9話で“好き”を伝え合い、ようやく恋人になったみくりと平匡。
10話は、その幸福の続きを見せてくれる……かと思いきや、恋愛の甘さのすぐ隣にある「生活の現実」を真正面から突きつけてきます。
朝まで一緒に過ごす夜のムズキュン、ぎこちない恋人同士の日常。その一方で、平匡のリストラ、仕事とお金の不安、そして「結婚」という制度が二人の間に入り込んでくる。
10話がしんどくて忘れられないのは、恋人同士の喧嘩だからではありません。「好きなら我慢できるはず」「愛があれば無償でいい」という考え方に、みくりがはっきりNOを突きつけるからです。
ここからは、逃げ恥10話のあらすじとネタバレを通して、恋愛と労働、対等な関係とは何かが浮かび上がる物語を振り返っていきます。
逃げる恥だが役に立つ(逃げ恥)10話のあらすじ&ネタバレ

9話で“好き”をぶつけ合えたみくりと平匡。ついに恋人としての生活が始まるんだけど……ここから先が、幸せ一色じゃないのが『逃げ恥』なんですよね。
10話は、恋人同士の「甘さ」と、生活の「現実(仕事・お金・契約)」が同時進行で押し寄せてきて、見ているこっちの心も忙しすぎる回です。
「朝まで一緒に」=恋愛の最難関、平匡が混乱する夜
スーパー帰り、ネギを買った二人は“恋人つなぎ”。みくりに「朝まで一緒にいますか?」と聞かれて、平匡は思わず「うん」と答えてしまいます。
でも、この「うん」の後が問題。平匡の脳内は、数独・Wii・ロボホン(方向性…!)など、恋愛の“その先”をどう処理すればいいのかで大混乱。
さらに、日野が以前くれた“お試しパック”の存在を思い出し、検索までして準備しようとする理系の性。頭では「手順は理解している」と思っていても、心が追いつかない。
みくりが部屋に入ってきた瞬間の平匡の挙動不審さ、笑えるのに切ない。恋愛経験ゼロの人が、必死に「相手を大事にしたい」って思ってるのが伝わるから、変に茶化せないんですよ…。
そして案の定、平匡は“逃げる”。
でも、逃げたあとに戻ってきて、きちんと謝って「もう逃げたりしません」と伝える。この一歩が、恋人としての“初めての壁越え”になります。ハグをして、キスをして、どうにかこうにか壁を越えて迎えた朝――その日は平匡の36歳の誕生日。恋人としての新しい日常が、ようやく始まります。
36歳の朝、恋人になった二人の日常は「ムズキュン」と「ぎこちなさ」セット
翌朝の平匡は、会社でも妙に朗らか。日野たちも「何があった?」とざわつくほど。
みくりはみくりで、帰宅した平匡が数独を開いたまま一マスも進めず、ただ待っているのを見て大興奮。「かわいすぎる件について〜!」って、恋をしてる人の語彙力ってこうなるよね、わかる…!
みくりの「カワイイは最強」論も炸裂。
“カッコイイ”だと幻滅があるけど、“カワイイ”は何してもカワイイから服従全面降伏――この理論、恋愛の真理すぎて怖い。
ただ、甘さの裏で少しずつ「仕事がプライベートに侵食される」感覚も出てくる。平匡が“新婚さん妄想”までできるようになって、幸せの輪郭がふわっと見えた直後に、現実が殴ってくるのが10話の怖さです。
平匡の初めての嫉妬「風見さんのところを辞めてもらえませんか?」
恋人になって、平匡の中で生まれた感情が“嫉妬”。
みくりが風見の家事代行を続けていること自体がイヤというより、「二人きりの部屋を想像すると嫉妬してしまう」と、平匡はちゃんと言葉にします。
ここ、平匡のすごいところって、嫉妬を暴力にしないで「お願い」として出しているところ。
みくりも、もともと歯の治療費目的で副業をしていて支払いも終えたことから、辞める決断をします。お互いが“感情のまま”じゃなく、“説明して、理解して、すり合わせる”をやってるのが、まさに逃げ恥の恋愛。
そしてみくりは、風見の恋愛にも口を出す(笑)。
結婚願望がない女性なら…と、百合の名前を出して、風見の「ガンガン誘ってくる女性(杏奈)」についても“内面を一度のぞいてみたら?”と釘を刺す。
みくりって、恋愛も仕事も「相手を見てるようで見てない」を絶対に放置しないタイプなんですよね。
平匡の会社で「リストラ」が現実になる。沼田の胃に穴が空くほどの重さ
同じ頃、平匡の会社ではリストラの話が進み、ついに候補者が発表されます。しかも、候補者選びに沼田が絡んでいるという、胃が痛すぎる状況…。
沼田はストレスで胃に潰瘍ができ、医師から「ストレスをためないように」と言われる。
日野は「結婚って安全装置みたいなとこあるよね」「生き抜くための一つの知恵」と語り、平匡の中で“結婚=生活の安定装置”という考えが、じわじわ育っていきます。
そして残酷なのが、平匡が「今の生活を維持するために」仕事を探さなきゃいけなくなるところ。
“みくりとのいちゃいちゃタイムを死守できるホワイトな会社”を探す平匡のモノローグが切実で、笑えないのに笑っちゃう、この感じ…。
みくり、商店街で覚醒。「やりがい搾取」に断固反対!
