6話ラストのキスは、何かが始まった合図であり、同時に「どうしていいか分からない夜」の始まりでもありました。
気持ちを確かめる前の時間ほど、人は眠れなくなる。その感覚が、第7話には濃く流れています。
第7話「眠れぬ夜」は、南と瀬名の関係がはっきりする回ではありません。
むしろ、曖昧なまま揺れ続ける気持ちが、仕事の失敗やすれ違いとなって表に出てくる回です。恋の火種が生活を照らしもすれば、焦がしもする――そんな一夜を、あらすじとネタバレを交えて振り返っていきます。
ドラマ「ロングバケーション」7話のあらすじ&ネタバレ

6話ラストの“あのキス”から一夜明けて、タイトルは「眠れぬ夜」。
恋って、気持ちが通じ合う前がいちばん眠れないんですよね…。7話はまさに、南と瀬名の間に生まれた「言葉にできない空気」が、仕事も人間関係も巻き込んで大きく揺れはじめる回です。
さらに杉崎の告白が加わって、物語が一気に“恋の三角形”へと動き出します。
キスの翌朝、2人の“平常心”がどこかへ消える
南(山口智子)と瀬名(木村拓哉)は、昨夜のキスに戸惑っている――公式のあらすじがそう書いてしまうくらい、7話の冒頭は「気まずさ」と「意識」のオンパレードです。
同居って、本来なら“生活”がどんどん現実を引き戻してくれるはずなのに、恋の火種が落ちた瞬間だけは逆。
歯ブラシの置き場所、洗面所の順番、冷蔵庫の音…そういう些細なものが、全部「この人とキスしたんだ」っていう記憶を呼び起こす。南のいつもの強気なノリが、一瞬だけふわっと途切れる感じが、逆にリアルで刺さります。
瀬名も同じ。元々、恋愛では“いくじなし”と自覚しているタイプだからこそ、キスをしてしまった後の処理がわからない。気持ちを確かめる勇気も、なかったことにする器用さもない。
この回、2人とも「平気なフリ」が下手なんです。だからこそ見ている側は、ちょっと笑えて、でも胸がぎゅっとなる。
南の大失態:杉崎から預かった“フィルム”をバスに置き忘れる
そんな状態で仕事へ向かった南は、杉崎(豊原功補)から預かった大切なフィルムを、なんとバスの中に忘れてしまいます。
仕事のミスって、普通に落ち込むのに。恋のせいで起きたミスだと、自分の中で「恋して浮かれてる場合じゃないのに」って自己嫌悪が倍増するんですよね…。南は、まさにその泥沼へ。
杉崎は「以前に撮った写真で間に合わせる」という案も持っている。
だけど南は、簡単にその選択に乗れません。新人アシスタントとして、最初に任された“信用”を、ここで手放したくない。杉崎のプロの現場で、ちゃんと役に立ちたい。そういう意地が南の中に芽生え始めているのが、私はすごく嬉しかったです。
フィルム捜索、街を走り回る“長い一日”
ここから南は、ひたすらフィルムを探します。桃子(稲森いずみ)も手伝って、必死に走り回る。
この「探す」って行為、ただの作業じゃなくて、南の心の“懺悔”にも見えるんですよね。
恋でぼーっとした自分への怒り。プロの現場を甘く見てしまった自分への恥ずかしさ。そういう感情が全部、足に出る。探せば探すほど汗をかいて、汗をかけばかくほど、余計な気持ちが削ぎ落ちていく感じ。
しかも、探し方が現実的なのもポイントで、バスに関してきちんと確認を取ったり、営業終了後に車内も調べたりするけど見つからない…という流れが語られています。
見つからない時間って、心がどんどん悪い想像に支配されるじゃないですか。「もう二度と取り返せないかもしれない」って。
南がこの回で一番つらいのは、きっと“謝れば済む失敗”じゃないことを理解しているところ。写真のフィルムって、撮り直しが簡単じゃない。だから南の焦りは、ちゃんと怖い。
瀬名のモヤモヤ:コンクールの話にも心が動かない
一方で瀬名も、明らかに“上の空”です。佐々木教授(森本レオ)から勧められているコンクール出場の話にも反応が鈍い、夢の方に気持ちが向いていません。
ここが7話のじわじわ怖いところで、瀬名は失恋したばかりなのに、そこに南とのキスの余韻が重なって、心が完全に“渋滞”している。
音楽って、気持ちの揺れが演奏に直結するから、本人は隠しているつもりでも周りにはバレるんですよね。あるまとめでは、瀬名がぼーっとしているのを子どもたちに「女だよ、女」とからかわれる描写も紹介されています。
