第1話は、ヒーロードラマとしては驚くほど静かに始まる。
爆発も戦闘もない。代わりに描かれるのは、「嘘をつけない」という理由だけで人生が詰んでいった青年・ナガレの生活と、彼を取り巻く重たい空気だ。
この記事では、「こちら予備自衛英雄補?!」第1話のあらすじとネタバレを整理しながら、なぜこの物語がアクションではなく会話で始まったのか、そして“嘘がつけない個人”と“建前で動く国家”という対比が何を示しているのかを読み解いていく。
こちら予備自衛英雄補?!(こち予備)1話のあらすじ&ネタバレ

第1話の焦点はシンプルで、でも重いです。
「嘘をつけない」せいで人生が詰んでいったナガレが、国家に“ヒーロー候補”として召集される。
そして、彼が封印していた能力と過去が、密室の会話の中で暴かれていく——この“誕生回”でした。
2000年代初頭、「ヒーロー=戦力」になった世界
物語の舞台は2000年代初頭。
超人的な能力を持つ「ヒーロー」が世界を席巻し、国によっては“戦力”として扱われるのが当たり前になっていきます。
でも日本は、憲法の制約から「戦力を保持できない」という建前が強い国。
その結果、「日本にはヒーローがいない」という状況が“今も続いている”とされます。ここがまず、めちゃくちゃ皮肉で、物語の骨格なんですよね。
ナガレのどん底生活:「嘘をつかない」と決めた理由
主人公はフリーターのナガレ(流偉月)。
周りに溶け込めず、就職活動も失敗し、どん底の生活を送っている青年です。
そして彼は、“ある理由”から「嘘をつかない」と決めて生きてきた人物。
この時点ではまだ、なぜそこまで頑ななのか、本人の口から全部が語られるわけではありません。ただ、嘘が「ちょっとしたズル」じゃなくて、彼の人生そのものを壊す引き金だったことだけは、空気で伝わってきます。
防衛省からの極秘招集:密室に集められた7人
ある日、ナガレのもとに防衛省から極秘の招集がかかります。
行き先は防衛省。そこでナガレは、自分以外にも招集された人たちと顔を合わせることになります。
集められていたのは、年齢も職業もバラバラな6人——
- 会社員のサエ(火尾紗衣)
- 大学生のチュータ(元木忠大)
- トラック運転手のユタニ(油谷土門)
- 女子高生のサピピ(金谷幸子)
- 老婆のフジワラ(藤原曰子)
- 研究員のミズノ(水野学)
そして彼ら7人全員が、“とある能力”を秘めていると告げられます。
ここ、集められた面々の“人生の匂い”が濃いんです。公式の人物紹介だけでも、すでに「社会でうまくやれなかった理由」がそれぞれ匂う。
たとえば——
サエは“ある理由”で人と関わらず、職場でも浮いた存在。
ミズノはプライドが高くクールに見えるけど、能力のせいで誤解されがちで他人に心を開けない。
フジワラは基本的に他人を信用せず、年金で一人暮らし。
「能力がある」って、普通ならヒーローっぽくてワクワクするはずなのに、この作品では最初から“生きづらさ”の香りが勝つ。そこが独特です。
マドズミの説明:「予備自衛英雄補」という回りくどい肩書き
彼らの前に立つのが、防衛省職員のマドズミ(窓隅光)。
真面目で実直だけど不器用で出世できず、冴えない人生を送ってきた人物で、この“予備自衛英雄補”の担当として成果を上げたい——そんな思いも透けて見えます。
マドズミは7人に告げます。
「皆さんは日本初の予備自衛英雄補に選ばれました。」
……言葉が長い。言いづらい。
でも、その“言いづらさ”がむしろ核心で、日本の建前の固さを表している気がするんですよね。
ヒーローを戦力として持てない。
だから、ヒーローとは言わない。
だけど能力者は必要。
だから「予備」「自衛」「英雄」「補」みたいな単語を重ねて、なんとか制度っぽくする。
この作品、アクションじゃなく会話劇で勝負すると聞いていましたが、こういう“言葉の設計”だけでニヤッとさせる力があるの、強いです。
報酬120万円と、承諾ムード:でも拒む2人がいる
防衛省側は、任務に就く“報酬”として120万円を提示します。
ここで空気が一気に現実寄りになるんですよね。どれだけ「能力者」「ヒーロー」と言われても、結局は生活の話。
提示された金額に心が動くメンバーが出る一方で、最後まで拒否の姿勢を崩さないのがナガレとサエ。
ナガレはそもそも「国を守りたい」と思っていないし、嘘をついて任務に就くのは嫌だと拒否します。サエもまた、人と関わること自体を避けてきた人。密室で“チーム”なんて、精神的に無理があるのが伝わってきます。
ここでポイントなのは、拒否が「ワガママ」じゃないこと。
2人とも、自分の能力と人生に折り合いをつけるのに必死で、その上で“国家案件”が降ってくる。しんどいよ……ってなる。
防衛大臣クロカワ登場:ナガレの能力が暴かれる