10話で胸がスカッとするのが、商店街の作戦会議シーン。
安恵(やっさん)に連れられて参加したみくりは、ファーマーズマーケットの開催を提案します。すると流れで「手伝って」と言われ、しかもそれが“ボランティア=ノーギャラ”前提。
ここでみくりが止まらない。
「人の善意につけ込んで労働力をタダで使おうとする、それは搾取」
「友達だから」「勉強になるから」「あなたのためだから」と言って賃金を払わない――これが“やりがい搾取”。見過ごしちゃいけない、と。
しかも、最後は「日給3千円」で落ち着くんだけど、みくりはそこで終わらない。
横浜の最低賃金(当時)を維持するために“1日3.2時間以内”など、時間まで計算して「日数は応相談」と詰める。
これって強欲じゃなくて、「労働の価値」を守る行為なんですよね。
ラスコー展で四角関係が交差。風見×杏奈、百合×田島が“遭遇”
一方で、大人組の恋も進展。
風見は杏奈に誘われ、世界遺産ラスコー展へ。杏奈は「取引先にもらったチケット」と言いつつ、“いい男と一緒なら楽しいかな”という、攻めの姿勢が隠せない(笑)。
そして会場で、百合が同級生の田島(シングルファーザー)と来ているところに遭遇。
杏奈が「オシャレでカッコイイ夫婦でしたね」と言うと、風見は「夫婦じゃない」と否定。さらに杏奈は「彼の方は土屋さんのこと見てた」と言い、百合は「ないない、17歳も下」と突っぱねる。
この“否定してるのに動揺してる”空気が、見てる側にはバレバレで、ムズキュンが増していくんです…!
百合の心に刺さった“優しさ”→「甥っ子特典」→風見の爆弾発言
百合は、9話で泣いてしまった自分を引きずりつつ、風見の言葉が気になってしまう。
風見は百合を家に呼び、「誰かのお手本になるために無理をする必要はない」とまっすぐ伝えます。百合は「時には頑張らない時があっても」と自分に許可を出していく。
そして別れ際、百合が言うんです。
「今度うちにも遊びに来て。甥っ子特典でおいしいワイン飲ましてあげる」
――もう、百合の防御壁が可愛すぎる。必死に「甥っ子」に押し込めようとしてるのがバレバレ。
それに対して風見が放つ言葉が、あまりにも直球。
「本気で甥っ子だと思ってるんだ。僕は百合さんを抱きたいと思ってるのに」
百合、フリーズ。風見も言ったあとで「何を言ってんだ俺は」と後悔。この二人、恋愛偏差値が高いようで低い、最高に愛しい噛み合わなさなんです…!
