毎週火曜10時から放送の「ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」ですが、第3話もすごい内容でしたね。下半身を切り取っているなんて・・・。

佐々木希さんがまさかの異常犯罪者だったとはビックリしました。第4話ではその犯人と比奈子が戦いますが、どうなるでしょうか。
ドラマ「ON異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」は2016年8月2日(火)の22時よりフジテレビ系で第4話のあらすじと感想を書いていきます。
※以後ネタバレ注意
「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」4話の見どころ…衝撃の対決と黒幕の影

第4話は、前半で異常犯罪者との直接対決という最大の山場が描かれ、後半では「スイッチを押す者」という不気味な存在が姿を現す大きな転換点となりました。
ここからは、緊迫のクライマックスと新たなシリーズ本筋の謎について整理していきます。
異常犯罪者との対決と緊迫のクライマックス
第3話から続いた女性連続殺人事件がついに決着。犯人・佐藤都夜(佐々木希)は、モデル時代に負った傷から“完璧な自分”を作ろうと皮膚を剥ぎ取る異常犯罪に走っていました。
拘束された比奈子に「あなたの顔の皮も欲しい」と迫り、女同士の極限の心理戦が展開されます。比奈子は恐怖ではなく異常な興味を示し、逆に都夜を挑発。刺されながらも「その顔が見たかった」と呟く比奈子の狂気は圧巻でした。
東海林と中島が駆けつけ収束するまでのクライマックスは、緊迫感と比奈子の危うさが際立つシーンでした。
明かされる「スイッチを押す者」の謎と新展開
事件解決後、物語はシリーズ全体に関わる不気味な展開へ。匿名の送り主「スイッチを押す者」から届いたDVDには、宮原や鮫島ら凶悪犯が自殺する直前の映像が収録されていました。テレビで放送され、解説に登場した早坂院長(光石研)が「神の裁き」と発言したことで、不穏さが増していきます。
やがて浮かび上がったのは、これまでの自殺者たちがハヤサカメンタルクリニックと繋がっていた事実。そして全員の脳に同じ腫瘍が発見されていたという共通点でした。点在していた異常事件が一本の線に繋がり、「スイッチを押す者」の正体と目的を巡るシリーズの本筋が動き出します。
ラストでは模倣犯を思わせる新事件が発生し、物語はさらなる混迷へ。第4話は、単発事件から長編ミステリーへの大きな転換点となる重要回でした。
ON異常犯罪捜査官(ドラマ)第4話のあらすじ(ネタバレ)

藤堂比奈子(とうどう ひなこ)(演:波留)の家の近くで呪いの館と言われる建物で発見された身体の一部が切り取られた4人の若い女性の遺体が発見された。その近くで新たに佐和(演:中島亜梨沙)が連れ去られたと親しい友人の佐藤都夜(演:佐々木希)より警察に通報があった。
郁夜によると、佐和は以前からストーカに狙われていたと証言をしていたが、実際は一連の殺人事件を狙ったのも佐和を狙ったのも全て郁夜の反抗であった。その目的は今回被害にあった女性の美しい肌が欲しいとのことで、皮膚を切り取っていたのだ。
さらに、睡眠薬で眠らされてしまった比奈子は、郁夜にあなたの顔の皮膚も欲しいと言われ、ハサミを突きつけられてしまう。
中島保(なかじまたもつ)(演:林遣都)と東海林泰久(しょうじやすひさ)(演:横山裕)は車で駆けつけるも・・・。
一方で、自殺と思われる不審な死をとげていた鮫島と宮原の死に際の映像がなぜかテレビで放送される。匿名で誰かがテレビ局へ送りつけたみたいだ。番組には中島の上司でもあり、ハヤサカメンタクリニックの院長である早坂雅臣(演:光石研)が出演。この2人の映像を観た林が”神の裁き”と呼び、凶悪犯罪者に対する抑止力になると明言する。
テレビ局から押収したDVDの中には、他にも映像が入っていた。白衣姿の医師が注射で自殺する映像も残されていた。警察が知る限り、ほかにも小学生を殺害した男性が心臓をナイフで突いて自殺、比奈子の同僚を殺害した大友も留置場で頭を砕いて自殺している。
厚田巌夫(あつたいわお)(演:渡部篤郎)が一連の事件を誰かが世間に公表しようとしていると指摘した上で、故意に自発を誘発している人物を調べあげ、食い止めるように指示をする。
「ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子」4話の感想&考察