この茶化しが、瀬名には痛い。
だって本当のところ、瀬名自身も「南のことを意識してる」と認めるのが怖いから。だから、夢の話にも身が入らない。恋が彼の“壁”を厚くするのか、逆に壊すのか…この時点ではまだわからない、あの不安定さがたまらないです。
真二とるうの修羅場:涼子をめぐって“決定的な亀裂”
そのころ、真二(竹野内豊)とるう(りょう)は、涼子(松たか子)をめぐってトラブルになっていました。
真二って、軽く見えて“いざ”という時に逃げるタイプなんですよね。気持ちを整理する前に、行動が先に出る。
結果、るうの不安を煽ってしまうし、るうも我慢の限界が来る。
感想記事では、真二が涼子に電話した際に一人称が「俺」から「僕」、さらには「私」まで揺れるのが“本気度”の表れだったと書かれていて、めちゃくちゃ納得しました。
あの真二が言葉選びで動揺する。つまり、遊びじゃない。
そして修羅場の末、真二はすり傷だらけで南のいるマンションに現れ、「泊めてくれ」と頼みます。るうにやられた――という説明が、もう強烈。
恋愛がこじれると、ほんとに部屋に帰れなくなるんだな…って、妙に現実的で笑えないやつです。
涼子の“熱”と、瀬名の後押し:恋の矢印が更新される
涼子って、瀬名に対しても“好意っぽいもの”は確かにあった。だけど7話で明確になるのは、真二への気持ちの方が圧倒的に強いってこと。
感想記事でも、涼子が真二に会いたい気持ちを行動に移すところに本気が見える、と言及されています。
そして残酷で美しいのが、瀬名の立ち位置。
瀬名は自分が振られた痛みを抱えながらも、真二と涼子の関係を“後押し”するんです。結果として、涼子は真二と結ばれた――とまとめられています。
瀬名って、恋に関しては臆病なのに、人の恋には優しい。
それが瀬名の魅力でもあるけど、同時に彼自身の幸せを遠ざける癖でもある。7話はその矛盾が、いちばん切ない形で出ます。
フィルムが見つかる:南が辞める覚悟で向かった先にあった“救い”
必死に探しても見つからず、南は責任を取って仕事を辞める覚悟で杉崎の事務所へ向かいます。
でもそこで、フィルムは「拾って届けてくれた人がいた」と聞かされ、胸を撫で下ろす。
この展開、ドラマとしては救いなんだけど、南の心情としては“助かった”だけじゃ済まないんですよね。
もし見つからなかったら、杉崎の仕事だけじゃなく、杉崎という人の信頼まで壊していたかもしれない。だから見つかった瞬間、体の力が抜けるのと同時に、涙が出るくらい怖かったと思う。
そしてここから南は、杉崎と翌日の入稿に間に合わせるため夜通しで作業に入ります。恋で眠れない、仕事で眠れない、責任で眠れない。まさに“眠れぬ夜”が現実になる。
杉崎の告白とキス:「切ないのは、俺が君を好きだから」
徹夜の作業を終えた後、杉崎は南に想いを伝えます。
「いつも精一杯な君を見ると切なくなる」「切ないのは俺が君を好きだから」――この言葉、まっすぐで、ずるいくらい優しい。
南はその優しさに心を打たれて、杉崎とキスを交わす――とまとめられています。
ここで物語は完全に、南の恋を“2択”にしに来ます。
ただ、私はこのキスを「ハッピー!」って単純に喜べないのも南っぽいなと思っていて。
南って、恋愛で夢を見すぎない人なんです。現実を知ってるし、年齢も経験もある。だからこそ、杉崎の言葉が沁みる。でも同時に、その沁み方が“恋だから”なのか、“女として見られた安心感”なのか、本人もまだ判別できていない気がする。実際、視聴者感想でも「南は杉崎への気持ちが、まだ恋まで達していないように感じる」といった見方が語られています。
朝帰りの南、徹夜で待つ瀬名:気まずい視線が答えになる
翌朝、南が帰宅すると、瀬名は徹夜で南の帰りを待っていた。
そして2人は、気まずそうに見つめ合う――このラストが、静かな爆弾です。
瀬名は、言葉にできない。でも、待ってしまう。
南は、言い訳したいのに、どんな言葉も薄っぺらくなるから黙ってしまう。
同じ部屋にいるのに、遠い。
でもその“遠さ”が、もう恋なんですよね。7話は、恋が始まってしまった人間の、一番みっともなくて一番美しい夜を描いた回でした。
ドラマ「ロングバケーション」7話の伏線