初デート、焼き鳥じゃない!?平匡の“王子モード”と、合理的プロポーズ
平匡は仕事探しで忙しくなり、家の料理にもノーコメント気味に。
みくりは「全部食べてるしまずくはないと思うんだけど…」と不安になる中、平匡が突然「外で夕飯を食べませんか?」と提案。メモで待ち合わせ場所を指定し、18:45集合。
みくりは「焼き鳥だ」と思うんです。なぜなら以前、みくりの誕生日に何もしなかった平匡が“来年は焼き鳥屋で”と言っていたから。だから服装も悩みに悩む。
ところが連れていかれたのは、キラキラした評判の店。
平匡は店員さんとやり取りし、ワインのセパージュまで質問する“王子モード”。みくりは「平匡ルートのエンディングを迎えるにはどっち!?」と脳内がゲーム化してしまう(笑)。
でも、平匡が黙って微笑む時間が増えるにつれ、みくりの中で「怖い」が膨らんでいくんですよね。
そして平匡は、準備してきた“これからの話”を切り出します。
「きちんと入籍して結婚しましょう」
指輪はサイズが分からないからまだ、でも結婚したい――と言いながら、平匡は試算表を出す。結婚すれば雇用契約が不要になり、みくりに払っていた給与分が浮いて、貯蓄も増え、家も買えて、子どもも…という、合理性の説明。
みくりが問いただすと、平匡は正直に言ってしまう。
「きっかけはリストラです」
ここでみくりの表情が変わる。
「リストラされたからプロポーズ?」――それってつまり、“結婚すれば給料を払わずに私をタダで使えるから合理的”ってこと?と。
みくりの反撃。「愛情の搾取に断固として反対します!」で10話終了
みくりは平匡を好き。好きだけど、だからこそ言うんです。
「好きならば、愛があれば、何だってできるだろうって、そんなことでいいんでしょうか?」
そしてあの名セリフ。
「私、森山みくりは愛情の搾取に断固として反対します!」
恋人になって、やっと甘い世界に足を踏み入れたと思ったのに。
その直後に、また“契約”と“搾取”の問題に戻ってくる。
10話は、ムズキュンのあとにズシンと来る、現実の一撃で幕を閉じます。
逃げる恥だが役に立つ(逃げ恥)10話の伏線

10話って、出来事の数が多いだけじゃなくて、「次回以降に爆発する火種」が丁寧に仕込まれている回でもあります
ここから先、最終回に向けて“関係”がどんな形に変わっていくのか――その前フリが見事。
平匡のリストラと「籍」の重み
平匡のリストラ問題は、単なる仕事の危機じゃなくて、二人の関係に“制度”が入り込むきっかけ。
「結婚は安全装置」「生き抜くための知恵」という言葉が出てくることで、平匡が“結婚=合理性”に傾いていく伏線になっています。
「やりがい搾取」→「愛情の搾取」へつながる言葉
商店街でみくりが言った「やりがい搾取」は、ラストの「愛情の搾取」に直結。
“善意”や“好き”を盾に、正当な対価を払わずに相手を使う構造は、仕事でも恋愛でも同じ――という、10話全体のテーマの伏線です。
風見×百合は「甥っ子」から抜け出せるのか
百合が風見を“甥っ子”扱いするのは、年齢差への恐れと、自分の立場(社会的な強さ)を崩したくない心理の表れ。
そこに風見が「抱きたい」という直球を投げたことで、百合の“強い女の鎧”が今後どう変わるのかが伏線として残りました。
杏奈と田島という「外部刺激」
ラスコー展で、杏奈と田島がそれぞれの側にいる状態で鉢合わせたのが絶妙。
恋愛って、当人同士だけで完結しない。周りの視線や、別の可能性が見えた瞬間に、関係の温度が変わる。ここが大人組の波乱の伏線になっています。
みくりの「外の世界」が広がる=二人の関係のバランスが変わる
商店街の仕事(青空市の手伝い)が始まることで、みくりは“津崎家の中”だけの人じゃなくなる。
これは今後、みくりが「自分の価値」「働き方」「対等さ」をより強く意識していく伏線にも感じました。
逃げる恥だが役に立つ(逃げ恥)10話の感想&考察

恋人になった二人が、ただ幸せにイチャイチャして終わる回だったら、正直もっと楽だった。
でも『逃げ恥』って、あえてそこを楽にしない。恋愛の“いいところ”だけじゃなく、「一緒に生きる」ってことの難しさを、可愛く、面白く、でも刺さる形で突きつけてくるんです。
ムズキュンの直後に来る「現実」の破壊力がえぐい
10話って、前半はとにかくムズキュンのオンパレード。