第4話は、犯人の“美への執着”という動機の深掘り、比奈子の内面露出、そしてシリーズ全体を貫く謎が一気に加速する転換回。ここからは筆者の視点で、印象的なポイントを論理的に掘り下げます。
犯人・佐藤都夜の狂気と悲しき動機
元モデルの佐藤都夜は、ストーカーに硫酸を浴びせられ背中に深い傷を負った過去から、“完全な自分”を取り戻すために他者の皮膚を剥ぎ「皮膚のスーツ」を作ろうとする異常犯へと転落した。
この動機は狂気そのものだが、奪われた美と自尊心の喪失が生んだ歪みでもある。都夜は被害者であり加害者――その二面性が恐怖と哀れみを同時に呼び起こす。
追い詰められた都夜に対し、比奈子は「奪っても完全にはなれない」と冷徹に言い切り、心の醜さを突いて相手の“スイッチ”を押す。刺されてもなお「その顔が見たかった」と呟く比奈子――犯人の本性を暴く瞬間に興奮を覚える主人公の危うさが、女対女の心理戦の緊迫を極限まで高めた。最終的に都夜は東海林らに制圧されるが、4話前半は彼女の悲劇と狂気が強烈な余韻を残す。
藤堂比奈子の異常性と東海林・中島との関係性の変化
比奈子は幼少期から感情の希薄さを自覚し、“自分を知るため”に殺人者へ惹かれてしまう。都夜との死闘後、病室で「初めて人を殺すかと思った」と打ち明ける場面は、彼女自身が境界線上を歩いている事実を刻み込む。
一方、比奈子を挟む二人の男性像は一層対照的に。
- 東海林:激情型の現場刑事。危険を顧みず比奈子を救う“熱いストッパー”。信頼と仲間意識がより濃く描かれる。
- 中島:冷静な精神科医。比奈子の“作り笑い”と異常性を見抜きつつも、「怪物なんていない。犯罪者も人間だ」と彼女を人として受け止める。現場で見つけた比奈子のナイフを黙って返す行為は、理解と秘密の共有を伴う危うい信頼を示した。
この三角構図は、比奈子を“現実へ引き戻す力”(東海林)と“闇を言語化して踏み込ませる力”(中島)が拮抗する形で、物語の推進力となっていく。
浮上した「スイッチを押す者」と早坂院長の思惑を考察
後半はシリーズ本筋の謎が一気に前景化。凶悪犯の“自殺直前映像”を送り付ける匿名の存在「スイッチを押す者」がテレビ放送を通じて世間を挑発し、早坂院長は「神の裁き」「抑止力」と発言――倫理線を越える価値観を露わにする。
自殺した犯人たちに共通するのは、ハヤサカメンタルクリニックとの接点と、脳(扁桃体)の腫瘍。点だった事象が線で繋がり、黒幕の意図が“治療”ではなく“選別と排除”へ傾く可能性が見えてくる。内部協力者の存在示唆や、模倣事件の発生で“網を広げる”段階へ――緊張は頂点へ向かう。
同時に、中島の過去(5年前の“キャンディ事件”の第一発見者)という私的トラウマも示され、彼が早坂と比奈子の間でどの立ち位置に収束するのかが次なる見所に。
まとめ:境界を問う物語が、倫理を問う段階へ
第4話は、単発事件の決着と並行して「人はなぜ殺人者になるのか」「誰が裁くのか」という二重の命題を前面化。
比奈子は“正常/異常”の境界線に立ち続け、東海林は正義で引き戻そうとし、中島は人間として受け止めようとする。そこへ“神の裁き”を自称する黒幕が介入し、物語は倫理の地平へ踏み込んだ。次回、比奈子はどちら側に引かれ、誰のスイッチが押されるのか――緊張はさらに高まっていく。
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