもう逃げない。みんなの想いを繋ぎ、必ずウサギを取り戻す」と誓います。

これまで何度も死を覚悟してきたアリスですが、今回の決断は少し違って見えました。シーズン1・2では生きるために仕方なく戦ってきましたが、第3シーズンでは愛する人を守るために自ら進んで死に向かっていく姿勢が描かれています。これはアリスの成長を象徴しており、彼が心から大切なもののために命を捧げられる人間に変わった証です。

筆者はこの場面で、アリスの心情に深く共感しました。大切なものを守るためには、確率がどれほど低くても賭けに出るしかないことがあります。アリスの決断は、視聴者にも「自分ならどうするか」と問いかけてくる力を持っていました。彼が再び今際の国でどんなゲームに挑むのか、どんな仲間と再会するのかは次回以降の大きな楽しみです。

7. シーズン3のテーマと今後の展開予想

本エピソードを踏まえると、シーズン3には大きく3つのテーマが見えてきます。

別れと再会 – シーズン2ラストで現実世界に戻ったものの、再び愛する人を失う危機に直面し、再会を求めてゲームへ戻るという構図です。シーズン3は「一度帰還した者が再び別れを乗り越える物語」になるのでしょう。

ジョーカーとゲームの進化 – ジョーカーカードの意味が明かされることで、従来のハート・ダイヤ・クラブ・スペードという枠組みを超えたゲームが展開します。バンダがその象徴として登場し、龍司と組んで新たなルールを生み出す可能性があります。

科学と臨死体験 – アンや龍司の説明にあるように、ゲームの舞台は臨死体験に関する仮説と強く結びついています。科学者としての龍司、元警察官としてのアン、人間の記憶とトラウマを抱えるアリスやウサギなど、多角的な視点から「生と死の境界」が掘り下げられていくでしょう。

シーズン3が全6話で構成されることから、残り5話でどのように物語を畳むのかも興味深いところです。完全オリジナルストーリーということは、原作ファンも先の展開を知らない状態で視聴することになります。現在のところ、第1話ではアン以外の旧キャラクターの登場は限られており、今後ビーチに集結した仲間たちとの再会が期待されます。さらに、新キャラクターのバンダ以外にも複数の新登場人物がゲームマスターとして現れる予定であり、彼らがどのように物語を引っ掻き回すのか想像が膨らみます。

最後に、個人的に印象に残ったのは、映像美と音楽の変化です。シーズン3では東京近郊の田舎の風景や大学の研究室、病院など、現実世界の描写が増えています。そのため色調も淡く、過去シーズンの荒廃した今際の国とは対照的です。音楽も日常シーンでは柔らかなピアノや弦楽器が流れ、ウサギが誘拐されるシーンでは心拍数を煽るような電子音が響き、緊張感を高めていました。脚本や演出だけでなく、視聴覚面でも物語の変化を感じられるのが本エピソードの魅力です。

まとめ – 新章に込められた生と死の問い

『今際の国のアリス』シーズン3第1話は、記憶喪失という設定から始まり、科学的な臨死体験の説明、ジョーカーゲームの残酷さ、バンダや龍司といった新キャラクターの登場、そしてウサギ妊娠という衝撃的な展開が立て続けに描かれました。

筆者としては、これまでのシリーズ以上に心理的な深みと科学的な裏付けが加わったことで、作品の世界観がさらに広がったと感じています。第1話のラストでアリスが再び“今際の国”へ向かう決意を固めたことで、いよいよ本格的なゲームが始まることが示されました。

シーズン3が提示する問いはシンプルです。「もし死と生の狭間で、大切な人を救うために自らの命を賭けなければならないとしたら、あなたはどうしますか?」 この問いにアリスは即答しました。彼の旅路の先に待ち受けるのは絶望か希望か。私たちもまた彼と共にその答えを探していきたいと思います。

今際の国のアリス(シーズン3)の関連記事

全話まとめた記事はこちら↓

2話についてはこちらをチェック↓

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次