平匡の“いちゃいちゃ未経験”とか、みくりの「カワイイ最強」理論とか、恋人同士のぎこちなさが愛おしくて、見てるこっちもニヤニヤが止まらない。
でも、その甘さがあるからこそ、後半の“現実”が刺さるんですよね。
リストラ、仕事探し、生活維持――「好き」だけで暮らせない。恋愛のド真ん中に、お金と制度が割り込んでくる。
この構造を、ちゃんとラブコメの温度のまま描いてくるのが、逃げ恥の強さだと思いました。
平匡のプロポーズ、好きなのに“言葉”が傷になる
平匡のプロポーズ、私はね、分かるんです。分かるの。
彼なりに必死で、みくりを守りたくて、生活を守りたくて、最善を探した結果が“結婚”だった。
だけど、平匡の誠実さって、時々「合理性」という鎧の形をしてしまう。
「結婚すれば給与が浮く」って、平匡の中では“二人の未来のための試算”なのに、みくりからしたら「じゃあ私って、コストなんだ」って聞こえてしまう。
ここが地獄のすれ違い。好き同士なのに、言い方ひとつで“搾取”に見える瞬間がある。
しかも平匡、きっかけを聞かれて「リストラです」って正直に言ってしまう。
嘘をつけない、盛れない、飾れない――そこが平匡の良さでもあり、恋愛では致命傷になることもあるんだなって、胸がぎゅっとなりました。
みくりの怒りは“ワガママ”じゃない。むしろ、愛を守るための抵抗
みくりの「愛情の搾取に断固として反対します!」って、強い言葉だけど、私は“優しさ”だと思ってます。
だって、ここで飲み込んだら、二人の関係は“愛”の名を借りた「無料労働」になってしまう。
みくりは平匡が好きだからこそ、「好きなら何でもできるだろう」っていう雑な正義に乗っかりたくない。
好きだからこそ、きちんと線を引きたい。対等でいたい。
それって恋愛において、めちゃくちゃ勇気がいることです。
好きな相手に「その提案、傷つく」って言うのって、怖い。嫌われるかもって思う。でも、みくりはそこから逃げない。だからこそ、10話のラストは“別れ”じゃなくて、“再構築の始まり”に見えました。
「やりがい搾取」が刺さった理由=恋愛と同じ構造だから
商店街での「やりがい搾取」宣言、放送当時SNSで盛り上がったのも納得しかない。
「ブラック企業に聞かせてやりたい!」みたいな声が上がったのは、視聴者が日常のどこかで“善意を利用される感覚”を知っているから。
そして逃げ恥が巧いのは、それを「恋愛の搾取」にそのまま繋げたところ。
仕事の世界で起きてることは、家庭でも起きる。
「家族だから」「愛してるから」「君のためだから」――その言葉が、相手の時間や労力をタダにする免罪符になってしまうこと、あるんですよね。
10話は、みくりの“労働”の怒りが、恋愛の“尊厳”の怒りに繋がっていく回。
ラブコメの形をしてるのに、ちゃんと社会の話をしていて、しかも説教くさくない。むしろ感情が先に来る。そこが本当に好きです。
百合×風見のムズキュンは「大人が恋に落ちる怖さ」そのもの
百合って、仕事もできて、自立して、強くて、格好いい。
でもそんな百合が「カッコよく生きなきゃ」に縛られて、泣いたことを恥じて、風見から逃げる。大人って、恋に落ちた瞬間に“守ってきたもの全部”が揺らぐから怖いんだと思うんです。
だからこその「甥っ子特典」。
百合のあれは、照れ隠しじゃなくて、最後の砦。そこに風見が「抱きたい」と言うの、ほんと反則。恋って、言葉一つで人生が動くんだなって、百合の硬直した表情が全部語ってました。
最終回に向けて:二人が欲しいのは「結婚」じゃなく「対等な仕組み」かも
10話の終わり方って、恋人になったのに、また関係が壊れかける。でも私は、悲観よりも希望を感じました。
平匡は、みくりを軽んじたいわけじゃない。みくりも、平匡を責めたいわけじゃない。ただ、二人とも“言葉にして、形にして、納得して進みたい”タイプだからこそ、ここで衝突した。
恋愛って、好きだけでは続かないけど、好きだからこそ続けられる努力もある。
最終回で二人が見つけるのは、きっと「結婚する/しない」より先にある、“二人が対等でいられる仕組み”なんじゃないかな――そんなふうに思いながら、胸がざわざわしたままエンドロールを見送りました。
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