話が動くのは、防衛大臣クロカワ(黒川稔)が現れてから。
クロカワはナガレに対して、母親との軋轢を言い当てるように踏み込みます。そして「20年会っていない母親に会いたいか」と問いかける。
ナガレは「会いたくない」と答える。——その瞬間、ナガレの身体が宙に浮く。
ナガレの能力は、嘘をつくと身体が浮くというもの。
しかもその高さは最大で30センチ。派手に飛べるわけじゃない。ほんの、たった、30センチ。
嘘をついたことが“目に見えて”バレる。
優しい嘘も、守るための嘘も、全部バレる。
この能力、ヒーローというより呪いです。
回想:嘘がきっかけで、母との関係が壊れた
第1話では、ナガレの幼少期の回想が挟まれます。
能力が発現したことで母との関係が壊れ、母から厳しく叱責され、やがて虐待を受けるようになった——という過去が示されます。
ここが、見ていて胸がギュッとなるところ。「嘘をついたら浮く」って、字面だけならコメディみたいなのに、子どもに起きたら地獄なんですよ。嘘をついた瞬間に“異物”になる。家の中でさえ、逃げ場がない。
でも同時に、幼い頃の母の言葉も残っている。
母から「いつかヒーローになれる」と言われた記憶が、ナガレの中に刺さったまま残っている。
憎いのに、会いたくないのに、どこかでまだ“期待の残骸”がある。
この矛盾が、ナガレを一番苦しめてるんだと思います。
ラスト:ナガレが任務を受け入れる/第2話への引き
クロカワの前で能力が明らかになり、過去の傷まで突かれて、ナガレは逃げ場を失います。
そのうえで彼は、予備自衛英雄補の任務を受け入れる決断へ。
第1話はここで大きな“爆発”を起こさず、あくまで「誕生」までを丁寧に描いて終わります。
そして次回は、7人の間でコスチュームの色を巡って言い争いが起き、さらにフジワラが意識不明に。サエがある決意をして、能力が明かされる——という流れが示されています。
第1話の確定ポイント整理
- 舞台は2000年代初頭で、世界ではヒーローが戦力化している
- 日本には憲法の制約があり、「公式なヒーローがいない」とされる
- ナガレ含む7人が防衛省に極秘招集され、“能力者”だと告げられる
- ナガレの能力は「嘘をつくと身体が浮く(最大30センチ)」
- ナガレは母との過去を抱えつつ、任務を受け入れる方向に踏み出す
こちら予備自衛英雄補?!(こち予備)1話の伏線

第1話は“世界観の提示+ナガレの能力開示”が中心だったぶん、伏線も「まだ説明してないこと」が大量に残されています。
ここでは、提示された情報を整理しつつ、次回以降どこが回収ポイントになりそうかをまとめます。
伏線①「日本にヒーローがいない」は本当に“ゼロ”なのか
提示された要素:憲法の制約により日本にはヒーローがいない
回収の焦点:「公式にいない」だけで、能力者そのものは存在している(=7人がその証明)
意味:制度上の“いない”と、現実の“いる”のズレが物語の皮肉。ここが崩れた瞬間に、国も社会も揺れるはず。
伏線②「予備自衛英雄補」という言葉の回りくどさ=国家の本音
提示された要素:「日本初の予備自衛英雄補に選ばれました」という宣言
回収の焦点:なぜ“ヒーロー”と言い切れないのか/なぜ“予備”なのか
意味:本音(戦力が欲しい)と建前(戦力は持てない)の間で作った苦し紛れの制度。
つまりこの言葉そのものが、作品のテーマ装置です。
伏線③ マドズミの「出世したい」という欲
提示された要素:マドズミは真面目で実直だが不器用で出世できず、担当として成果を上げたい
回収の焦点:7人を“守る担当”になるのか、それとも“利用する担当”に寄っていくのか
意味:ヒーロー側の葛藤だけじゃなく、管理する側の欲がドラマをこじらせる可能性がある。
伏線④ クロカワがナガレの過去を把握していた理由
提示された要素:クロカワが母親との軋轢を言い当て、ナガレの能力が露見する
回収の焦点:防衛省はどこまで個人情報を把握し、どうやって“能力者”を見つけているのか
意味:7人が“偶然集められた”のではなく、誰かがずっと追っていた匂いがする。
伏線⑤ サエが人と関わらない「ある理由」
提示された要素:サエは“ある理由”によって人と関わらない。会社でも浮いた存在
回収の焦点:その理由が能力と直結しているのか/過去の事件があるのか
意味:第2話で能力が明かされる流れが示されているため、ここは最速で回収されそう。
伏線⑥ ナガレの“30センチ浮遊”は弱点か武器か
提示された要素:嘘をつくと浮くが、最大30センチ
回収の焦点:この“微妙な高さ”が、どんな局面で役に立つのか
意味:派手な能力じゃないからこそ、使い方とチーム戦で価値が変わる可能性がある。
(逆に言えば、使い方を間違えると、ただの苦しみで終わる。)