7話は事件が多い回なのに、全部が「次の一手」のために配置されているのがすごいところ。
恋愛ドラマって、ただ好き・嫌いを揺らすだけじゃなく、“その人がどんな人生を選ぶか”を揺らしてくる。ここから先、南と瀬名の「ロングバケーション」が、少しずつ終わりに向かって走り出す気配が見えました。
コンクールの話に反応が鈍い瀬名=夢の“停滞”のサイン
佐々木教授が勧めるコンクール出場話に、瀬名が乗り切れない。
これって単なるスランプじゃなくて、「人生を賭ける怖さ」に足がすくんでいる状態に見えます。
6話で瀬名は「ピアノで生きる」と言った。なのに7話では、恋の揺れで現実が入ってきて、夢がぼやける。
この“ブレ”が、この先の瀬名に必要なもの(=壁を壊すきっかけ)を示す伏線になっている気がします。
フィルム紛失は、南の“仕事の覚悟”と“自分の価値”の伏線
南がフィルムをなくし、探し回って、見つかって、徹夜で入稿に間に合わせる。
この一連は「恋より仕事」でも「仕事より恋」でもなく、南が“自分の人生を立て直す”ための第一歩に見えます。
もともと南は、結婚でモデルを引退する予定が崩れた人。つまり一度、人生設計が壊れてる。
そこに写真の世界(杉崎の現場)が入ってくることで、「南が何者として生き直すか」というテーマが濃くなる。フィルム事件は、その導火線です。
杉崎の告白=“安定”という名の強い引力
杉崎が告白し、南とキスをする。
これは恋の進展であると同時に、南にとっての「選択肢」が具体化した瞬間です。
瀬名との関係は、まだ名前がついていない。だからこそ自由で、危うい。
一方で杉崎は、言葉で、行動で、南を大事にする姿勢を見せる。
この“安心できる恋”が、南の心をどこまで掴むのか。ここがこの先の最大の揺れポイントになっていきそうです。
「瀬名と顔を合わせることにこだわる南」=本音が漏れている
公式あらすじにある「瀬名と顔を合わせることにこだわる南」という一文。
これ、ものすごく大事な伏線だと思っています。
“どうでもいい相手”なら、避けても平気なんです。
でも南は、避けたいのに、避けたくない。会ったら崩れそうだから怖い。でも会わないと、それはそれで落ち着かない。
その矛盾って、もう答えなんですよね。南の中で瀬名が「生活の同居人」じゃなくなっているサインです。
徹夜で待った瀬名=言葉より先に出た“恋の証拠”
翌朝、徹夜で南の帰りを待っていた瀬名。
これって、告白よりずっと重い伏線かもしれません。
瀬名は、追いかけるのが苦手。言葉で奪うのも苦手。
でも「待つ」ことで、南が帰ってくる場所を守ってしまう。
ここに、瀬名の恋の形が出ているし、この先の2人の関係が“簡単に切れない”ことを示している気がします。
真二×るう×涼子の決着が、南×瀬名の未来を照らす
真二とるうが涼子をめぐってトラブる、という筋立て自体が伏線。
この三角関係の“痛さ”を先に見せることで、南と瀬名がこれから直面する感情の地雷原を、視聴者に予告しているように感じます。
しかも、るうは修羅場の末に「さよなら」で終わらせた、という視聴者の見方もある。大人の別れ方を見せた後で、南はどうするのか。瀬名はどうするのか。
周辺の恋が、主役の恋を映す“鏡”として機能している回でした。
ドラマ「ロングバケーション」7話の感想&考察

7話を見終わったあと、私はしばらく胸の奥がざわざわしていました。大きな事件が起きたわけじゃないのに、心が落ち着かない。
たぶんそれって、登場人物たちが「自分の気持ちに名前をつけられない夜」を過ごしているからで、見ているこちらも同じ温度のまま引きずられるんですよね。まさに“眠れぬ夜”。
「眠れぬ夜」は、恋の熱だけじゃなく“罪悪感”の夜でもある
南のフィルム紛失って、恋の余韻が生活に溢れ出た結果のミスです。
ここ、私は痛かった…。
大人になるほど、「恋で浮かれたせいで仕事をやらかす」って、自分で自分が許せないんですよ。誰かが怒る前に、まず自分が自分を責める。
実際に視聴者感想でも、出版社で働いた経験がある人が「ネガをなくしたら死にますよ…」とドン引きしていたりして、気持ちわかる…!ってなりました。
ただ、南は“やらかしたまま逃げない”。ここが南の強さで、だからこそ私は南のこと、嫌いになれないんですよね。
