火曜の深夜ドラマ「闇金ウシジマくん シーズン3」の第8話が終了しました。

神堂の手により、上原家財産没収計画がスタートしました。これにより、ついに上原家では一人の命がなくなりそうですよね・・。上原とウシジマに関わりがでてきますね。
美奈はついに因縁の母親である恵美子と決着をつけました。美奈編は終了したので、あとは上原まゆみ編だけです。
2016年9月20日(火)深夜25時28分放送のドラマ「闇金ウシジマくん シーズン3」最終回第9話のあらすじ(ネタバレ)と感想を紹介します。
※以後ネタバレ注意
闇金ウシジマくん(シーズン3)9話(最終回)のあらすじ&ネタバレ

第9話は、「洗脳くん編」の最終章。
シリーズ屈指の陰惨さと緊張感の中で、支配・暴力・救済が交錯する最終回となった。
ウシジマ(山田孝之)は情報屋・戌亥から占い師テシガワラの過去を聞き、上原家が洗脳師・神堂(中村倫也)に支配されていると知る。
テシガワラがかつて神堂の指示で家族を殺し、ドラム缶に詰めて遺棄したという噂を聞いたウシジマは、上原家の悲惨な状況を察知し、動き出す。
神堂による家族支配と暴力
上原家では、神堂が完全な支配者として君臨していた。
父・重則はスーツ姿のまま椅子に縛られ、連日電気ショックを受ける拷問を受けている。親戚の土地を売却して金を捻出しようとするも失敗し、怒りの矛先は娘・まゆみに向く。
妹・美由紀はデリヘルで働きながら姉を責め、母・町子は父の暴走に怯えながらも何もできず精神的に崩壊していく。
神堂は「新しい家長」として夫・和也に暴力の権限を与え、彼を操って父を殴らせる。
その一方で、まゆみに父の不貞の証拠動画を見せ、家族の信頼を徹底的に壊す。
まゆみが映像を母に見せたことで、町子は初めて夫の裏切りを知り、怒りの矛先を夫に向ける。
神堂はこの混乱を利用して、「家族の怒りを一つにしろ」と扇動し、家族全員を暴力の連鎖に巻き込んでいく。
神堂の最終計画と血の惨劇
神堂は「家長」となった和也に父の制裁を命じる。洗脳されきった和也は父を殴り続け、重則は息絶える。
その後、ウシジマの協力者であるヤクザ・柏木が様子を見に来るが、錯乱した家族は彼を敵とみなし、包丁で襲い掛かる。
町子が柏木を刺殺し、家族は返り血にまみれながら神堂の指示に従う。
風呂場には死体が転がり、家の中は完全な地獄と化す。
ウシジマの登場とまゆみの覚醒
借金回収に現れたウシジマは、部屋に入るなり神堂を殴り倒す。
逃げ惑う家族を制止し、神堂の「まゆみを刺せ」という命令を無視させるよう促す。ウシジマはまゆみに向かって「自分と腹の子を守る覚悟を持て」と言葉を投げかける。
泣き崩れるまゆみは包丁を捨て、初めて神堂の支配に逆らう。
神堂はウシジマの部下に取り押さえられ、3,000万円の返済を突きつけられるが、「金ならすぐ作れる」と開き直る。
神堂は新たな女性を騙して300万円を得るも、直後に警察が突入。
暴行・殺人の容疑で逮捕され、テシガワラも共犯として拘束される。
二人は後に死刑判決を受ける見込みとされ、上原家を苦しめた“支配の連鎖”はようやく断ち切られる。
エピローグ――それぞれのその後
ウシジマの世界では、残された人々がそれぞれの再生を模索する。
元ニートのコセは老人向けのパソコン教室を開き、初めて“自分の力で生きる喜び”を知る。
美奈はスーパーで働きながら母に弁当を差し出すが、一緒には暮らさず、依存の連鎖を断ち切ることを選ぶ。
そして、まゆみは服役を終え、4年後に刑務所を出所。出迎えたウシジマから刑務作業で得た金を受け取り、かつての“禁じられた言葉”を問いかける。
「受け入れれば、禁じられたことなどない」――彼は覚えていないと答えるが、その沈黙が彼女への赦しを示していた。
保育園で遊ぶ子どもたちを見つめ、まゆみは静かに涙を流す。ウシジマはティッシュを差し出し、彼女の新たな人生の始まりを見届ける。
闇金ウシジマくん(シーズン3)9話(最終回)の感想&考察

洗脳と家族崩壊――人の“信仰”が地獄を作る
最終回の主題は「信じることの危険性」だ。
神堂は暴力ではなく“信頼”を武器に人を支配する。「家族のため」「愛している」「守りたい」――その言葉を繰り返すことで、被害者たちは自分の意志で破滅へ向かうよう錯覚する。
ウエハラ家の崩壊は、カルトやマインドコントロールの典型構造そのものであり、人間がどれほど脆く、恐怖に支配されやすい存在かを突きつけた。
ウシジマの倫理と“無償の助言”
ウシジマは闇金業者として冷徹でありながら、相手の“選択”を奪わないという点で神堂とは真逆の存在だ。
彼の言葉「自分と腹の子を守れ」は、まゆみに生きる意思を取り戻させた。
最終シーンで彼が“覚えていない”と答えるのは、彼女の罪を責めるのではなく、過去をリセットして生き直すことを許す無言の赦しである。
それはウシジマの中にある、人間らしい“倫理の境界線”を象徴していた。
美奈と母の別れ――貧困からの自立
美奈が母に弁当を渡しながらも共に暮らさないと告げる場面は、依存の連鎖を断ち切る決意の象徴である。
「愛しているけれど一緒にはいられない」――この複雑な感情こそ、貧困や暴力の連鎖を断つために必要な“痛みを伴う成長”だ。
母を責めず、ただ距離を取る選択が、彼女の最も成熟した行動だった。
カズモリの再生――“働くこと”の意味
カズモリ(コセ)の成功は、ウシジマ世界における数少ない救いだ。
彼がPC教室を軌道に乗せたのは、他人を利用するのではなく、自分の力で誰かを助ける生き方を選んだからだ。
労働は“罰”ではなく“再生”の手段であり、ウシジマが語ってきた「考えるのをやめたら人間は終わり」という信念を体現している。
総括――地獄の中の“わずかな光”
第9話は、洗脳・暴力・依存の果てに生まれる“再生”を描いた集大成だった。
神堂の死とウエハラ家の崩壊は、絶望の象徴であると同時に、まゆみが生まれ変わるための“破壊”でもあった。ウシジマは救済者ではなく、ただ現実を突きつける観察者。
しかしその無言の優しさが、地獄の中の唯一の光として物語を締めくくった。最終回の余韻は重く、だが確かに温かい。
――「受け入れれば、禁じられたことなどない」。その言葉は、ウシジマくんという作品の根底に流れる、人間への希望の証だった。
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