『サンクチュアリ-聖域-』の最終回を見終えた多くの人が、同じ感想を抱いたはずです。
「これは終わったのか、それとも始まったのか」。
勝敗は描かれず、暗転で終わるラスト。物語としては完結しているのに、感情としては終わっていない。この強烈な余白が、「サンクチュアリ シーズン2はあるのか？」という疑問を自然に生みました。
本記事では、シーズン2の公式発表状況／制作が難しいと言われる理由／それでも続編が期待される根拠／もし続くなら描かれるであろう内容を、現時点で整理できる情報と作品構造の両面から掘り下げます。
結論を急がず、「なぜこの作品は続編を想像させてしまうのか」から丁寧に考えていきます。
「サンクチュアリ 聖域」のシーズン2の放送はある？
結論から言うと、2026年現在、「サンクチュアリ -聖域-」シーズン2の制作・配信（放送）について、Netflixや制作側からの公式な発表は出ていません。
Netflixの作品ページでも、表記は「2023／全8エピソード」のみで、シーズン1以降の情報は確認できない状況です。
さらに、主演の一ノ瀬ワタルさん自身も、2025年夏の番組出演時に「続編については、まだ分からない」という趣旨の発言をしており、少なくとも現場レベルで“決定事項として進んでいる”状態ではなさそうです。
「サンクチュアリ 聖域」は今のところシーズン2は「ない」が「可能性がゼロ」とも言い切れない
ここがややこしいところで、現状は未発表＝未定。だから「やる」とも「やらない」とも断言できません。
ただ、
・公式ページがシーズン1止まりであること
・主演が続編について明言できていないこと
この2点を踏まえると、少なくとも“近いうちに配信される”空気感ではないのは確かです。
一方で、視聴者側の熱が冷めていないのも事実です。主演のトレーニング投稿などに「そろそろ2？」といった反応がつくのは、この作品の終わり方が強烈だったからでしょう。
シーズン2がありそうな終わり方だったのは事実
「サンクチュアリ -聖域-」が続編待望論を生む最大の理由は、ラストが“終わったのに終わっていない”構造だったことです。
特に象徴的なのが、最終盤の取組が決着まで描かれず、当たった瞬間に暗転する演出。
勝敗を提示しないことで、視聴者の頭の中に「その後」が自然に立ち上がる。この構造は、物語としても続編の入口になり得る作りでした。
さらに、最終話の尺が短めで、断髪式など“儀式の時間”を丁寧に見せる一方、スポーツドラマ的なカタルシス（勝敗の決着）をあえて置いていった。
だから、物語としては完結しているのに、感情としては終わらない。このバランスが「続きが欲しい」という声を生み続けています。
それでも「撮影が厳しすぎて、シーズン2は難しそう」と言われる理由
ここは作品の性質上、かなり現実的な話になります。
相撲ドラマは、会話や演技だけでは成立しません。身体が映った瞬間に嘘がバレるジャンルです。
だからこそ、「サンクチュアリ」は役者に求める負荷が桁違いでした。
体づくりが“イベント”じゃなく“生活”レベル
一ノ瀬ワタルさんは、役づくりのために体重を大幅に増量したことを公言しています。これは単なる役作りではなく、生活そのものを変えるレベルの負荷です。
しかも、撮影後には体重を落とす必要も出てくる。
身体へのダメージと、その後の仕事との両立を考えると、続編が簡単に決断できないのは自然です。
また、股割りなどの基礎稽古も毎日続け、身体ができるまでに相当な期間を要したとも語られています。つまり、続編があるなら同等、もしくはそれ以上の準備期間が必要になります。
オーディションの時点で“修行”が始まっている
相撲のオーディション段階から、四股を何百回も踏むなど、すでに“撮影前から修行”のようなプロセスが始まっていました。
続編をやるということは、もう一度その入口を通り直すことに近い。
制作スパンが長いタイプの作品
本作は、短期間で量産するタイプのドラマではありません。役づくりから撮影まで、長い時間をかけて一気に作り込む作品です。
仮に続編が動くとしても、短期回転でポンと出てくるタイプではないでしょう。
現場の熱量が高いほど、再集結が難しい
キャスト・スタッフともに、作品への没入度が非常に高かった分、同じ熱量をもう一度揃えるのは簡単ではありません。
これはデメリットであると同時に、作品の質を保つための“ブレーキ”でもあります。
もしシーズン2があるなら、描かれるのは“勝敗”より「その後」
個人的に、もし続編があるとしたら、勝敗の答え合わせだけでは終わらせないと思っています。
この作品が本当に描きたかったのは、「勝った／負けた」ではなく、土俵に立つ人間が、どう変わるかだったはずです。
最終回の暗転は、その思想の表れでもあります。
だからシーズン2が実現するとしたら、焦点はこうなるでしょう。
・猿桜が“強さ”をどう受け止め、どう使うのか
・静内が自分の過去とどう折り合いをつけるのか
・協会や周辺の大人たちが、どこまで変われるのか（あるいは変われないのか）
この「勝負の外側」に踏み込めたとき、続編はスポ根ではなく、本当の意味での人間ドラマとして完成するはずです。
「サンクチュアリ 聖域」シーズン2のまとめ
・現時点で、シーズン2の公式発表はない
・Netflix上でもシーズン1のみの表記
・主演本人も「まだ分からない」というスタンス
・ただし、最終回の暗転ラストなど、続編を想像させる余白を残した終わり方だったのも事実
・一方で、体づくりや稽古の負荷、制作スパンの長さを考えると、
シーズン2が仮にあるとしても、簡単に作れる作品ではない
続編が来ないなら来ないで、この作品は「聖域に飲み込まれそうな人間が、それでも土俵に立つ話」として、きれいではないけれど、確かな完結をしています。
でも、もし続きが来たら――たぶんまた、“相撲ドラマの皮をかぶったえげつない人間ドラマ”として、こちらの覚悟を試してくる。
そう思わせる余韻を残した時点で、「サンクチュアリ -聖域-」は、もう十分に特別な作品です。
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