「探す」って行動は、責任感でもあるし、贖罪でもあるし、何より“ちゃんと大人でいたい”っていう願い。
恋をしても崩れない女でいたい。仕事を失わない女でいたい。
でも現実は、恋をすると崩れる。だから眠れない。7話の南は、その矛盾を全身で抱えていました。
杉崎の告白が優しすぎて、逆に怖い理由
杉崎の告白は、本当に優しい。「精一杯な君を見ると切なくなる」って、頑張ってる自分を丸ごと肯定してくれる言葉だから。
大人になればなるほど、「そのままでいいよ」って言葉が沁みるんです。結果を出していなくても、若くなくても、完璧じゃなくても、「好き」って言ってくれる人がいるだけで救われる。
ただ私は同時に、ここに“甘い罠”も感じちゃいました。
南は今、人生の足場がぐらぐらしている。結婚が流れて、仕事も失って、同居生活でやっと呼吸を取り戻したところ。そんな時に現れる、まっすぐな好意。そりゃ、手を伸ばしたくなる。
でも視聴者感想にもあったように、南の気持ちは「恋に落ちた!」というより「女として見てもらえた安心感」が強いようにも見えるんです。
ここがすごくリアルで、だから苦しい。
“好きだから付き合う”じゃなく、“寂しいから選ぶ”。この選び方は、後から自分を傷つけることがあるから。
杉崎が悪いわけじゃない。むしろ誠実。
でも誠実な人ほど、優しさが強くて、逃げ場がなくなることもある。南の恋がこのまま「安心」に寄っていくのか、それとも…。7話は、その分岐点に立たされた夜でした。
瀬名の“徹夜で待つ”は、告白よりも不器用で重い
瀬名って、言葉で攻めない。
その代わり、「帰ってくる場所を守る」ことで愛情を示す人なんだと思います。
7話ラスト、南の帰りを徹夜で待っていた瀬名。
これ、恋愛テクニックとしては最悪です。重いし、圧にもなる。
でも瀬名の人格でこれをやってしまうと、“計算じゃない”のが分かるから、刺さるんですよ…。ただひたすら不安で、ただひたすら待ってしまった夜。恋ってこういうところが怖い。
南も、きっと気づくはずなんです。
自分の帰りを待つ人がいる、という事実に。
その瞬間、杉崎とのキスの余韻が、急に色を変えるかもしれない。7話のラストは「これ以上進んだら戻れない」と予感させる目線でした。
真二とるうの別れが教えてくれる「大人の終わらせ方」
真二とるうの修羅場は、見ていてしんどかったです。
真二は逃げた。向き合うのが怖くて、るうの気持ちを置き去りにした。だから、責められて当然。
でも、るうが最後に「さよなら」で終わらせた、という見方があって。
あれって本当に大人。未練があっても、相手の心がもう別の場所にあるって理解して、区切る。
恋愛って、相手の気持ちが移った瞬間に“負け”が決まるんじゃなくて、自分の尊厳を守れたかどうかで、後味が変わると思うんです。
るうの姿は、この先の南にも重なって見える。
南は、杉崎と瀬名の間で揺れてしまうかもしれない。
その時に、南はどんな“終わらせ方”を選ぶのか。7話はその予習でもありました。
何度も見たくなるドラマって、こういう回があるからだと思う
SNSでも『ロングバケーション』を「学生の時に見た」「大人になって見返したらまた違う」といった声があって、まさにそうだなって思いました。
7話って、若い頃に見ると「うわ、キスのあと気まずっ!」ってドキドキ見られるし、大人になって見ると「仕事のミスが致命的すぎて胃が痛い」「“女扱い”に救われる気持ち、分かりすぎる」って、別の意味で眠れなくなる。
私自身、この回は“恋の回”というより、“人生の回”に感じました。
恋って、ただ心が温かくなるものじゃなくて、生活を壊す力もある。
でも壊れた後に、新しい自分を作り直す力にもなる。
南が走り回った一日も、瀬名が待ち続けた夜も、真二が傷だらけで逃げ込んできたことも、全部が「人生がうまくいかない時期」のリアルです。
だからこそ、7話は“眠れぬ夜”というタイトルが似合いすぎる。
次回、南は杉崎と瀬名、どちらの目を見て笑うんだろう。
その笑顔に、神様はどっちの味方をするんだろう――なんて、つい考えてしまうくらい、7話の余韻は強烈でした。
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