伏線⑦ 報酬120万円=「国が人生を買う」構図
提示された要素:報酬として120万円が提示される
回収の焦点:金で動くのか、金で壊れるのか
意味:どん底の人間にとって、120万円は“希望”にも“罠”にもなる。ここをどう描くかで作品の温度が決まりそう。
伏線⑧ 次回、フジワラが意識不明に。サエが決意する
提示された要素:第2話でフジワラが意識不明、サエが決意、能力が明かされる
回収の焦点:密室の会話劇が“命の危機”に触れたとき、7人はどう動くのか
意味:第1話は誕生回だったぶん、次回から「能力が現実の問題に向き合う」フェーズに入りそうです。
こちら予備自衛英雄補?!(こち予備)1話の感想&考察

第1話って、派手に事件が起きるタイプじゃないのに、見終わった後の余韻が強いんですよね。
笑えるところもあるのに、最後はちゃんと心が重くなる。ここが、このドラマの“クセ”だなって思いました。
ヒーロー物なのに、いちばん刺さるのが「生活のしんどさ」
世界を救うとか、防衛省とか、言葉だけ見ると壮大なんだけど。第1話で一番リアルだったのは、ナガレの「生きるのが下手になってしまった感じ」でした。
嘘がつけない。
それって“誠実”にも聞こえるのに、実際は社会を生きる機能が削られるんですよね。
就活でも、友達関係でも、恋愛でも、ほんの少しの“角を取る嘘”が必要な場面ってある。そこで全部が詰む。
「能力」って言われた瞬間から、私はちょっとワクワクしてたのに、出てきたのが“最大30センチ浮く”っていう、微妙すぎる現実。
笑っちゃうのに、笑ったあとで「あ、これ本人は地獄だ」って気づいて静かになる。あの感覚、ずるい。
母との回想が切なすぎて、コメディの顔してない
回想シーンで描かれる、母との不和。
能力が発現したことがきっかけで、母から厳しく叱責され、やがて虐待へ——この背景が重い。
でも、ただ暗いだけじゃなくて、母が「いつかヒーローになれる」と言った記憶が残っているのが、また残酷で。
好きとか嫌いとかじゃない。
憎しみの中に、愛の残りカスが混ざってる。
だからナガレは、嘘をつけないだけじゃなく、人生の選択肢も狭くなる。
第1話で「チーム結成!」って盛り上げるより先に、まず“ナガレという人間の傷”を見せたの、私は好きでした。
7人が揃ってるのに「能力を見せない」贅沢
第1話の時点では、ナガレ以外の6人の能力がほぼ明かされません。
普通なら、初回で全員の能力見せて派手にいきそうなのに、ここはあえて“会話の間”で見せる。
だからこそ、サエの「人と関わらない理由」が気になるし、
ミズノの“能力のせいで誤解される”って何?ってなる。
この“気になり方”が、次回への強いフックになってました。
SNSの反応:驚きと同情が同時に来る「浮いた!」の破壊力
ナガレの能力が明らかになった瞬間の反応は大きくて、「え?浮いた!」「なんちゅう能力!!」みたいな驚きの声や、本人にも親にも同情する声が目立ちました。
私も同じで、最初は「浮くの面白い」って思ったのに、すぐに「これ、人生が壊れるやつだ…」に変わる。笑いと痛みを同時に出してくるタイプの作品って、ハマると抜けられないんですよね。
「嘘」と「建前」のドラマとして見ると、急に深くなる
ここからは私の考察なんだけど。
この作品、ナガレ個人の“嘘の呪い”だけじゃなくて、日本社会の“建前の嘘”も同時に刺してる気がします。
日本にはヒーローがいない(建前)
でも能力者はいる(現実)
だから「予備自衛英雄補」という回りくどい制度を作る(言葉でごまかす)
ナガレは嘘をつくと浮いてバレる。
日本は嘘(建前)をついても浮かない。だから続けられる。
この対比、めちゃくちゃ強いと思う。
“嘘がつけない個人”と、“嘘で制度を回す国家”。
第1話って、もうこの構図が提示されてるんですよね。
考察:サエはナガレの「鏡」になるかもしれない
第2話でサエの能力が明かされる流れが示されているので、ここも予想しやすい。
ナガレは「嘘がつけない」ことで、人と繋がれない。
サエは「ある理由」で、人と関わらない。
この2人って、方向は違うけど“孤立”の形が似てる。
だからこそ、チームの中で一番早く心がぶつかるのも、この2人かもしれないし、逆に一番理解し合うのもこの2人かもしれない。
(ここはまだ考察なので、次回以降の描写次第で全然変わります!)
次回の注目ポイント(簡易整理)
・サエの能力は何なのか
・フジワラが意識不明になる理由と、7人の“初めての危機”
・マドズミは“担当”として味方になるのか、管理側の論理に飲まれるのか
・ナガレは「嘘をついてでも守る」瞬間にどう向き合うのか
こちら予備自衛英雄補?!(こち予備)の関連記事
こち予備の全記事のネタバレはこちら↓


コメント